柴山雅俊のレビュー一覧
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【目次】
序章 ヒステリーから解離へ
I-解離と時代
1 解離と色
2 仮面からヴェールへ
3 解離の舞台
II-解離の症候と構造
4 怯えと過敏
5 隠蔽空間
6 想像的没入と眼差し
7 時間的変容の諸相
8 交代人格の系譜
III-幼少期と夢
9 解離の病因論
10 解離の幼少期体験
11 空想と夢
IV-解離の周辺領域
12 解離性障害と境界例
13 解離型自閉症スペクトラム障害
14 解離性障害と統合失調症
15 解離と妄想
V-解離の治療論
16 段階的治療論
17 身代わりと鎮魂
18 場所と眼差し
19 交代人格の精神療法―「私」の生成 -
Posted by ブクログ
解離性障害や解離という症状についてイチから一般向けに優しく説明した本。イラストや図なども豊富でとても分かりやすかった。発生のメカニズムから症状の解説、解消への道筋まで、一通り簡単には理解することができた。
私自身も、幼い頃から空想傾向が強く、微睡むと幻聴が酷いし、「なるほどそういうことかー」と腑に落ちた事柄も多かった。一番びっくりしたのは、症状の例として「頭の中で一日中、音楽が鳴っている」っていうのがあって、それ解離だったのかって驚きました。ただ、解離の症状において病気と健常との線引きはむずかしいとの記述(P.57)もありました。私の場合は生活に支障もなく恐怖や不安もないので健常の範囲なのか -
Posted by ブクログ
村上春樹の『海辺のカフカ』を前に読んだ。どこかで、「村上春樹は主人公カフカを解離性障害と設定していると思われる」という話を読んで興味が出た。そうでなくても、解離性障害や多重人格というと不思議な、ドラマティックな感じがする。そんな不思議なものが実際にはどんなものなのかという興味本位で読んだ。なので、自分は本来のこの本の想定読者とは違う。
患者本人でなければ、体験しなければなかなか理解しがたい症状が色んな言葉で事例を交えて説明されている。解離性障害がどんなものなのかのイメージが何となく掴める。
読んでわかったのが、解離に似た感覚は誰にでも起こりうるものだということ。例えば・・・
・洗髪中など、 -
Posted by ブクログ
イラストが多くてわかりやすい。
ただ、紙面のどこから読み始めればよいのかがわかりにくい。(イラストから読めばよいのか、解説から読めばよいのか、右からか、上からか・・・。)
基本的には、解離性障害の様々なタイプを紹介し、その要因についても触れ、関連する、また類似する精神的な病気について解説し、解離性障害との違いについても解説します。
そして、「治る病気」であることを明言しつつ、薬物療法と精神療法をバランスよく行う事、「つつみこむこと」が大切という話で終わります。
約2時間20分で完読。
「はじめに」にあるように、表現はやさしいのですが、内容は高度な水準なので、(わたしのような一般人は)全て理 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
「うしろに誰かいる」という感覚を、頻繁に訴える人たちがいる。
また、かれらは同時に、体外離脱や「霊」体験があるといった共通点をもつ。
このような症状が高じると、リストカットや大量服薬をして、精神科を訪れることになる。
さらに高じると、解離性同一性障害(多重人格)とよばれ、ときに暴力的にもなる。
本書では、現代日本の解離の姿を、具体的な症例をあげて描き、寛解に至る道筋を照らし出す。
[ 目次 ]
第1章 解離性障害とはどういうものか
第2章 解離以前の体験
第3章 彼女たち(彼ら)はどのように感じているか―解離の主観的体験
第4章 解離の構造
第5章 外傷体験は解離にどのような影