SF(国内) - 東京創元社作品一覧
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-こてこての関西弁を喋り、外見だけは十代の少女そのもののスミレは、ソロバン片手に銀河との交易のため、大阪は万博記念公園跡地の宇宙港を飛び立った。今回は新たな異星種族と連れ立って。デビュー短編「What We Want」につづくシリーズ第2作。第3回創元SF短編賞優秀賞を「プロメテウスの晩餐」で受賞した著者が贈る宇宙SF短編。※本電子書籍は、『宙を数える 書き下ろし時間SFアンソロジー』(創元SF文庫 2019年10月31日初版発行)に収録の「平林君と魚の裔」のみを電子書籍化したものです。『宙を数える 書き下ろし時間SFアンソロジー』全ての電子書籍版ではございませんのでご注意ください。
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-自然現象のように“怪獣が降ってくる”現象が頻発するようになった日本。人々の間では出現した怪獣を持ち上げる競技が流行していた。プロの選手は管理された怪獣を用いる公式競技やショウリフティングで活躍し、そうでない者は街中に降りてきた個体を保護局が来る前に持ち上げる“野良プレイ”を楽しんでいた。しかし、怪獣たちがどこから来るのか、何のためにやってくるのかはいまだ解明されていない。第1回創元SF短編賞佳作・林芙美子賞受賞作家が贈る“怪獣”SF。※本電子書籍は、『Genesis 一万年の午後』(東京創元社 2018年12月21日初版発行)に収録の「ビースト・ストランディング」のみを電子書籍化したものです。『Genesis 一万年の午後』全ての電子書籍版ではございませんのでご注意ください。
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4.3インタープリタとは、顧客の心から抽出した記憶データを“翻訳”し、他者に理解可能なよう立体的に再構築する技能者である。今回、若き女性インタープリタ・珊瑚が受けた仕事は前例のないものだった。“潜行”する先は、彼女自身の会社の社長。しかも先立って送り込まれたインタープリタは、3人たてつづけに社長の記憶の中で正体不明の存在に襲撃され、病院送りとなっていた。社長の記憶世界で何が起こっているのか。豊かな情緒性と卓越した娯楽性を評価され、応募総数461作から大森望・日下三蔵・瀬名秀明が選出した期待の新人作品。第5回創元SF短編賞受賞作(高島雄哉「ランドスケープと夏の定理」と同時受賞)。*本電子書籍は、『さよならの儀式 年刊日本SF傑作選』(2014年6月初版発行)に掲載の「風牙」を電子書籍化したものです。同名の書籍(『風牙』 創元日本SF叢書版 2018年10月初版発行)の電子書籍版ではございませんので、ご注意ください。
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3.7
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-人間に代わって〈夜種〉と呼ばれるヴァンパイアたちがこの世の覇者となった時代。絶滅寸前まで数の減った人間たちは希少種として崇められ、〈王族〉の身分を与えられ大切に保護されていた。ある日、街を牛耳るギャングの幹部である夜種の青年のもとに、雲の上の存在であるはずの人間の少女が飛び込んでくる。『眠り王子と幻書の乙女』の著者が挑むダークファンタジイ。※本電子書籍は、『Genesis 一万年の午後』(東京創元社 2018年12月21日初版発行)に収録の「ブラッド・ナイト・ノワール」のみを電子書籍化したものです。『Genesis 一万年の午後』全ての電子書籍版ではございませんのでご注意ください。
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3.0かつてはロボット研究が生み出した最先端機種として、期待を集めていた人型ロボット〈ピイ・シリーズ〉。しかし、現在ではその役割を終え、絵を描くだけの無用の〈残存種(レリクト)〉と呼ばれ、各地を放浪していた。恋人との仲に悩む女性、周囲にとけ込めない中年男性、人生を踏み外しかけた青年――ピイと出会った人々は、姿だけを人と同じくするロボットの瞳に何を見いだすのか。感情を持たないピイ、その傍に寄り添う歳をとらない少女。かれらとの対話を通して揺らぐ人々のこころを柔らかに描き出す、すぐそこの未来の、希望と祈りに満ちたSF連作短編集。/解説=三村美衣
