哲学・宗教・心理 - 金剛出版作品一覧

  • 臨床心理学スタンダードテキスト
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    臨床領域・学問領域ごとに第一人者が展開する集合知の結晶、公認心理師時代を迎えた臨床心理学の新基準スタンダード。 公認心理師の職責から、心理学概論、臨床心理学概論、研究法・統計法・心理学実験、多岐にわたる心理学理論、アセスメント、心理支援、主要5領域、精神疾患と治療、そして関係行政論へ。公認心理師/臨床心理士として研究・臨床において研鑽を積むうえで不可欠の知識と理解と経験を、多様な視点と論点から語り尽くす。 臨床心理学の初学者から、すでに臨床現場に勤務する現任者、そしてベテラン心理職まで、つねに座右に置いて日々の臨床を検証し、みずからの臨床知を深化させていくためのスタンダードテキスト。

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  • 犯罪学(第5版) 理論的背景と帰結
    4.0
    現代の犯罪は多種多様な側面をもつ複雑な事象で、多面的、総合的なアプローチが必要である。本書は、犯罪学理論について、主に犯罪社会学の視点から、古典から現代の最新理論までを丁寧にわかりやすく解説している。理論の分析は一党一派に偏らず、きわめて客観公正な立場から論じているのが特色である。犯罪学を志すすべての方に読んでいただきたい一冊である。

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  • クリシ・ワルテッグ・システム 実施・スコアリング・解釈のためのマニュアル
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    エーリッヒ・ワルテッグによって作成された「ワルテッグ・テスト(Wartegg Test)」は,ゲシュタルト心理学と精神力動理論を基礎とした,予め措定された刺激図形に被検者が加筆する侵襲性の低いパーソナリティ検査として,ヨーロッパ・南米・北米で広く使用されている。 アレッサンドロ・クリシによる「クリシ・ワルテッグ・システム(CWS)」は,初期スコアリングシステムの統計的不備の改善,検査対象の拡大,実施・スコアリング・解釈の体系化によって,ワルテッグ・テストをよりユーザーフレンドリーな形式へ体系化している。「(1)描画段階,(2)描画ギャラリー(言語による説明),(3)描画選択(選好の説明)」の3ステップで実施される,基礎理論から実践方法までをカバーした包括的実践マニュアル。

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  • 現代催眠原論 臨床・理論・検証
    4.5
    かつて人知を遙か超えた魔術的思考として永く夜の闇へと放擲されてきた催眠は,その治療術としての真価をミルトン・エリクソンの名とともに復権する。この栄光の時代を経由して,催眠は今日さらにその臨床的価値と評価を高めつつあるが,しかし同時にその秘儀的来歴から「学知(discipline)」としての体系化を未だ果たせずにいる。この未完のプロジェクトを引き受け,催眠の歴史的考察から臨床的考察へと論点を横断し,かつて誰にも為されることのなかった催眠の原理論を樹立しようとする試論――この言葉こそ本書の定義にふさわしい。現代催眠の父としてのミルトン・エリクソンを継承し,コミュニケーション技法としての催眠誘導技法,観念誘導技法,催眠感受性への細密な考察を施し,今日的水準に適うエビデンスとエチカを構築する。現代臨床催眠の極地点へと迫る徴をその記述に残し,催眠の夜の闇を超えようとする本書は,したがって現代催眠学の到達点を標す水先案内,そのためのマイルストーンである。

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  • 自殺の危険(第4版) 臨床的評価と危機介入
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    自殺の危険を評価するための正確な知識と自殺企図患者への面接技術の要諦を多くの症例を交えて解説した画期的な大著である本書は,初版刊行以来わが国のスタンダードとして多くの読者に受け入れられてきた。「青木ケ原樹海における全生活史健忘の臨床的研究」に始まる著者の自殺関連の研究は,今回の[第4版]においてほぼ完結となる。  一時年間3万人を超えたわが国の自殺者数は,現在2万人台に減少した。しかし,大規模災害や新型コロナウイルス(COVID-19)感染を契機に子どもや女性の自殺者の増加が顕著となり,社会的弱者に広がる重大な社会問題として早急な対策が求められている。  今回三度目の改訂にあたり従来の既述にも必要な解説が加えられ,リジリエンス(回復力),リフレーム,CAMS(自殺の危険の協働的評価と管理),COVID-19,インターネット自殺など新知見も加筆されている。  著者は,精神科臨床,自殺予防,自衛隊のメンタルヘルス,大規模災害支援とさまざまな現場を経験してきた。本書はその著者による自殺予防に関する包括的な臨床書である。認知療法を基礎にした実践的心理療法の解説,自殺企図者との面接の進め方等,現場における臨床知見の宝庫であり,医学・心理学・看護等,すべての心の専門家,また,自殺の危険の高い人を理解しようという家族や周囲の人に多くの示唆を与えるであろう。

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  • 自殺の危険(第3版) 臨床的評価と危機介入
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    現在,世界中で毎年100万人が自殺により生命を失っている。  自殺の危険を評価するための正確な知識と自殺企図患者への面接技術の要諦を多くの症例を交えて解説した画期的な大著である本書は,初版刊行以来わが国唯一のスタンダードとして多くの読者に受け入れられてきた。初版刊行時2万人ほどであったわが国の自殺者数はその後二十数年の間に年間3万人前後に達し,重大な社会問題として早急な対策が求められている。  今回二度目の改訂にあたり,9.11同時多発テロ,3.11東日本大震災以降,注目を集めるリジリエンス(回復力)や遺された家族へのポストベンションなど,最新の知見を書き下ろし内容を大幅に書き改めた結果,初版の約2.5倍のページ数に達することとなった。  本書はまさに自殺予防に関する臨床的知見の宝庫であり,専門的研究の決定版である。医学・心理学・看護等,すべての心の専門家,また,自殺の危険の高い人を理解しようという家族や周囲の人に多くの示唆を与えるであろう。

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  • キャリア・カウンセリング エッセンシャルズ400
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    「キャリア」,「カウンセリング」の分野はもちろん,「メンタルヘルス」から「人事・組織」,「法制度・資格」までキャリア・カウンセリング,キャリアコンサルティングに必要な分野を網羅した403項目を168人の専門家が書き下ろした日本初のキャリア・カウンセリングの総合辞典! 1項目1ページで読みやすく,関連用語のつながりもたどりやすい構成でキャリア・カウンセリングを総合的・体系的に理解するのにぴったりな一冊。

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  • ミルトン・エリクソンの催眠の現実 臨床催眠と間接暗示の手引き
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    「ミスター・ヒプノシス」と呼ばれた偉大な心理療法家ミルトン・エリクソン。その仕事における卓越した臨床能力を身につけたいと願うセラピストは少なくないだろう。 本書は,エリクソンと長年仕事をともにした共著者のアーネスト・ロッシの夫人であるシーラ博士が被験者になり,エリクソンから7回のセッションを受けた様子と2年後のフォローアップを逐語で記載し,それをエリクソンとロッシが後から説明し,各章の最後に課題と解説を掲載する形式になっている。 「ユーティライゼーション」,「自明の理」,「リカピテュレーション」,「イエスセット」などの重要なキーワードを手がかりに,エリクソンの催眠ワークの全貌を余すところなく描き出した本書は,間接形式の催眠暗示テクニックを使った催眠誘導を学習するための最も優れた手引きとなるに違いない。

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  • ミルトン・エリクソン/アメリカン・ヒーラー
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    心理療法に革命を起こし、今なお大きな影響を与え続けているミルトン・エリクソン。 優れた催眠療法家、精神科医、研究者としてだけでなく、家庭人としてもすばらしい夫、父親であり、そのヒーラーとしてのカリスマ的な魅力は多くの人を惹きつけてやまない。 本書では、エリクソンの知られざる面を、妻のエリザベスや本書の編者であるベティ・アリスら家族と、ロッシ、ランクトン、ショート、ギリガンら多くの関係者の証言で明らかにし、エリクソンが本物のヒーラーであったことを証明している。 エリクソンの人生の記録資料とも言える若き日のカヌー旅行の日記や家族との手紙からオルダス・ハクスリーとのトランスについての共同研究や臨床面接のデモンストレーションの記録まで収載された、まさにエリクソンの仕事と人物像をトータルに理解するために欠かせない一冊となっている。 自ら多難な人生の地平を切り開いたエリクソンを知ることで、ますます多くの人たちが、エリクソンに、催眠療法に親しみが持てるようになることであろう。面接記録の動画データ付き。

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  • こころの出会い 精神分析家としての専門的技能を習得する
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    本書は,まず第一に関係精神分析の包括的な入門書であり,さらに現代精神分析思想の諸潮流(対象関係論,対人関係論,自我心理学,自己心理学,間主観的アプローチ,等)を概観し精神分析をめぐる最新の議論を展開した優れた理論書である。また読者は本書を読むことによって,“相互性”という観点から,投影同一化,転移・逆転移,エナクトメント,共感と解釈,関係論モデル,間主観性,といった重要な諸概念の意味と臨床における技法を理解することができるであろう。 現代精神分析の古典とも言うべき名高い本書“A Meeting of Minds”の翻訳刊行によって,ルイス・アロン(Lewis Aron)の傑出した学究的成果を読者に提供するものである。冒頭にガリト・アトラス(Galit Atlas)による“関係理論概説”ともいうべき詳細な序文を付す。

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  • 病いは物語である 文化精神医学という問い
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    なぜ臨床場面に民族誌(エスノグラフィー)が必要なのか? 著者は文化精神医学や医療人類学の方法論を精神科の日々の臨床にいかに蘇生させるかということを,ライフワークにしてきた。本論集はその集大成ともいうべき労作である。 かつてA・クラインマンは,台湾をフィールドとする著作のなかで,憑依状態で治療にあたる現地の童ケイ(タンキー)を,癒しにおいて間違いなく西洋医にまさるものと結論づけた。ここで作動しているローカルな知を現代医療において生かす方法は何かと著者は問う。現代精神医療の変容(「大きな物語の終焉」),物語論の始原へと遡るジャネの心的治療論,民俗学への架橋,そして医療自身のもつ文化をたどりながら,読者は対話場面で偶発的に溢れるように語りだされる患者や家族の「もう一つの物語」を聴くことになるだろう。 精神療法は文化とどこで出会うのか? 心的治療の多様性とは? 臨床民族誌という方法を理論にとどまらず身体技法として身につけるにはどうしたらよいか?……本書(本論集)はこれらを模索する試みである。

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  • 病いのレジリアンス ナラティヴにおける虚偽主題
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    著者は,人間学的精神医学や現象学的精神病理学,ラカン派の精神分析,近年注目されているナラティヴ・アプローチの交点に位置づけられるような領域研究と,自らが築きあげてきた精神療法家としての素地を柱とした臨床経験の精華として本書を書き上げた。 各論稿では,クラウス,ヤンツァーリク,ラカン,エランベルジェ,等,独仏の碩学の理論を止揚し,病いに苦しむ人の自己(身体),他者,世界との関係を明らかにしようと試みる。臨床の現場においては,精神病患者の語りに耳を傾け,患者の痛みと苦悩の内的世界を再構築し,現代における統合失調症・うつ病の病理を問うている。 さらに,本書にはいくつもの鍵概念が提示される。ひとつは、患者の〈虚偽主題 Lugenmotiv〉である。これは、うつ病や統合失調症等の病的体験に出現する「うそをついた」といった発言や自らの偽りの自白を指す。次に,具体的実践的な治療論への展開のために「自己回復力」とも大まかに理解される「レジリアンス」という概念を援用する。さらに,本書のタイトルにもなっている「ナラティヴ(語り)」については,物語(story)には病いを癒す力があり、そこでは、病者は物語の語り手としての能動的存在であり、語りと聴取をとおして、病者と聞き手とのあいだで、深い次元での共感と了解にもとづく紐帯が作り出されると述べる。これら重要概念を解説しながら,著者自身の一貫した臨床研究テーマ「心の病いにとって治療とは何か?」に到達する。それは,物語論(ナラトロジー)の見地から,現象学的精神医学の再生を目論むことにもなるのである。

