ゆらぎの森のシエラ

ゆらぎの森のシエラ

719円 (税込)

3pt

塩の霧に閉ざされて立ち枯れする森と、凶暴化した異形の動植物に囲まれた地キヌーヌ。化け物に姿を変えられ、図らずも殺人に手を染めた青年・金目(キンメ)は、彼を騎士と呼び慕う不思議な少女・シエラとの出会いによって自我を取り戻す。彼女の周囲からは霧は遠ざけられ、草原は穏やかな風と陽光に満ち溢れるのだった。金目は己を化け物に変えた主人パナードへの復讐を誓うが、理想郷を目指すパナードの執念の前に苦戦を強いられる。そして急速に成長するシエラの身体は、世界の原理そのものと繋がり始める。清新な抒情と稀有の想像力に彩られた、著者の初長編にしてSFファンタジーの傑作。

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ゆらぎの森のシエラ のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    食らった相手の知識や能力やその種の歴史そのものを取り込んでしまうというのは、確かにファンタジーでありSFであり。今ならあれを思い出すのかも。
    みっちりと濃密に詰め込まれた世界観に身を浸す悦び。
    出会ってしまったふたりの約束と運命。美しく悲しい物語。

    0
    2022年05月09日

    Posted by ブクログ

    SF。ファンタジー。
    解説によると、SFとファンタジーの間で揺らいでいる作品らしい。
    個人的には、ハッキリとバイオSF。
    ストーリーはライトノベルチックで、バトル要素もあり。
    読んでいるとき、多くのSF作品を連想したが、梶尾真治さんのエマノンシリーズが一番近い感じがした。
    登場人物のビジュアル、バト

    0
    2021年08月31日

    Posted by ブクログ

    キヌーヌの異形の動植物相の描写は、ブライアン・オールディスの『地球の長い午後』や、
    山田正紀の『宝石泥棒』シリーズを彷彿とさせる。
    ヒロインであるシエラはかわいいのだが、物語の後半の描写では正直、
    腰の引ける部分があって焦った。
    物語の後半はテンポが速く、疾走感が素晴らしい半面、
    書き急がれた感が無

    0
    2018年10月25日

    Posted by ブクログ

    SFなようでファンタジーな物語。異形の騎士と少女が出会い、世界を支配しようとする大人物に対抗していこうとする。世界しくみ、人間の営みについても考えさせられる、深い話です。

    0
    2009年10月04日

    Posted by ブクログ

    SF要素は他の生物を取り込んで成長する仕組みが多少描かれているだけで、基本的にはファンタジーと思う。自己犠牲的かつ不滅的で、勧善懲悪ではないところが特徴かなぁ。結局、この一連の動乱を、永遠に繰り返すような気がするよ。

    0
    2019年05月08日

    Posted by ブクログ

    この物語が初めて世に出た同年に私がこの世に生を受けたことに何か縁を感じる。
    もっと最近の本だとばかり思っていた。内容としては、今時のようなのに、風変わりなというか、よくあるようでないようなSF。
    ただ、おもしろいと思ったのは、「食べたものの知識を得る」ということ。
    これは今までになく新鮮で、なのにと

    0
    2016年02月15日

    Posted by ブクログ

     SFファンタジー。
     もとは人間だったにもかかわらず、ある人物から化け物につくり変えられ、その手先として利用されていた男。理性を取り戻し、己を血に飢えた化け物へと変えた相手への復讐を誓った彼は、その旅の途中、森の奥でひとりの少女と出会う。
     森にひっそりと住む、変わり者の少女。げてものを食べ、おか

    0
    2011年05月22日

    Posted by ブクログ

    作者は菅広江だと解っているのに、途中何度も久美沙織の作品かと錯覚してしまった。
    安定感のあるファンタジーだが、70億の針を少し連想させるバイオSF要素も。

    0
    2010年09月11日

    Posted by ブクログ

    異形の騎士と、謎の少女。立ちはだかるは、化け物を生み出す創造主。なかなか描写がえぐいです。最後、聖餅を食べた後の様子はかなり怖い。でもこの展開は怖いとはまた別の意味でぞくぞくさせられました。

    0
    2009年10月04日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    はかなげな少女と異形の騎士
    ……という組み合わせがすでにツボでした。
    思ったよりもちょっとグロテスクというかバイオというかでしたが、おもしろかったです。
    弱々しそうなヒロインの二面性とか。
    映像化してもおもしろそう。

    最後の方にある、金目は幸せだった。というような一文がとても印象深い。
    個人的には

    0
    2012年06月27日

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