BL のおすすめレビュー
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高校2年の夏、ベータからオメガに変異した八尾。突然起きたヒートから八尾を救ってくれたのは、陸上部のライバルでアルファの九條でした。そして、後天性オメガゆえの強い発情を抑えるため、2人は度々体を重ねるセフレの関係に。ライバル同士から徐々に甘い関係に変わっていく八尾と九條でしたが、九條の「運命の番」が現れて……。
これまでのオメガバース作品では「運命の番と結ばれるまで」が描かれることが多かったのに対し、本作は「運命に背を向けて、心が愛した人と結ばれるまで」の物語です。しかも、アルファが「運命」に逆らうと、最悪死に至るという過酷な設定。運命に抗おうとする九條の切実な思いは美しいですが、それゆえに八尾は「自分のせいで九條が死ぬかもしれない」と苦しみ、九條を突き放すような行動に駆り立てられます。互いを思う気持ちが強いほどに傷つけ合ってしまう――過酷な試練に胸が痛みますが、試練が過酷であればあるほど、それを乗り越えたときの光が大きいもの。救いに溢れたクライマックスに、涙腺が死にそうになりますが、降り注ぐ幸せの光を全身で感じてください!
人生山あり谷ありに萌える光の腐女子に全力で推したいKINACO先生。デビューコミックの『雨宮先生はまだ恋を知らない』(エンターブレイン)も幸せホルモンで脳をびしゃびしゃにしてくれる作品です。ちょっと強引だけど健気なわんこ系男子学生に、「サイボーグ」とあだ名される美人なツンデレ教師がほだされていく様子を菩薩の微笑みで見守りましょう。
2022年07月20日 -
ブックライブ書店員
腹違いの兄である人気若手議員・櫻田門明を政界の陰謀から守るため、汚れ仕事を一手に引き受ける明菜。門明のためなら、女と寝て利用することも厭いません。表舞台で門明と共に戦うのは大学時代からの付き合いの九重。そこに、門明の“特別な友人”カルも加わり、魑魅魍魎が跋扈する政界を生き抜く男たちの凄絶なドラマが始まります。
この作品の見どころは、誰かと誰かが愛し合い結ばれて幸せになる姿ではなく、泥沼の中で絡み合い溺れていくような男同士の関係性です(断言)。幼い頃から兄を恋い慕っているのにその本性を知らない明菜、そんな関係を高みから嗤っているようで明菜に惹かれつつあるカル、腹に一物抱えていそうな門明の懐刀・九重。いろんな矢印が色んな方向に向いている、ドロドロで複雑な人間関係がおいしいです……。
また、3人の中心にいる門明の怪物ぶりも、闇の腐女子にはたまりません。明菜を門明から解放するため、カルは「ボクと世界中を搔きまわす仕事に興味はない?」と誘いますが、門明は「僕には明菜しかいないから 明菜にも僕しかいないように」と明菜を自分のもとに縛り付けるのです。「魔手」という表現がしっくりとくるこのやり口、BL史にその名を残す至高のサイコパスが爆誕いたしました。現場からは以上です。
ヤクザの才能に恵まれたエリートと才能がない血統書付きヤクザの、15年にわたる絆を描いた『傘を持て』(竹書房)もたうみまゆ先生の傑作です。これぞまさに「男の絆」と呼びたくなる深い深い愛情を、甘さ控えめに表現するその筆力に圧倒されます。
2022年07月20日 -
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手料理が苦手でコンビニ弁当や菓子パンばかり食べている大学生・須藤。毎日通うコンビニの店員・長谷川から突然手作りの弁当を渡されます。同時に、大学のロッカーや自宅アパートに変質者からの嫌がらせを受けます。変質者の正体はまさか――と疑う須藤ですが、夜道で襲われたとき助けにきたのは当の長谷川で……。
