中村有希のレビュー一覧
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ジョージ・ダグラス・ハワード・コール / マーガレット・コール / E・C・ベントリー / ニコラス・ブレイク / S・C・ロバーツ / フィリップ・マクドナルド / A・A・ミルン / ジュリアン・シモンズ / グラディス・ミッチェル / ロイ・ヴィカーズ / マイケル・イネス / クリスチアナ・ブランド / マージョリー・ブレムナー / ヴィクター・カニング / ジョン・クリーシー / エドマンド・クリスピン / ナイオ・マーシュ / マーティンエドワーズ / 浅羽莢子 / 宇野利泰 / 鈴木美朋 / 中村有希 / 法村里絵 / 深町眞理子 / 宮脇孝雄 / 山田順子3.5 (4)
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ジョージ・ダグラス・ハワード・コール / マーガレット・コール / E・C・ベントリー / ニコラス・ブレイク / S・C・ロバーツ / フィリップ・マクドナルド / A・A・ミルン / ジュリアン・シモンズ / グラディス・ミッチェル / ロイ・ヴィカーズ / マイケル・イネス / クリスチアナ・ブランド / マージョリー・ブレムナー / ヴィクター・カニング / ジョン・クリーシー / エドマンド・クリスピン / ナイオ・マーシュ / マーティンエドワーズ / 浅羽莢子 / 宇野利泰 / 鈴木美朋 / 中村有希 / 法村里絵 / 深町眞理子 / 宮脇孝雄 / 山田順子3.5 (4)
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Posted by ブクログ
ノブレス・オブリージュで女囚刑務所へ傾聴慰問を始めた精神的不安定で引きこもりのマーガレットは、慰問先の刑務所で詐欺罪で収監されている美しい霊媒師シライナと出逢う。
こうなるんじゃないかな、こうなるんじゃないかなという嫌な予感と、恋という形を取った依存がじりじりと強くなっていく状態を、「良くない、ああ、良くない」という不安と焦燥でもって読ませる一冊だった。
ゴシックホラーとも違う、ミステリとも違う、ラブロマンスとは言えない、カテゴライズしにくい作品。
マーガレットがシライナに入れ込んでいく様は、モリエール著「タルチュフ」のタルチュフに騙される金満家オルゴンと同じで、古今、詐欺師に騙される人の -
Posted by ブクログ
下巻。
上巻ではまったくミステリ要素はなく女同士のラブロマンスって感じだったけど、下巻で早速事件が起こる。フランシスとリリアンの関係を知り、激昂した夫のレナードがフランシスに掴みかかってきたのを、リリアンが咄嗟に灰皿スタンドで殴り殺してしまう。2人は事故に見せかけ死体を遺棄し、罪の意識に怯えながら暮らすようになる…
殺人を犯してしまった人間の心の動揺や葛藤が延々と描かれていて、ずっと重苦しい。ミステリというよりは心理サスペンスという感じでした。別の人間に容疑がかかり裁判にかけられ、良心の呵責に耐えかねて時にリリアンを憎むようになるフランシス。最後はその容疑者が裁判で無罪になったところで物語が -
Posted by ブクログ
第一次世界大戦後のロンドン。戦争で父と兄弟を喪い、広い屋敷で母と二人で暮らすフランシス。生計のために、レナードとリリアンという若い夫婦を下宿人として住まわせることに。女性が恋愛対象のフランシス。一つ屋根の下で、母と夫の目を盗みながらフランシスとリリアンは秘密の関係になっていく…
ツイッター(X)で二度と読み返したくない本みたいなハッシュタグを見ていて見つけた本。(なんかそういう本を時々無性に読みたくなる)上巻では、フランシスとリリアンの関係性がじわじわと縮まっていき、とあるきっかけで急速に燃え上がっていく様子が描かれる。もう破滅の予感しかないんですけど…!
翻訳ものにしてはすらすら読みやすい -
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Posted by ブクログ
1920年代、第一次世界大戦後と第二次世界大戦の間のイギリスが舞台。戦後の喪失と未来への希望が見えない世界への不安。まして西欧といえども女性の地位が低かった。女性の選挙権もまともになかったようだな時代が舞台。
戦争で逝ってしまった兄や弟。そして父も借金を残してなくなってしまった、古い大きなお屋敷に母と暮らせば、維持するために、部屋を貸していくしかなかった。
お嬢様だった「フランシス」、なのに屋敷を管理するのは当然、お手伝いさんも雇えないので、自分で掃除も何もかもしなければならない変化。26歳の独身、鬱々たる毎日になる。しかも過去に女性問題事件を起こしている秘密があった。
貸室に来たのは若い -
Posted by ブクログ
ネタバレ雰囲気や筆致は好きだったが、描写される箇所が少なく、もう少しこの世界観を色々なところにまで広げて欲しかった。
話も面白かったけれど、如何せん派手ではなく、後半は一気に読んだが、ぐいぐい引き付けられて離れられないというほどでもなかった。肝の部分が終盤に集約されていて、それまではシライナと主人公の交流に重点がおかれている。その交流も、ときおり大きく進展はするものの、基本的には遅々としたもので、終盤の展開のためにここまで長い物語にする必要があったかはちょっと疑問。
しかも結末が、そういうこれまでの展開を一気に投げ捨てるようなものだったから、腑に落ちる感覚はあれど、期待に沿うようなものではなかっ -
Posted by ブクログ
わたしは闇に身をゆだねた。生きているかぎり、二度と光の中に顔をあげたくはなかった。
話の全体像が明らかになる第二部を経て、第三部で話の決着が着きます。
良く考えられているとは思うのですが、第二部後半が専ら台詞で謎が解かれるため、上巻と合わせ第二部がやはり冗長に感じました。
第三部はスウを主人公とした冒険小説のようで(ラント街の生家でのシーンは素晴らしい)楽しめましたが、第二部で全ての謎が解かれ、「読者が知っていることを登場人物が知らない」状態になっているため、のめり込むまでには至りませんでした。
ラストシーンは微笑ましく、良い閉じ方だと思います。