井伏鱒二のレビュー一覧

  • ドリトル先生の楽しい家

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    わくわくする、その一言に尽きるシリーズ。ドリトル先生のなんとものほほんとしたキャラクターがたまらない。大体、何ヶ国語もしゃべれるキャラっていうのはそれだけで偉大。ましてや動物としゃべれるなんて。

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    2009年10月04日
  • ドリトル先生アフリカゆき

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    子供の頃家にあって何回か読んだのを思い出して再読。懐かしい気持ちになりながらあっという間に読み終わった。
    もっと書けそうなところをあまりに凝縮してあるのに驚いたけど、戦地から子供に向けた手紙で書いてた、と記載があったからなのかも?
    王子が白い肌に憧れる様子はセンシティブだし、大人になるとツッコミたくなる設定もあるし、訳者のセンスなのか、ひどいセリフもチラホラ。 「トンカツの生きたの!」なんてひどすぎて笑ったし、イギリスにトンカツはないだろうから元が気になる笑
    それでも別のドリトル先生の冒険も読みたい。

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    2025年12月14日
  • 山椒魚

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    有名な「山椒魚」。
    読んでみると、実際にこういう人いるよなあと思わされる。
    自分の過失なのに腹を立てたり、誰かを道連れにしようと意地悪したり、卑屈になってしまうような人。
    そんな山椒魚に対して、蛙はなぜ閉じ込められたことを恨んでいないんだろう。
    むしろ山椒魚のことを憐れんでいるのかもしれない。
    短い話なのに、考えさせられることが多かった。

    他の作品も時代を感じさせるものが多く、有名なのは「屋根の上のサワン」。
    雁を助けてペットにして、サワンという名をつけた物語。
    自由を奪いながらも愛を注ぎ共生しようとする飼い主と、仲間と外の世界を望むサワン。
    動物を飼育することとは何か、動物にとっての幸せは

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    2025年12月10日
  • 山椒魚

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    表題作を含むいくつか作品を除けば、その場の空気感を描いたスケッチ的作品が多い。いずれも短すぎて散漫な印象は拭えず。

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    2025年11月11日
  • 黒い雨

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    ネタバレ

    8月に入り、通勤の主に帰宅途上の車中でオーディブルで聴きました。毎日少しずつ聞いたのですが、ほぼ1か月ほど聴いていたので、紙の小説でも一定のボリュームがあるのでしょう。

    主人公のシゲマツ(閑間重松)は、自らも被爆していたが、そのような自分よりも、自分たち夫婦を慕う姪であるヤスコ(矢須子)の縁談のことが最も心配ごとである。

    直接の被爆は免れたものの、原爆雲(黒い雲)から降り注ぐ黒い雨を浴びたということから、原爆病に侵されているのだというウワサで、次々と縁談が破談となり、なんとか縁談を成立させたいシゲマツは、原爆日記を記して、ヤスコの身の潔白を証明しようとする。

    小説は、広島原爆投下から玉音

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    2025年09月07日
  • 夜ふけと梅の花 山椒魚

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    山椒魚に幽閉にて、他多数の井伏鱒二さん。昭和初期とはこう言う事ですか?現代とはまるで当てはまらない大学で黒板に落語するのとそれを監視する学生監 うーん逆に新鮮な斬新な、でも真顔で行っている 真顔といえば兎島の2人の掛け合いとそれを見守る男も うーんなんだかな、井伏鱒二=受験の模試としか思えないのですが、受験がなければ読まないから それを読み込んで悦に浸る自分。

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    2025年08月28日
  • 山椒魚

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    読んでると、なかなか映像として浮かびにくい文章だった。作家との相性が悪いのかな?と一瞬思ったけど、屋根の上のサワンとか夜ふけと梅の花とかはめっちゃ入り込めるしちょっと泣いちゃいそうになったりもしたりして、なんだろこの魅力。それにしたって古典の中でも文体がすごく独特な気はする。井伏節ってやつなのかな。どちらにせよおばちゃん、おばあちゃんになったときまで本取っておいて、何回めたも読み返したくなる系の作品だった。

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    2025年07月19日
  • ドリトル先生アフリカゆき

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    少し前に読んだ『ドゥリトル先生のブックカフェ』(賀十つばさ/著)でドリトル先生は本当は井伏鱒二が日本風に読みやすくした名前で本当はドゥリトル先生だと知って興味を持ち、長らく積読してた本を読む。

    名作でなんとなく読まなくても知ってることはあったけど、ドリトル先生は最初は獣医でなく人間のための医者だったとか、動物からの信頼度が物凄く厚いとか、挿絵も著者が描いてるのも読んで初めて知った。

    アフリカへの珍道中はトラブル続きでユーモアたっぷり。
    シリーズの中で次作の航海記が一番名作と言われてるそうなので読んでみたい。

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    2025年07月09日
  • 厄除け詩集

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    「なだれ」が一番いい
     池澤夏樹全集にも載ってた「なだれ」が一等牧歌的でよく、熊がたばこをすふやうな恰好、といふ端的な表現が想像させる。