会話もまともにしたことがないコンビニ店員と常連客。そんな距離感からいきなり須藤に手作り弁当を渡し、「僕に君の栄養管理をさせてください」と申し出る長谷川。普通に考えれば恐怖でしかないのですが、きらきらとした彼の笑顔に押されて、思わず須藤は長谷川を受け入れてしまいます。それから長谷川は甲斐甲斐しく須藤の世話を焼き、須藤も心を許していくという微笑ましい展開かと思いきや、長谷川は以前から須藤のことが気になっていて、変質者騒ぎも彼が仕組んだことだったのです。ただ、裏の顔を持っているというよりは、「どうしたら須藤くんに近づけるかな?」→「そうだ、変質者に襲われたところを助ければ信用してくれるはず!」という、ナチュラルに狂った思考回路が長谷川の魅力(?)。あくまで邪気はないのですが、目的を果たすための手段は選ばないというところに「マジもん」の狂気を感じ、裏表ある系サイコパスよりよっぽど怖くて震えます(だがそれがいい!)。そんな長谷川が須藤のために作る“特製スパイス”は必見です。
同録の「優しい地獄」も病み度高めの作品。お人好しで優しい親友・健一を自分だけのものにするために、事故で負った傷をちらつかせる薫。健一に執着する薫と、その執着を平然と受け入れる健一の、2人っきりの閉じた世界が尊くて泣けるのです。この世界観にハマった方には、分冊版しか出ていませんが『レプリカント ―羊のドリーを愛するということ―』(フューチャーコミックス)もぜひ読んでいただきたい……!
2022年07月20日 -
ブックライブ書店員
料理人の左京とフローリストの右山は、高校時代からの腐れ縁。出会ってから10年たった今も、同じアパートで隣り合わせに暮らし、ベランダからお互いの家を行き来する仲の良さです。しかしある日、左京が右山の部屋を覗くと、彼は左京の名を呼びながら自慰行為に耽っていて……。
高校時代からの友人同士が “腐れ縁”と毒づきながらも、なんだかんだ大人になっても仲良しで、実はどちらか片方が相手に思いを寄せている。歴戦の腐女子なら「あるある〜」と思ってしまいそうな王道の設定・シチュエーションですが、猛者たちよ本作を侮るなかれ。ナツメカズキ先生の手によりエモエモのエモ案件に仕上がっています。
桜の花咲き乱れる中で出会った高校時代、2人っきりの屋上や教室でじゃれ合い、ときには夢を語り合った――そんな美しい時間の中で生まれた恋心は、 26歳の夜、無残に砕け散ります。酔いつぶれた右山の熱い体にうかされた左京は「見ちゃったんだけど お前がオナってるとこ」と思わず告げてしまうのです。そしてその雰囲気と酔いに任せて左京に迫ってしまう右山。欲情、酩酊、困惑、自暴自棄、そして後悔といった無数の感情が、アルコール臭い吐息と2人が発する熱気とともに画面から伝わってきそうなほど、生々しく読み手に迫ります。
ナツメカズキ先生といえば、裏社会を舞台にしたカタギのデリヘルドライバー✕美貌の男娼の救済物語『MODS』、死んだ兄と瓜二つのヤクザ✕兄の元恋人で現デリヘル店長の悲恋を描いた『NIGHTS BEFORE NIGHT』(ともに東京漫画社)が代表作。裏社会ゆえのハードさと、それを上回る温かな救い、そして切なく甘美な恋模様にうっとりと酔いしれてください。
2022年07月20日 -
ブックライブ書店員
全寮制の名門・聖ヨゼフ高等学校に入学した小野寺忍。一見普通の男子高生でしかない彼ですが、その正体は人工的に生み出された生命・バイオロイド。しかも、性的な愛玩用に作られたセクサロイドだったのです。寮で同室になった製薬会社の御曹司・吉良と忍は友人として近付いていきますが、ある日忍の秘密を知られてしまい……。
セクサロイドといっても、食事をすれば排泄もし、人間と変わらない感情を持っています。しかし、12時間に1回「ハーネス」という薬を飲まないと理性を失くしてしまう――幼い頃にその姿を目撃しトラウマを抱えていた吉良は、忍がセクサロイドだと知ると、「俺を騙してたのか」と怒りを顕にして彼を犯します。その怒りは、忍のことを特別な親友だと思っていた強い信頼の裏返し。吉良が忍に酷くあたればあたるほど、それまで忍に抱いていた感情の大きさを思い知らされるようです。親や家族を持たない忍だけでなく、名家「吉良」の名前ゆえに心許せる相手がいなかった吉良もまた孤独だったのでしょう。本当なら互いを慈しみ合えるはずだった2人なのに、傷つけ、傷つけられるしかなくなってしまった運命がただただ悲しく、目頭が熱くなります……。