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4.2人類が初めて開発に成功した、くじら座τ星の第五惑星ディープブルー。そこに暮らし、恒星間ネットワークの基幹会社、通称〈銀河ネット〉に勤める惑星記録員のミランダは、宇宙酔いを克服できず地上勤務を続けていた。ある日、冷凍睡眠を繰り返しながら宇宙を渡る恒星記録員のメイアが250年ぶりにディープブルーを訪れることになり、ミランダはそのアテンドを命じられる。宇宙生まれの第一世代であり、地球年齢で300歳を超えるメイアは、ある種伝説の存在だ。ミランダは案内の事前準備として、メイアの人生を辿り始める――〈星のパイロット〉と同じ宇宙を舞台に描く新シリーズ開幕。
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3.6西銀河じゅうにその悪名を轟かせた伝説の宇宙海賊ジャンピング・ジャック・フラッシュが姿を消して18年が過ぎた。かつて副官だったアレックスは、ジャックの足取りを追ううち、辺鄙な後進惑星にたどり着いた――地球である。それも、時は現代。横須賀のどぶ板通りで、戦場帰りを装って奇妙な骨董品屋を営んでいたジャックは、かつての部下たちから所構わぬ大攻撃を喰らい、横須賀沖に沈めてあった宇宙艇で再び宇宙へ飛び立った――事情を知るよしもない、女子高生の唯佳を乗せて。著者の真骨頂たるスペース・オペレーションSFを二分冊で贈る。/解説=堺光保
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-旅人・友也(ゆうや)は、軌道エレベーターが聳える小さな島国を訪れ、この天に延びる塔を見はるかす〈ホテル・アースポート〉に投泊する。かつては観光客で賑わったこの国も、テロで入国者が激減し、ホテルの運営も今は若い娘ひとり、その日の宿泊者は彼を含めて五人だけ。その夜も、島を吹き渡る風が、巨大エレベーターを轟々と鳴らし……そして密室殺人が発生した。『盤上の夜』の著者・宮内悠介の新機軸。※本電子書籍は、『Genesis 一万年の午後』(東京創元社 2018年12月21日初版発行)に収録の「ホテル・アースポート」のみを電子書籍化したものです。『Genesis 一万年の午後』全ての電子書籍版ではございませんのでご注意ください。
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-《汎銀河通商網》とファーストコンタクトを果たした人類は、あっという間にアメリカ合衆国を巻き上げられた。二十年後、ただ一人地球に生還したアメリカ人スミレは、商人として異星人トリプレイティとともに宇宙の荒波に漕ぎ出してゆく……第2回創元SF短編賞最終候補作を単独電子化。「プロメテウスの晩餐」で第3回創元SF短編賞優秀賞受賞、『筺底のエルピス』で注目を集める著者の真骨頂たる、コメディにして本格スペースオペラ! イラスト=鷲尾直弘 *本電子書籍は、『原色の想像力(2)』(創元SF文庫版 2012年3月23日初版発行)に収録の「What We Want」のみを電子書籍化したものです。『原色の想像力(2)』全ての電子書籍版ではございませんのでご注意ください。
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-少しだけ著者を思わせる主人公の「わたし」は寝台特急の切符を買い、列車に乗り込んだ。ガラガラだと聞いていた車内はなぜか乗客で溢れかえっている。この異様な混雑は『ほんとうの旅』というウェブサイトの記事のためで、乗客のほとんどがサイト内で言及されている滝を見に行こうとしているのだと、相席になった旅人の女性は教えてくれた。一方で『ほんとうの旅』は紀行文ともエッセイとも小説とも言い切れないものらしく、書かれたものが「ほんとう」と言えるのかどうか、誰にも分からない……。※本電子書籍は、『Genesis 時間飼ってみた』(東京創元社 2021年10月29日初版発行)に収録の「ほんとうの旅」のみを電子書籍化したものです。『Genesis 時間飼ってみた』全ての電子書籍版ではございませんのでご注意ください。
