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ドリトル先生の一行は、大地震で生き埋めになってしまった太古の大ガメを救出します。助け出されたこのカメは、ノアの洪水のようすなど、大昔の地球の雄大な物語を語りはじめます。
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Posted by ブクログ
ドロンコが話してくれる大昔のこと。その頃から生きものはみんなきっと平和を願って求めていたのね…今もそうだけど、ドロンコが大事に思ってくれた地球や人間のありようとかけ離れていくようで哀しい。最後の、新井満さんによる文章もよかった。ロフティングがどういう状況で、どういう世界情勢の中これを書いたのか。本文...続きを読むでもだけど、読んで涙が出ました。ドリトル先生が今の地球の、この世界の現状を見たら何て言うだろう。まだ希望はあると言ってくれるだろうか。
亀の想い出話はすごく鮮明で、でももうこの地上のどこにもない風景や国や人の話なのだと思うと、鼻の奥がつんとする。
大ガメのドロンコのリューマチの治療を終え、ようやくドリトル先生は、大洪水が起こった前後の世界の話を聞くことができるようになりました。 世界のほとんどを支配していたのは、冷酷無比なマシュツ王。 彼は次々に近隣諸国を攻め立て、領土を拡大し、すべてを奪い、支配する。 彼が独裁政権を維持できたのは、優れ...続きを読むた教育システムのおかげ。 言われたことに疑問を持たない、余計なことを考えない人間の創出。 国は国民である一部の人と、大勢の奴隷からなっている。 幸せなのは、もちろん国民のみ。 ノアの家族は渡された設計図通りに箱舟をつくり、渡されたリストの動物を箱舟に乗せる。 考えることはしない。 どうして彼らが神に選ばれたのか、この話の中では明かされない。 愚かな老人ノアとして描かれている。 ドロンコは彼らのほかに漂流している人間を見つけるのだが、リストに載っていない彼ら人間を助けるわけにいかないというノア。 ドロンコと彼の妻べリンダは、ここでノアと別れて人間エバーとガザを助ける。 洪水の後、なすすべを持たないノアたちに見切りをつけた動物たちは、自分たちの国をつくる。 そして生き残ったエバーとガザを捉えて、奴隷として使う。 ドロンコとべリンダは、エバーとガザを逃がし、人間が安心して暮らせる土地を探して旅に出る。 基本は冒険話です。 しかし物語の底層を貫くのは強い反戦の思想。 前作から18年もの歳月を開けて書かれた本書は、ちょうど第二次世界大戦が勃発してから終わるまでの時期と重なる時期に執筆されている。 重い病に侵された中、死ぬまでに書き終えたいという一心で書き上げた。 一度は水の下に沈んだマシュツ王の宮殿が姿を現わし、そこに大量の財宝が手つかずで見つかった時、いつも貧乏なドリトル先生のために持って帰ろうという動物たち。 それに対しドリトル先生はきっぱりと言う。 “この宝物は、盗まれたものだ。征服された王や、殺された王子から、取りあげられたものだ。この金貨は、―戦いで殺された、罪もない男や女や、子どもたちの、苦しみの声をあげておるのだよ。金(かね)―ああ、それが世界の悪の源だ。”
「さようなら、海の鳥さん、さようなら! あなたたちの巣ごもりする島が、いつまでも、あなたたちのものでありますように。――あなたたちだけの――平和の島でありますように。」この台詞でじわりと涙が出た。ドロンコ翁、あなたたちがあれほど慈しんだ人間の所為で、地球がまた、壊れかかっています。(2009-06-...続きを読む28L)
ドリトル先生に救出された大ガメのドロンコが明かす、大昔の地球の雄大な物語。大洪水がおきたときのノアの箱舟のようすや、動物が主人になったゾウ王国でのできごとなどが語られます
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