感情タグBEST3
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開いた口を、塞ぐ暇もないくらい超速の展開。そのなかに、“青春”がぜんぶある。
こんな高校生いるわきゃない、と思うんだけれど、読み進めるうちに不思議と、それが馴染んでくる。もちろんやっているのは荒唐無稽と笑われても仕方ないことばかりなんだけれど、根っこのところ、行動原理とでも云うべきところが単純で、明快で、思春期で。だからなんとなく、わかってしまう。高校生のときって、その気になればなんでも出来たよね、って話、なのだ。
『妖精作戦』から始まるシリーズ4部作は、スピンオフ的な2部も含め、この“なんでも出来る感”に貫かれている。
もちろんなんでも出来るわけなんて、ないし。届かなかったり、追い付けなかったりする。だからこそ跳ね返ってくる切なさも大きくて、でも、それを、誰も後悔しない。
誰も、こうしなきゃよかった、なんて思ってない。
誰も、出会わなきゃよかった、なんて思ってない。
技巧的にどうだとか、そんなんじゃなく、☆5を付けたくなりました。刊行と同い年、という贔屓目もあり。この速度に追い付きたい、というのも、あり。
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昔、夢中になって読んだ本。その時ですら改訂版だった。
発売から27年たっているとは今回初めて知った。
抑えた地の文、軽快なセリフ、やっぱりいいなぁ。
ベタな設定だけれど、キャラクターの個性で退屈させない。
やっぱり、魅力的なストーリーは、王道を踏まえたうえで、味付けがうまいんだなと思った。
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青春時代の懐かしさを込めて★5つ。
解説を書いた有川浩の最初の一行がよく理解出来る。
私はちょうど主人公たちと同年代。なので、すごく共感できた記憶がある。生活環境も似ていた。
現在出版されているラノベを読んでもあの時と同じ衝撃は受けないかも知れない。
27年前の作品で話の内容はたしかにベタなのかも知れないが、昨今のラノベはきっとこの「妖精作戦」の影響をどこかしら受け継いでいる。
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笹本祐一が1984年に発表したデビュー作。アニメ化された"モーレツ宇宙海賊"の原作を書いている人です。昨今、大量生産されているライトノベルの元祖ともいえる本作は、ボーイ・ミーツ・ガール×スターウォーズな作品です。ジュブナイル小説しかなかった時代にこれが出た時は驚いたでしょうね。僕がラノベを読み始めた90年代前半は結構こういうタッチの作品が生き残ってました。残念ながら、ちょっと古びた感じになってしまったので現代の読者には物足りないかもしれないです。出来ればリライトしてもらって、幅広い人に読んで貰いたいです。
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解説・有川浩に惹かれて買ってみた。去年の年末に全4巻揃ったので、一気読み始めました。
テンション高いね。
赤城毅の「魔大陸の鷹」読んだときも感じたけど、デビュー作ってこういうテンションになるの?
主人公よりも、脇役のハイスペックっぷりが半端ない。
展開も速いし。立ち止まることが、登場人物の間で、ほとんどないし。
つっこみどころ満載だけど、勢いで読みきらせちゃう。
榊たちと、同年代で読んでいたら間違いなく、ハマってましたね。
ライトノベルって、言葉が存在しなかった時代のライトノベル。
復刻ありがとう。
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正直な感想としては、読みにくかった。作者の頭の中に描かれているはずのシーンが、文章として表現されきっていなくて、読み手としてはついていくのが少々大変。かといって、技巧に走ればこの勢いは消えてしまうんだろうなぁとも思える。
メカへのこだわりとか、ストーリー展開のはちゃめちゃさとか、後の笹本作品に通じるところがあって、ニヨニヨしてしまうのはしかたがない。
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かなりのスピード感。サクサク物語が進行する。置き去りにされてしまった場面もチラホラ。
やはり考えてしまうのは「この本が約30年も前に描かれた」ということだろう。
自分は生まれていないが、バブルの少し前だろうか。そんな時代に描かれたのだ。この作品は。
今でこそ学園SFというおおまかなジャンルは確立しているのだろうが、30年前にはそんなものはなかっただろう。やはり、何事も最初になすというのは、陳腐な言い回しになってしまうが、ものすごいことなのだろう。
今更思うが、物語が創り出す想像の世界はすごい。言葉だけで、無限に世界を広げてしまう。その世界に浸れることが、今の私の最高の幸せなのだ。
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初出版は1984年の作品。当時でいうところのジュブナイル小説。
フツーの高校生が転校生の女の子と出会い、実はその子は超能力者で超国家組織に追われていて、仲間と一緒に彼女を救う。という王道の設定と怒涛のトラブル&アクションはありきたりなストーリーではあるけれど、読みやすいことこの上ない。
新宿アルタ前で始まる物語は、ちょっと描写が古いが、主人公の目線に入り込むには申し分ないし、青春フルスロットルストーリーとしてはまだまだアリな作品。
全4作なので全部読んでみたいと思う。
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ふつうの高校生たちがハリウッド的な展開で宇宙まで飛び出しちゃうんだからすごいね。ジェットコースター的展開で楽しめました。27年前のSF作品傑作が新登場!
