北欧を舞台にしたヴァイキングの物語。主人公・トルフィンの少年時代は、殺された父親の仇を取ることだけが生きがいでした。少年ながらに、侵略・略奪・戦争を繰り返し、その過程で人を傷つけることを平気に感じてしまう。そんな彼が、戦って、成長して、失望して、希望を見つける過程が、ゆっくりと描かれていくマンガです。
「世の中から……戦争と奴隷を失くすことは、できないもんかな…」
いつしかトルフィンは、そんな夢を口にします。
ヴァイキングとしての過去の過ちを悔いながら、殺してしまった多くの人の魂を背負って夢に進むトルフィン。彼を通じて「本当の強さとは何だろう」という問いに対する答えが、あるいは願いが、丁寧に丁寧に描かれている傑作です。
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Posted by ブクログ 2021年12月07日
昔、トルフィンに家族を殺されたヒルドとの対決。ヒルドが父や師匠の教えを思い出してトルフィンにとどめを刺さなかった場面はジーンと来ました。ヒルドも恨みから解放されて幸せになってほしい。
復讐者に追い詰められ、絶対絶命のピンチ。その状況でトルフィンを救ったのは、復讐者の信仰と仲間の機転。赦しを得るためというヴィンランド開拓の目的が増えた。
Posted by ブクログ 2016年04月03日
じっくりと1巻以上使って描かれたトルフィンの過去との向き合い方
相手のヒルドが、不憫な生い立ちではあるものの、強い意思と賢明さを持ち合わせていて、良い父や師匠に恵まれていてかなり魅力的に写った
その分、トルフィンが赦される(猶予をもらう)という描写が、1巻掛けた分、何か尻すぼみというか、う~ん、性善...続きを読む説っぽくて勢いが落ちたように思った