沼野充義のレビュー一覧

  • かもめ

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    ネタバレ

    登場人物達の心象風景の描写が見事。
    自由なかもめだったはずのニーナが、嵐の日に傷ついて帰ってくる名場面は、何度も読み返したくなる。

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    2014年12月30日
  • 新訳 チェーホフ短篇集

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    大学のゼミでこの本からとった「いたずら」の一編を読んだ時からすごく気になっていた。そして思ったとおりはまった。
    訳者による気合いのはいった解説(もはや「ロシア文学講義」である)が短編ごとに挿入されるのは、ちょっと野暮ったくはある。けどそのおかげで童話「おおきなかぶ」の謎の「一本足」くん(とても笑える)にも出会えたし、リルケの「トスカ」という言葉をめぐる切実な手紙も素敵だし、なによりチェーホフの逸話はどれも面白いので良しとする。

    なかでも自分的に大ヒットは「牡蠣」だ。絶賛。大拍手。
    解説にもあるけれど、ピュアな想像力を前に「わ!うれしい!」となっちゃうこと請け合いなのだ。
    あと女の人にまつわる

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    2013年12月07日
  • 新訳 チェーホフ短篇集

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    初めてチェーホフの著作を読むこととなった。
    新訳とのことで、くだけた形の訳も多く、分かりやすいのだが文学作品が・・・という印象も持ったが、読みやすかった。
    自分自身のロシアに対する印象もあるが、明るいお話でも決して明るく感じることはなく、短いお話でも心を軽くえぐられるような内容のものもあり、不思議な深みがあった。

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    2013年10月14日
  • 世界は文学でできている~対話で学ぶ〈世界文学〉連続講義~

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    グローバル化が文学にも及んでいる事を再認識させられる一冊。ロシア偏重のきらいもあるが、やはり長編の魅力を味わうには外せない。世界と日本の違いを取り払うだけでなく、近代と古典の差も取り払われる。読書欲をかきたてられる一冊。

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    2013年08月31日
  • 新訳 チェーホフ短篇集

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    訳者の表現が偏りすぎな部分もあるが(とくに他のロシア文学も読んだことのある自分はナッちゃんで興ざめ)、作品ごとに解説があり、全体的に講義をうけているような雰囲気で、自分のようなチェーホフ初心者にはありがたい一冊だった。
    解説は、近くて遠い国ロシアのわかりづらい文化などにも及んでいて、これをきっかけにロシア文化を知ってみようと思った。

    もったいない。
    いままでの人生でチェーホフを知らなかったなんて。
    急に詩的な羅列が入る部分など秀逸で、その言葉の選び方のセンスまで憎たらしいほど素敵である。
    訳者がチェーホフを「七分の死に至る絶望と三分のユートピア希求の夢」というふうに表現しているのだが、この分

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    2012年11月13日
  • かもめ

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    「新訳でよみがえる」ということであるが、実はチェーホフを読むのはこれが初めてである。
    翻訳物でしかも古い時代の戯曲の場合、まずその言葉遣いからして馴染めない事が多いが、本書は、現代の俳優に向けての新訳であるということで、非常にセリフが現代的であった。思わず何箇所か声に出して読んでしまった。大変刺激的で演劇的興奮をもたらすセリフばかりである。

    演劇界や文学界の事情に疎いため、この作品が「悲劇」として捉えられているということを知らなかった。「かもめ」についてレクチャーしてくれた人も、この作品の喜劇性について言及していたため、最初からそういった目で読んでしまったということもあるがが、しかし読後の感

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    2012年08月25日
  • 新訳 チェーホフ短篇集

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    話ごとに解説があってとても親切でした。新訳だったのででとても読みやすかったです。好きな話はナッちゃんが出てくる奴と「かわいい」って奴

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    2011年12月05日
  • 新訳 チェーホフ短篇集

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    思い切った改訳と、思い入れあふるる解説で、チェーホフがぐっと身近に感じられる一冊。「好きだよナッちゃん」といった訳し方の破壊力がすごい。でも、それとはぜんぜん別の次元でチェーホフはものすごい。

    <収録作品>
    かわいい(可愛い女)、
    ジーノチカ、
    いたずら(たわむれ)、
    中二階のある家ーある画家の話、
    おおきなかぶ、
    ワーニカ、
    牡蠣、
    おでこの白い子犬、
    役人の死、
    せつない、
    ねむい、
    ロスチャイルドのバイオリン、
    奥さんは子犬を連れて(小犬を連れた奥さん)

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    2011年04月25日
  • 新訳 チェーホフ短篇集

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    好き、とかそういう言葉じゃない感じで、
    私の中に残るんです、チェーホフ。
    ロシア語に「トスカ」というのがあるのだとかで、
    それは哀愁とか切ないとか、
    日本語にはなかなか置き換えづらいものだそうで、
    私はその「トスカ」というやつをいつも自分なりに感じていて、
    チェーホフを読むとその「トスカ」をしんしんと感じます。

    胸に深く残ったのは、
    「いたずら」「ワーニカ」「ねむい」
    でした。
    特に、「いたずら」は、
    もう私の中で忘れられない短篇になりました。

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    2010年11月14日
  • ソラリス

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    惑星ソラリスに辿り着いた主人公。
    そこからずっとソラリスが舞台、いわばワンシチュエーション。

