これはぜひ超高齢化社会を生きる日本人全員に読んでほしい。
終末期医療にかかわる筆者が、自らみとった患者の例を共有しながら理想のターミナルケアとは何かを論じる。
例えばがんを宣告されたとしよう。しばらく闘病したのち、打てる手はすべて打って、予後が不良で余命間もないとしよう。主治医が「最後の手段はこちら
...続きを読むの新薬です、もしかしたら効くかもしれない(効かないかもしれない)」と提案して来たとして、どこまで戦うべきなのだろうか。それは自分の年齢にもよるかもしれない。若ければ若いほど、治る可能性にかけてしまうかも。でもそれは最善の選択なのだろうか。きかなかった場合は?病院のベットで独り弱りながら最後には口もきけなくなって死んでいくのか、それとも自宅で家族とともに最後の時を過ごすのか。
大事なのは「自分にとって何ができなくなったら死んだ方がましなのか、どれだけつらくても何ができれば生きていられると思うか」を家族と共有しておくことだという。例えば食べるのが好きなわたしなら、ものを食べたり飲んだりできなくなったら死んだ方がまし。逆に大好きなチョコレートを食べられるなら苦痛の中でも生きていられると思う。
自分の最期なんてずっと先のことと思うが、その時のために今できることは「自分にとって何ができなくなったら死んだ方がましなのか、どれだけつらくても何ができれば生きていられると思うか」を探しながら生きていくことなのかもしれない。