繊細なタッチで綴られる悲しくも美しい物語に惚れた方には、カシオ先生の代表作『心を殺す方法』(祥伝社)をぜひ読んでいただきたい! 両親の再婚により義兄弟となった人見知りの美少年・光と優しく穏やかな青年・春樹の、究極の執着愛憎劇です。衝撃に次ぐ衝撃に思い切り振り回される快感が味わえます。
2022年07月20日 -
ブックライブ書店員
舞台は、数千年に渡って龍の加護を受けてきたとある国。他国からの侵略を受けるも、それを退けて独立を守ってきた国王に、突然龍が「守り神を続けてほしくば、下の王子をよこせ」と言い出します。そのため、国王の弟・軍隊長は国のため、身を龍に捧げることを決意。人の理を超えた存在である龍が、どうして軍隊長を求めるのか――人と龍との、奇妙な結婚生活が始まります。
永遠の命と強大な力を持つ龍。しかし、彼の話す言葉を理解するのは、守護国の王族の血を引く者だけ。永い時を孤独に暮らしてきました。軍隊長と一緒に暮らすことになった龍が最初にしたのは、自分の鱗を軍隊長の体内に埋め込み、外側からも体液を馴染ませて彼の体を、自分の眷属に作り変えていくこと。軍隊長の意志や人権ガン無視のやり口は、さすが龍といったところです。
命を命とも思わない言動を見せたかと思うと、軍隊長のくだけた態度に満面の笑みを浮かべるなど、傲慢な残酷さと屈託の無さを併せ持つ龍。その人外みあふれるギャップにゾワゾワさせられてしまいます!
人間と龍、相容れるはずのない2人ですが、心の内に同じ孤独を抱えていて、その孤独を癒せるのは互いだけということに気付き始めます。人化した龍の肌のぬくもりに軍隊長がやすらぎを感じたり、最初は威厳たっぷりで偉そうにしていた龍が、いつの間にか大型犬のように軍隊長にじゃれつくようになっていたり、ささやかな幸せが刺さること刺さること。骨太なストーリーの中に散りばめられた萌ポイントに殺されないよう要注意です……!
2022年07月20日 -
ブックライブ書店員
普通なら中学生で出現するはずの第2の性が、高校生になっても出現しない狼一覇。「どうせベータだろう」と高をくくっていた彼の前に、極上のフェロモンを持つオメガ・灘姫桜千雪が現れ、「居た…俺の番」と“運命の番”宣言をします。すると、彼のフェロモンに誘われるように、狼は強力なアルファとして目覚めていき……。
初対面の狼に運命を感じた灘姫の、握りしめた手の甲に口づけながら「俺のだ」と囁いたり、額にキスをして「俺と結婚することだけ考えろ」とプロポーズ(!)をしたりといった男前な振る舞いに、序盤から軽く腰が砕けます。かと思いきや、ベッドでは「(狼に)欲しがられたくて仕方ない…」と頬を赤らめて迫り、首筋を噛まれてうっとりする……。このギャップ、腐女子を殺しにかかっているとしか思えません。
狼と出会うまで灘姫を守ってきたアルファ・鉄、ベータながらモンペばりの守備力を見せる元結らとの、女王と騎士のような関係性も独特でキュンキュンします。逆境に悩み苦しむ薄幸オメガもいいですが、本作のようにアルファをかしずかせる“女王様系オメガ”もたまらないものです。
あまあまいちゃいちゃの名手である東条さかな先生。初恋を成就させた幼馴染カップルの甘い高校生活を描いた『星のうさぎ』(ジュネット)や、言葉を食べるヨーカイと彼になつかれた男子大学生・真のエロあまラブ『君と美味しい愛のコトノハ』(ジュネット)もマストチェックです!(どちらも表紙の密着感がすっごくエッチ……)
2022年07月20日 -
ブックライブ書店員
困っている人を見ると助けずにはいられないお人好しの大学生・福太。優しくて誰からも愛される彼ですが、アパートの自室のドアに「出ていけ」と落書きをされたり、ゴミを撒き散らされたりといった嫌がらせに悩んでいました。そんなある日、バイトから帰ってきた福太を待っていたのは、幼少期に仲が良かった隣の家の「葵兄ちゃん」。しかし、「葵兄ちゃん」は、昔と変わらない少年の姿のままで……?
