【感想・ネタバレ】ヴィンランド・サガ(11)のレビュー

北欧を舞台にしたヴァイキングの物語。主人公・トルフィンの少年時代は、殺された父親の仇を取ることだけが生きがいでした。少年ながらに、侵略・略奪・戦争を繰り返し、その過程で人を傷つけることを平気に感じてしまう。そんな彼が、戦って、成長して、失望して、希望を見つける過程が、ゆっくりと描かれていくマンガです。
「世の中から……戦争と奴隷を失くすことは、できないもんかな…」
いつしかトルフィンは、そんな夢を口にします。
ヴァイキングとしての過去の過ちを悔いながら、殺してしまった多くの人の魂を背負って夢に進むトルフィン。彼を通じて「本当の強さとは何だろう」という問いに対する答えが、あるいは願いが、丁寧に丁寧に描かれている傑作です。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2015年03月29日

1018年。クヌートもまた、王冠の呪いに苦しめられていた。兄ハラルド・デンマーク王を毒殺し、イングランドとデンマークを手中にする。
ケティルがハラルドの見舞いにイェリングを訪れるが、財政の改善を望むクヌート王は、ケティルの農場を接収する策を巡らせる。
農耕編で人間として成長したトルフィンが、クヌート...続きを読むの差し向ける軍にいかに立ち向かうのか。静から動へ変調する巻。

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ネタバレ購入済み

血塗られた物語

2022年08月31日

こういう緻密に描かれた残酷さをずっと見せられると、感性がどんどん麻痺しそう。物語がコアに無ければ、耐えられない話。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年01月24日

ついに農業サガを脱出しまたもや血みどろの戦いが始まる予感。クヌートがすっかり漢くさい策士になり、トルフィンが働いている農場を没収しようと謀るのであった。
親父の首と語らう修羅まっしぐらなクヌートと農業修行で悟ったトルフィンの運命が今後どう交錯していくのか?目が離せませんわ。
シリアス続きだが巻末の4...続きを読むコマは思わず吹き出す。やっぱり講談社の看板は宇宙兄弟と進撃の巨人でなくヒストリエとヴィンサガです。

農業サガと揶揄された農業編が終わった途端にひたすら血・内蔵・死体と血生臭描写120%増し。
プラネテスを読んだ諸兄はご存じだろうが、幸村誠は本来農業サガに見られたような内面探求系(ポエム系)作家であり、スタイル的にヴィンサガのような殺伐戦闘からは結構かけ離れていた。
こんなに苦心して自分の作家性を売れる方向に修正しようとしている作家は幸村誠くらいで、その苦心惨憺の跡を見るにつけ目頭が熱くなるのだった。農業サガとか言っていじめてる子はプラネテスを読んでほしい。幸村の成長の軌跡が見て取れる。

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