井伏鱒二のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
今は少し懐かしいものとなってしまった駅前旅館。私たちの世代からすると、古き良き時代の旅館、というイメージです。
そんな上野駅ちかくの旅館の番頭がこの物語の語り部。
この主人公の番頭、めちゃくちゃ女たらしの助平みたいな行動ばかりしていながら、じつはちょっと肝心なところでヘタレ。でもそのキャラがいい。何より、幼い頃からずっと宿屋と親しみがあるだけあって、宿屋の規律不文律がすべてしっかりと身に付いている。そういう、けじめがきちんとあるところが、お客や同業者になめられず敬意をもって接してもらえるゆえんなのだと思う。
この番頭を中心とする「慰安旅行会」のメンツがなかなかの個性派揃いで面白い。このメンバーが集まるとたいていろくなことがない…というよくある話の典型は、昔からあったものなんですね。