お人好しの主人公に相応しくない陰湿な嫌がらせ、昔の頃のままの姿で現れた憧れの人、そしてすっぽりと抜け落ちた幼少期の記憶――そんないくつかの小さな違和感が不協和音を奏でるような、不穏なムードに包まれて物語は始まります。ふわふわと天然オーラを振りまく福太と福太を振り回すちょっぴり横暴な葵兄ちゃんとの、突然始まった同棲生活は何気ない幸せに溢れていますが、やはり不吉な影が2人から完全に離れることはなく……。迫りくる崩壊から目を背けて、精一杯幸せを謳歌する姿を見て込み上げるこの感情はどう形容すればいいのでしょう。
嫌がらせの犯人は誰なのか、どうして葵兄ちゃんは子どもの姿のままなのか。“ハートフル不穏BL”に釘付けになってしまいます!
前作『さよならアルファ』(リブレ)では、互いが小学生と高校生のときに出会ってしまった年の差番の純愛を描いた市梨きみ先生。「これはすごい方向転換なのでは?」と思いきや、初期作品の『可愛い先輩の飼い殺し方』(リブレ)では、クソデカ愛情で受けを監禁しちゃうヤンデレ攻めも描いているという、奇跡的な光と闇のバイリンガル……! その尊さに、跪いて手を合わせるしかありません。
2022年07月20日 -
ブックライブ書店員
「片手間にエロいことをされている受け」というシチュに狂おしいほど興奮してしまう業の深い性癖を持った腐女子のみんな‼ これを読んでくれ‼
慈英&臣シリーズでも圧倒的存在感を放っていた朱斗と碧待望のスピンオフです。
スピンオフではありますが、この本から読んでも十分楽しめます‼
関西弁で元気な朱斗と、美しいけど俺様暴君な碧、2人のもどかしい恋の話です。中学の時からずっと碧に片想いをしている朱斗。ある日、想いに耐え切れず碧にキスをしてしまうところからお話が始まります。
なぜか朱斗に執着する碧、碧の真意がわからないまま身体を繋げる朱斗。その健気な姿にきゅんきゅんしつつ、碧の重い愛にゾッとする(?)1冊で色んな味を楽しめる最高の作品です。2022年07月20日 -
ブックライブ書店員
「自分になかなか手を出してこない年上の恋人の気持ちが分からない……」「付き合って3年の恋人と仕事ですれ違いばかり。これはもう終わってしまったのでは?」「仲の良い友人のモテの秘訣を知りたい!」などなど、恋の悩みは十人十色。そんな悩みの数々に応えてくれるのが、真夜中の通販番組「ミッドナイトショップチャンネル」。今宵も悩める男子が怪しげな商品に手を伸ばし……。
恋に悩む5組のカップルのエピソードからなるオムニバス作品。
交際3ヶ月を過ぎても清い交際を続けている西と美波。最初は西のことを「大人ってがっついてなくていいな」と思っていた美波ですが、「処理する相手が他にいる!?」と不安になり、エロ検知メガネを購入してしまいます。メガネによって本音が丸裸になった西は、がっついていないどころか「押し倒したい!!!」「キスしていいかな」「今日こそ…」とヤル気満々。大人の余裕かと思いきや、ただの優しいヘタレ――ん゛〜〜〜〜〜萌える……! 反対に西がメガネをかけて見た美波は「好き!好き!大好き!!」「えっちしたい」「こわいどうしようでもほんとはしたい」とこっちも、ん゛〜〜〜〜〜可愛い……!