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“「まきこみたくないんだってば!」ノブが声をあげた。「迷惑かけたくなかったの!」
「だったら、ほっといたよ!」
榊も負けじとどなり返した。
「エスパーの超能力コンプレックスなんざ、話の中にしか出てこないと思ってた」
「あっそ」ノブが鼻をならした。「ここに一人、立派なコンプレックス持ちがおりますわ」
「やだね......ったく」
「あなたにはわからない」
ノブが榊から目をそらした。
「あーわーったよ。病気持ちのヒロインてみんな同じこと喚くんだから。わかったよ、超能力者。エスパー。へーへー、認めましょ。で、何が気に入らないんだ?」
おだやかな口調に戻して榊が訊いた。
「力があるってこと」ぽつんとノブがつぶやいた。「他の人にはない力があるってこと」
「それで実際に化け物扱いされたことでもあるのかよー」
「そうなる前に逃げたわ」
「......」
榊は溜め息をついた。
「また逃げるの?オレにはきみが化け物には見えないんだけども......」
「こんな組織に狙われてるってのは本当の事よ」
「まきこまれたくないって思ったら放っといたっていったろーが!お前ホントにエスパーかよ、ったく鈍い」
「ええエスパーです。ろくに力使えないけど、エスパーです」
「もうエスパーでも何でもいいって」
嫌気がさしたって感じで榊はノブに向き直った。ノブが上目づかいに榊を見て、唇をかんだ。
「これ以上付き合うと後悔しますよ」
「試してみよ」
「え?」
「後悔するかどーか、試してみようじゃねーの」
ノブが目をそらした。
「本気?」
「本気ですよ。......お付き合い願えますか?」”
面白かった。
テンポが良くて読んでいて気持ちがいい。
沖田くんまじ万能。
榊裕:主人公
小牧ノブ:超能力者
沖田玲郎:眼鏡
真田佐助:手裏剣
鳴海つばさ:沖田の天敵
平沢千明:探偵
和田
南部
“「ぞっとしないね、宇宙服なしで散歩に出るとは」
どこともしれぬ通路の中を護送されながら沖田がつぶやいた。
結局キーラー司令は一番安上がりな始末を命じたらしい。宇宙服なしで真空の月面上へ——。
「探偵、なんとかしろ」
「そうするか」
背後から、消音よりはパワーダウン目的らしいサイレンサー付きの小型マシンガンH&K-MP5をつきつけられたまま、平沢が言った。
「中の構造はわかってんのか?」
「わからんな......地球外は管轄外だ」
「じゃ、どーすんだよ」
「一つだけ方法がある。運を天に任せるんだ」
「あのな......」
「天の上にいるんだから運はいいはずだ」
「だんだん希望が持てなくなってきた」榊が天井を振り仰いだ。「遺言くらい書かせてくれるんだろねえ」
「ねえ?」ワンテンポくらいずれてる感じでつばさが真田に訊いた。「あたしたち、本当に死ぬの?」
真田は悲しそうに首を振った。
「ぼくたちはね、ほしになるんだ」
「きっざー」”
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有川浩さんの小説「レインツリーの国」を読んで気になったのがきっかけ。
あちらを読んでしまったので、作品の結末はなんとなく予想できますが、
続きが楽しみです。
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有川さんのレインツリーから影響を受けて読みました。すごくハチャメチャな設定だったけど、読んでて飽きないし面白いから名作と言われ続けて納得。高校生っていいな、若いっていいなと思いました(笑)
ベタだけど沖田&つばさコンビが好きです。だけど、地味なくせにどたばたの局面でとんでもないことをする榊も好きです。
おもしろかったんだけど、会話文ばっかでちょっと読みにくかったのと、続編への期待を込めて★は四つです。
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ライトノベル、という言葉すらなかった頃のライトノベル。
