井伏鱒二のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
定本 夜ふけと梅の花 (単行本)のほうを読みました。
表紙は井伏氏が描いた、地図。
どの話も最初から最後まで貫き通される主人公のだめだめさが、
なんだか気持ちいいというか、文体との不思議な調和があって、
「よし、この主人公を反面教師にして頑張ろう」なんて気には塵ほどもならない不思議な心地よさがありました。
「一匹の蜜蜂」で、
肥え太って働かなくなったぐうたら蜜蜂を見て自分に重ね、
蜜蜂と自分を重ねることを周りにちょっと怒られてる場面があって、
でも「山椒魚」しかり、暗喩するということにすごく敏感な人なんやなぁと。
あとがきを読むと、同じ話でも何度か書き直して少しずつ違うみたいなので、他の -
Posted by ブクログ
ピピネラと窓ふき屋との経緯は気になっていたから、続きが読めてよかった。岩波では一応、シリーズ12作目ということになっているけれど、連続性としては『ドリトル先生のサーカス』『キャラバン』『緑のカナリヤ』の順番で続けて読むのがお奨め。白ネズミの台詞「あんなことを言っているのは誰でしょうね?」のくだりが好き。先生も家族も、やかまし屋の主婦ダブダブに心から感謝し愛しているのがわかる。自分に重ねてしまうよな〜…でも、家族に理解してもらうには、ガミガミだけでない表現の仕方を考えなきゃならないんだな。窓ふき屋の本はどうなったろう?(2008-12-12L)
-
-
-
-
-
Posted by ブクログ
戦後81年。井伏鱒二『黒い雨』を読もうと思い立つ。
本棚登録、記念すべき800冊目。
原爆投下後の広島。即死は免れながらも、放射性物質を含む『黒い雨』を浴びたがために差別に苦しみ、縁談がまとまらない姪・矢須子。重松は、矢須子が健康であることの証しとして、原爆投下直後の日記の清書を始める。そんな中…
原爆投下直後の広島の様子が伝わってくる。
平和記念資料館の展示物を観た時の衝撃と、知らず知らずに涙していたことを思い出す。
何もわからない中、投下された原爆。
何もわからないまま亡くなった方がどれだけいたのか、即死は逃れながらも、苦しみながらなくなった方、原爆症に苦しまれた方…
どれだけたくさ -
Posted by ブクログ
仕事帰りにふらり途中下車した駅で散歩中、古風な書店を見付けて入り、新潮文庫の棚の渋い品揃えに感服し、それではと渋い本を読もうと思い購入。
井伏鱒二は大昔『黒い雨』を読み始めるも退屈な感じがして読むのをやめてしまっており、それ以来ご無沙汰だった。
太宰治について読んでいるとこの人はちょいちょいでてきており、私の好きな『富嶽百景』では、太宰と一緒に三ツ峠山に登っている。太宰と比べ、ユルいユーモアというか、悲しいことでもせいぜい「哀しい」感じに留めて、ふわっと受け流している感があった。
戦前の風俗を懐かしむ戦後の番頭による語り。
世の中の裏側を描いたようでいて、それでいて例外的というより