その他にも恋人そっくりに受け答えもできるAI抱きまくら(オナホつき)や、半径5メートル以内の男をメロメロにするキャンディなど、ロマンあふれるエログッズが登場。ちょっとエッチで幸せな気持ちになれる、クーリングオフ不要の名作揃いです!
2022年07月20日 -
ブックライブ書店員
黒々組若頭・黒井と弁護士・白樺は、生まれたときからずっと一緒の37年ものの幼馴染同士。白樺は幼少期から黒井のことが好きで、30歳のときには彼の気を引くためだけに1ヶ月だけ結婚したこともあるほど。しかし、黒井はカタギである白樺を巻き込みたくないという思いから彼を遠ざけています。白樺も白樺で、黒井のそばにいるため、組の顧問弁護士のポジションを狙っていて……。
ヤクザとカタギというロミジュリ的なカップリングはある種の定番ですが、本作の尊さは幼馴染として長年育まれてきた友情がベースにあること。周りのクラスメイトより早く大人びなければいけなかった小学生の黒井に憧れたり、彼の孤独を癒やしたいと感じたり、高校生のときには現実的に黒井と一緒にいるための方法を考え出したり――黒井に対する白樺の気持ちの移り変わりは、その年齢ごとの切実さがにじみ出ていて思わず胸が熱くなります。
さらに、ただ純粋に黒井を思うだけでなく、「親友である自分を失いたくないなら」と、黒井の体を手に入れるといった狡猾さも備えているのがまたたまりません……!
『睨めば恋』や『偲べば恋』(ともに海王社)など、ヤンキーBLが人気のゆくえ萌葱先生。青年誌よりの糖分低めなタッチが男たちのかっこよさを一層引き立てます!
2022年07月20日 -
ブックライブ書店員
28歳、生意気盛りのサラリーマン・竹本は、自分にやたら厳しい(気がする)上司・森課長のことが大嫌い。しかし、人望、実績、実力、どれをとってもかなわないため、セフレを抱いてストレスを解消しようとしていたところ、繁華街で泥酔した森に出会い、自宅で介抱する羽目に。腹いせにエッチなイタズラをしてみると、思いがけず良い反応が返ってきて……?
最初は、今まで歯が立たなかった上司を惚れさせたという、竹本の優越感から発展していったこの関係。それからは意外とエロい森と時も場所も構わずセックスを楽しみ、仕事も波に乗り絶好調の竹本でしたが、森の「離婚で空いた穴を埋めていた」という言葉に傷つき、いつの間にか森に惚れていた自分に気づきます。
森に惚れ直してもらうため、仕事やデートのエスコートを頑張る竹本ですが、どれも空回り。しかし、自分のカッコ悪さを認め、相手に「寄り添う」優しさを知った竹本の成長ぶりがすごいんです。心の距離は確実に近付いているのに、絶対に踏み込めない領域を持ち続ける森に「アンタからすりゃ若造で頼りないかもしれないけど でも ――男だッ」と宣言するシーンなんて、もうお母さん涙が止まらないよ……(田舎の母の気持ち)。
バツイチ子持ち元ノンケ。快楽に弱くてエッチは好きだけど、深いところには踏み込んでほしくない。そんな手強い魔性のおじさんの心を、22歳年下の通称“クズの肉棒”は射止めることができるのでしょうか!?
2022年07月20日 -
ブックライブ書店員
赤髪碧眼という見た目に反して、英語がしゃべれず「残念ハーフ」扱いされている涌井太郎。彼と同じクラスにイケメンハーフの瑠威が転校してきます。職員室で瑠威が「英語はしゃべれない」と話しているのを聞いて、親近感を覚えた太郎は瑠威に急接近。瑠威も「たろちゃんかわいい」と太郎を気に入った様子。キスやハグなど、スキンシップのたびにキュンと高鳴る太郎のこの気持ちは一体……!?
