井伏鱒二のレビュー一覧

  • 駅前旅館

    Posted by ブクログ

    表紙のイラストを見て、ほのぼの系なのかと思ったら、思い切り寅さんの時代でした。

    昭和30年頃の、上野駅前の番頭さんの語りを元に、旅館の仕事や観光業界の裏の世界を興味深く描いたもの。
    映画にもなったことがあるらしいです。

    慣れた番頭さんたちの、客引きや、お客の値踏み(ふところ具合や出身地)、困ったお客のあしらい方や、夜の遊び場所の紹介の仕方やら…
    面白かったのは修学旅行の引率の先生たちで…
    番頭さん同士のお付き合いも、ライバルであり、友人でもある関係が面白い人間模様。
    まあ、根無し草でやくざな稼業な感じもしますが、語り手の生野次平さんは、一本筋の通ったお方でもありました。
    生野さんは能登の出

    0
    2016年11月07日
  • 漂民宇三郎

    Posted by ブクログ

    面白い。江戸の中期から後期くらいの頃に風に流されて海外へ行った船乗りの物語。事実を元にした小説でおろしや国酔夢譚の光太夫の名前も出てきたりする。すごいなあ、鱒二。関係ないけど、カポーティと同じような匂いを感じてしまう。

    0
    2016年08月12日
  • ドリトル先生アフリカゆき

    Posted by ブクログ

    ドリトル先生の名前はあまりにも有名だけど、動物の言葉がわかるお医者さんだということ以外何も知らずにこの歳まで…。というわけで読んでみました。
    訳のせいもあって、なんだかとっても懐かしい感じ。

    0
    2016年07月29日
  • 鞆ノ津茶会記

    Posted by ブクログ

    戦国時代の終わり江戸時代の始まる直前のお茶会日誌。どこまでが著者の想像でどこまでが史実なのかは判然としないが、それは歴史書を読んでも同じことだと僕は思うので気にしない。
    ボケた秀吉の話は面白い。興味深い。

    0
    2016年06月25日
  • ドリトル先生アフリカゆき

    Posted by ブクログ

     動物と話の出来るドリトル先生は、サルたちを恐ろしい病気から救うため、仲間の動物たちとアフリカに向かって航海に出る。

     小学生の時に夢中になって読んだ作品を子供の読み聞かせとして再読しました。

     当時、動物が好きで動物と話せることにあこがれ、そのうえ冒険にも出るドリトル先生は夢のヒーローだったことを懐かしく思い出しました。

     井伏鱒二の訳も味わい深く、幼い子供たちも夢中で聞いていました。

    0
    2016年05月15日
  • ドリトル先生航海記

    Posted by ブクログ

     動物語が話せるドリトル先生が友人を探し出すため、動物たちを連れて航海の出て、数々の冒険に出会う。

     子供のころ夢中になって読んだ作品を自分の子供の読み聞かせに毎日少しずつ読み進めました。

     子供たちも夢中になって毎日楽しみにしていました。

     自分も子供の頃に戻って冒険を夢見たころを思い出しました。

     井伏鱒二の訳もある意味新鮮でした。

    0
    2016年03月21日
  • 駅前旅館

    Posted by ブクログ

    昭和30年代頃を舞台に、駅前にある柊元(くきもと)旅館の番頭、生野次平が思い出話や番頭として旅館の裏話を独白するスタイルで進む小説。他の旅館から来るお客を伝える電報の符牒や、江の島の片瀬海岸での引き込みの様子など、人々の躍動感や当時の息吹を感じて面白い。また次平にかかわるよい関係の女性たちや、時に友人で時に好敵手となる他の旅館の番頭、団体旅行の添乗員とのやり取りも面白い。昔の芸者がやってくるときの色恋に発展しそうでしない様子や、番頭とのばかばかしいやりや剣呑なやりとりなど。

    0
    2015年01月18日
  • 遙拝隊長・本日休診

    Posted by ブクログ

    色んな意味で時代を感じさせる作品。
    個人的には『遥拝隊長』を推す。この作家らしく声高に反戦を論ずることなく、日常に戦争の異常性を無理なく溶け込ませて物語を進めていく。
    よくユーモア溢れる作家と評されるが、ユーモアとは厳しい批評性の一つの表出であることを実感させてくれます。

    0
    2014年12月30日
  • さざなみ軍記・ジョン万次郎漂流記

    Posted by ブクログ

    確か『黒い雨』でも感じたが、この作家の特徴は見た目はシンプル、意図が濃密に詰まっているところか。
    表題作二作ともに、パーツは淡淡としているのだが、退屈させることなく、かつ、主張をさりげなく刷り込んでくる。書かれた時代背景を考えれば、この作家の反骨心と才に一目を置かずにはいられない。