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  • 精神分析と乳幼児精神保健のフロンティア
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    ロバート・エムディは,世界乳幼児精神保健学会(WAIMH)の創設者で,現在WAIMH理事,乳幼児精神保健研究の第一人者として名高い児童精神科医,精神分析家であり,愛着理論で有名なボウルビーと同時代に活躍し,「3カ月微笑」「1歳半のNo!」の現象を発見したスピッツの正統な直弟子でもある。  本書は,本邦初訳となるエムディの代表的論集である。主要な研究業績である,生物行動学的観察と精神分析理論を用いて,乳児が母親の「情緒応答性」を得ながら,人間存在の中心となる「情動的中核自己」を形成していくプロセスについての論考,また子どもの心の発達には,R=Reciprocity(互恵性)E=Empathy(共感性)V=Value(価値)が大きな影響を及ぼすことを説いた「REV理論」について,詳しく解説されている。 エムディの理論は,日本のいじめ,自殺,無気力,不登校,引きこもり等,現代の日本の子どもたちが持つ多様化し複雑化する問題の本質を考える上で,有効な知見といえよう。  乳幼児精神保健や精神科医,心理士はもとより,広く子育て支援に関わる医療,保育,教育,福祉,司法,行政に携わる専門職必読の書。

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  • 協働的/治療的アセスメント・ケースブック
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    協働的/治療的アセスメントとは,クライアントが生きている場で,クライアントごとに個別化された,クライアントが共同発見者となる「双方向的アセスメント」である。 成人の個人アセスメント(解離,自殺リスク,重度虐待)から,子ども・思春期・若者のアセスメント(里親養育,自殺願望,問題行動),特殊応用例(監護権評価,カップルセラピー)まで,多彩なケースをもとに,「ティーチング・ポイント」で経験知を補足しながら,クライアントの人生をポジティブに変える「協働的/治療的アセスメント」の方法と実践を解説する。

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  • マインド・フィクサー 精神疾患の原因はどこにあるのか?
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    本書では、精神疾患の原因を脳に探りながら、現在の「精神医学」という概念にどのようにして至ったのか、を検討していく。 第1部ではアメリカにおいて生物学的精神医学の役割が明確化されていく過程についてまとめている。第2部では疾患ごとの視点に替え、薬剤の歴史から家族、世論までも含めて考察する。第3部では破綻と今後の危機を扱い、全体を通じて精神疾患を生物学的に理解するための多元的な見方を提示する。

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  • リーディング・クライン
    5.0
    精神分析においてクラインの名前を聞いたことがない人はいないだろう。 本書は、クライン精神分析を歴史から今日的発展までを含め、豊饒な業績だけでなく、社会の動向や他学問領域との関連とも併せて紹介していく。 全体は2部構成となっており、Part 1では時系列に沿ってクラインの臨床的な発展を解説する。Part 2ではクラインの思想を倫理、社会・政治との関連で読み解き深い理解へと誘っていくが、それらはいままでのクライン関連書には見られなかった本書の特徴の一つとなっている。 クライン派精神分析を学び・読み解くための最適なテキスト。

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  • 乳幼児揺さぶられ症候群は、ジャンクサイエンスなのか? 小児医療の現場から
    NEW
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    乳幼児揺さぶられ症候群(SBS : Shaken Baby Syndrome)は,赤ちゃんを揺さぶることで幼弱な脳に甚大な損傷を与え,ときには命すらも奪ってしまう。 本書は,SBSの実際を理解するうえでの最良の一書であり,「赤ちゃんを揺さぶっても問題はない」「多くの小児科医は,虐待であるとの先入観から誤診を繰り返している(病院に連れていくと虐待扱いされてしまう)」という公衆衛生的に看過できない危険な主張から生まれる新たな悲劇を防ぐことにも繋がりうる一書となるであろう。 第I部では乳幼児揺さぶられ症候群(SBS)の概要,歴史,病態生理学を説明し,この加害行為がもたらす法的・社会的・感情的影響について概説する。 第II部ではSBSの被害児像・加害者像を事例を用いて検討し,また法廷における論争と被害児・加害者それぞれの家族が被る影響についても述べる。 第III部では,SBSに対する実践を,米国における実際の裁判例や予防戦略,泣いている赤ちゃんをなだめる方法といった視点から紹介する。 巻末には付録として,「訳者によるAHT(Abusive Head Trauma:虐待による頭部外傷)解説」も収録。漫画による解説と医師・法医学者・児童福祉司・報道関係者など各分野の専門家によるコラムを多数掲載し,AHTを取り巻く論争の「今」に迫っていく。

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  • 新装版 ことばと行動 言語の基礎から臨床まで
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    行動分析学と言語の発達を知る上で必須の一冊が待望の復刊! 本書は,行動分析学という共通の枠組みの中で,理論,基礎,言語臨床への応用までを論じており,関連する学問領域の研究成果も検討し,それらを分析した上で,行動分析学の観点からの展望やデータを提示している。さらに臨床支援の具体的な技法や実践例(発達臨床における言語の早期療育,学校教育の中での言語指導,問題行動解決のための言語支援技法,脳障害のある人への言語療法における支援技法など)を示すことで,言語聴覚士,臨床心理士,公認心理師だけでなく,教育現場や福祉施設などのヒューマンサービスの現場にいるあらゆる人に役立つ内容となっている。 原書刊行後20年間の行動分析学の進展もわかる書きおろし解説「『ことばと行動』のブレイクスルー」も収録した充実の新装版。

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  • 認知行動療法と治療関係 臨床家のためのガイドブック
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    認知行動療法(CBT)には,今でも,技法と介入に焦点を当て「考え方をポジティブに変える療法」「特定の技法をマニュアル通りに実施しなければならない」といった誤解がある。治療においては,そういった技法の習得よりもまず,クライエントとかかわり信頼関係を築くことが第一である。本書ではそういった誤解を解き、クライエントとの関係構築のスキルを解説していく。

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  • 周産期メンタルヘルスにおけるボンディング障害 日本語版スタッフォード面接を用いた新しいアプローチ
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    ボンディング(bonding)とは,「母親のわが子に対する情緒的な絆」のことであり,「ボンディング障害」は,不適切な養育のリスクとなり得る臨床的問題を抱えた,精神疾患を超えて広く妊産婦と子どもの育ちに関わる重要な概念である。  今回本邦初の出版となる,「日本語版スタッフォード面接」は,妊婦と胎児の、そして産後の母親と赤ちゃんのさまざまな問題に特化した効果的な臨床評価面接である。この面接結果に基づいた妊産婦へのケアは,母子とその家族のメンタルヘルスにより有効に働き,長期的な子どものウェルビーイングの向上につながる。本書では,この面接を用いた事例を取り上げ詳細に解説しており,この面接法の理解に役立つ。また,その他の事例も通して,ボンディング障害を含めた周産期精神医学を包括的に学習できる。精神科医,産婦人科医,小児科医,助産師,看護師,保健師,公認心理師,臨床心理士,社会福祉士など幅広い専門家にとって,周産期メンタルヘルスの全貌を理解するための有効な知見を与えるものである。

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  • 児童精神科入院治療の実際 子どもの心を守り・癒し・育むために
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    現在の児童精神科医療の現場では,これまで“発達障害”と呼ばれてきた神経発達症群の特性を持つ子ども,養育環境での児童虐待をはじめとする逆境体験に傷つき複雑性PTSDに苦しむ子ども,小中学生の年代で神経性やせ症となり生命の危険に直面している子どもが増えている。家族や施設職員は対応に行き詰まり,しばしば児童精神科入院治療に希望を託すしかない状況となり,それらに対応する児童精神科診療,およびその一環としての入院治療への期待が高まっている。 このように入院治療への需要が膨らむ状況に応じ,児童精神科専用病床数は増えてきてはいるものの,それに応えるだけの数には至っておらず,常に入院待機者が存在している現実がある。 そこには児童精神科病棟とはどのような環境で,その中で子どもはどのような入院生活を送り,治療がどのように行われ,また教育はどう保障されているのかなど,児童精神科入院治療の実際が外部から見えにくいことが理由としてあるだろう。 本書は,こうした児童精神科における入院治療の現状と課題を,症例も含め複数の観点から論じることを通し,今後の児童精神科入院治療の進むべき道を探り浮かび上がらせる。

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  • 改訂増補 心理療法・失敗例の臨床研究 その予防と治療関係の立て直し方
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    学派を超え,すべての悩めるセラピストにとって道標となる名著が,スーパービジョン,臨床的判断に関する論考などを新たに加える待望の改訂増補版。 本書は,心理療法の失敗とその後の治療関係の立て直しについて,実践と理論の両面から検討された臨床・研究成果をまとめたオリジナリティ溢れる一書である。 心理療法は失敗する。多少にかかわらず,方法を誤っていたり,要望を汲み取れなかったり,何気ないコメントが小さなトゲのようにクライエントを傷つけてしまったりし,二人のあいだに誤解が生まれてゆく。そのままだと,やがては,セラピストとクライエントの関係が壊れてしまうことにもなりかねない。多くの臨床家は,一度ならずそうした経験をすることだろう。 そうしたさまざまな失敗について,その原因と回避,失敗に陥った後の解決法などを追及していくことで,セラピストは,セラピーの場で人と人が出会うということへの深い思索を与えられ,心理療法に対する新たな世界観の提言に勇気づけられる。本書を読むことで,セラピストは,心理療法の底流となる「基本となるもの」に気づかされるに違いない。

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  • PEERS 友だち作りのSST[学校版] 指導者マニュアル
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    自閉スペクトラム特性のなかでも人との関係に課題を抱える思春期の子どもたちに,友だちと上手に付き合うためのスキルを提供する,アメリカUCLA発のプログラム「PEERS(Program for the Education and Enrichment of Relational Skills)」。 思春期の子どもと保護者で共に取り組み,課題をひとつずつクリアしていく全16セッションで,楽しく会話する方法,会話に入る/抜ける方法,電話・ネット・SNSの使い方,自分に合った友達の見つけ方,ユーモアの適切な使い方,友だちと一緒に楽しく遊ぶ方法,思いのすれ違いへの対応方法,からかい・いじめ・うわさへの対応方法を学んでいく。学校現場に特化した,友だち作りが身につく実践マニュアル。

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  • 思春期の心の臨床[第三版] 日常診療における精神療法
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    著者は,時代とともに変容する家族,学校,社会を視野に入れながら,時を経ても変わらざる子どもや若者の心性に寄り添ってきた。本書には「思春期臨床は,クライエントの現実の〈人生の質・生活の質〉を向上させるものでなければならない」との思いが貫かれ,児童・思春期臨床四十余年の臨床経験が凝縮されている。  今回の第三版では,従来の章の加筆修正に加えて,発達障害やトラウマ,チーム・アプローチや薬物療法などの10章を新たに追加,大幅な改訂増補となった。クライエント一人ひとりの個別性を尊重し,次につなげる道筋が見えてくる,心理療法面接に関する臨床的知見の宝庫といえよう。

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  • 精神療法の基礎と展開 「受容~共感~一致」を実践するために
    4.5
    著者は,精神療法の最も重要な因子をロジャーズの中核三条件「受容-無条件の積極的関心,共感的理解,一致」と解し,日常臨床において,認知行動療法(CBT)を適宜活用した効果的心理療法を実施している。本書はその臨床経験に裏打ちされた,このうえもなく実践的な臨床指導書である。 理論編においては,神田橋條治,宮内勝,土居健郎,成田善弘,村瀬嘉代子ら先達の技法論を引用しながら自説を展開し,臨床応用編では,初回面接,見立て,治療のゆきづまりなど具体的場面での対処,さまざまな精神疾患への臨床応用までを詳述している。読者は,これら理論的記述と症例検討をたどることで,自らの心理面接技術を着実に向上させることが出来るであろう。