あちこちのレビューでもいわれているが、脇役の万能っぷりが凄まじい。
高校生スペックを遥かに上回っている。
展開も色々ぶっ飛んでいるが、話としては面白い方かと思う。
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『妖精作戦』は1984年の作品で、ライトノベルの先駆けとも言われ、有川浩さんなどの多くの作家に影響を与えたという。
また、4巻あるシリーズのラストは当時読んでいた若者たちの間で物議を醸したそうだ。
2011年の創元SF文庫復刊版では、有川浩さんが解説を務めた。
先に、悪かったところを述べておこうと思う。
この作品は笹本さんのデビュー作であり、加えて、先駆けだろうがなんだろうがラノベはラノベである。
だから、文章は上手ではない。
三人称視点と一人称視点が混ざり合っていたり、段落を変えずに違う人物の視点に変わったりするため、読みづらい。
また、心理描写がとにかく少ない。
せっかく魅力的なキャラクターたちなのに、何を考えているのかがわからない。
この点に関しては、今のライトノベルの方が長じていると思う。
ヒロインが主人公に恋していく様子とか、主人公の青臭い哲学とかが存分に書かれているからだ。
レビューで評価が高い人の一部は、若い頃に一度読んだことがあって、その時の懐古の思いに引っ張られているように見受けられる。
次はいいところについて。
何よりも評価したいのは、物語の密度の濃さだ。
主人公たちは学校から始まってあちこちを駆け回ることになるが、その展開は早く、寄り道なくとにかく突き進んでいく。
訪れる場所もわくわくするところばかりで、メインイベントがいくつもあるような感覚だ。
今のライトノベルであれば、この第1作目だけで4巻分くらいになるのではないだろうか。
そのくらい密度が濃い。
キャラクターがかっこいいこともこの本の魅力のひとつだ。
有川さんの解説のように自分を重ねることはできそうにないが、憧れにはなりうる。
20代の私でさえ、真田や沖田のようにメカを操り、謎の組織を追いかけたり、逃げ回ったりしてみたいと思う。
全体的に見ると、シリーズものではあるが、1冊としての出来はいい。
無理な引き延ばしはなく、読後感もすっきりしていて、第1巻だけでも楽しめる。
本作と同じ雰囲気を持つのであれば、続編も期待できそうだ。
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今の時代、こういう若者たちは居ない。
1980年代って、本当のリアルタイムの高校生たちはこんなだったんだろうか?と思う。丁々発止でテンポよく掛け合い、男子も女子もアクが強い。
リアリティが大事だとよく言われるが、別にこのお話にリアリティがあるわけじゃない。重要なのは引きの強さだ。「この先どうなるんだろう」と思わせて先を読ませるちから。
リアリティは目的にはなりえず、道具なのだなぁと思う。
かつてこういう時代があったんだろうか。それとも、物語の中だけなんだろうか。学年ヒエラルキーがなく、フラットな関係性。
いや、夢だと思うけどね! もし過去にこんな学生生活(トラブルを除いて)当たり前だとしたら、今の子供たちがかわいそうすぎる。
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有川浩さんのレインツリーの国に出てくる「フェアリーゲーム」のモデルだということで本屋さんを探し回りやっと見つけました。
はちゃめちゃ、とは聞いていましたがこれほどまでとは!どこにでもいそうなフツーの高校生たちがあっという間に宇宙へ⁉︎
展開が早すぎてついていけないのではなんていう心配はいりません。いつの間にか私も彼らの仲間になったかのように連れ回されていました。
もっと早く、中高生の頃に読んでいたかったらもっとのめり込んだのかなと思います。
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フェアリーゲームの元になった小説。
