沼野充義のレビュー一覧

  • ソラリス

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    とっても難しい。でも面白い。詳細なソラリス描写や、膨大なソラリス研究の仮説、論文を詳述することにより、徹底して「未知」を書き切った作品です。言われがちなこの「意味のわからなさ」はあえてやっていると思います。そもそも人間には未知との遭遇では、ある程度は意思の疎通ができるだろうという傲慢さがあります。人間の間でさえIQだか偏差値だかが20違えば会話が成立しないという話もあるのに、何故恒星間航行もできないような未開の文明の人間が、我々よりも高度に数百年単位で進んだ文明のものと意思の疎通ができると思い込めるのでしょうか。その人間の驕り高ぶりに冷や水を浴びせるような作品といった印象を受けました。個人的に

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    2025年05月25日
  • ソラリス

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    ちょっと難しかった!
    映画にもなっているので気になっています。映画は作者の望むエンドでは無かったようで、この本の主題はあくまで未知の生命体とコンタクトは取れるのか?という所。生きている風なのに、人間の問いかけには応じない、良く分からない感じが、人類の文明は世界で通じる訳ではないと示唆してるようでした。最後の訳者解説に作者のコメントも載っています!

    最初は何が起こってるのかよく分からない。
    中盤の章で、惑星ソラリスの描写が詳しく描かれていて、想像しながら読むと楽しかったです。
    これは積読の必要があるかもしれない…

    宇宙SFの新しい概念を知りました

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    2025年04月08日
  • ソラリス

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    ネタバレ

    読み終わりました。
    巨大な海が一つの生命体であるという入りやすいベースから、明らかに狂っていく一人称視点はどこかラヴクラフトの小説を彷彿とさせます。

    作中で何度も惑星ソラリスに対する著者の解釈が緻密に描かれており、まるで直ぐ近くに海が迫り来ているかのような臨場感がありました。

    物語の後半では、超常現象を受け入れた主人公の交流描写が進みます。ソラリスの生み出す数々の現象が果たして人類にとって無意味なものか、その先に何があるのか物語の中では明かされません。

    ただひたすらに広大な、人々とコミュニケーションを行っているかのように思える無意味なソラリスの”現象”たちが、読後の虚無感を増幅させました

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    2025年04月05日
  • ロシア文学を学びにアメリカへ? 増補版 屋根の上のバイリンガル

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    すごく面白い。
    軽やかな語り口なのに、やってることがすごくユニークだし、説明はわかりやすいのに高いレベルまでカバーしてるし。何とも贅沢な読書体験、文化体験。
    何でも単純化する現代の風潮の中で、言語や文化はそんな簡単なもんじゃないぞ、と分からせてくれる。難しいけど、面白いぞ、と。

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    2025年03月20日
  • 文庫で読む100年の文学

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    気になるところだけ読むつもりが結局全編読んでしまった。
    読んでない本がこんなにあること、知ってるけど読んでない本がたくさんあること、そして読んだはずなのにあまり覚えていない、理解していなかった本が結構あることを再確認。
    過去に読んだ本は当時の衝撃や感想を思い出したりした。読んでみたい本も見つかったし、こういう本も面白い。

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    2025年02月07日
  • ロシアの暮らしと文化を知るための60章

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    暮らしと文化、一番興味ある分野で
    小難しいこともなく、読みやすかった!
    沼キョンの文章久しぶりだけどやっぱり好きだなあ。
    ちょうど佐藤優さんの本も読んでて、ロシア人ってハートが熱くてたくましいなと思った。

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    2025年01月22日
  • 新訳 チェーホフ短篇集

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    短編名作集で、それぞれの後ごとに、訳者、ロシア文学者の丁寧で分かりやすい解説のおかげで、楽しく読み終わりました。他にもまだ読みたい本があるので、次の機会にチェーホフの他の作品も読んでみたいと思いました。

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    2024年11月10日
  • ソラリス

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    殆ど現象に近い生命のかたち。水蟲のようなもの。対話は叶うのか?まだ彼は諦めていない。映画はどうしてそうなっちゃうのか

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    2024年08月11日
  • ことばの危機 大学入試改革・教育政策を問う

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    そもそも新指導要領の内実は又聞きレベルでしか把握しておらず、論理国語のような取り組みにたいして、登壇者がそれぞれの専門分野から議論を引き出す様は、単なる国語教育の問題で済まされず、言葉や教育といった壮大な領野に渡ってこの時宜にこそ考えを見つめ直す機会にせねばならないのだと思わされる。

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    2024年05月06日
  • ソラリス

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    何度も映画化されたSFの名作です。ホラーか恋愛ものか、見知らぬ者とのコンタクトの話か、様々に読める本作ですが、不可解なものに対峙した時の人間の反応が生々しく描かれており、興味深かったです。分からないものを受け入れたときに人間はどうなるのか、相互理解は難しいでしょうね。宇宙もののテーマですが、人間間でもいえる問題のようにも感じましたね。

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    2023年12月18日
  • やっぱり世界は文学でできている~対話で学ぶ〈世界文学〉連続講義2~