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  • 精神分析マインドの創造 分析をどう伝えるか
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    本書は,精神分析を知性化させたり形骸化させたりすることなく,患者にとって意味のある体験とするために,どのように実践できるかについて書かれたものである。 精神分析の治療成果である自己分析は,これまで分析家との同一化を通して獲得されると考えられてきた。しかし本書では,(分析家との同一化に依らずとも)自己分析の力を患者が獲得できるように支援できる方法が細かく丁寧に紹介されている。 関係性偏重にある現代の精神分析治療を再考し,ブッシュは私たちに日常的に行っている治療行為の意味を問うてくる。「なぜ質問をするのか?」「なぜ抵抗を克服させようとするのか?」「なぜ無意識を解釈しようとするのか?」 これまで精神分析を実践してきた治療者にとっても,力動的心理療法に関心のある人にとっても,治療における患者の自我の重要性を再発見できる一冊となっている。

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  • CPC-CBT 親子複合型認知行動療法セラピストガイド 身体的虐待リスクのある子どもと家族をエンパワーする
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    子どもを体罰で抑え込もうとする親と、トラウマ受傷と行動悪化を加速させてゆく子どもたち……すれちがう親子の「養育の悪循環」は、誰も望まなかったはずの虐待という結末を招きかねない。 セッションの実践経験と研究のエビデンスから編み出された全16-20セッション「親子複合型認知行動療法(CPC-CBT)」は、構造化されたセッションメニュー(トラウマケア、体罰の心理教育、加害責任の明確化、怒りのマネジメント法、適切なペアレンティングスキル)、臨床家の言葉の例示、想定問答集、実用的な資料集をガイドに、親子が「共に学んで一緒に変わる」ゴールを一歩ずつ目指してゆく。 トラウマフォーカスト認知行動療法(TF-CBT)とも理念を共有する、親子の情緒的コミュニケーションを回復して虐待の再発を予防するための臨床実践ガイド。

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  • 精神分析のパラダイム・シフト アンドレ・グリーンの精神分析
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    グリーンは,欧米ではかなりよく知られた精神分析の理論家であるにもかかわらず,文章の難解さや特定の学派に属していないがゆえに,その理論についてわが国では知られる機会が少なかった。 本書は,2015年にグリーンの精神分析を顕彰する目的で英国精神分析協会の主催で開かれたシンポジウムをもとに,グリーンと直接交流を持った分析家たちによる論考をもとに構成された論文集である。ペレルバーグによるグリーン理論の包括的な解説から始まり,精神分析的な臨床実践の論文,文化芸術に関わる論文,グリーンの理論についての討論やグリーンのインタビューなどによってバランスよく構成されている。 それゆえ直接グリーンに取り組むのとは異なる,さまざまな視点を得る機会となり,彼の思考をたどるのに最適な手引きといえる。 アンドレ・グリーンの精神分析を紹介することを通して,彼が開いた新しいパラダイムに読者を導く。

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  • バリント入門 その理論と実践
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    マイケル・バリントは、クラインやウィニコット、フェアベアン、ビオンと並び称される対象関係論の嚆矢であり、純粋精神分析と応用精神分析の両分野において成し遂げた仕事には再評価の目が向けられている。 本書は、精神分析独立派の代表的論者であるハロルド・スチュワートらによって執筆されたバリントについての解説書である。 第一部では、スチュワートがバリントの主たる四部作および論文「外傷と対象関係」「精神分析訓練と教育分析」を概観し、内外からの批判とその反論を著している。ここでは純粋精神分析についてのバリントの仕事に初めて触れる読者や知識を整理したい中堅に向けて書かれている。とりわけ第六章は、ウィニコットやカーン、サザーランドなどのほかの分析家との対照点や相違点を洗い出し、ボラスのような現代的な臨床家へのつながりを検討しており、この書の白眉と言える論考であろう。第二部では、『6分間対話療法』や『医療における精神療法の技法』などのバリントのほかの書物に触れ、精神分析の他領域での応用を検討している。「日常臨床」への応用場面や一般臨床での訓練についても言及しており、バリントの応用精神分析の仕事についての解説となっている。 バリントの著作を精読してきた訳者らが、丁寧にわかりやすく訳出し、多数の詳細な訳注を付したバリント読解のための最良のガイドと言えよう。

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  • CAMS 自殺の危険のマネジメント 治療者と患者の協働
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    自殺予防治療にとって本書で紹介するCAMS(Collaborative Assessment and Management of Suicidality)は革新的な枠組みとなる。 CAMSでは治療者と患者の「協働」が鍵となり,患者自身の診断や治療への積極的な関与によって治療の効果を最大限に引き出す。 巻末付録には応用的臨床ツールである自殺状態評価票(SSF: Suicide Status Form)を,記入例,各マニュアルと一緒に収録しており,実際の臨床で役立つ。 本書は自殺予防の臨床家にとって新たな道標となる治療哲学と実践的アプローチの書である。

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  • 解離の舞台 症状構造と治療
    5.0
    ヒステリーが精神医学の表舞台から退場し,多重人格や劇的な身体症状は今や見るも稀な現象となりつつある――しかし,巨大なヒステリーの幻影は未だ潜勢している。ヒステリーから表現形を変えた解離症状は,気配過敏,想像的没入,人格交代,空間的変容/時間的変容,幻覚・幻聴をはじめとする多彩な表情を見せつづけて延命する。 本書の前半・症状構造論では,「色」「夢」「眼差し」など解離に特徴的な表象を手がかりに,気配過敏,想像的没入,人格交代,空間的変容/時間的変容,幻覚・幻聴など解離の典型的症状を論じながら,当事者の主観的世界を触知する。本書の後半・鑑別診断論では,境界性パーソナリティ障害,自閉症スペクトラム障害,統合失調症との困難な鑑別方法を症候学的観点から解説していく。そして終盤の治療論では,「犠牲=身代わり」「場所」「救済者人格」を足がかりとしながら,夢と現実の境界線上に「いま・ここ」を構築して交代人格と交流をはかり,安全な場所のなかで回復に至る軌跡を描いていく段階的治療論が語られる。 症状構造から治療のエッセンスまでを析出した,解離性障害を理解するための比類なき決定書。

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  • 感じやすいあなたのためのスピリチュアル・セルフケア エンパスとして豊かに生きていく
    -
    感じやすい人(エンパス)は,日常生活において他者や周囲の微細なエネルギーを感じ,他者の感情を吸収しやすく,相手の気分に染まりやすく,人疲れや気疲れを含めて疲労が蓄積しやすいといった,さまざまな困難が生じやすいという性質があります。そのため,セルフケアが欠かせません。毎日,マインドフルに心をこめてセルフケアを実践していくことで,その感じやすさは豊かに活躍するはずです。 自身がエンパス(感じやすい人)である著者の精神科医ジュディス・オルロフが,毎日行なう具体的なセルフケア,並びに,セルフケアの観点からのものの見方,セルフケアの瞑想を一日一ページのスタイルで365日,心構えとともに紹介します。そこには,食事・運動・休息,人間関係の持ち方,考え方の転換など,一般的な健康やメンタルヘルスに役立つケアもふんだんに取り入れられています。 本書は,カレンダー通り順番に読んで毎日の心構えを確認したり,自分にとって重要な日(誕生日や記念日など)を中心にセルフケアの方法を整理したりすることもできます。また,ページをぱらぱらとめくり,目に止まったもの,心にとまったセルフケアを試してみて,自分に合っていれば取り入れる,という読み方もできます。 エンパスである人も,そうでない人も,自分を大切にし,成長し,豊かに生きていくヒントを与えてくれる一冊です。

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  • 職場にコンパッションを目覚めさせる 人と組織を高める静穏なパワー
    -
    職場でコンパッション(思いやり)を広めよう!コンパッションの溢れる会社では、働く人皆がやりがいを見つけることができ、全体として組織の業績も伸びるという好循環が生まれていく。本書ではその方法を解説する。

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  • こころの支援と社会モデル トラウマインフォームドケア・組織変革・共同創造
    4.0
    こころの支援の現場に,何が起こっているのか? 日々揺れ動く社会構造との絶えざる折衝のなかで,支援者と被支援者の関係,支援の現場は今,どうなっているのか?――東京大学発「職域・地域架橋型:価値に基づく支援者育成」プログラム(TICPOC)開幕に始まるこの問いに,多彩な講師陣によるカッティングエッジな講義録+ポリフォニックな対話で応答する思考と熟議のレッスン。 個人の脳やこころの病理を治療しようと試みる「医学モデル」の限界,問題は個人の外部=社会との接面に生じるとする「社会モデル」の視点の浸透,社会構造の変容と精神保健医療福祉システムの再構築――こころの支援をめぐるパラダイムが大きく変動する現在,対人支援をどのように考え実践すべきか? 組織変革を構想するマクロの視点と、臨床場面で工夫を重ねるミクロの視点から,日々変わりゆく状況に応答する。

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  • 認知症ケアのための心理アセスメントと心理支援 高齢者の心理臨床ハンドブック
    -
    超高齢社会を迎えて認知症を中心とした心の疾病や課題を抱える高齢者の増加が大きな社会問題になりつつあり,公認心理師・臨床心理士をはじめとした高齢者支援に関わる専門職の担うべき役割も増大してきている。 こうした状況を踏まえて,本書は高齢者の心理臨床の標準的な手引きとして,各執筆者自らの経験と最新の知見に基づいて実践に役立つ指針となるべく編まれた。 心理臨床の中核を「心理アセスメント」「心理社会的介入(リハビリテーション)」「家族・コミュニティ支援」の三本柱に置き,それぞれ,身体の状態や認知症などの精神症状の評価,認知症の行動・心理症状(BPSD)の予防や改善のための介入法,認知症者を支える家族などの介護者や地域で生活をともにする人への支援について現状に即して述べられた実践ハンドブック。

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  • 臨床現場で活かす!よくわかるMMPIハンドブック(臨床編)
    -
    クライエントのパーソナリティを高解像度で解き明かすMMPI(Minnesota Multiphasic Personality Inventory:ミネソタ多面人格目録)の臨床応用を,「症例検討会」「症例呈示編」という2つの角度から徹底検証する。 MMPIの始め方から,基礎尺度・追加尺度の基礎知識,解釈法,ケーススタディまで,臨床心理アセスメント初学者はもちろん,アセスメントスキルをブラッシュアップしたいベテラン心理職,チーム医療を志す医師・コメディカルスタッフにもよくわかる実践本位テクニカルガイド!

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  • パーソナル 精神分析事典
    -
    本事典で,項目として取り上げている用語・概念は,すべて精神分析の専門用語であり,一般語や他分野の用語の精神分析的解釈は含みません。精神分析の中でも伝統的な用語を多く含みますが,比較的新しく,人によっては聴き慣れない概念と思われるかもしれないものも含んでいます。 この事典で提供されている知識の中核にあるのは,「対象関係理論」です。しかしながら,事典としてその範疇には限定され過ぎない,伝統的な精神分析概念も取り上げています。それらについても対象関係論からの意味や意義を含めて記述しています。また用語・概念によっては,精神分析学派の違いによる概念の意味や位置づけの違いにも明確に触れるよう心掛けました。

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  • 虐待にさらされる子どもたち 密室に医学のメスを:子ども虐待専門医の日常
    -
    本書は決して難解な医学書ではありませんが、エンターテイメントに重きを置いた爽快な一般書でもありません。そこにあるのは虐待医療の黎明期から現在に至るまで、現場の実務者として第一線で関わり続けてきたリッチー医師を通して語られる圧倒的なリアルな物語です。本書で語られる物語は、日本でもここかしこで生じている問題でもあります。医療者にすらほとんど知られていない子ども虐待専門医の日常を追体験できる本書は、既に虐待が重大事態に発展してしまった子どもと家族を守るために、我々大人が何を学び、何をなすべきか、関係機関が真に協働することがいかに重要であるのかを、気づかせてくれるでしょう。また同時に、地域社会の総合力の欠如の結果生じると言わざるを得ないこのような事例の発生を防ぐために、現場の地道な取り組みこそが重要であることも明示しているのです。