大人びた優しい性格でありながら、人たらしで甘え上手、そしてちょっと強引なラテン系ハーフのイケメン……。萌え要素の過剰積載で事故起こすんじゃない!? 大丈夫!? なんのてらいもなく太郎に深めのキスをしたかと思えば、太郎にキス禁止令を出されると忠犬のように約束を守ってしょんぼりするなど、ラテンゆえのセクシーさと男子高校生ゆえの可愛さを兼ね備えてるのがズルすぎる! 対する太郎も、瑠威の一挙手一投足にドキドキして真っ赤になったり、自分でキス禁止令を出しながらも瑠威とのスキンシップが減ったことを寂しく思ったり……。もう、2人まとめて可愛いがすぎるだろ!!(錯乱)
前作『カラーチャートをキミに』(大洋図書)では、不器用な洋画科の学生の心をデザイン科のモテメンが解きほぐしていく物語を、初BL作品の『放課後はいつもふたり』(茜新社)では幼馴染み同士カップルの初エッチまでの道程をみずみずしく描くなど、闇の腐女子をも虜にしてしまうキュートさが魅力の風呂前有先生。受けのことが大好きな攻めが大好きな人はマストチェックの作家さんです。
2022年07月20日 -
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フェンリルの子孫である人狼たちが住まう極北の地。谷を縄張りとする黒狼・ガルムの一族と湖を縄張りに持つハテイの一族とが、ガルムとハテイの双子の妹・スコールとの婚姻によって、その絆を結ぼうとしていました。しかし、婚儀の直前にスコールは崖から転落して行方不明となり、兄であるハテイがガルムと番になることに……。
ビリー・バリバリー先生の卓越した画力でもって描かれる狼たちの世界は、大自然の厳しさと美しさが同居する壮大で叙情的なもの。豪快でさっぱりとした性格が男らしいガルムと、高潔さの中に繊細さを漂わせるハテイ、どちらも本当に良いオスで、美しい風景と相まって、「私たちは今、とんでもないものを読んでいる!」と感動に胸が震えます。
狼たちはオスもメスもみな、顔のどこかに傷跡があり、「厳しい環境で生き延びてきたのだな」という背景が窺い知れます。彼らの生きる世界が厳しいほど、推しカプの尊さが五臓六腑にしみわたる〜〜!
男同士のかけがえのない絆を描いた作品として、『朝とミーチャ』(フロンティアワークス)もおすすめ。互いが互いなくしては立っていられない、といった風な共依存関係に心を奪われます。
2022年07月20日 -
ブックライブ書店員
攻め様の発掘・育成を担い、立派な攻め様を育て上げることを目標に活動する組織、それが「攻め様検定管理局」。落ちこぼれ局員の平井は、攻め様の原石を見つけても山でローション作りの修行をさせるばかりで、芳しい成績を挙げられずにいます。「次こそは理想の攻め様を育て上げてみせる!」という志を胸に、同期のエリート二階堂に馬鹿にされながらも任務に邁進しますが……。
『そんな目で見てくれ』毛魂一直線(東京漫画社)や、『Nightmare Catalog』雪路凹子(茜新社)を思い起こさせるような――これは良い表紙詐欺です(褒め言葉)。金髪イケメンが描かれたスタイリッシュな表紙から、ダークなストーリーを想像しかけますが、主人公の平井がヘリからはしごでぶら下がって登場したり、ライバル・二階堂が白馬で通勤していたりと、完全なるギャグマンガです。イケメンたちが真面目な顔で全力ボケをかましてくる前衛的なスタイルに、読み終わる前からすでにスタンディングオベーションをしたくなります(ゆっくり立ち上がるスタイルで)。
タイトルの「攻め様検定管理局」自体がパワーワードですが、「派遣会社『モブおじさん』」「攻め様検定バトル」「触手ホールディングス」といったさらなる強ワードも登場。これはもう気にしかなりません。読むしかありません。BLあるあるも豊富で、腐っていればいるほど楽しめる1冊です。
月に1回1週間の有給休暇を満喫するために発情期を装うオメガが主人公の『有休オメガ』(ふゅーじょんぷろだくと)や、不良高校のヤンキー✕生徒にいじめられて喜ぶドM教師の『工藤先生のマジェスティックデイズ』(ふゅーじょんぷろだくと)、おバカな元ヤン✕中二病の美少年『曰く、恋の相手は闇属性』(ホーム社)など、個性的なBL作品を世に送り出してきた藤峰式先生。また1冊、新たな名作がここに誕生しました……!