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    フランス語では文学作品に「ハンカチ」という単語が使えないという話や、ドイツ語などの多言語と比較したとき、日本語が主語を書かなくてもよい言語であること、そのことによって翻訳の際に困ることなど、言語それぞれの特質についての話が面白かった。

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    2023年11月23日
  • 世界は文学でできている~対話で学ぶ〈世界文学〉連続講義~

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    世界文学の読書案内として手に取ったが、対談の中で、日本の作家も多く紹介されていて、期せずして、今まで食わず嫌いでいた、現代日本の作家や、ドストエフスキーや、夏目漱石などの古典小説を読んでみようかな、と思うきっかけになった。

    対談形式のため、読みやすくはあるが、あまり本を読んできていなかったので、作家と、文学研究者の両者の話に理解しきれない部分もあった。
    ただ、あまりに古典文学を読むのには遠く離れた世代、人生であり、自分には読みきれないとはじめから諦めていたのだが、ドストエフスキーの魅力について、単純に面白いこと、と挙げられていることや、ドストエフスキーのキリスト教文学的な要素を日本の読者が全

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    2023年07月29日
  • インヴィンシブル

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    SF。旧題『砂漠の惑星』。
    著者お馴染みのファーストコンタクトもの。
    ホラー小説といってもいいくらいに怖かった。
    自分の想像力では思い浮かべることができないほどの、圧倒的な情景描写が魅力。
    もちろんSF的なアイディアも素晴らしい。
    著者の作品は、いつも理解が及ばないことが唯一の難点だと感じているが、充実した解説が理解の助けになってありがたい。

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    2022年09月18日
  • ソラリス

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    惑星ソラリスに派遣された三人の科学者からの連絡が途絶えた。そこで、心理学者ケルヴィンが調査のために訪れた。ケルヴィンが見たのは、惑星ソラリスの有機物に満たされた巨大の海に浮かぶステーションで起きた奇怪な出来事だった。 序盤は惑星ソラリスで起きた出来事がホラー小説の語り口調で始まり、中盤にはラブロマンスに変わり、最後は哲学小説で終わる不思議な作品でした。本作品は、1961年に上梓された古いSF小説ですが、今読んでも新鮮に感じました。

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    2025年12月21日
  • マゼラン雲

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    SF。
    太陽系外探査。コンタクト。
    コンタクトもののSFとしては、ハッキリしない感じが、『ソラリス』を思わせ、著者らしさを感じさせる。
    登場人物が理性的な人ばかりで、全体的に静かな物語。
    個人的には、最後の2章が好きすぎる。
    「地球の花々」でのグーバル教授の推論にワクワクし、別れに感動。
    最終章「マゼラン雲」は…とにかく最高。ラスト一文が美しい。
    あまりに難しく、読み応えがありすぎて、全く理解できた気はしないが、もしかすると傑作なのでは?

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    2022年08月15日
  • 新訳 チェーホフ短篇集

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    ロシア文学に詳しい方からのオススメ✨
    まさか、自分がチェーホフを読むとは思ってもいなかった!
    これが解説付きで、とてもわかりやすい。
    チェーホフの短篇の感想としては、芥川龍之介の作品を思い出した。
    登場人物の誰にも感情移入出来ず、傍観者として「こんな話があったとさ」と聞かされている感じ。
    傍観者だからこそ、残酷な話も悲劇もなんだか、クスッと笑ってしまう。
    そんな魅力のある作家チェーホフなんだな。
    ロシア文学って深い。

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    2021年12月15日
  • ことばの危機 大学入試改革・教育政策を問う

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    だいぶ前から気になっていた、読解力と注意力の関係。自分が教えながら感じていたことが、やっぱりそうだったんだと再認識できた。

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    2021年07月23日
  • ことばの危機 大学入試改革・教育政策を問う

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    大学入試改革で「論理国語」と「文学国語」を分けていることから、文学は論理的ではないと国や経済界は思っているのではないかと感じる。
    しかし、文学(小説)を解するためには徹底的に論理的に読む必要があり、文学に論理性がないとは到底いえない。また論理国語とされる試験問題からは、文章の意味は一義的に定まるという考えが読み取れるが、そもそも人間の用いる「ことば」というものは複雑で、文脈や時代の情勢を織り込まないことには意味が正確に取れず、また受け手側のスタンスによっても意味の取り方が変化しうる。
    そのため、文学を取り出して囲い込むことは幾重にも間違った政策判断であるように思える。
    以上が本書を読んだ感想で

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    2021年02月09日
  • かもめ

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    人との繋がりの中での気持ちをここまで客観的に見れるのは楽しい。
    トレープレフは自殺したという事実。その直前のトレープレフは誰だったのだろう。会話をしている時点で現実に存在する人物ではあるが、それが誰かわからない。ほんとにミステリアス

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    2021年02月06日
  • ことばの危機 大学入試改革・教育政策を問う

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    経済優先の世の中では数値化できないものが切り捨てられていく。そんな恐ろしさを新・大学入試共通テストのプレテストから感じてしまう。
    恐ろしさを感じると同時に、ここで語っている東大の5名の教授の言葉には胸を打たれるものがあり一筋の希望が見えてくるようだった。
    ことばの危機はことばだけの問題ではないことを改めて気付かされる一冊。

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    2020年07月28日