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  • 新訂増補 パーソナリティ障害の精神分析的アプローチ 病理の理解と分析的対応の実際
    -
    パーソナリティ障害は,自傷,多量服薬,性的奔逸,過食,ひきこもりといった病的行為が前面に現れ,“悩む”から“行為をする”病態へと変遷している。そして苦痛な感情や困難な葛藤を抱え対処するのが当事者のみならず関係者や治療者でもある点に,パーソナリティ障害の難しさがある。したがって,症状や病的行為という目先の問題の緩和をもって良しとするのは早計であり,その意味でこそ,“エビデンスベースト”の名のもとにある安易な治療実践にはない,病者のこころに真摯に働きかける精神分析的心理療法が求められる。 本書は,パーソナリティ障害への精神分析的心理療法という,病者のこころの本質を知り,その本質に働きかけていく治療手技の実際を提示することを試みる。さらに,そのために求められる理論や鑑別,治療手技が活きるための協働態勢や環境の準備についても提示している。 今日の心理臨床や援助活動の場面で,人々がもっともこころを砕いているこころの病がパーソナリティ障害ではないだろうか。好評で版を重ねた初版に新たに3編の論考を加え,全編にわたって再検討がなされた。「パーソナリティ障害」という病名で表現される臨床病態の困難さに真摯に向き合う臨床家にとって,本書が一助となることを願う。

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  • 友だち作りのSST 自閉スペクトラム症と社会性に課題のある思春期のためのPEERSトレーナーマニュアル
    -
    友だちはほしいけれど不安やこだわりで前に進めなくなってしまう、思春期の複雑な対人関係を前に立ちすくんでしまう……発達障害の特性のなかでも人との関係に課題を抱えている子どもたちに、友だち作りのソーシャルスキルを提供する「PEERS(Program for the Education and Enrichment of Relational Skills)」。「PEERS」には他のプログラムにはない4つの特徴がある――(1)自閉スペクトラム症をはじめとする社会性に課題のある子どもたちが苦手とするスキルにフォーカスしていること、(2)思春期の子どもを対象にしていること、(3)子どもと保護者の同時参加によってスキルの般化を目指すこと、(4)プログラムの効果が科学的に証明されていること。さらに「PEERS」では2つの場面で体験しながら友だち作りのスキルを学ぶ――(1)家庭では親子でいっしょにホームワークに取り組む、(2)グループセッションでは仲間たちのロールプレイや行動リハーサルを通して自分を振り返るフィードバックを受ける。 ひとつひとつ課題をクリアできるように設計された全14セッションをトレーナーといっしょにこなしていけば、学んだことを学校でもすぐに応用できるなど、親子で効果を実感できる工夫があちこちに盛り込まれ、保護者と思春期・青年期の子どもたちに向けて「PEERS」の内容をまとめた『友だち作りの科学』(2017)と併用すれば、もっと上手にもっと効果的に「PEERS」を使いこなせるようになる。友だちを見つけて楽しく明るく日々を送るための、友だち作りがみるみる身につく「PEERS」トレーナーマニュアル!

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  • SBS:乳幼児揺さぶられ症候群 法廷と医療現場で今何が起こっているのか?
    -
    虐待医学の困難な点は、原因が加害行為であるゆえに司法的な問題とのクロスオーバーが生じる点に外ならず、医学的妥当性の程度については川崎病やその他の病態における状況と変わりがあるわけではない。 医学的な見地から現時点のエビデンスを医師が法廷で提示した後に、そのエビデンスの信頼性をどう評価するかは、医師の手を離れた法学上の問題である。そのような整理をしたうえで、法学上の評価をどうしたら正確に行いうるのかという観点で、法学分野としての現行の事実認定システムの改善を図ろうとするのではなく、法学の門外漢である医師に、医学の門外漢である法学系の人物が延々と仕掛けてくる医学的論戦は、果たして本当に意味のある論戦なのか、単に混乱をもたらすだけのものであるか、冷静に評価する必要がある。 混乱がもたらされることで誰が得をし、誰が損をするのか、本質的なところに我々は着目しなければならない。

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  • 自尊心の育て方 あなたの生き方を変えるための,認知療法的戦略
    -
    自尊心の本質は,自己へのコンパッション(同情)である,肯定的な自尊心は,健康なパーソナリティの核である。 本書は,「自尊心」についての臨床的知見の宝庫であり,読者は,当事者,セラピストいずれの立場からも本書を読むことで,CBT(認知行動療法)による心理面接技術を身に付けると同時に,自らの対人スキルを促進することができる。今回の大幅改訂(第4版)にあたって,自尊感情だけでなく,近年注目を集める「セルフコンパッション」についても詳しい考察がなされている。 「自尊感情」を維持し,育てるための基本図書として全米で80万部を売り上げたベストセラー!

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  • 自閉スペクトラム症を抱える子どもたち 受身性研究と心理療法が拓く新たな理解
    4.0
    自閉スペクトラム症を抱える子どもと青年,およびその家族は何を体験しているのか? 自閉スペクトラム症のイメージは「マイペース」「空気が読めない」などと言われるが,実際はそうではない。本書では,自閉スペクトラム症の特徴を解説するのではなく,著者が心理療法を通して聞いた,その人たちが何を感じ,何を思っているのか,という心の声を描き出していく。

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  • 新装版 バウムテスト活用マニュアル 精神症状と問題行動の評価
    -
    バウムテストは日々進化している。テストをとるのは簡単だが、バウムに現れたサインの意味をどう解釈をしていけばいいのか。誰しもがぶち当たる壁である。バウムテストを行ったからといって、すぐにクライエントのすべてを理解することはできないが、主観で判断するよりも、まずは本書で数多くのバウムに当たり、絵からどのようなサインをとることができるのかを読み解いていこう。 解釈をするのには、サインを拾う側の力量も関わる。しかしバウムテストを系統立てて読み解いていくことで、分析できることはたくさんある。また、クライエントとの言葉のやり取りだけでは得られなかった情報も見えてくるだろう。 本書の初版は2002年であるが、そのあとの訳者の著作、他書の翻訳を通し、ぼやけていた描画の印象がだんだんと明瞭になりつつある。バウムテストへの理解が深まることで、臨床の役に立つ機会がさらに増えるはずだ。

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  • プロセス・ベースド・セラピーをまなぶ 「心の変化のプロセス」をターゲットとした統合的ビジョン
    -
    エビデンスとクライエントの個別性,両方を尊重した心理療法の実現へ! プロセス・ベースド・セラピー(PBT)とは,現代の心理療法研究をリードするステファン・ホフマンとスティーブン・ヘイズが生み出した,「セラピーの新しいあり方」を示した枠組みである。ネットワーク科学や進化科学の理論を自由自在に取り入れたPBTは,心理療法のあり方を根底から問い直し,テーラーメイドのセラピーを実現するための道筋を示してくれる。

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  • 中井久夫 拾遺
    -
    単行本未収録のインタビューや対談、手に入りにくくなっている論文を中心に、エッセイ、あとがき、アンケート、マニュアルなどを再構成。刊行にあたり、ゆかりある同業者たち(市橋秀夫、清水將之、山中康裕、胡桃澤 伸、星野 弘)に知られざるエピソードを寄せてもらった。

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  • クライエントの側からみた心理臨床 治療者と患者は,大切な事実をどう分かちあうか
    -
    「心理臨床とは、その個人がより生きやすくなることを、心理学の理論に基づいた技法を用いて援助していくことである」(著者識す)。  本書は,村瀬嘉代子の「心理臨床」を理解する上での重要な論稿を収録し,著者が日常臨床を通じて帰納法的に会得した技術や知見を数多く紹介した実践編である。  心理療法の理論や技法を生活に繋ぐ意味とは何か。対人援助職の要諦は,クライエントの生活を視野に入れることである。本書収録の1980~90年代の時期の村瀬の臨床論文は,質・量ともに圧倒的なスケールのものとして表されている。それらは、臨床心理学の世界にある者にとっての黄金の羅針盤ともいうべきものであった。本書は、その奇跡の著作群からセレクトされたエッセンスである。  クライエントからの視点を鍵概念とした一連の秀抜な治療者―患者関係論。それらは,読後すぐに実践応用しようとする操作的マニュアル的なこととは無縁ともいえるものである。そこにある発想の深みや治療の多様性は,時間をかけて自らの頭で考えることのできた者にのみ心理臨床の「常識」となるものといえよう。

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  • SSTと精神療法 コミュニケーションの意味とスキル
    -
    70年以上にわたり臨床家として生涯現役を全うした希有な精神科医,西園昌久が該博な知識と臨床経験を基に聴衆に語りかける講演録。本書は,著者の考えるSSTの要諦と実践応用の工夫,そして精神医療全般についての記念碑的著作であり,SSTを通じてクライエントの生きる力を援助する,そのための基本技術と心構えを易しく解説したものである。  本書には,(1)SSTは相手と向き合い・受け止め・信頼関係を築くことが基本,(2)母子関係・父子関係を踏まえた育ち方を考える,(3)仲間に受け入れられ認められることを通じて人は成長する,(4)正のフィードバックは,人の微妙な気持ち-親密・不可侵と対人不安を理解する,(5)SSTだけで勝負せず「良い統合失調症治療の四つの条件」を視野において実施す るなど,臨床実践の要諦がちりばめられている(安西信雄「読者のために私がお勧めしたい,本書の読み方・読みどころ」より)  SSTという効果的な技術力を駆使して,クライエントが現実の生活に役立つものの考え方と行動を身につける手助けをする際の,優れた援助者になるための必読書である。

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  • 投影同一化と心理療法の技法
    -
    トーマス・オグデンは,現在アメリカを代表する精神分析家のひとりである。本書は,オグデンの最初の著作であり,精神分析における鍵概念である投影同一化の緻密な解説書となっている。  投影同一化はメラニー・クラインによって導入された概念であり,当初は自身のこころに収めきれず,統合しえない情緒体験を分割し,内的対象に押しこむ排出空想として提起されたが,オグデンはこれを実際の対人関係を巻きこむ形で展開する心理的-対人的プロセスとして捉えなおし,さまざまな臨床場面で応用可能な理論へと練り上げた。  また本書では,投影同一化すらも成立しえない「無体験」という心的状態についても注目し,この概念を用いて統合失調症患者の中核的葛藤を「意味を生みだそうとする動き」と「意味を破壊しようとする動き」の葛藤として理論化した。そして,心的な意味が創造されるプロセスを臨床素材をもとに鮮やかに示している。  『こころのマトリックス』『体験の兆すところ』『もの想いと解釈』など,以降の書で展開されるオグデンの独創的な理論の萌芽がここにある。臨床的な営為に携わるあらゆる人々にとって役立つ書であることは間違いないだろう。

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  • 精神療法の理論と実践 日常臨床における面接技法
    4.0
    本書は,日々多くの患者と向き合う治療者のための実践的な精神療法の意義と役割について示しつつ,時間的・空間的制約が課される中でも,十分に精神療法的接近ができるようになることを目的とした,治療的戦略の書である。 著者が築きあげてきた精神療法家としての素地を柱とし,強迫症関連におけるDSM-5やICD-11改訂のポイントなどの稀有な論題も含む第I部,強迫症などの病態に関する最新の知見を症例とともに紹介し,主要な行動療法スキルをはじめ,より実践的なエッセンスをちりばめた第II部からなる。

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  • 認知行動療法の哲学 ストア派と哲学的治療の系譜
    4.0
    認知行動療法は、古代ストア哲学の末裔である―― 霊と呪術から心を解放した近代科学の正嫡・認知行動療法には“知られざる系譜”が存在した……心の正面ドアをノックする「理性のコントロール」か? はたまた心の裏階段から忍び込む「非理性のカタルシス」か? アーロン・ベックとアルバート・エリスが愛したストア派の賢者たち――マルクス・アウレリウス、エピクテトス、セネカ――に導かれ、心の治癒の一大精神史を体感する。 「この本は古代から連綿と続いてきた「理性による治療」の解説書であると同時に、ワークブックとしても使うことができる。千々に乱れる情念を理性でコントロールする。そのために、読者が理性の筋トレとストレッチを行えるようになっている。だから、同じように、読者であるあなたにも「理性に癒される」体験をしてもらえたならば、監訳者としてはそれで十分な気もする(それはおそらく原著者の願いでもある)」(東畑開人「理性に癒される――解題に代えて」より)