     しかし後のものは平凡で、「顎」なんか顎の外れたひとを見て笑ひをこらへる、といふ不愉快な詩なので、ひどい。
     概して短い詩がよく、長いほど印象が低い。

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    2025年06月19日
  • 山椒魚

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    井伏鱒二の短編集

    山椒魚は示唆していることがわかりやすかったですが、そのほかの作品はストーリーだったり情景などを楽しむ感じかな

    余韻のある終わり方が特徴よね

    朽助のいる谷間
    掛持ち
    大空の鷲
    上記の作品が面白かったです。

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    2025年06月02日
  • 山椒魚

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    井伏鱒二氏による短編集
    はっきり言うとそこまで読みやすくはないし、わかりやすい文章ではない。しかし、文章の表現、言い回しの面白さと丁寧さは抜群であり、ある程度教養のある読み手であれば場面を想像することもできる。
    また、登場するものも人間でないながらも、人間よりも生々しく人間らしいものやどこか偏屈でネジが足りていない人々など個性豊かな(もはや狂気と言ってもいいかもしれないものもいるが)ものが多い。
    ちなみにわたしは通学中の電車内で読んでいたので、話がよく飛び読み直すことが多々あった。なので、読む際は短編集ごとに一気に読むことを薦める。
    なお、軽いネタバレになるが、短編同士に直接の繋がりはないので

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    2025年05月18日
  • 山椒魚・本日休診

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    『集金旅行』や『本日休診』は読んでいると情景が浮かんでくるような映画を見ているような感覚になるが、どうやらほんとに映画化されていたらしい。山椒魚はなんとなく覚えていた内容そのままだった。

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    2025年05月12日
  • 黒い雨

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    描写が壮絶すぎる。
    原爆が落とされた時からの状況を日記として淡々と事実だけを述べている。
    そうしたことにより、内容は本当にリアルで日常の中にあり、生き延びた人の苦悩も伝わってきた。

    火葬場の問題は想像さえしていなかった。非日常的な死が日常になってしまう怖さが強く感じられた。

    山崎豊子の二つの祖国でも広島の描写は出ていたが、あちらは政府、こちらは一般市民と補完することでより当時の状況を知ることができる。

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    2025年05月03日
  • 山椒魚

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    読みやすくはないし、単調な雰囲気もあるが、絵が浮かぶ文章で、ところどころ引っかかるところもある。正直そこまで好きな作風ではないが、どこか心に残り、ふと思い出すことになりそうな気もする。解説にもあったがたしかに老人の登場が多い。

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    2025年04月20日
  • 黒い雨

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    井伏鱒二の短編は大好きなのである。
    『黒い雨』は原爆後の黒い雨を浴びた姪の縁談が決まらない叔父が語る小説と聞いていたので、井伏鱒二が黒い雨を浴びてしまった若い娘の不安や恐怖や焦燥をどのように描くのだろうか、まさかエモーショナルに書くのではないだろうな、いやしかし広島出身なんだから故郷の人々の苦しみを伝えるべく、鱒二らしからぬ頑張りを見せたのではないか、などいろいろ考えだのだが、読んでみたらまことに鱒二らしい作品だった。
    つまりとても淡々としていて、エモーショナルなところはほとんどない。
    結婚が女の人生のゴールだった時代、ほとんどの人が結婚していた時代に、結婚したいのにできない辛さというのは、人

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    2025年03月17日
  • 黒い雨

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    原爆を落とされた広島で自分が、周囲の人々が被爆した、戦争小説。これは辛い。

    淡々とした調子なので、被爆直後の表現はちょっと抑えめに感じるけど、それでも残酷で想像に堪えない悲惨さ。

    中韓は戦争きっかけで、今だに反日とか言ってるけど、原爆なんて非道な兵器を落とされて反米にならない日本ってちょっと不思議。まあ自分も反米主義ではないけど。

    ちなみに原爆を開発した人達に、この兵器は使用すべきかと問うたところ、9割が反対したとか。

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    2025年03月11日
  • 駅前旅館

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    脳死で読めました。気楽な感じです。
    井伏鱒二は土着の民俗学に通ずるところがあり、好きなのかなと思います。

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    2025年01月08日
  • さざなみ軍記・ジョン万次郎漂流記

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    伊坂幸太郎編の短編集の中に井伏鱒二の「休憩時間」があり、そういえば、「山椒魚」と「黒い雨」以外読んだことなかったなあ、と、名前は有名な「ジョン万次郎漂流記」を読んでみた。

    司馬遼太郎の作品にジョン万次郎はしょっ中登場するけれど、彼を主人公にするとまた違った物語りに感じた。

    漂流者は5人いた訳だが、ジョン万次郎だけが、抜きん出て語学を習得出来て、観察眼に優れていたのは何故か。シンプルに、若く知的好奇心が強くかつ地頭がよかったんだろう。

    語学の面では、後に続く者は大量にいただろうから、やがて相対的な価値は落ちていったのだろうが、あの時日本にジョン万が出現した、ということは奇跡のような出来事だ

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    2024年10月14日
  • 山椒魚

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    言葉を発することはつねに、意味を裏切ることと同じだな、と思った。
    心にある本当を表すことはできないから、すれ違いや、諍いが生じるのかもしれない。

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    2024年08月27日
  • 黒い雨

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    原爆が投下された広島で、そのとき暮らしていた市井の人々がいかように阿鼻叫喚の地獄を過ごしたかが克明に描かれている。
    本作の主人公は、閑間重松・シゲ子夫妻と、その姪である矢須子の一家三人。
    矢須子はだいじなお見合いを控えているが、被爆していないということを相手方に証明するため、重松が当時の日記を書き写すことになっている。
    日記でふりかえる過去と現在を行き来する形で話は進んでいくが、やがて矢須子に異変があらわれてきて……。

    「今、もし、向うの山に虹が出たら奇蹟が起る。白い虹でなくて、五彩の虹が出たら矢須子の病気が治るんだ」

    原子爆弾が投下されたあと、長く長くつづく苦しみはどれほどのものなのか。

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    2024年08月22日