20年ほど前に書かれた作品ながら
臨場感溢れる描写と
普通の男子高校生と少女の恋
台詞の端々に時代を感じるが
彼らは本の中で生きている
続き読もう
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1984年の「ライトノベル」。
冷静になって話をふりかえったら、なんでこんな話が面白いのかわかんないような話。
「歴史を変えた」的な評を念頭に読み始めたけれど、充分に楽しめる本だった。
この軽さはかっこいい。
展開がどうこうよりもメカ用語について行けないのが悲しい。
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21世紀の今日、我々の世代が享受している諸々のエンターテイメント。
その、アーキタイプの一つである処の「妖精作戦」であります。
曰く元祖ライトノベルですが、元祖である本作の構成要素も
スター・ウォーズEP4(特にデス・スター内での追っかけっこ)に
インスパイアされているだろうことを考えるに、文化とはこうやって
世代を越えていくのかと得心する次第。
個人的に恐ろしいのは、デビュー作である妖精作戦シリーズと、
ミニスカ宇宙海賊から全く同じ匂いがするあたり。
夢を燃やして飯食ってる人種は強いなぁ。
まぁ、デビュー作だけあって、文章は今読むと割としんどいですけどね…
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皆で共有しうる「格好良さ」の鋳型があったとしたら、それに則って進められる流れに、当時読んでた人は魅了されたのかな。主人公たちはずば抜けた特殊能力はなくて、読者はその身近さ故に自分を投影してわくわく出来るのだろうけれど。動機づけは割とどうでも良くて、格好良さがそのまま物語の力になるようなところは、懐かしいヒーロー物みたいだとも思う。
心理描写をちまちま追うっていうのは、最近の傾向なのでしょうか。ノリの軽さに戸惑いつつ逆に新鮮さもあり。
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超能力者を集める組織に狙われる少女を取り戻すべく、機械やミリタリに詳しい学生(主人公はそうでもなさそう)たちと少女のボディガードを引き受けた元工作員の私立探偵がゆるーく大立ち回りする作品。タイトル名の由来は今後明かされるのかな。
宗田理のぼくらの~シリーズが好きなら気にいるんじゃないかな。
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作者の方がデビュー作ということもあって、用語などで、機械物にうとい私にはひっかかりを覚え、すらすら読み飛ばせるものではありませんでしたが、面白かったです。
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こういう本が出てたとは知らなかったなぁ。まさにラノベ!ご本人が「現役最古のラノベ作家」とおっしゃるのも納得。まぁ、大人が読むには、あまりにも荒唐無稽なのだが、ラノベファンの少年少女にはこのテンポや設定、ご気楽な展開が気持ちいいのでしょう。
Posted by ブクログ
1984年当事、自分が寝る前に妄想するのは、学校生活から世界の一大事へと飛躍する話、つまり今で言うセカイ系の話だった。しかし、まだ小学生!同時代にそんな妄想を作品にするとこうなるんだ。だから、いま読んでも何の違和感もないし、むしろ嬉しくなる。
Posted by ブクログ
ミニスカ宇宙海賊がアニメ化するのに合わせて加筆+文庫化されたのかな?
表紙がかわいかったんで手に取ってみた。
物語はまさに荒唐無稽。
宇宙にまで行っちゃうとは思わなかった。
シリーズものの第一作らしいけど、続きも創元SF文庫から出るのかな
Posted by ブクログ
SF部会。ジュヴナイル小説の祖?この時代にこんな小説が出ているのが凄い。大学生時代にかいた作品と言われて納得。ハリウッド的な展開とFPS的な進行。