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  • ICD-11・DSM-5準拠 新・臨床家のための精神医学ガイドブック
    -
    精神病理学に由来する「深く掘り下げて精神症状を追究する傾向」に対して「操作的診断基準」(ICDおよびDSM分類)による診断傾向が一般化しつつあるが、成立の経緯や時代背景、その思想的背景が十分には知られないまま、コメディカルスタッフの間にも浸透している。 この大きな動向に対する臨床現場からの声を原動力に書かれた『臨床家のための精神医学ガイドブック』を大幅に改訂。改訂のポイントは、新たに公刊されたICD-11・DSM-5に準拠した、20の精神疾患のカテゴリーへの再構成、そしてICD-11・DSM-5と対照しながら自ら経験している臨床事例を考えられるようになった点にある。 臨場感あふれる詳細な事例を呈示して、精神疾患・身体疾患の医学的知識、症状のケアに求められる心理学的知識、薬物の作用/副作用などを解説しながら、臨床現場における診断/対応例の実際を紹介する。知識を積み上げながら症状の診かた・診断の考えかたを基礎づけていく、精神医学ガイドの新定番。

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  • トラウマの精神分析的アプローチ
    5.0
    トラウマの臨床に携わる際,まず,トラウマ/外傷ということばが,身体の損傷から取られたたとえ,メタファであり,それ自体は意味のない用語であると理解することは大切である。患者の苦悩・苦痛を身体の外傷と同じように捉えてしまうと,想像上の傷口に手当を施すように傷を癒すことができるといった単純な因果論,万能的な発想に陥ってしまう。 こころの臨床に臨む私たちには,患者の訴える,あるいは症状として表わすトラウマだけを見るのではなく,苦痛を訴え苦悩するその人を見つめ,苦しむこころに触れ続けることが必要となる。 本書ではまず,精神分析におけるトラウマ理論・治療の歴史を概観し,ストレス障害という語の実態に迫り,また,患者との出会いの場面で不可欠となる,その人がトラウマを経験している可能性を考慮したアセスメントについて学ぶ。実際の精神分析的治療については,9編から成る豊富な実践例や応用編を通して,幼少期の虐待や喪失体験,複雑性PTSDや解離の症状といった多様な病態に存分に触れることができる。 第一線で分析的治療を実践し続ける臨床家たちによるトラウマ臨床の手引きとなる一冊である。

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  • 複雑性PTSDの臨床 “心的外傷~トラウマ”の診断力と対応力を高めよう
    4.0
    複雑性PTSD(CPTSD)は,いよいよ国際疾病分類(ICD-11)における公式診断として登場することになり,わが国のトラウマ臨床において、そして一般の臨床においても広く使われることが予想される。 本書は,CPTSDに関する基礎知識から臨床応用までを網羅した,現在数少ない本格的な臨床書である。昨今,日常臨床において,親による心理的・身体的虐待や学校でのいじめ・体罰,各種ハラスメントなど,CPTSDと関連性の深い事態・病態が多く見受けられるが,本書は現場で対応の難しいケースについて治療への有効なヒントを提供することだろう。 さまざまな病態の背後にあるCPTSD,その適切な評価と治療的対応を詳述したわが国初の臨床書。

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  • 統合失調症患者の行動特性[第三版] その支援とICF
    -
    統合失調症は,決して珍しい病気ではない(生涯罹患率は〇・三〇~二・〇パーセントである)。統合失調症者とは,どのような人たちであるのか? 彼らの人格上の特徴を統一的に把握することはできないものであろうか。  統合失調症でみられる行動特性の背景には何があるのか? 本書は,初版刊行以来「統合失調症」の行動特性・症状論の名著としてロングセラーを続けている。今回(第三版)では,「(統合失調症)告知に関する私の考え」を新たに収録した。  さらに本書における理論的展開としての統合失調症の臨床精神病理学は,限りない深奥な内容をもちながらこのうえも無く明快である。著者は,オープンダイアローグや脳科学の最新知見,ウィークネスモデルからストレングスモデルへの切り替え,わが国の精神科クリニックの増加による早期発見―早期治療―早期改善の流れも踏まえ,臨床現場で活かすための実践的な「行動特性」「認知特性」の知見を提示する。その一方「ハイデガーの現存在分析論」を的確に援用し,読み替えながら,現場における統合失調症の臨床精神病理学をわかりやすく説く。

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  • 精神分析臨床での失敗から学ぶ その実践プロセスと中断ケースの検討
    -
    皆さんが今手にされている本書は「失敗から学ぶ」ことを主テーマとして,精神分析的アプローチを実践している経験豊かな臨床家から中堅,初心の臨床家が参加し,さまざまな臨床の場でのそれぞれの実践から得た学びが論考されています。……(本書「まえがき」より) セラピストとクライエントの関係において多くの臨床家は,一度ならず失敗に陥った経験があるだろう。予期せぬ治療の中断により終結を迎えられないこと,治療者の感情反応による行動化の誘発,転移・逆転移(反応)がもたらす治療の行き詰まり,等,本書はさまざまな面接の失敗について,原因とプロセス,その解明を真摯に考察した貴重な論考である。

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  • コンパッション・マインド・ワークブック あるがままの自分になるためのガイドブック
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    本書は,人生で何度も出くわす苦しくつらい局面をうまく乗り越えていけるように,自分と他者へのコンパッションを育てる方法について書かれたもので,コンパッション訓練の成果が十分得られるように8つのセクションから構成されています。 「セクションI」ではコンパッションが必要な理由を解説し,「セクションII」ではコンパッションを理解するために,人にコンパッションを向ける,人からのコンパッションに心を開いて受けとる,自分自身にコンパッションを向ける(セルフ・コンパッション)の,コンパッションの心を育てるときに大切な3つの「流れ」について説明します。 「セクションIII」では,さまざまなマインドフルネスの練習を通じて,注意と意識のスキルを高める方法を紹介し,「セクションIV」では,「コンパッションに満ちた自己」などのエクササイズについて学び,練習を重ねることで,自分なりのやりかたで苦痛をうまく乗り越えられるようになります。 「セクションV」では,セクションIVで学んだ3つのコンパッションを育て,その力を強化するための方法を,「セクションVI」ではコンパッション・マインドをどう表現し,どう向けていくのかを学びます。 「セクションVII」では,ふだんの生活のなかでコンパッション・マインドのスキルをどのよう活用し,身に着けたコンパッションをもち続ける方法について「セクションVIII」で学びます。

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  • 生き延びるためのアディクション 嵐の後を生きる「彼女たち」へのソーシャルワーク
    5.0
    男性依存症者を中心に組み立てられてきたアディクション治療プログラムから排除されてきた女性たちが抱える「問題」は、決してアディクションだけではなかった。夫からの断続的な暴力、家庭の慢性的な貧困、そして社会から降りかかってくるスティグマ……「彼女たち」が次々に持ち込む難題は、援助者が研究・駆使してきた実践アプローチをことごとく覆していく。「なぜうまくいかないのか? 何が問題なのか?」――この難題を解決すべく研究と実践を繰り返すプロセスのなかで到達した脱医療的実践としての支援論は、女性依存症者に共通する四つの嗜癖行動パターンと三つの回復過程モデルを導き出す。そして主宰するNPO法人リカバリーにおいて試みられた「生活支援共同体」の実践は、失われた身体を彼女たちの許へ送り返し、これまで経験したことのなかった親密な関係を生み出していく。あまりに複雑な回復をたどる「彼女たち」、想像を絶する不自由を生きる「彼女たち」、ずっと救われてこなかった「彼女たち」……身体と生活を奪還する「彼女たち」と共に生き延びるためのソーシャルワーク実践論。

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  • 心的交流の起こる場所 心理療法における行き詰まりと治療機序をめぐって
    -
    著者は本書において,精神分析の最新の研究成果を臨床場面に実践応用するための技術論を展開する。壮大な仮説と検証のプロセスを辿ることにより,あらゆる心理療法に通底する「治療原理」へと接近することを目指した試みである。  「臨床家であること」とはどのようなことであるのか? 面接過程における「行き詰まり」と「治療機序」をめぐる思索,心理療法が有効にはたらく場とは? 一貫して臨床実践的に思考する姿勢によって,心理臨床家がその力を最大限に発揮するための技法的工夫が多くの事例を通して詳細に述べられている。

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  • 心理療法の基本[完全版] 日常臨床のための提言
    -
    「本書には,読んではっと気づくという即効性もあるが,時間の中で熟成し自分がいくらか変わるという遅効性もある」(青木) 「心理療法に「天性」などということは殆ど関係なく、この道を志し、歩み入ったならば、自分の中の知見(これはただの暗記でなく、自分の経験と知識に照合し、自分の中を潜らせて、自分のものとして納得し、使いこなせるものになっている)を豊かにするべく不断に努め、安易に自分の生の感情に自分を委ねるのではなく、考える、その結果生じる感情を大切にする、という態度を磨いていくことが求められていると思われるのです。」(村瀬) 初級者からベテランまで,治療者のセンス・資質・心理療法に求められる基本的条件を二人の卓越した臨床家が論じる。「村瀬嘉代子の心理療法」を読み解くための最適な副読本であり,心理療法家をめざすすべての人に。

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  • 精神分析的サポーティブセラピー(POST)入門
    4.7
    精神分析を起源として独自の発展を遂げる,しかしこれまで決して名づけられることのなかった「ありふれた臨床」――――精神分析的サポーティブセラピー(Psychoanalysis Originated Supportive Therapy : POST)。「POST」とはどのような理論的基盤をもち,臨床フィールドにおいていかに実践されているのか,2つの事例とその逐次的解説を通じて「POST」の魅力と実践可能性を紹介する。 第1の事例では,「初期――混乱した出会いとPOSTのアセスメント」「中期――主治医との連携,環境のマネジメント,心理教育的アプローチ」「後期――頻度の変更,そして終結へ」を,第2の事例では,初期――精神分析的セラピー? POST?」「中期――転移の理解とPOSTの使用法」「後期――POSTから精神分析的セラピーへの移行」を,クライエントとセラピストのスクリプト,セラピストの自己内対話,セラピーの概要を記述したレポートからなる立体的な構成で紹介する。 続く「解説編」では2つの事例を踏まえて数々の実践上の問いを探究する――――アセスメント面接において何を考えるべきか? POSTはどのようなケースに向いているのか? POSTの中期はどう展開するのか? 介入において何を工夫すべきか? POSTの終盤をいかにガイドすべきか POST終結と精神分析的セラピーへの移行をどう判断すべきか? POSTという実践の鳥観図となる「POSTの精霊――――「東京」で出会った心理士たち」(東畑開人)を付した,精神分析的サポーティブセラピー(POST)を今ある臨床実践に接ぎ木して根づかせていくための「はじめてのPOST実践ガイド」。

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  • 新装版 ミルトン・エリクソンの催眠療法入門
    3.0
    20世紀最大の心理療法家ミルトン・エリクソン――催眠療法とともにその名を知られるエリクソンだが,古典的催眠のイメージを払拭する彼の新しい催眠療法はこれまで十分に解析・解説されずにいた。エリクソンから直接指導を受けた数少ない心理療法家オハンロンによる解決志向催眠療法ワークショップを採録した本書は,クライエントとの治療的コミュニケーションの方法,クライエントの可能性を誘い出し強調する技法を,実技や事例を通して解説し,エリクソン催眠の革新性を実証的に明らかにしていく。かつて特別な才能に恵まれた者だけに許される「名人芸」とされてきたミルトン・エリクソンの治療技法は,オハンロンのステップ・バイ・ステップの解説を経て,すべての心理臨床家の手に届く解決志向催眠療法として生まれ変わる。クライエントを尊重し,変化への可能性を開き,解決を導く体験を喚起する解決志向催眠療法は,心理療法や学派の別を問わず,すべての心理療法に共通するエッセンスの結晶である。 オハンロンのワークショップに参加しているような臨場感のなか,心理療法の技法をブラッシュアップして,クライエントのニーズに応える臨床実践のスキルを身につけるための「催眠臨床エッセンシャルガイド」。

