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Posted by ブクログ
かなりのスピード感。サクサク物語が進行する。置き去りにされてしまった場面もチラホラ。
やはり考えてしまうのは「この本が約30年も前に描かれた」ということだろう。
自分は生まれていないが、バブルの少し前だろうか。そんな時代に描かれたのだ。この作品は。
今でこそ学園SFというおおまかなジャンルは確立しているのだろうが、30年前にはそんなものはなかっただろう。やはり、何事も最初になすというのは、陳腐な言い回しになってしまうが、ものすごいことなのだろう。
今更思うが、物語が創り出す想像の世界はすごい。言葉だけで、無限に世界を広げてしまう。その世界に浸れることが、今の私の最高の幸せなのだ。
Posted by ブクログ
“「まきこみたくないんだってば!」ノブが声をあげた。「迷惑かけたくなかったの!」
「だったら、ほっといたよ!」
榊も負けじとどなり返した。
「エスパーの超能力コンプレックスなんざ、話の中にしか出てこないと思ってた」
「あっそ」ノブが鼻をならした。「ここに一人、立派なコンプレックス持ちがおりますわ」
「やだね......ったく」
「あなたにはわからない」
ノブが榊から目をそらした。
「あーわーったよ。病気持ちのヒロインてみんな同じこと喚くんだから。わかったよ、超能力者。エスパー。へーへー、認めましょ。で、何が気に入らないんだ?」
おだやかな口調に戻して榊が訊いた。
「力があるってこと」ぽつんとノブがつぶやいた。「他の人にはない力があるってこと」
「それで実際に化け物扱いされたことでもあるのかよー」
「そうなる前に逃げたわ」
「......」
榊は溜め息をついた。
「また逃げるの?オレにはきみが化け物には見えないんだけども......」
「こんな組織に狙われてるってのは本当の事よ」
「まきこまれたくないって思ったら放っといたっていったろーが!お前ホントにエスパーかよ、ったく鈍い」
「ええエスパーです。ろくに力使えないけど、エスパーです」
「もうエスパーでも何でもいいって」
嫌気がさしたって感じで榊はノブに向き直った。ノブが上目づかいに榊を見て、唇をかんだ。
「これ以上付き合うと後悔しますよ」
「試してみよ」
「え?」
「後悔するかどーか、試してみようじゃねーの」
ノブが目をそらした。
「本気?」
「本気ですよ。......お付き合い願えますか?」”
面白かった。
テンポが良くて読んでいて気持ちがいい。
沖田くんまじ万能。
榊裕:主人公
小牧ノブ:超能力者
沖田玲郎:眼鏡
真田佐助:手裏剣
鳴海つばさ:沖田の天敵
平沢千明:探偵
和田
南部
“「ぞっとしないね、宇宙服なしで散歩に出るとは」
どこともしれぬ通路の中を護送されながら沖田がつぶやいた。
結局キーラー司令は一番安上がりな始末を命じたらしい。宇宙服なしで真空の月面上へ——。
「探偵、なんとかしろ」
「そうするか」
背後から、消音よりはパワーダウン目的らしいサイレンサー付きの小型マシンガンH&K-MP5をつきつけられたまま、平沢が言った。
「中の構造はわかってんのか?」
「わからんな......地球外は管轄外だ」
「じゃ、どーすんだよ」
「一つだけ方法がある。運を天に任せるんだ」
「あのな......」
「天の上にいるんだから運はいいはずだ」
「だんだん希望が持てなくなってきた」榊が天井を振り仰いだ。「遺言くらい書かせてくれるんだろねえ」
「ねえ?」ワンテンポくらいずれてる感じでつばさが真田に訊いた。「あたしたち、本当に死ぬの?」
真田は悲しそうに首を振った。
「ぼくたちはね、ほしになるんだ」
「きっざー」”
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