井伏鱒二のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
有名な「山椒魚」。
読んでみると、実際にこういう人いるよなあと思わされる。
自分の過失なのに腹を立てたり、誰かを道連れにしようと意地悪したり、卑屈になってしまうような人。
そんな山椒魚に対して、蛙はなぜ閉じ込められたことを恨んでいないんだろう。
むしろ山椒魚のことを憐れんでいるのかもしれない。
短い話なのに、考えさせられることが多かった。
他の作品も時代を感じさせるものが多く、有名なのは「屋根の上のサワン」。
雁を助けてペットにして、サワンという名をつけた物語。
自由を奪いながらも愛を注ぎ共生しようとする飼い主と、仲間と外の世界を望むサワン。
動物を飼育することとは何か、動物にとっての幸せは -
Posted by ブクログ
ネタバレ8月に入り、通勤の主に帰宅途上の車中でオーディブルで聴きました。毎日少しずつ聞いたのですが、ほぼ1か月ほど聴いていたので、紙の小説でも一定のボリュームがあるのでしょう。
主人公のシゲマツ(閑間重松)は、自らも被爆していたが、そのような自分よりも、自分たち夫婦を慕う姪であるヤスコ(矢須子)の縁談のことが最も心配ごとである。
直接の被爆は免れたものの、原爆雲(黒い雲)から降り注ぐ黒い雨を浴びたということから、原爆病に侵されているのだというウワサで、次々と縁談が破談となり、なんとか縁談を成立させたいシゲマツは、原爆日記を記して、ヤスコの身の潔白を証明しようとする。
小説は、広島原爆投下から玉音 -
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Posted by ブクログ
井伏鱒二氏による短編集
はっきり言うとそこまで読みやすくはないし、わかりやすい文章ではない。しかし、文章の表現、言い回しの面白さと丁寧さは抜群であり、ある程度教養のある読み手であれば場面を想像することもできる。
また、登場するものも人間でないながらも、人間よりも生々しく人間らしいものやどこか偏屈でネジが足りていない人々など個性豊かな(もはや狂気と言ってもいいかもしれないものもいるが)ものが多い。
ちなみにわたしは通学中の電車内で読んでいたので、話がよく飛び読み直すことが多々あった。なので、読む際は短編集ごとに一気に読むことを薦める。
なお、軽いネタバレになるが、短編同士に直接の繋がりはないので