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  • 聴覚障害×当事者研究 「困りごと」から、自分や他者とつながる
    -
    当事者研究の歴史・理念・目的や、聴覚障害分野での展開の経緯、当事者研究の公開と安全性を論じた第1章「聴覚障害当事者研究の導入」に続き、第2章「聴覚障害当事者研究の実践」では「感覚・身体」「対話・情報」「物語」という3つのテーマに即して、聴覚障害当事者研究の多彩な実践をレポート。最終第3章「聴覚障害当事者研究の今後」では、聴覚障害当事者研究の実践メソッドや、聴覚障害当事者研究に取り組むためのヒントなど、当事者研究の新たな形を探っていく。巻末には、本書を巡る対談「当事者研究へ、ふたたび」(熊谷晋一郎+綾屋紗月)を収録。 弱さのままに生きていける「知」、まだ誰も知らない「言葉」を探る、当事者研究のあらたな世界。

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  • サイコロジカル・ファーストエイド ジョンズホプキンス・ガイド
    4.0
    身体的外傷,重大な事件,災害には心理的苦痛がほぼ必ず伴う。そのため,急性期のこころのケアは,身体的な応急処置と同じように不可欠な要素と言える。 心理的応急処置(Psychological First Aid : PFA)は,急性ストレスやトラウマの影響を緩和し,危機にある人が逆境に効果的に対処できるように支援するためのものであり,天災,人災を問わず,さまざまな緊急事態に適用される。 本書は,ラポール形成,アセスメント,トリアージ,苦痛軽減,フォローアップという中核的要素から成るRAPID PFAモデルの実践ガイドである。このシンプルな介入プロセスから構成されるモデルは,担い手を心理士や医師に限定せず,看護師,警察官,救命救急士など広い領域で役立てられる。 また,本書は,前半にPFAの概念,トラウマ体験や災害がもたらす心理的影響などの基礎的な内容を含み,後半ではRAPID PFAにおける各フェーズの理想的な対応とよくある失敗を例示しつつ,実践に直結する内容を解説する2部構成となっており,メンタルヘルスケアを包括的に学べる書でもある。

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  • トラウマ・リカバリー・グループ 実践のための手引き
    -
    対人暴力によるトラウマで被る主要な痛手は,被害者と社会との関係が崩壊し,被害者が孤立させられることにある。 トラウマ・リカバリー・グループ(TRG)は,複雑性PTSD概念の提唱者として知られるジュディス・L・ハーマンが示す治療モデルのなかでも,被害者が対人的つながりを取り戻すための重要な回復過程に位置づけられる目標指向的・相互支援的なグループ療法である。 本書は,TRGを導くための手引書であり,ハーマンたちの理論と実践の成果も示す,複雑性トラウマ支援のための包括的マニュアルと言える。

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  • ナラティブ・エクスポージャー・セラピー[第2版] 人生史を語るトラウマ治療
    -
    PTSDを抱える難民治療のために考案された短期療法である,ナラティヴ・エクスポージャー・セラピー(NET)の理論的背景や実践方法を紹介するマニュアルの第2版。 第1版から改訂された重要な点として,治療対象を拡大したこと,また,複雑性PTSDに関する記述が拡充されたことが挙げられる。 NETは,短期間で十分な研修を受ければ実施可能なことから,わが国では児童福祉領域や医療領域で虐待,暴力,事故,自然災害などの被害やトラウマ的喪失を体験したひとたちへ適用されることが期待できる。

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  • 親子は生きづらい “トランスジェンダー”をめぐる家族の物語
    -
    親子は、なぜこんなにも分かり合えず“生きづらい”のか――。 トランスジェンダーである“僕”は、幼い頃から抱いてきた違和感が成長と共に膨らみ、ある日、家族へのカミングアウトを決意する。 “僕”の語り―― 「男になりたい」ずっと嫌なことばかりで、我慢ばかりで生きてきた。 でも、泣き叫ぶしかできない僕を見る母親の目は、冷ややかだった。 ムカつくのに、あの人に愛されなかった思うことが、すごく悲しかった。 “母”の語り―― 念願の娘が息子になんて。天と地がさかさまになるような気持ちだった。 美穂は、なんてわがままな子なんだ、と。 受け入れることはおろか、話を聞くことすら私にはできなかった。 (「カミングアウトの明暗」より) “僕”と“母”。親子それぞれの肉声で語られる物語は、溶け合うことなく互いに時を刻み、やがて予期せぬ軌道を描いてゆく――。 本書は、年月を重ねるごとに変化する、トランスジェンダーを取り巻く問題が克明に記されるとともに、戸惑いや葛藤を行きつ戻りつして進む、母親の本音が生々しく語られるノンフィクション作品。家族だからこそ伝わらない複雑な想い。理解とは何か。共に生きるとは何か。この小さなひとつの家族の物語に、どこか「わたしたち」自身の姿を見出さずにはいられない。 親子の語りを受け、ジェンダー・セクシュアリティを専攻する臨床心理士・佐々木掌子氏(明治大学)による「解説」と、フェミニズム・クィア理論を専攻する清水晶子氏(東京大学)、臨床心理学者・東畑開人氏(白金高輪カウンセリングルーム)を迎えた鼎談「願われた幸せの先――「生きづらさの理由」は説明できるか?」を導きの糸に、「違ったままで、でも共に」生きるという結論にたどりついた、家族の物語を紐解いていく。

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  • 精神分析のゆくえ 臨床知と人文知の閾
    -
    精神分析はどこに向かうのか? フロイトによる「素人分析」の問い、ルソーと倒錯論、精神病体験と欲動論の未来、イタリア現代思想、情動のデモクラシー、そして移行対象とポリリズムへ――人文学との討議より生まれ、ふたたび人文学へ帰還する、精神分析のダイナミズム。 「臨床なくして精神分析はない――これは揺らぎようのない大前提である。しかし、精神分析を臨床のみに純化させてしまうなら(治療行為としての精神分析)、その本質は歪められてしまうだろう。フロイトが明言するように、「精神分析を神経症者の治療に用いるのは、その応用例の一つに過ぎない」(「素人分析の問題」)のである。[…]精神分析と人文学との関係は、このようなパラドクサルな問いを私たちに強いてくるのである」(十川幸司「はじめに」より)

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  • 新訂増補 子どもの心に出会うとき 心理臨床の背景と技法
    5.0
    出会いの大切さとは,「治療者がクライエントを瞬時に観察し,クライエントの何気ない言葉やささやかな思い出,そして微かな興味や関心などの素材をもとに,その瞬間に,クライエントの体験してきたことやそれに伴う思いを考え抜くこと」(著者識す)。  村瀬嘉代子の「心理臨床」は,我が国の臨床心理学において他に比較しがたい重さを持っている。本書には,心理臨床の技術的側面を考える優れた論考を収録した。  卓抜な着想,迸るような臨床センスの煌めきが溢れ,このうえもなく現実的な臨床的治験が全編に亘ってちりばめられており,本書の各論考からは,仕事を通してよく生きることと学ぶこととは不可分であることが伝わってくる。すべてのセラピスト,心理援助者に読んでほしい本である。

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  • 精神分析の歩き方
    4.3
    「つくづく、いままでになかったタイプの本。この国で精神分析への道を歩いている人が、歩こうとしている人に向けて書いた愛と連帯の書。これが最初の本だということに山崎さんの人柄を感じます」(藤山直樹) 「本当は根源的批判の書だ。自由を得るか、苛立つか。それがあなたの立っている場所を教えてくれる」(東畑開人) 「難しそう」「敷居が高い」「めんどくさそう」――。とかく近づきがたい印象を与えがちな精神分析。その印象を払拭するため、「観光客」に向けて懇切丁寧に書かれた精神分析ワールドツアーガイド。 日本精神分析の100年にわたる歴史の中で、かつてこれほどにやさしく、そしてこれほどに危険な精神分析の書があっただろうか? 精神分析をこれから学ぶ「観光客」に向けて懇切丁寧に書かれたガイドブックでありながら、精神分析を相対化するような痛烈な批判が織り込まれている。 さらには現代メンタルヘルスの大きな潮流である当事者概念・エビデンス概念と渡り合いながら、新世代の精神分析的思考を展開。他ならぬ「いま」における精神分析の存在意義を問うた一冊。

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  • セルフ・コンパッション[新訳版] 有効性が実証された自分に優しくする力
    4.0
    セルフ・コンパッションの原典を新訳! セルフ・コンパッション(自分への思いやり)とは、物事をありのままに受け入れ、(1)自分に優しくすること、(2)共通の人間性を認識すること(苦しみのせいで孤立していると思わずに、他者との繋がりを大切にすること)、(3)マインドフルネスになること(苦しみを無視したり、誇張したりせず、自分の体験としてバランスよく自覚しつづけること)を実行していくことである。 「ありのままの自分を愛し,受け入れる」ことは、簡単なようでなかなかできることではない。たいていの場合、他の誰よりも自分自身に厳しく接することの方が多いだろう。人生には予想外のアクシデントが付きもので、そのことにより自分を責めたり、卑下することもあるだろう。もしかすると、自分自身に優しくしたら怠けたりわがままになったりするのでは?と思う方もいるかもしれない。 しかし、セルフ・コンパッションを身につけることによって、現代の過酷な状況下で格段に生きやすくなることは明らかになっている。自分で自分の心を和ませ、「労わる」ことができれば、過度に人に依存することなく自分自身をコントロールすることが可能なのである。 セルフ・コンパッションのスキルを使いこなすのは難しいことではない。本書を読みながらエクササイズを繰り返すことにより、自分自身に心を開こうという気持ちさえあれば、誰にでも体得できるものである。 セルフ・コンパッションは、生まれもった才能、なのである。

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  • 解決志向で子どもとかかわる 子どもが課題をのり越え,力を発揮するために
    -
    解決志向の子ども支援者が心得ておくべき基本要素に加え,使えるアイデアとツールをふんだんに盛り込んだ「解決のプロフェッショナル」のための支援者用ガイド。英国の革新的な児童福祉政策に準拠し,子どもが「自分で解決を見つけだし,自信をつける」過程を徹底的にサポートする「会話」と「質問」で,子どもの強さがわかる、子どもも,家族も,支援者も変わる。

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  • 認知行動療法実践のコツ 臨床家の治療パフォーマンスをあげるための技術
    -
    今や、多くの精神疾患の治療について認知行動療法(CBT)のエビデンスがあり、メジャーな精神疾患の治療ガイドラインでCBTをファーストラインの治療法として取り上げていないものはまずない。エビデンスという点でCBTは勝ち組と言えるが、勝ったと言えるためには病気に勝ったという結果も必要だろう。 強迫症や不安症などへのCBTを得意とし、抜群の治療成績を上げてきた著者が30年間CBTを使い続ける理由とは何か。本書のテーマは、CBTという道具を使ってどう治療の「パフォーマンス」をあげるかにある。 エクスポージャー、動機づけ面接、ACTといったCBTの各技法の実践のコツを、著者の臨床の知から具体的にわかりやすく解説。症例検討編や、うつ病、不安症、薬物依存などの各疾患ごとの治療についても語る、CBTの名手による実践的著作集。

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  • トラウマにふれる 心的外傷の身体論的転回
    5.0
    心は震え、身体はささやき、そして人は生きていく。 薬物依存、摂食障害、解離性同一性障害、女性への性暴力、男児への性虐待、ジェンダー/セクシュアリティをはじめとした臨床現場の経験の知から、中井久夫、エイミー・ベンダー、島尾ミホ・敏雄との対話、学際研究の価値を問う人文の知へ。「傷を語る・傷に触れる」「臨床の知」「傷に寄り添う」「傷と男性性」「知は飛翔する」という高密度に編成された五つのセクションを通じて、臨床の足跡と、医療人類学の考察が、多方向へと展開されていく。 傷を語ることは、そして傷に触れることはできるのか? 問われる治療者のポジショナリティとはいかなるものか? 傷ついた心と身体はどのように連動しているのか? ジェンダー・センシティビティはいかにして臨床の質を左右するのか?――傷ついた心と癒されゆく身体、その波打ち際でトラウマと向き合う精神科医にして医療人類学者の、思索の軌跡と実践の道標。