2022年07月20日 -
ブックライブ書店員
中華料理店でアルバイトをしている慧介は、店の前を通りがかるサラリーマン・雪文のことが気になっていました。しかし、何の接点もなく、ただ彼のきれいな横顔を眺めることしかできません。そんなある日、バイトの近くのゲイスポットで相手を探す雪文に出会い、誘われるまま彼の自宅へ。一見大人しげな雪文でしたが、その体は慧介がびっくりするほどエロくて……。
『YOUNG BAD EDUCATION』『YOUNG GOOD BOYFRIEND』(ともに祥伝社)のダヨオ先生の新作。教師と生徒の純愛を描いた前作とは真逆のアダルトでインモラルなムードに、思わず「ほほう…」と舌なめずりをしてしまいます。
本作の見どころはまさに「エロと純愛」に尽きるのではないでしょうか。エロ作品で純愛は描けないし、純愛作品はエロ少なめなのがいとをかし。そんな風に考えていた自分の了見の狭さを思い知らせてくれます。
7年の不倫の中で雨津木に調教され、薄幸でエロい愛人オーラを身にまとっていた雪文が、「俺は雪文さんが大切だ」と慧介に真っ直ぐな愛情を向けられることで、自分の本当の気持ちに向き合っていく様は、心臓が痛くなるほどの純粋な愛情に満ちています。
「愛とはなんたるか」を体現するような光サイドの2人に対して、束縛・執着・支配の3Sを兼ね備えた闇のイケオジ・雨津木も大変魅力的。下巻収録の「悪人の縛り方」で年下の男に組み伏せられる姿がエロくてエロくて……。スピンオフ化を全力で希望します!
2022年07月20日 -
ブックライブ書店員
孤児院で生まれ育った少年・ハンス。何者かに殺されたはずの彼でしたが、「ユアン」と呼ばれる他人の体の体で目覚め、ユアンの恋人・ヤンとともに暮らすことに。とっさに記憶喪失のふりをして切り抜けたハンスですが、ユアンは一体どんな人物だったのか、どうしてヤンはこれほどユアンを愛しているのか、わからないことだらけ。謎だらけでスリリングな第2の人生が始まります。
目覚めたら全身に11ヵ所の縫い跡、顔は全く知らない他人のもの。そんな状態からハンス(ユアン)とヤンと、謎のメイド服の男・アイムと3人の奇妙な共同生活が始まります。貧しい育ちのハンスが、戸惑いと劣等感と感じながら「ユアン」としてヤンに愛される姿がコミカルに描かれていますが、互いに隠し事をしている彼らの生活には、常にどこか不穏な影がつきまとい、その独特のムードが闇の腐女子にはたまらないごちそうです……! 一度死んで他人のゾンビとして蘇った状況の中でヤンに愛されようとするハンス、生前とは別人の「ユアン」を溺愛するヤン、そんな2人を生ぬるい目で見守るアイム。少しずつ狂った登場人物たちそれぞれの目的が明らかになる瞬間、思わずぞわりと鳥肌が立つ思いがします。
表題作の他に、隣人のサラリーマンに妄想混じりの片思いをする男子高校生の恋心を描いた「21時45分の偶像」、明らかに付き合っているのに付き合っていないと言い張る松下と宮下に翻弄される山下……という仲良し(?)男子高生3人組のお話「松下くんと宮下くん」などを収録。どれもシュールな読み口がクセになる作品揃いです!