    不気味な終始気配が漂っていて、海の存在がより不気味さを増している。
    海は味方なのか敵なのか、はたまた、こちらの存在にすら気づいていないのか。

    思ったよりも叙情的で、ラストも読み手に委ねるような、多角的な作品だった。

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    2026年04月04日
  • ソラリス

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    私たちが無意識のうちに刷り込まれているファーストコンタクトへのステレオタイプに一喝を入れてくれるような作品。本の中でも言及されているが、私たちはしばしば人間中心主義的、人間形態主義的にものを考えてしまう。だが実際にはそういった形での相互理解はそもそも不可能なのかもしれない。そのことに気付かせてくれる。

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    2026年04月01日
  • ソラリス

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    意思を持った地球外生命体を「海」にしてしまうという大胆な設定が目を引くが、物語の中で繰り広げられるのは古典的なラブストーリーであり、ある種の幽霊譚であり、作中作『ソラリス研究の十年』における細かすぎるSF設定であったりと、読みどころは多い。
    しかしオールタイム・ベストにも挙げられる本作に対して物申すのは気が引けるのだが、展開される様々なテーマ一つ一つが重厚すぎて、恐らく本書の最重要テーマであろう「理解を超えた知性とのコンタクト」の部分が霞んでしまった印象を受けた。かつて映画化された際は、ロマンスの部分をピックアップした作品になったようだけど、そりゃ原作者にしてみたら本意じゃないよなあと思う。

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    2026年03月22日
  • ソラリス

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    ファーストコンタクトものの名作と言われているので興味を持っていた。

    序盤はSFというよりもホラー小説かと思うような描写があり、結構怖かった。
    他にもラブロマンスだったり詳細なソラリス学に関する歴史も書かれていて、不思議な小説だった。

    ただ全体としてはやっぱり面白かった。
    異星人とのコンタクトという問題に対して、相手が人間のように考えたり人間のようにコミュニケーションを取れるとは限らないというのは考えてみれば当たり前だった。
    そうした主題ゆえに結末も読んでいる人間含めてスッキリする感じではないのですが、それも含めて名作だった。

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    2026年02月26日
  • ソラリス

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    ネタバレ

    読み終われた!途中途中で「よくわかんないな……この作品でわたしが何かを感じることってできるのかな……」という一抹の不安を抱えながらの読書だったけれど、最後の1文がとても印象的でよかった。
    「それでも、残酷な奇跡の時代が過ぎ去ったわけではないという信念を、わたしは揺るぎなく持ち続けていたのだ。」
    ケルヴィンはまだソラリスの海という未知から背を向けないことを選択したんだなぁ。
    相互不理解という概念?が大好きなんだけど、今後もソラリスの海と意思疎通(コンタクト)をとることはできないかもしれないし、そもそも人間(地球人類)の型におさめて同形式でコンタクトをとろうというその思考そのものが傲慢なのかもしれ

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    2026年02月22日
  • ソラリス

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    宇宙の知的生命体は人間とは似ても似つかない理解困難な存在ではないかというテーマ。その理解困難な振る舞いが延々と描写される所はイメージするのが難しかった。

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    2026年01月04日
  • ソラリス

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    ネタバレ

    言わずと知れたSF名作古典。テーマ的には「コンタクト(未知との接触)」ということだけ前知識として入れて読み始めたが、なるほどなぁという感じ。未知の未知たる部分を「真意は分からないが人間の思考を読み取って1番痛々しい記憶の再現を送り込んでくる」と表現したのは単に演出的な効果を最大にするための合理的な選択だったのだろうが、そのせいで「かつて失った大切な人の姿形をした生物を前にあなたはどうするか」的なラブロマンス的な読みができてしまい、作者の意図しない形で広まってしまったのだろう。それこそ本作がSFの枠を超えて多数の人に受容されたのはそのラブロマンス的な読みの要素が多いのだろうが、そのせいで本来表現

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    2026年01月04日
  • ソラリス

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    1961年に書かれた古典的SFです。
    ソラリスの海の謎に興味をそそられ、一気に読みました。
    難解な表現があり、読解力の不足もあってイメージできないところが多かったのが残念でした。

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    2025年10月16日
  • ことばの危機 大学入試改革・教育政策を問う

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    コミュニケーションは本来わからないものである。意味だけでなく、社会、時代背景なども、含む、ことば観は今後胸に留めておこうと思う。

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    2025年10月15日
  • ソラリス

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    おもしろかった
    少し自分には難しい内容だったが、とても魅力がある作品だった。
    少しこの作品のことを言葉で言い表すことは難しいが、自分には、ある種の静かさ、静謐さが揺蕩っていて、(人間に対して距離をとった)好きな雰囲気でした。

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    2025年10月08日
  • ソラリス

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    タイトルが好き。惑星の名前である「ソラリス」って響きや字面がなんとも静謐で美しい。でも意味は‘太陽‘なんだそうな。そうすると、ポーランドの人はもっと太陽っぽい力強い感じのイメージを持つのかな?
    途中、惑星ソラリスの海の様子の描写やソラリス研究の歴史が延々と語られる場面があって、ちょっと眠たくなりそうだった(訳者さんも、読み飛ばす人もいるかも…みたいなことを巻末の解説で書いてた)けど、読み終わってみれば必要な部分だったんだなあと。
    人間が、地球外の生命体について、自分の理解できる様態であるはずと思うことがまず傲慢。人間が理解できようが理解できまいが、そこに存在して生きている。そして主人公はそれを

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    2025年08月30日