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  • 子ども虐待とトラウマケア 再トラウマ化を防ぐトラウマインフォームドケア
    5.0
    児童相談所における虐待相談対応件数が激増している昨今,医療や福祉をはじめとするあらゆる支援の現場には,逆境的環境で育ち,こころにケガをしている子どもがさまざまな支援ニーズを抱えて登場する。 こうした子どもたちへの治療や支援を考える際には,まず,彼らがこころにケガ(トラウマ)をしているということを念頭に置いて対応すること(トラウマインフォームドケア)が何よりも求められる。 本書は,理論の核となるトラウマインフォームドケアの他,被虐待児に起こるPTSDの諸症状やアセスメントのポイント,重要な治療プログラムとしてのTF-CBT,アタッチメントや発達障害とトラウマとの関連,児童精神科臨床の実態など,多岐にわたる臨床実践的観点から構成されている。 長年,精神科臨床に携わってきた著者によって子ども虐待とトラウマケアに必要なさまざまな視点や対処法を示す,臨床家だけでなく保健・福祉・教育・司法といったあらゆる支援の現場の方の指針となる一冊。

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  • 治療共同体実践ガイド トラウマティックな共同体から回復の共同体へ
    -
    イギリスの精神科医療改革やアメリカのアルコール依存症自助グループを起源に、精神科医療や刑務所において進化を遂げ、世界中に拡大しつつある治療共同体は、対等性と自由が尊重される「サークル」と、役割と責任の遵守が求められる「トライアングル」によって、集団において個人の回復を支えていく。長きにわたる治療共同体の歴史・理念を跡づける理論的考察から、官民協働刑務所「島根あさひ社会復帰促進センター」をはじめとする精神科医療・司法領域・福祉領域の実践レポート、さらに治療共同体をサポートしてきた支援者たちによる回復の物語の記録まで、これまで十分には語られてこなかった治療共同体の方法論と新たな応用可能性を探る。

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  • 臨床現場で活かす!よくわかるMMPIハンドブック(基礎編)
    -
    クライエントのパーソナリティを高解像度で解き明かすMMPI(Minnesota Multiphasic Personality Inventory:ミネソタ多面人格目録)の基礎知識・施行法・臨床応用を,「MMPIを知るためのQ&A」「MMPIを理解しよう!」「MMPIをはじめよう!」「MMPIをケースでまなぼう!」の全4章でわかりやすく解説。MMPIの始め方から,基礎尺度・追加尺度の基礎知識,解釈法,ケーススタディ,さらにMMPI試行の全体像をマッピングした付録「樹形図」まで,臨床心理アセスメント初学者はもちろん,アセスメントスキルをブラッシュアップしたいベテラン心理職,チーム医療を志す医師・コメディカルスタッフにもよくわかる実践本位テクニカルガイド!

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  • マインドフルネス入門講義
    3.0
    仏教瞑想をルーツとして認知行動療法にも積極的に応用されるマインドフルネス。その驚くべき効果を科学的に検証しつつ,さまざまな臨床技法を講義形式でわかりやすく解説する。仏教瞑想の方法,ニューロサイエンスによる科学的検証,精神疾患への臨床応用など,本書で扱うテーマは多岐にわたる。臨床技法としてのマインドフルネスと仏教瞑想との対話を試みた,マインドフルネスの臨床実践に自信がもてる最良のテキストブック。

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  • 協働するメンタルヘルス “会う・聴く・共に動く”多職種連携/チーム支援
    -
    1980年代のフィンランド・ケロプダス病院、長期入院者地域移行のプロセスのなかで生まれた「オープンダイアローグ」は、90年代以降、急性期対応を含む地域精神医療保健システムとして広く人口に膾炙している。2014年と2017年の二度にわたるケロプダス病院の視察以来、「オープンダイアローグ」の日本での実装可能性、地域移行支援、患者中心の多職種連携の可能性を構想してきた著者は、「包括型地域生活支援プログラム(ACT)」から「精神障害者アウトリーチ支援事業」を経て、現在は脱施設化時代を迎えた日本の地域精神医療保健の可能性を探究している。 地域と生活のフィールドで、援助者と当事者は何を思い、語り、そして動くのか? 多彩な登場人物が織り成す仮想事例記録を通じて「対話」と「協働」のリアルを伝え、経験専門家ならびに多職種専門家との対話(ダイアローグ)と省察(リフレクション)を経て、地域から始まる協働的チーム支援、そしてまだ見ぬ地域精神保健ケアの可能性を探ってゆく。 “会う・聴く・共に動く”からはじまる「多職種連携/チーム支援」ガイド。

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  • 公認心理師必携!事例で学ぶ教育・特別支援のエビデンスベイスト・プラクティス
    -
    本書では,教育現場で活躍する公認心理師に求められる知識や技能を,第一線で活躍する執筆陣による豊富な実践事例とともに解説する。 これまで学校カウンセリングの領域においては,経験則による支援方法が慣例的に用いられてきた。本書ではそうした状況に対し,基礎心理学も含めた心理学領域が積み上げてきた「エビデンスに基づく知見を基準として検討を行う」という視点のもと,公認心理師の会 教育・特別支援部会が作成するコンピテンスリストに則って現職者および公認心理師を目指すすべての学生に,学びの指針を提供する。

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  • ASDとカモフラージュ CAT-Qからわかること
    -
    この本によって、あなた自身のカモフラージュ行動に対する洞察を深め、どれがあなたの助けとなり、どれがあなたの妨げとなっているのか、そして、心の健康を改善するためには、どのようにすれば小さな変化を起こすことができるのか、気づくようになっていただければと願っています。……本書の目的は、私が経験したこと、私が学んだこと、そして最も私の助けになったツールを皆さんにお伝えすることです。これは、カモフラージュを完全にやめてしまうということではありません。自分の思考や思い込み、目標に関して、より大きな気づきを得るということなのです。本書に何度も書いているように、カモフラージュは必ずしも悪いものではありません。あらゆる人間が成長のために取り入れ用いるスキルであり、そうやって私たちは種としての社会性を身に着けてきたのです。それは多くの点で私たちが生き延びる助けとなりました。私たちは幼くしてそのことを学んだ賢さと驚くほどの強さを賞賛するべきでしょう。(本書「はじめに」より)

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  • サイコドラマをはじめよう 人生を豊かにする増野式サイコドラマ
    -
    「サイコドラマ」は人を活かす! 人は誰もが幸せになる力を持っているものであるが、多くの人がそれが何なのかわからず、また、歳をとるごとに社会的・心理的役割にがんじがらめになっていくのではないだろうか。幸せになる力とは「自発性」であり、人が属している「集団」でそれは育まれていく。 ただ、その集団は安心できるものではなければならず、その経験が保障されているわけではない。そこで「サイコドラマ」の登場である。「サイコドラマ」を通じて役割を固定することなく、さまざまな役割を体験してみることで新たな発見があるはずだ。 本書では、「サイコドラマ」の具体的な実施方法はもちろん、簡単な用語解説も付している。人間関係に悩んでいる方やサイコドラマを知らない方、また実施するのに躊躇している方にも、自分の置かれている状況に応じて読み進められるようになっているので、気軽に手に取っていただきたい。

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  • 愛着トラウマケアガイド 共感と承認を超えて
    -
    幼少期に虐待やネグレクトなど不適切な養育環境を過ごして発達課題を達成できなかったがゆえに生じる「愛着トラウマ」は、自分の考えや感情に自信がもてず、他者を信頼できずにコミュニケーションを回避するなど、生活の質(QOL)を低下させる要因にもなりうる。しかし自己と他者への信頼を培いながら愛着トラウマを癒し、相談者自身が望む人生=生活を歩むことは決して不可能ではない。 心のケアに携わる支援者には、相談者が安心して心の内を打ち明けられるアタッチメント対象となり「安全基地(Secure Base)」を提供することが求められる。相談者の心と境界(バウンダリー)を守り、その怒りに深く共感し、相談者を承認していく姿勢、それと共に変わりゆく相談者の主体性・自律性の回復をサポートする「セキュア・ボンディング(Secure Bonding)」アプローチを紹介する。 第I部「愛着トラウマケアを理解する」では、愛着トラウマを癒すためには欠かせない「3つのセオリー」(アタッチメント理論・行動変容ステージ理論・アサーション権)、そして「安全基地」を提供する「セキュア・ボンディング」アプローチを紹介する。続いて第II部「愛着トラウマケアを実践する」では、安全基地の提供、治療的アセスメント、そして面接室の外の世界で人間関係を築いていくための戦略を、詳細な逐語録とともにわかりやすく解説する。最終第III部「愛着トラウマケアを研究する」では、相談者目線も取り入れながら、事例を通して愛着トラウマケアを学んでいく。 愛着トラウマに苦しむ相談者と、その変容と回復に連れ添う支援者のための、事例と逐語でわかりやすく学べる「トラウマケアガイドブック」。

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  • 〈効果的な〉精神科面接 力動的に診るということ
    -
    本書は、日々の臨床実践を重ねた精神科医が、精神療法に関心をもっている、あるいは、その研修を始めたばかりの心理学部学生や大学院生、臨床研修医、精神科専門医を目指すひとたちへ向けて、〈効果的な〉精神科面接のための力動精神医学の視点を論じた1冊である。 「第I部 精神科医の視点」では、「適応障害(適応反応症)」「ボーダーラインパターン(境界性パーソナリティ障害)」「解離症とヒステリー」の概念と診断や治療を概説し、性ホルモンの影響に絞った女性のこころとからだの特徴や、医療面接で求められているコミュニケーション技能とそのトレーニング方法を概説する。 「第II部 精神科臨床と精神分析的精神療法」では、構造化された時間をとって行う精神療法の治療者でもあり、一般外来診療で短時間の診療を行う立場から薬物療法と精神療法をめぐる話題や、女性のセクシュアリティと精神分析的精神療法について論述し、また精神分析的精神療法を背景にもつ治療者が短時間の精神科外来診療の中で、どのような心的態度と視座を重視して診療を行っているかについて述べる。さらに、精神分析理論における精神力動論を概説し、その現代的な意義、精神分析と力動精神医学との関係についても論じる。

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  • 暴力を手放す 児童虐待・性加害・家庭内暴力へのアプローチ
    5.0
    支援の現場で出合う暴力は,本質的には防止や制圧をするものではなく,クライエント自身が主体的選択として「手放す」ものである。しかし,クライエントは欲求や感情を言葉ではなく暴力という対処行動として表出し,そのことに苦しむ場合でも自ら援助を求めることはほとんどない。なぜなら,援助を求めるとは欲求や感情を言葉で表出することそのものだからである。その結果,暴力を振るうクライエントへの支援は困難を極めることになる。 本書では,暴力の定義,起源,要因を解説し,医療・司法・福祉各領域におけるDVや児童虐待への支援実践を概観しながら,思春期以降の児童から成人までを対象とした暴力を手放すための四つのフェーズからなる支援モデルとセラピストの適切な「ありよう」を提示する。 また,児童による性暴力と施設における暴力についての支援モデルを適用した二つの事例と,最終章で著者が提言する「情理の臨床」を通して,暴力を手放す臨床心理学的支援に迫る。

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  • ラディカル・アクセプタンス ネガティブな感情から抜け出す「受け入れる技術」で人生が変わる
    -
    あるがままの自分すべてを受け止めよう。といっても簡単なことではない。「自分はダメな人間だ」と誰しも思ったことがあるだろう。ただそれにとらわれていては見えるものも見えなくなってしまう可能性がある。「思い込み」は怖い。それを取り去るには積極的な心と頭のトレーニングが必要であり、本書ではそのトレーニング方法を提示する。ありのままにすべての物事を受け入れられた瞬間あなたにとって真の自由が開かれるだろう。

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  • マインドフルな先生,マインドフルな学校
    -
    学校にマインドフルネスを取り入れるためには,まず教師が実際にマインドフルネスを体験することが必要です。教師自身が「マインドフルな先生」として生徒にマインドフルネスを教えることで,やがて学校全体にマインドフルネスを広め,定着させることができます。 著者は自身の教師,校長,ソーシャルワーカーとしての経験から,学校にマインドフルネスを定着させるその道筋を分かりやすく解説しています。本書では,世界各国における教育現場からの声と,著者自身の経験,そして豊富なエクササイズを通して,教師が仕事と私生活の両方を充実させるためのセルフケアに役立つ実用的なスキルを学ぶことができます。 本書は教師はもちろんのこと,カウンセラー,心理士,そして保護者といった,子どもの教育に携わるすべての方に向けて書かれたマインドフルネスのガイドブックです。これからマインドフルネスを学ぼうと考えている方,より深く学びたい方,そしてその学びを自身の教育の場で実践し,共有したいと考えている方にとって必携の書であり,あなたとあなたの生徒の人生をより豊かなものにしてくれることでしょう。