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5.0現代日本SFの黎明期に、いちはやく長編『光の塔』を発表し、その後も無尽の博識と自在な語り口でSF界に存在感を示した天才作家・今日泊亜蘭。奇妙な発端が思いもよらぬスケールの展開を見せる中・短品群の中でも、「縹渺譚(へをべをたむ)」「深森譚(しむしむたむ)」の連作は白眉である。片田舎の孤児が思い出の女性との再会を求めさすらう物語は、今日泊の空前の演出のもと、読者に忘れがたい余韻と感動をもたらすだろう。代表的な作品集2冊を合冊し、さらに書籍初収録となる2編を加えて贈る。【収録作】「ムムシュ王の墓」「奇妙な戦争」「海王星市から来た男」「綺幻燈玻璃繪噺」「縹渺譚――大利根絮二郎の奇妙な身ノ上話――」「深森譚――流山霧太郎の妖しき伝説――」「浮間の桜 怪賊緋の鷹物語」「笑わぬ目」「いはゆる「あとがき」について(『縹渺譚』あとがき=今日泊亜蘭)」「今日泊さんのこと(巻末エッセイ=山田正紀)」/編者解説=日下三蔵
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3.9宇宙へ進出した人類に襲いかかったもの、それがマインド・イーター。ビッグ・バンの起こる前の宇宙の残滓であり、人間に対し悪意をもつ、数千の小天体の姿をした鉱物的存在である。M・E(マインド・イーター)は精神を食いちぎり、人間を完全に異質なものに変えてしまう。これをM・E症と呼ぶ。M・Eを破壊するため、連合はハンターと呼ばれるエリートを育成し宇宙へ送りつづけるが、その戦いは絶望的なものだった。そしてハンターがM・Eの顎(あぎと)に倒れると、いかに空間的に離れていようと、ハンターと精神的な結びつきの強い恋人や肉親までがM・E症を発症するのだ。日本SFの里程標的傑作を、シリーズ短篇を全作収録した完全版で贈る。
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3.0宇宙で生物の「渡り」を研究する日本人と、春節に地球へと帰省する習慣を持つ華人のパートナー。それぞれの選択を描いた表題作ほか、薩摩藩に雇われ江戸総攻撃に臨む屍兵遣いの数奇な人生を綴る「従卒トム」、大国による侵略の危機に晒される国境近くの難民キャンプで感染症対策に挑むエンジニアの闘い「距離の嘘」、軌道作業ステーションに就職した奄美の巫女(ユタ)が遭遇する宇宙的脅威「祖母の龍」など、国内外で発表した11編を収録。各編に書き下ろしの著者解題を付す。テクノロジーと人類への希望を描く傑作SF短編集。/【目次】ヴァンテアン/従卒トム/おうむの夢と操り人形/まるで渡り鳥のように/晴れあがる銀河/距離の嘘/羽を震わせて言おう、ハロー!/海を流れる川の先/落下の果てに/読書家アリス/祖母の龍/解説=勝山海百合
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-沼津と熊本を結ぶ線に沿って地殻が約一キロほど開き、六十九の大地震が同時発生した「大分割(クラックド)」後の近未来の日本。家族を看取ったあと、高層マンション内に留まっていた大鵬式人(たいほうしきひと)は、食料を求めて侵入してきた佐名木田滴と行動を共にする。荒廃した日本を危険も顧みず旅する佐名木田は、帯広にある国家的喪失対策情報叢、通称JDAC(ジェイダック)を目指していると言うが……。※本電子書籍は、『Genesis 時間飼ってみた』(東京創元社 2021年10月29日初版発行)に収録の「未明のシンビオシス」のみを電子書籍化したものです。『Genesis 時間飼ってみた』全ての電子書籍版ではございませんのでご注意ください。
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-恋をすることが禁じられた未来。その理由は、恋に破れることで発症する〈病〉が世界中で蔓延したためだった。〈病〉を発症すると、女性は蛇へ、男性は蛙へと身体が変化していき、最終的には本物の蛇や蛙と寸分違わぬ姿になってしまう。原因も治療法も不明なこの奇病により世界全体が大混乱に陥り、国家機能は次々と崩壊。人々は〈共同体〉と呼ばれる小規模な都市国家を作り、互いに距離を取り合って暮らしていた。恋に破れ、共同体を抜け出して〈病〉の発症者たちが集まって暮らす〈街〉へやってきたテルミは、偶然出会った半蛇の女性・ルイと一緒に暮らし始める。テルミはルイの、蛇体化が進行しつつある美しい身体に憧れ、自分もそうなりたいと願うが、実は誰にも話せないある秘密を抱えており……※本電子書籍は、『Genesis されど星は流れる』(東京創元社 2020年8月28日初版発行)に収録の「メタモルフォシスの龍」のみを電子書籍化したものです。『Genesis されど星は流れる』全ての電子書籍版ではございませんのでご注意ください。
