沼野充義のレビュー一覧
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清水邦夫「楽屋」にかもめの台詞の引用がたくさんでてきたのでどんな話なのか気になって読んでみた。
さらーっと読んだところだと、共感できるところは少なく、おもしろポイントを見つけにくかった。。登場人物が多くて(誰だっけ?ってなる)、この人が主人公!という感じでもなく、俯瞰気味だからかな。
芝居として見るならまた個々のキャラや背景を想像したくなってきて違う感想になるのかも。
母アルカージナがさっぱりしていて好き。なぜか脳内ではラプンツェルのゴーレムのビジュアルをしてた。
読んだ後にネット検索で過去のお芝居のキャストを見たけど、トレープレフ坂口健太郎はちょっとわかるかも -
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ネタバレ高校生の頃に読んだ時と印象が違う。
前半は謎解きホラー。先にソラリスに行った恩師ギバリャンは死んでいるし、スナウトは勿体ぶって何かを教えてくれないし、サルトリウスは部屋に引き篭もって出てこないし、ステーション内には得体の知れない巨体の黒人女性が徘徊しているし‥
19歳で自殺した元カノ?妻?が出てきて、可憐で物憂げな感じなのに、少しでも離れようとすると人間離れした力で抵抗してきて怖いのでロケットに閉じ込めて飛ばす。翌朝目覚めるとまたいる。怖い。強い力で抵抗している時は本人は記憶が飛んでいて「私は癲癇なの?」とか猫被りか天然かわからないところも怖い。
自分のオリジナルはすでに死んでいて、ソラリスの海が生み出した何かであることを知ってしまい、「どうせ私なんていても迷惑でしょうから」的な流れで液体酸素を飲んで自殺しようとするのも怖いし、あらゆる外傷が治ってしまうのも怖い。
昔読んだ時は恋愛ものの印象だったが、改めて読むと「こええええええ!」の印象が強い。
それ自体が人智を超えた知能、機能を持つソラリスの海は、「未知との遭遇はそんなに甘くない」とET的な宇宙人像を否定する。 -
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「もう飛んでいるよ、ケルヴィン。それじゃ、気をつけて!」
買ったきっかけは本編始まって2ページ目くらいにあるこの言葉で、宇宙の旅が始まるワクワク感でつい買ってしまいました。
ただ、始まってみると内容は殆どワクワク感が薄く、閉鎖的でホラーみたいな印象を受けましたw
まぁ多分、レムさんも未知なるものへのワクワク感は持っていて欲しいのだろうと、あとがきで何となく感じました。
それならこのたった数ページのワクワク感で買ったのも、レムさんからは望まれている行動だったのかなと。
この本の翻訳自体はとても読みやすく訳されていて良かったのですが、未知なる物体を説明するのにあえて地球にあるもので姿を例えたりせずに、細かいディテールでそれがどんなものかを伝えるやり方をする箇所が所々あるのですが、それがまぁ難しく、自分なりに頭に思い浮かべても「何これ」にしかならず、それが本当にレムさんが伝えたかった見た目なのかなとか考えたりして、中々モヤモヤしながら読んでいたかもしれません。
あと、科学用語?とかで難しい言葉が多くて私のような馬鹿にはちょっとレベルの高い書籍でした。
それでも楽しめた部分もあったし、この本を全てが分からないなりにも読み切った経験は、今後の海外SF小説を読むのに少し解像度を高めるものになったような気がします。
もう少し他の本を読んで想像力が鍛えられたら、もう一度読んでみたい小説でした。
この小説で出てきた好きな言葉
『縁切りロケット』『思考する海』
どこかで使える場面ないかな〜w