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  • 性暴力被害の心理支援
    -
    性暴力被害は,想像されるよりもずっと身近で生じており,その人の人生を大きく変えるほどに精神的衝撃が大きな被害です。 本書は,心理臨床の現場で,性暴力の被害に遭遇した方の支援を行う場合に,まず知っておくべき基礎的な知識や,心理支援の基本について記した本です。 第I部では性暴力とは何か,性暴力や性犯罪の現場で何が起こっているのか,二次的被害や心理教育,リラクセーションなど,被害者の心理にスポットを当てて説明しています。また,多機関・多職種との連携や支援者におこる二次受傷についても紹介します。 第II部では6つの架空事例をとおして,支援について具体的に示しました。この領域に慣れていない方でも,支援の実際がイメージできるように,事件概要や司法手続き,心理支援の流れが詳細に書かれています。 さらに,心理職が,被害者の回復に役立つ働きをするために必要な,法律,医学,政策や制度,連携機関等に関する周辺知識をトピックとして掲載しています。

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  • 強迫症を克服する 当事者と家族のための認知行動療法
    4.0
    強迫症は本人の生活がとても苦しくなり、また、家族や近くにいる人が巻き込まれてしまうことも多い。本書では、さまざまな強迫症のタイプを提示しているので、困っている人にとっては自分に合ったケースを見つけることができるだろう。また、治療についても「ひたすら我慢する」「嫌なことをする」といった誤解のない理解を目指し、臨床現場でよく聞かれるQ&Aも盛り込みながら家族対応についても詳細に記載している。

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  • 学校現場から発信する 子どもの自殺予防ガイドブック いのちの危機と向き合って
    -
    現在,世界では年間約百万人が自殺で亡くなっており,日本においても毎日80人近くの人が自ら命を絶っている厳しい現実がある。特に,若い世代(10代後半から39歳)においては自殺が死因のトップという深刻な状況がみられるとともに,いじめ,不登校・ひきこもり,非行といった学校問題と結びついた子どもの自殺の実態が注目されている。また数多く存在する,自死遺族・遺児やハイリスクな子どもへの対応は喫緊の課題である。 本書は,二十年余りにわたって学校教育の現場で教師・スクールカウンセラーとして自殺予防教育に関わってきた著者による,子どもの自殺リスクとアセスメント・危機介入についての「新しい自殺予防プログラム」をまとめたものである。 著者は数多くの詳細なデータを駆使し,自殺に関する基礎知識を整理したうえで,米国やオーストラリアにおける自殺予防教育を参照し,「教師を対象とした自殺予防プログラム」「子どもを対象とした自殺予防プログラム」の二つを本書で提示する。さらに後半では,学校現場における自殺リスクへの対応の実際を事例に沿って解説している。

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  • ハームリダクション実践ガイド 薬物とアルコールのある暮らし
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    薬物・アルコールの使用や誤用による「ハーム(害)」を「リダクション(低減)」するための具体的なメソッドが解説された日本で最初の実践書。 「ダメ。ゼッタイ。」や「断酒・断薬」などの「やめるか/やめないか」だけにとらわれず,自分に合ったより安全でより健康的な使用方法や減薬・減酒/断薬・断酒へのステップを一歩ずつ進め,今より少しでも暮らしやすく・生きやすくしていくためのプロセスが学べる一冊。

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  • 精神科長期入院よ さようなら 最良の精神療法とは何か?
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    精神科の長期入院は,患者さんの社会性を奪い生活上のスキルを衰えさせてしまうため,また退院が難しくなるという負のスパイラルに陥ることが多い。著者は,そのような状況に医療者の立場から(1)「退院支援」が長期入院患者に最も必要な「精神療法」そのものではないか,(2)退院や回復の意欲が次々と感染(転移)するのを支援することが私たちの務めなのではないか,と提言し,「退院支援」について症例を中心として解説していく。

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  • 新版 症例でたどる子どもの心理療法 情緒的通いあいを求めて
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    長期におよぶ,ある少年との心理療法のプロセスを治療者とクライエントの心の通いあいを軸にたどった本書初版は,幾度か版を重ねてきたが,今回大幅な修正と新たな論考を加えて増補改訂版を刊行することになった。  子どもの心理療法において,セラピストは,何を考え,どんなことを感じるのだろうか。クライアントに対する基本的態度とはどういうものなのか。また,言葉による表現力を持たない子どもとのかかわりあいにおいては,言葉を越えて感じられる交流が大きな意味を持ち,その実践はどのようなものか。  精神分析的心理療法を治療基盤とする著者は,アンナ・フロイト,クライン,スターン,ウィニコット,ストロロウらの理論と技法を援用しつつ,日常臨床における具体的な知見,見立てと初回面接,言葉の使い方,身体接触,治療の終わり,そしてクライアント・セラピスト間に展開する転移・逆転移などの臨床治験を間主観的な観点からわかりやすく解説している。精神分析的心理療法における治療構造の理解と子どものセラピーの基本を身につけるための,懇切丁寧な臨床指導書である。

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  • プラグマティック精神療法のすすめ 患者にとっていい精神科医とは
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    精神療法に正解などない。人の心に携わる方なら「精神療法をきちんと学びたい」と誰しもが思うだろう。しかし治療者側も患者側も「こうしなければならない」と強迫的になることで大事な点を見落としてしまうかもしれない。 精神療法は人間対人間の付き合いであるから両者の相性もある。ただ両者の関わりから生まれるもので患者の心の成長が促されるのは明白だ。本書では、理論だけではなく実用的に取り組める治療法を提案していく。

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  • [決定版]子どもと若者の認知行動療法ハンドブック
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    「子どものやる気をどう保つ?」「子ども中心のセッションを進めるには?」――リアルな事例をヒントに,よくある疑問を根本解決。アセスメント,介入,軌道修正,「次なる一手」を創造的(クリエイティブ)に繰り出して,変わりゆくクライエントを柔軟(フレキシブル)にサポートする! ひとりひとりの個性や状況にしっかり寄り添い,それぞれの課題を共感的に理解し,たしかな信頼関係を結び,問題解決法を組み立てる――子どもと若者の認知行動療法(CBT)に求められる基礎知識とスキルを,今すぐ現場で使える資料とともにわかりやすく解説。好評既刊『子どものための認知行動療法ワークブック――上手に考え,気分はスッキリ』(金剛出版[2020]),『若者のための認知行動療法ワークブック――考え上手で,いい気分』(金剛出版[2020])と併用すれば,子どもと若者に特化した認知行動療法がさらに巧みに実施できるヒントが満載。 子どもの生きる力を重視する,世界にひとつしかないオーダーメイドCBTガイド。

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  • 大人のADHDのためのマインドフルネス 注意力を強化し,感情を調整して,目標を達成するための8つのステッププログラム
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    本書は,ADHD(Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder:注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害)にみられる特徴に悩んでいる人のために書かれた一冊です。 Part1では,マインドフルネスについて詳しく説明し,このアプローチがADHDと診断された方々にどのように役に立つのかを紹介しています。 中心となるPart2では,ADHDのための8週間でできるマインドフルネスの8ステッププログラムを紹介します。ステップ1~3では,自動操縦から抜け出し,注意力を鍛え,今この瞬間に集中する能力を強化します。 ステップ4~8では,これらのマインドフルネスの中核となるスキルを使って,自分の思考や感情,行動を観察してマネージメントする方法を紹介します。 各ステップはお互いに支え合うようにできているので,順番に行っていくのが一番ですが,自身のペースで自由に進むことができます。 最終章では,ADHDの日常生活でのマインドフルネス活用法について論じ,よくある質問に答えています。 マインドフルネスを実践した人の脳を対象としたさまざまな研究から,感情のコントロール,柔軟な対応,洞察力,共感力,賢さなどを司る脳の実行回路が活性化し,強化されることが一般的にわかっています。脳にエネルギーを送り込み,運動が筋肉を鍛えるように,本書のエクササイズで心の筋肉を鍛えましょう。 マインドフルネスの主要な実践方法を解説したオーディオCD付!

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  • 薬物依存症の回復支援ハンドブック 援助者,家族,当事者への手引き
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    現在薬物依存症の患者は全国に10万人と言われ,覚せい剤事犯者の再犯率は6割を超える。このように近年深刻な社会問題となっている「薬物依存症」であるが,わが国においては一部の特定施設を除き,標準化された治療システムが見当たらず「無医村」的状況が続いている。  本書は,「ようこそ外来」や「ごほうび療法」を実践する著者が,20年以上にわたる依存症臨床の経験から,患者や家族と向き合い,個別や集団での治療プログラムを使い,依存症者との信頼関係を構築することで依存症からの回復を目指すための指針を公開したものである。  当事者とその家族をはじめ,医療・福祉・行政・司法・教育など薬物依存症に携わるすべての人々に。

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  • マインドフルネス実践講義 マインドフルネス段階的トラウマセラピー(MB-POTT)
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    「マインドフルネスの難しい専門用語がわからない」「マインドフルネスをセラピーやセルフケアにどう取り入れたらいいかわからない」という声にこたえて,好評『マインドフルネス入門講義』の続篇が,マインドフルネスを使いこなすための理論と方法をガイドする実践篇として刊行。  対象は,フラッシュバックや身体症状など不可解な現象をもたらすトラウマ=PTSD。トラウマからの回復という孤独な長距離走を,「安全基地(secure base)」としてのセラピストと共に走り抜き,サバイバーとして日常を生きるために,マインドフルネスにはいったい何ができるのか?  「PTSD症状安定」「トラウマ統合」「日常生活の安定」「ポスト・トラウマ成長」という4段階プロセスを通じて,フラッシュバックや身体症状など不可解な現象をもたらすトラウマからの回復を,マインドフルにケアするための理論と方法を学ぼう!  ビギナーセラピストやベテランセラピスト,そしてセルフケアにトライしてみたい当事者にとっても役に立つ,「マインドフルネス段階的トラウマセラピー」(MB-POTT)が学べる最良の実践ガイド!

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  • 心理療法家の気づきと想像 生活を視野に入れた心理臨床
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    「心理的援助とは、他者の生きる上での痛みや苦しみがあることによって、必要とされている……」(本書より)。 こころがかかわる課題は、社会の変容を反映してますます多様化、複雑な問題を引き起こしている。心理援助職の仕事の重要性が高まりつつある現在、セラピストにはバランス感覚を持った対処能力が要請されているといえよう。 本書においては、臨床家としての著者の「プロフェッショナル論」が全編に亘って展開される。村瀬の方法は、臨床現場の事実から帰納法的に導き出され形成されたものであり、このうえもなく現実的、実践的に洗練されたものである。それが「統合的心理療法」であり、クライエントと援助者を繋ぐ、クライエントの内的現実と外的現実を繋ぐ、またさまざまな理論と技法をクライエントの状態に応じて活かす意味での統合、といった多面的な内容を含んでいる。 収載された著者最新の論考を読むことで、心理療法面接の理論と技術、原則と治療のプロセスを学ぶうえでの多くの有益な知見が得られるであろう。

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  • 加害者臨床を学ぶ 司法・犯罪心理学現場の実践ノート
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    「罪を犯した人、非行に走った人を助ける仕事というものは、市民としての善意と専門家としての倫理観や技能に依って立つものであり、正しく善く、人の役に立つ愛他的な行為である――これは、どこまで本当だろうか」 逸脱と不適応から帰結した罪を見つめようとする加害者たち、みずからの価値観を問い返しつつ彼らと対話する臨床家、仲間との対話・多職種との協働・スーパーヴィジョンを通じてポジションを相互検証する専門家集団――交差する3つの観点を手がかりに、逸脱、適応と不適応、事件と罪、加害者臨床における契約の意味、問われる援助者のポジション、仲間・異業種との連携、スーパーヴィジョンの方法論まで、加害者臨床の本質に迫る実践レポートにもとづく臨床試論。

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