村田沙耶香の作品一覧
「村田沙耶香」の「コンビニ人間」「【合本版】世界99」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
昔読んだコンビニ人間を彷彿とさせる良作。
主人公が幼少期から自認宇宙人なので、終始人間に擬態している何かからの視点のような書き方なのだが、実は読み進めると、地球人ではないと暗示をかけることによって自我を保っている人間の主人公ということが分かる。
現代社会が異性愛規範をもとに成り立っていることを、その規範に染まれない側から描いた作品。主人公が自認する宇宙人=規範に染まれない人間、という図式で解釈した。
女性が「見初められる」ことが基本的には喜ばしいこととされる(男性が女性を眼差すことを当然視する)現象への不可思議さについても、浮き彫りにしようとしているように感じた。
主人公の幼少期に虐待を受けている描写がかなり胸を抉られるが、その背景をもって成長した後に「気にしすぎだ」的なセカンドレイプを受ける描写のインパクトがあり、よりグロテスクな印象を与えた。
魔法を使っているという自己洗脳によって塾講師を殺害するシーンの情景描写や心理描写が見事。心理的な防衛機制によってアドレナリンが出まくっていることが分かり、思わず「殺れー!」と思いながら読んでしまった。ポップでリリカルな文体が逆に残酷。