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4.8その惑星では、かつて人類を滅ぼした異形の殺戮生物たちが、縄張りのような国を築いて暮らしていた。幼馴染を殺害する罪を犯して祖国のヌトロガを追われたマガンダラは、放浪の末に辿り着いた土地で、滅ぼしたはずの“人間”たちによる壮大かつ恐ろしい企みを知ることとなる。それは惑星の運命を揺るがしかねないものだった。マガンダラは異種族の道連れたちとともに、再び足を踏み入れれば即処刑と言い渡されている祖国への潜入を試みる。日本SF大賞受賞作。/解説=円城塔/※『宿借りの星』の電子版では、電子書籍端末で見やすいようレイアウトや絵柄に手を加えたため、紙版とは異なる箇所があります。ご了承ください。
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4.2プレイヤーに開発者、レビュアーや配信者……あまりにゲームを愛しすぎた人々は、その過剰な愛ゆえに運命を狂わせた。極限状況で編み出された奇抜な戦術。人生を賭したクリア時間への挑戦。ともに遊ぶことによって結ばれた、ほかの何よりも固い絆──臨界を超えた先に異才作家が見出した、至高のゲームSF11編。/【目次】それはそれ、これはこれ/お前のこったからどうせそんなこったろうと思ったよ/「癪(しやく)に障る」とはよく言ったもので/邪魔にもならない/全国高校eスポーツ連合謝罪会見全文/ミコトの拳/ラジオアクティブ・ウィズ・ヤクザ/これを呪(のろ)いと呼ぶのなら/本音と、建前と、あとはご自由に/“たかが”とはなんだ“たかが”とは/曰(いわ)く
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3.5塩の霧に閉ざされて立ち枯れする森と、凶暴化した異形の動植物に囲まれた地キヌーヌ。化け物に姿を変えられ、図らずも殺人に手を染めた青年・金目(キンメ)は、彼を騎士と呼び慕う不思議な少女・シエラとの出会いによって自我を取り戻す。彼女の周囲からは霧は遠ざけられ、草原は穏やかな風と陽光に満ち溢れるのだった。金目は己を化け物に変えた主人パナードへの復讐を誓うが、理想郷を目指すパナードの執念の前に苦戦を強いられる。そして急速に成長するシエラの身体は、世界の原理そのものと繋がり始める。清新な抒情と稀有の想像力に彩られた、著者の初長編にしてSFファンタジーの傑作。
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3.5「20XX年○月△日19時頃、夏の宵闇垂れ込めるS市K町4丁目の通りで多数の住民が暗色の奔流を目撃した」――3年前、会社から帰宅途中の吉田大輔氏(30代、妻と男子ひとり)は、降りた駅から自宅玄関までのあいだで一瞬にして19329人となった。全員が寸分違わぬ吉田大輔氏その人である。瞬く間に報道され様々な考察がなされるが、もちろん原因は分からず対処のしようもない。200~600人ずつに分けて吉田大輔氏が収容された先は計6県の人里離れた廃病院、廃旅館など。隔離された環境下で果たして吉田大輔氏たちは……。応募総数464作から大森望、日下三蔵、山本弘ら3選考委員全員が絶賛し選出した、稀代のスラップスティック思弁SF。第7回創元SF短編賞受賞作。/イラスト=藤原遼
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-電車内で偶然出会い、会話も無いまま互いを意識するようになった鈴原依子(すずはらよりこ)とKは、突如地方都市に出現した「ラムディアンズ・キューブ」に閉じ込められた。この正体不明の巨大物体が最初に観測されたのは17年前のことだった。キューブは約6日間だけ姿を現し、その間に内部では4体の巨人と大量の地上兵が現れ、殺戮の限りを尽くすのだという。Kと依子はキューブ壁面からの脱出を目指すが――。※本電子書籍は、『Genesis 時間飼ってみた』(東京創元社 2021年10月29日初版発行)に収録の「ラムディアンズ・キューブ」のみを電子書籍化したものです。『Genesis 時間飼ってみた』全ての電子書籍版ではございませんのでご注意ください。
