作品一覧

  • 解離の舞台 症状構造と治療
    5.0
    1巻3,960円 (税込)
    ヒステリーが精神医学の表舞台から退場し,多重人格や劇的な身体症状は今や見るも稀な現象となりつつある――しかし,巨大なヒステリーの幻影は未だ潜勢している。ヒステリーから表現形を変えた解離症状は,気配過敏,想像的没入,人格交代,空間的変容/時間的変容,幻覚・幻聴をはじめとする多彩な表情を見せつづけて延命する。 本書の前半・症状構造論では,「色」「夢」「眼差し」など解離に特徴的な表象を手がかりに,気配過敏,想像的没入,人格交代,空間的変容/時間的変容,幻覚・幻聴など解離の典型的症状を論じながら,当事者の主観的世界を触知する。本書の後半・鑑別診断論では,境界性パーソナリティ障害,自閉症スペクトラム障害,統合失調症との困難な鑑別方法を症候学的観点から解説していく。そして終盤の治療論では,「犠牲=身代わり」「場所」「救済者人格」を足がかりとしながら,夢と現実の境界線上に「いま・ここ」を構築して交代人格と交流をはかり,安全な場所のなかで回復に至る軌跡を描いていく段階的治療論が語られる。 症状構造から治療のエッセンスまでを析出した,解離性障害を理解するための比類なき決定書。

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  • 解離性障害のことがよくわかる本 影の気配におびえる病
    4.7
    「一人のはずなのに、うしろに誰かがいる」「現実なのに遠くの世界のよう」「体から魂が抜け出て自分を見下ろしている」「メールや電話の履歴があるのに記憶がない」……。このような解離症状がある心の病気は少なくなく、不安や恐怖を感じて受診しても、統合失調症やうつ病、境界性パーソナリティ障害などと診断され、改善せず慢性化してしまうケースが多い。解離はなぜ起きるのか。不思議な病態を解き明かし、回復に導く一冊。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。

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  • 解離性障害 ――「うしろに誰かいる」の精神病理
    3.9
    「うしろに誰かいる」という感覚を、頻繁に訴える人たちがいる。また、かれらは同時に、体外離脱や「霊」体験があるといった共通点をもつ。このような症状が高じると、リストカットや大量服薬をして、精神科を訪れることになる。さらに高じると、解離性同一性障害(多重人格)とよばれ、ときに暴力的にもなる。本書では、現代日本の解離の姿を、具体的な症例をあげて描き、寛解に至る道筋を照らし出す。

ユーザーレビュー

  • 解離の舞台 症状構造と治療

    Posted by ブクログ

    【目次】

    序章 ヒステリーから解離へ

    I-解離と時代

    1 解離と色
    2 仮面からヴェールへ
    3 解離の舞台

    II-解離の症候と構造

    4 怯えと過敏
    5 隠蔽空間
    6 想像的没入と眼差し
    7 時間的変容の諸相
    8 交代人格の系譜

    III-幼少期と夢

    9 解離の病因論
    10 解離の幼少期体験
    11 空想と夢

    IV-解離の周辺領域

    12 解離性障害と境界例
    13 解離型自閉症スペクトラム障害
    14 解離性障害と統合失調症
    15 解離と妄想

    V-解離の治療論

    16 段階的治療論
    17 身代わりと鎮魂
    18 場所と眼差し
    19 交代人格の精神療法―「私」の生成

    0
    2024年04月21日
  • 解離性障害 ――「うしろに誰かいる」の精神病理

    Posted by ブクログ

    【目次】
    第1章 解離性障害とはどういうものか


    第2章 解離以前の体験


    第3章 彼女たち(彼ら)はどのように感じているか―解離の主観的体験


    第4章 解離の構造


    第5章 外傷体験は解離にどのような影響を与えるか


    第6章 解離の周辺


    第7章 解離とこころ―宮沢賢治の体験世界


    第8章 解離への治療的接近

    0
    2023年12月04日
  • 解離の舞台 症状構造と治療

    Posted by ブクログ

    解離について素晴らしく緻密に分析されている
    自閉症スペクトラムの人々が持つ解離様症状に関しても新たな知見を得る事が出来たため、非常に満足

    0
    2022年05月23日
  • 解離性障害のことがよくわかる本 影の気配におびえる病

    Posted by ブクログ

    解離性障害や解離という症状についてイチから一般向けに優しく説明した本。イラストや図なども豊富でとても分かりやすかった。発生のメカニズムから症状の解説、解消への道筋まで、一通り簡単には理解することができた。

    私自身も、幼い頃から空想傾向が強く、微睡むと幻聴が酷いし、「なるほどそういうことかー」と腑に落ちた事柄も多かった。一番びっくりしたのは、症状の例として「頭の中で一日中、音楽が鳴っている」っていうのがあって、それ解離だったのかって驚きました。ただ、解離の症状において病気と健常との線引きはむずかしいとの記述(P.57)もありました。私の場合は生活に支障もなく恐怖や不安もないので健常の範囲なのか

    0
    2018年11月01日
  • 解離性障害のことがよくわかる本 影の気配におびえる病

    Posted by ブクログ

    村上春樹の『海辺のカフカ』を前に読んだ。どこかで、「村上春樹は主人公カフカを解離性障害と設定していると思われる」という話を読んで興味が出た。そうでなくても、解離性障害や多重人格というと不思議な、ドラマティックな感じがする。そんな不思議なものが実際にはどんなものなのかという興味本位で読んだ。なので、自分は本来のこの本の想定読者とは違う。

    患者本人でなければ、体験しなければなかなか理解しがたい症状が色んな言葉で事例を交えて説明されている。解離性障害がどんなものなのかのイメージが何となく掴める。

    読んでわかったのが、解離に似た感覚は誰にでも起こりうるものだということ。例えば・・・
    ・洗髪中など、

    0
    2016年04月17日

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