    0
    2014年03月08日
  • 夜ふけと梅の花 山椒魚

    Posted by ブクログ

    井伏鱒二の読みやすい部類の初期短編集。
    概ね駄目な若者の視点で描かれるモノばかりですが、
    学生の時分読んだ時より共感部分が多いと云う事は、やはり…(笑)
    山椒魚のラスト16行端折られてる話は知りませんでした。
    この文庫本で初めて其処まで読めた訳ですが、
    最初に読んだ時の「?」部分が「!」になりました。
    これ、合った方が大分腑に落ちるのですが、
    敢えて端折る処がナンセンス文学の美徳なんでしょうか。難しいです。

    0
    2013年09月21日
  • 駅前旅館

    Posted by ブクログ

    東宝「駅前シリーズ」の一作目となった原作、という興味だけで手にした一冊。堅いイメージの著者に似合わず、番頭さんの問わず語りに語られた業界独自の用語や裏話的エピソードが愉快。「東京オリンピック」以前の社会風俗を知る上での資料としても楽しく読める。

    0
    2013年08月04日
  • 山椒魚 しびれ池のカモ

    Posted by ブクログ

    他是有名『Doritol博士』的翻译者。这个书也有社会讽刺。山椒鱼(Sansyo-Uo)悲哀。我享受这些故事。

    0
    2013年05月18日
  • ドリトル先生のキャラバン

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ドリトル先生物語の6作目。サーカスからの続きでピピネラのオペラを中心に物語が進んでいく。ずっとこのままドリトルサーカスでの物語が続くのかなと思うくらい順調だ。
    動物のためにさまざまなことが実現した夢のような時間だったと思う。
    それにしてもドリトル先生は欲がないなぁ

    0
    2012年08月22日
  • さざなみ軍記・ジョン万次郎漂流記

    Posted by ブクログ

    「ジョン万次郎漂流記」.そっけないくらいの淡々とした文章で,偶然と時代の流れによって大きく変わってしまった一人の男の人生が語られる.帰国後,幕末から維新にかけての大活躍は,一見したところ,成功した人生にも見えるのだけれど,私には彼の身の丈にあった生き方ではなかったように思えてならなかった.

    「さざなみ軍記」.西国に落ちていく,平家の若侍の手記の形をとった小説.読んでいて,気持ちが塞いだ.こちらは星2つ.

    0
    2012年08月10日
  • ドリトル先生の動物園

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ドリトル先生物語の第5作目。
    ドリトル先生とその仲間たちが動物の国でくりひろげる話。トミーがみんなの仲間として認められているのがうらやましかった。

    0
    2012年07月09日
  • ドリトル先生の郵便局

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ドリトル先生物語の第3作目。
    アフリカで郵便事業を行う。鳥の協力のもと、人間だけでなく動物も利用できる画期的な郵便事業、すごいなぁと思った小さなころを思い出す。
    後に紹介されるドロンコの話がでてくるのもこの話から。
    おいしい切手の糊なめてみたいなぁ。

    0
    2012年04月28日
  • 鞆ノ津茶会記

    Posted by ブクログ

    小早川隆景配下にいた引退した武士たちが主人公?という設定で、鞆の安国寺を拠点に茶会に集い、飲食をともにしながら、厳しかった戦国の世を思い返し語りあった記録という体裁をとる。
    集った各人の記録?をたんたんと記しているだけなので、会話らしい会話はなくそれぞれの事件の顛末と若干の皮肉が披露されるというパターン。血なまぐさい出来事を老いの境地にて静かに振り返る。あまりにも事実記録に徹しているため、もしかして創作ノート?という疑いをずっと払しょくできなかった。(笑)
    設定は誠に面白いのだが、(老人という設定故、もしかするとわざとかもしれないが)同じ話を何度も繰り返されるのが辛いのと、連載だったためかわざ

    0
    2012年04月21日
  • 駅前旅館

    Posted by ブクログ

    駅前旅館の番頭さんが日常の風景を語る物語。

    ユーモラスでほんのりとしたお話です。
    文章も口語調で読みやすい。

    0
    2011年11月26日
  • 井伏鱒二全詩集

    Posted by ブクログ

    かの有名な「勧酒」目当てで購入した1冊。
    前半から漢詩の訳のあたりまではわくわくしながら読めたけれど
    後半は少しだれてしまったような印象。
    あまりリズムとか韻にはこだわらずに書かれていたからかな。
    散文を書きたくなったときに、厄除けのつもりで書いたとは、よく言ったものです。

    0
    2011年11月13日
  • さざなみ軍記・ジョン万次郎漂流記

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    平家ものだというので、読んでみました。

    教科書の山椒魚以来の井伏鱒二です。



    さざなみ軍記・・・ネタばれになります。


    某平家の公達の日記形式です。
    だいたい都落ちから一の谷後まで。

    主人公の公達の名前は明かされませんが、
    父が新中納言で十六歳、武蔵守ということで、平知章です。


    小隊を預かり、若年ながら、軍を率いて成長する様子が、描かれています。
    六波羅を懐かしんだり、逃げたいと思う気持ちも見え隠れしつつ。

    精一杯背伸びしていたんだと思います。



    が、言葉選びが難解で、読みにくい。
    時代がかってるんですが、それが、
    平安を現代語訳した雰囲気を出しているのか、昭和風なのかよく

    0
    2011年09月10日