あらすじ
戦争も奴隷制度もない国を作るためヴィンランドを目指すことを誓ったトルフィンは、遠征のために必要となる莫大な資金を得るために東方ギリシアの都・ミクラガルドへ向けて旅立った。船乗りになることを願い、夫のもとを飛び出した花嫁・グズリーズがトルフィンの仲間に加わり、さらに、身寄りのない赤ん坊と犬も加わった。その船を花嫁奪還を誓うハーフダンの息子・シグルドが追う!!
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北欧を舞台にしたヴァイキングの物語。主人公・トルフィンの少年時代は、殺された父親の仇を取ることだけが生きがいでした。少年ながらに、侵略・略奪・戦争を繰り返し、その過程で人を傷つけることを平気に感じてしまう。そんな彼が、戦って、成長して、失望して、希望を見つける過程が、ゆっくりと描かれていくマンガです。
「世の中から……戦争と奴隷を失くすことは、できないもんかな…」
いつしかトルフィンは、そんな夢を口にします。
ヴァイキングとしての過去の過ちを悔いながら、殺してしまった多くの人の魂を背負って夢に進むトルフィン。彼を通じて「本当の強さとは何だろう」という問いに対する答えが、あるいは願いが、丁寧に丁寧に描かれている傑作です。
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Posted by ブクログ
こんなに続きが気になる事はそうそうない…!!
トルフィンにとって最凶の敵が訪れた。
それはトルケルよりも熊よりも恐ろしい…。
エイナルの言葉の優しさ、そして友情。決して上手い事を言っているわけじゃないけど、確かにトルフィンの助けになる一言。こういう事が言えるよう…いや、言葉というより相手にとって最も必要な事を考えられるようになりたいものです。
本当に胸に染みる、1コマ。
それからグズリーズ。
この不器用さはよくわかる。皆と同じにできない、多くの人が是とする事にどうしても従えない。
彼女もまた今の世界から弾き出された者。海の向こうのヴィンランドを目指すべき人です。
つくづく、私が読むべき作品だなぁ、と思わされます(苦笑)。
そして復讐の義務。
…なるほど。確かにシステムとして見ればそういう考え方があるのですね。理に適う。もちろん、グズリーズが言うようにそれが平和だとはとても言えないわけで、復讐の連鎖を止めるために法があり、罰則があるわけで…すが、「復讐の義務」はもっと根底にある仕組み・原則のように思えてなりません。
それ以外の道を、方法を考えるというのは、とても困難な事ではないでしょうかねぇ…。
と。
色んなエピソードやトラブルを含め、実にしみじみとトルフィンの冒険を楽しんでいたわけですが…。
ほんっとうに驚いた。油断してました。
トルフィンの旅は大変なものになるだろうということは想像できていましたけれども、それでも色んな事を乗り越え、潜り抜けてきていましたから、逆にそのトラブルさえも楽しんでしまっていたのです。
そこに、(冒頭にも書きましたが)トルフィンの最強の敵。確かにこれほどまでにトルフィンを狼狽させ、戦慄、苦悩させる存在は他にないでしょう。彼の最大のトラウマであり、使命でもあるのですから。
逃れるわけにはいかない。ましてや抗う事もできない。
この状況でトルフィンがどうするのか…気になって気になってしょうがありません。
絶対にどうにかして乗り越えなければならないこの状況。どうやって結末をつけるのかとてもとても気になります。
決して悪い展開にはならないと思うんですけどねぇ…。
それにしてもシグやんの萌えっぷりったらないねw
Posted by ブクログ
個人的に最近出産したので、出産ネタや子供ネタに弱いので赤ちゃんを助けたあたりは胸を打ちますね。あかん。食事とかどうしてるのか心配です(汗)
過去にトルフィンが殺害した人の家族がもう登場。早くないか。それでもこれからはもっと越えていかなければならないハードルがあるってことでしょうか。