著者は児相で児童心理司として勤務していたのだそう。
事例はその時の経験から引かれていたので私にはとてもよくわかったが、児相の援助がどういう風に体系づけられて、どう進むのかを知らないと、ちょっとわかりにくいかもしれない。
前半は、暴力について、その歴史や生物的社会的要因、社会的支援について、後半は実際
...続きを読むの児相でのケースを引いて、支援の在り方について論じられている。学問的な論述部分や、支援の実際の抽象的な部分が多いので、臨床経験がないとなかなかピンとこない面も大きいのではないか。
非常にたくさんの文献が参照されていて興味深く、ちょっと読んでみたくなるものも多かった。
メンタライゼーションについても勉強しなおしたくなった。
オープンダイアローグ的な面接が功を奏しているらしい記述もあり、数年前コロナの発生により中止された研修を、やっぱり受けてみたいなあ、と改めて思った次第。お金も時間もかかるけれども。
東畑さんも言っていたけれども、私もかなり「臨床オタク」なところあるなあ。