北欧を舞台にしたヴァイキングの物語。主人公・トルフィンの少年時代は、殺された父親の仇を取ることだけが生きがいでした。少年ながらに、侵略・略奪・戦争を繰り返し、その過程で人を傷つけることを平気に感じてしまう。そんな彼が、戦って、成長して、失望して、希望を見つける過程が、ゆっくりと描かれていくマンガです。
「世の中から……戦争と奴隷を失くすことは、できないもんかな…」
いつしかトルフィンは、そんな夢を口にします。
ヴァイキングとしての過去の過ちを悔いながら、殺してしまった多くの人の魂を背負って夢に進むトルフィン。彼を通じて「本当の強さとは何だろう」という問いに対する答えが、あるいは願いが、丁寧に丁寧に描かれている傑作です。
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24巻ラストでヴィンランドに向けては出発しましたが、25巻ではヴィンランドにほぼ到着したようなものです
ただ、史実ではアメリカ大陸を発見したのはコロンブスなので、トルフィンたちは歴史に残らず……ということを考えると、悲しくなってきます
Posted by ブクログ 2021年07月26日
トルフィンがまた一つ大きくなった。
老いたレイフを前に自分を導いてくれた、育ててくれた「父」を思う。
そこに見るのはレイフであり、トールズであり…アシェラッド。
客観的にはまさにその通りで、結果的に今のトルフィンを形作っているのは間違いないのです…が。
トルフィンが自ら、アシェラッドをトールズ、レ...続きを読むイフと同じように見た、というのが本当に大きい。
これまで「もう憎めない」と答える事はありましたが、父とまで思えるようになるとは。
大きくなったというか、憎しみを昇華して大切な過去であったと認められるようになるというのは、もはや悟りとすら言えるのではないでしょうか。
凄く複雑だけど、だからこそ胸にしみるものがあります。
そしてついにヴィンランド到着。
正直なところ、ヴィンランドに辿り着いたらそこで終わりかな、と思ってましたが、まだまだしっかりと話が続くとは。
考えてみれば、トルフィン達の目的というか命題は「争いのない国を作る」事なのですから、「俺たちの国作りはこれからだ!」じゃ終わらないんですねぇ。
何もかも分からない場所で一から始めていかなきゃならない…これは大変だ。更に「戦いに呪われている」トルフィンとしては。
新しい展開、また違う面白さが見れそうで楽しみです。
ただ、トルケルやガルムがもう出てこないのかなー、と思うと、ちょっと残念。
…もう出てこないと思ってたギョロは、見事に出てきたけれども(笑)
凄いなぁ、ギョロ。ホントに美味しい。
意外にあっさりと、ヴィンランドに到達。先住民との遭遇は、波乱含み。異質な言語、考え方、文化、生活、信仰を乗り越えられるのか?