あらすじ
奴隷の身分から解放されたトルフィンだが、農場を去る前にやり残したことがあった。それは、かつての同朋クヌート王が始めたこの戦争をやめさせること。クヌートは今やイングランドとデンマークの統一王となっている。奴隷の身なりのままでは近衛兵に阻まれて会うことすら出来ない。どうするトルフィン! これにて奴隷編完結! そして、新たな旅が始まる!
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北欧を舞台にしたヴァイキングの物語。主人公・トルフィンの少年時代は、殺された父親の仇を取ることだけが生きがいでした。少年ながらに、侵略・略奪・戦争を繰り返し、その過程で人を傷つけることを平気に感じてしまう。そんな彼が、戦って、成長して、失望して、希望を見つける過程が、ゆっくりと描かれていくマンガです。
「世の中から……戦争と奴隷を失くすことは、できないもんかな…」
いつしかトルフィンは、そんな夢を口にします。
ヴァイキングとしての過去の過ちを悔いながら、殺してしまった多くの人の魂を背負って夢に進むトルフィン。彼を通じて「本当の強さとは何だろう」という問いに対する答えが、あるいは願いが、丁寧に丁寧に描かれている傑作です。
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
トルフィンは戦が終わった後になってようやくクヌート王に面会に行く。
そこでトルフィンの思い描く真の戦士として非暴力により面会を勝ち取る。
トルフィンとクヌートの邂逅。同じ楽土を求めながら、方法が異なるふたり。
ここではクヌートが描くヴァイキングの王としての楽土への道が示される。
永久に交わらないふたりの道だったが、この邂逅によりクヌートは方針を転換することになる。
Posted by ブクログ
こんなにカッコイイ顔面ボコボコキャラがかつていただろうか…?(いたかもしれない)
とにかく戦わない、という意思を貫くトルフィン。
それは確かに彼の得たたった一つの答えであり、目指すべき道…なのでしょうが。逃げる、というのも難しいものです。財産や土地、地位…狙われているものを全て捨てていかなければならないわけですから。
殴られ続けるトルフィン。それはもうひたすら痛々しかったわけですが…彼の行く手にはその比ではないほどの苦難が待っているのでしょう。
結局、「逃げだす」事だって自分から足を踏み出さなきゃ何も変わらない、のだと。
それから、トルフィンだけじゃなく、クヌート、そしてオルマル達。全てに救いがあったのがよかったなぁ、と。
特にクヌートはまさか救われるとは思ってなかったので、これは本当によかった。
もうきっとトルフィンとクヌートの道が交わる事はないのだろうけれど、友達としてがんばって欲しいものです。
Posted by ブクログ
再開尽くしの感だった
まずはトルとクヌ、道は違えど成長した二人の邂逅が緊張感を孕みつつも腹を割った言動で堂々と繰り広げられ、袂を分かってから互いの経た年月が集約されていた
トルと姉は、まぁそっすよね~
Posted by ブクログ
奴隷編終了です。凄惨な事態に転がって行く中、トルフィンの徹底的な無抵抗と説得がクヌートの気持ちを変える…そんなんありかと思いながら、読後感が良かったのでそんなんありなんだと思います。
故郷に帰った時の話が良いですね。姉ちゃん最強。