2022年07月20日 -
ブックライブ書店員
高校時代からの親友同士、春海、遼、崇文。高校の同窓会で数年ぶりに再会した3人は、車で山中の別荘に向かい、本当は一緒にいるはずだった4人目の親友、優弥について語り始めます。「…なんで死んだのかなあいつ…」。高校最後の夏に起きた事件の謎がここで解き明かされる――。
高校生最後の夏、春海、遼、崇文、そして優弥の4人で行ったキャンプ。そこで優弥は橋から転落して意識不明の重体となり、その後、3人のもとに彼の死の知らせが届きます。優弥が一番大事にしていた幼馴染の春海、優弥と体の関係をもっていた遼、優弥が生前「俺、お前のこと好きだもん」公言して憚らなかった崇文。一体誰が優弥と最後に会って、彼の死に関わっていたのか……。サスペンスフルな展開に目が離せなくなってしまいます。3人それぞれの主観から語られるエピソードによって、徐々に真実が明らかになっていくという構成は、ミステリ好きにとってもたまりません! イチャラブ要素はすくなめですが、4人の間での恋情のもつれや優弥の死の真相にも惹きつけられて、ページをめくる手が止まりません!
『道頓堀フライングジーザス』(竹書房)や、『星に落ちる絵筆』(竹書房)など、甘キュン系作品の名手として知られる櫻川なろ先生。4人の男の心の裏側までをも描いた本作はまさに新境地。見るものを陶然とさせる美しい絵柄と、触れなば壊れん危ういムードに酔いしれてください!
2022年07月20日 -
ブックライブ書店員
通学のために乗るいつもの電車、同じ駅を過ぎたところで、男子高校生・水葵の体に触れる、大きな傷のある男の手。最初は服の上からだったのが、肌を直に触られるようになり、ある日「ここを出て どこかへ行きますか」と声をかけられます。うちに秘めた欲望を暴かれた水葵はその男・忍に「…教えてください 電車でしたそれ以上のことを」と自分を抱くよう取引を持ちかけて……。
父親の不倫をきっかけに、性的なものを嫌悪するようになった母親の異常な抑圧と束縛を受けてきた水葵。セックスへの嫌悪と「汚してほしい」という願望がないまぜになったまま、忍にその身を任せる姿が背徳的で超絶エロティック……! 性的なものに触れることを禁じられてきたがゆえの無垢さと、乳首を責められてイッてしまう淫らな体とのギャップにもゾクゾクさせられます。
対する忍は、過去のトラウマから味覚も感情もなくしてしまい、虚無を体現するかのような男。そんな2人が織りなすドラマのインモラルさ、そして、2人に訪れる救いに涙を禁じえません。
人間に化けた貂と大学生の日常生活を描いた『ふくふくハイツ』(リブレ)や、自分の性的指向に悩む大学生とゲイの大学生2人が期間限定で共同生活をする『世田谷シンクロニシティ』(ホーム社)など、ほのぼのとしたテイストの作品が多かった本郷地下先生。本作で切り開いた新境地をぜひ見届けてください!
2022年07月20日 -
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由緒正しい華道の家元に生まれついた仙波沙羅。次期当主としてのプレッシャーに苛まれ、何を生けても「つまんない花…」とスランプに陥っていました。そんな時、自室の姿見が異国の王子の部屋につながっていることに気付き……。
伝統ある華道の家元の跡継ぎとして生まれた沙羅と、とある国の次期国王として生を受けた“ナナシ”(その国では名前を交わす=求婚なので、名前を教えられない)。出会うはずのなかった2人が、時空を移動する鏡を介して出会ったことから物語は動き始めます。エキゾチックで豪奢な美貌を持つ王子と和服の似合う色白美人という組み合わせからしてもう萌えるのですが、そこに異国の美しい花を介したコミュニケーション、身分を超えた友情というエッセンスも加わってもう……(語彙死①)。さらに、物語を彩る草花が雪林先生の繊細で美麗なタッチで描かれていることで臨場感がもう……(語彙死②)。
原作は、兄弟間の歪で切ない恋愛を描いた『ハロー・グレイ・ナイトシェード』(ホーム社)の作者・久松エイト先生で、作画は美麗なタッチ魅力の『アイドルくんのマネジメント業務』(竹書房)の雪林先生。読者の心を震わせるストーリーが、極上の画力で描かれています!2022年07月20日