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4.7史上最高の天才物理学者である気の強い姉に、なにかにつけて振りまわされるぼく。大学四年生だった夏に日本でおこなわれた“あの実験”以来、ぼくは三年ぶりに姉に呼び出された。彼女がいまいるのは遠い宇宙空間月をはるかに越えた先、ラグランジュポイントL2に浮かぶ国際研究施設だ。そこで姉は、同僚研究者とふたりきりで“別の宇宙”を探索する途轍もない実験にとりかかろうとしていた。第5回創元SF短編賞を受賞した表題作にはじまる全3話。巻末に文庫版ボーナストラックの掌編を収めた。星雲賞候補となった、新時代のハードSF。/イラスト=加藤直之、解説=堺三保
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5.0天才科学者である気の強い姉に、なにかにつけて振りまわされる「ぼく」。大学4年生だった夏に日本でおこなわれた「あの実験」から3年、「ぼく」はまたしても姉に呼び出された。向かった先は宇宙空間――ラグランジュポイントL2に浮かぶ国際研究施設。姉はそこで、宇宙論に関するある途轍もない実験を準備していた……。ゲスト選考委員・瀬名秀明が「(日本SFの歴史を)次の50年に受け渡す傑作」と驚嘆した、新時代の理論派ハードSF。応募総数461作から大森望・日下三蔵・瀬名秀明が選出した、第5回創元SF短編賞受賞作(門田充宏「風牙」と同時受賞)。イラスト=鷲尾直広*本電子書籍は、『ミステリーズ! vol.66』(2014年8月初版発行)に掲載の「ランドスケープと夏の定理」を電子書籍化したものです。同名の書籍(『ランドスケープと夏の定理』 創元日本SF叢書版 2018年8月初版発行)の電子書籍版ではございませんので、ご注意ください。
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3.8運転免許証を取得したつかさが家に帰ると、小学生の妹が父を殺していた。テレビからは東京湾に怪獣が出現したという前代未聞のニュースが流れている。つかさは妹を守るため、東京へ父の死体を棄てに行くことを思いつく。短編として史上初めて日本SF大賞の候補となり、第55回星雲賞日本短編部門を受賞した表題作ほか、伝説的な“Z級”映画の上映会中、街にゾンビが出現し館内に籠城した観客たちの運命「『アタック・オブ・ザ・キラートマト』を観ながら」など全四編。日常のなかに立ちあらわれる非日常の世界の恐怖と希望を描く傑作短編集。/【目次】「わたしたちの怪獣」妹が父を殺した。姉は怪獣が出現し壊滅状態となった東京に、父の死体を棄てに行く。第55回星雲賞日本短編部門受賞作。/「ぴぴぴ・ぴっぴぴ」時を遡って犯罪や災害を防ぐことができるようになった未来。動画投稿サイトにアップされた、起きるはずのない事件の映像の正体とは。/「夜の安らぎ」家にも学校にも居場所を見つけられない孤独な少女と、ある日街に現れた美貌の吸血鬼の邂逅。/「『アタック・オブ・ザ・キラートマト』を観ながら」伝説的な“Z級”映画の上映会中、街にゾンビが出現。映画館に籠城した観客たちの運命は。/著者あとがき
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-天から地上へ墜ちてきた“彼”は、麒麟(きりん)の姿を得て漢の皇帝・武帝の相談相手となる──「麒麟の一生」。民主化運動が頂点に達したその国の広場の大集会を、猛毒を持つ伝説の巨鳥が襲った──「飲鴆止渇(いんちんしかつ)」(創元SF短編賞優秀賞受賞作)。耳なし芳一の舞台となった神社の駐車場に放置された自動運転車が体験する不思議な日々──「ほいち」など、伝説の生物に材をとり、遠い神話の時代から遙か未来の宇宙まで、期待の実力派が自在に物語るSF幻想、全六編。/【目次】麒麟(きりん)の一生/飲鴆止渇(いんちんしかつ)/ほいち/デュ先生なら右心房にいる/海闊天空(かいかつてんくう)/では人類、ごきげんよう