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遠い昔なのか遠い未来なのかわからないが、宇宙のどこかで、どんな要求をも満たす全能でサイバーな曲者マシーンを生み出す宇宙有数の“建造師”トルルルとクラパウツィウスの壮大な叙事詩というか冒険譚というか寓話というか法螺話というか。とになく意味がないけど意味ありげなお伽話でびっしりと埋められていて、正直読んでも読まなくても、飛ばしてどこから逆から読んでもかまわない。とにかくまじめに読む必要はないが、そこには量子力学だったり作者の豊富な科学的知識が詰め込まれていて、クスリ、ニヤリとさせられることも多く、作者スタニスワフ・レムが1921年生まれと考えると、何やらとても示唆的でもある。手元に置いて気が向いたときに適当開いたところを2〜3ページ読むくらいがちょうど良いのではないか、いい意味で。
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ネタバレ著者の1980年代のアメリカ留学記だ。
そんな昔の? というなかれ。 冒頭、著者も記すように、
「海外で初めて見聞きする移民の姿やマイナー言語のあり方に心ときめかし、おもしろがった経験が本書には刻印されている。本書を支えているそのような若いころの感動は、古びることは無い」
未体験の生活に好奇心を大いに刺激される日々が瑞々しく描かれていた。
ロシア文学者として斯界の重鎮の著者をして、なぜアメリカ留学? と思うが、
「反体制派のソルジェニーツィンや亡命作家のナボコフやブロツキーはソ連では当時読むことさえできなかったのだ」
と、そんな理由を聞かされると、現代のロシア文学を研究しにアメリカに渡るのも頷ける。
ロシア語を中心とした語学を通じて、周辺諸国の言葉、ユダヤ人のイディッシュ語、エスニック・ジョークなど、様々な話題を振りまき、飽きることなく読める。
特に、今なら、下記の記述で、今年(2025)の米アカデミー賞を席巻した映画『Anora』の舞台背景に思いを馳せることができる。
「1970年代にソビエト政府が国内に住むユダヤ人の一部に出国を認めたために起きた現象で、ソ連を出たユダヤ人の多くが最終的にはニューヨーク近郊に流れ着き、特にブルックリンのブライトン・ビーチBrighton Beachという町を中心に一大コミュニティを形成している。」
映画の中で描かれていたアメリカにおけるロシア人の暮らしが、当時の記録ではあるが、裏どりが出来た気分。
巻末の解説が、奈良倉有里というのも頷ける。というか、連綿たるロシア文学研究の伝統が受け継がれていっているように感じられて、良き。 -
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全作、当時のレムの置かれた背景からか
戦争の影響を強く感じる
かつ
終わり方がどれも詩的、抽象的なので
面白いからどうかと言われると
面白くはない
でも深く読むと、深く読める文章なんだと思う
そこまで深掘りできなかったけど。
ソラリスを積読してるので
読めるかなー、、と少し不安になる
初期の作品ということで
レムを知りたい方には
いいと思う。
以下は自分の備忘録として。
火星からの来訪者
そのものの想像がちょっとつきにきくかった
人物の特徴もちょっとはっきりしないとこもあり
面白くない
けど、最後までどうなるか気になる作品
ラインハルト作戦
この作品と、ドクトル・チシニェツキの当直は、
他の長編の一部ということで、(解説より)
登場人物もその中ででてくるのだろう
あまり、人物についての説明もなく
この部分だけ読むと、登場人物が多く
読みにくい
だが、当時の様子がよくわかる内容だった
異質
戦争に対する悲しみがひしひしと伝わる最後だった
1番心に残った
ヒロシマの男
これも、最後をどう捉えていいか
わたしには今わからない
基本的に、どの話も、戦争が
よくないことをはっきりではないが
強く書いていると思う。
この話も、題名からして戦争の話だけれど
日本人でも、アメリカ人でもない立場ではなく
原爆についていい悪いの論理的立場でもなく
ヒロシマの原爆を描くなら
こうなるんだろうと思う。
この結末しかないのだろうとも思う
原爆の描写が、私たちのよく読むような
ものより、ずっと想像的に描写で
わたしたちの固定観念でよむと
わかりにくい
わたしは異質が1番せつなく、
わかりやすかったと感じた。