あらすじ
夏休みの最後の夜、オールナイト映画をハシゴした高校2年の榊は、早朝の新宿駅で一人の少女に出会う。彼女の名は小牧ノブ──この日、榊たちの高校へ転校してきた同学年の女子だった。そして彼女は超国家的秘密機関に追われる、並外れた超能力の持ち主でもあった。その日から高校を異常事態が襲う。正体不明のヘリが墜落し、無人戦闘機が襲い来る。そしてノブの身を守るべく秘密裏に雇われた腕利きの私立探偵の奮闘もむなしくノブは連れ去られた。後を追った友人たちは横須賀港に停泊する巨大潜水空母に侵入するが。歴史を変えた4部作開幕!
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Posted by ブクログ
開いた口を、塞ぐ暇もないくらい超速の展開。そのなかに、“青春”がぜんぶある。
こんな高校生いるわきゃない、と思うんだけれど、読み進めるうちに不思議と、それが馴染んでくる。もちろんやっているのは荒唐無稽と笑われても仕方ないことばかりなんだけれど、根っこのところ、行動原理とでも云うべきところが単純で、明快で、思春期で。だからなんとなく、わかってしまう。高校生のときって、その気になればなんでも出来たよね、って話、なのだ。
『妖精作戦』から始まるシリーズ4部作は、スピンオフ的な2部も含め、この“なんでも出来る感”に貫かれている。
もちろんなんでも出来るわけなんて、ないし。届かなかったり、追い付けなかったりする。だからこそ跳ね返ってくる切なさも大きくて、でも、それを、誰も後悔しない。
誰も、こうしなきゃよかった、なんて思ってない。
誰も、出会わなきゃよかった、なんて思ってない。
技巧的にどうだとか、そんなんじゃなく、☆5を付けたくなりました。刊行と同い年、という贔屓目もあり。この速度に追い付きたい、というのも、あり。
Posted by ブクログ
21世紀の今日、我々の世代が享受している諸々のエンターテイメント。
その、アーキタイプの一つである処の「妖精作戦」であります。
曰く元祖ライトノベルですが、元祖である本作の構成要素も
スター・ウォーズEP4(特にデス・スター内での追っかけっこ)に
インスパイアされているだろうことを考えるに、文化とはこうやって
世代を越えていくのかと得心する次第。
個人的に恐ろしいのは、デビュー作である妖精作戦シリーズと、
ミニスカ宇宙海賊から全く同じ匂いがするあたり。
夢を燃やして飯食ってる人種は強いなぁ。
まぁ、デビュー作だけあって、文章は今読むと割としんどいですけどね…
Posted by ブクログ
こういう本が出てたとは知らなかったなぁ。まさにラノベ!ご本人が「現役最古のラノベ作家」とおっしゃるのも納得。まぁ、大人が読むには、あまりにも荒唐無稽なのだが、ラノベファンの少年少女にはこのテンポや設定、ご気楽な展開が気持ちいいのでしょう。