中村有希のレビュー一覧

  • 夜愁 上

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     淡々と。
     静かに、(登場人物たちにとって)あたりまえのような日常。けれども読み手にとってはなぜか引き込まれてしまう。

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    2013年06月24日
  • 荊の城 下

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     あらすじから想像もできない展開に巻き込まれる。すごいロマンスだ。
     スーザンとモード、2人のヒロインが魅力的なのでぐいぐいと読ませる。

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    2013年06月09日
  • 荊の城 下

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    上巻の第一部終了から、怒涛の勢いで読み終えた。
    スウとモード、二人が翻弄される運命に、展開がどうなるのかハラハラしながら読み終えた。
    言うなれば女はどこまでいっても母親で、情をかけて育てた子どものことを最終的には見捨てられない宿命なんだろうな。そういうところは女性作者らしい、と思ったりした。
    下巻の表紙絵の指先が妙になまめかしくて、物語に似合っている。

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    2013年05月28日
  • 荊の城 上

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    第一部の終わりでの展開に目が出た。
    私はミステリはさほど読まないから、元々予想は出来ない読者とはいえ、全く思いもかけない方向から頭を殴られたような感じだった。とにかく続きを買ってきて読まないことには何とも先が気になる。
    全体の雰囲気として、薄暗くて湿度が高い。そして(良い意味での)生理的嫌悪感みたいなものを読みながらずっと感じていた。

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    2013年05月28日
  • 半身

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    ネタバレ

    霊が絡んでくるので、どんな結末になるのかと思っていたら、やられました。こんなどんでん返しがあるとは。看守は予想がついたが、小間使いはノーマークでした。シライナの日記にも度々登場していたにも拘らず。この人の作品は初めて読みましたが、他のも読んでみたくなりました。というわけで「荊の城」も注文中。

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    2013年02月19日
  • エアーズ家の没落 下

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    ネタバレ

    下巻では主人公ファラデーと領主館の一人娘キャロラインの恋愛模様が描かれる中、相変わらず館は陰鬱な空気に満たされている。そして起こる悲劇。
    真面目で、理性的で、思慮深い主人公。
    それなのに、悲劇をますますこじらせ、ややこしくしているのは間違いなく彼であり、彼もまた狂気に蝕まれているのだとわかってくる。

    ハンドレッズ領主館って一体なんだったのだろうね、というはっきりした答えがないまま物語は終えたが、そういう作品であることを前もって知っていたのでさほどショックはなかった。

    が、しかし。

    下巻の末尾にある、三橋曉氏の解説にて一つの疑惑が述べられた時には、ドキリとしてしまった。この作品に一つの解答

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    2013年01月29日
  • エアーズ家の没落 上

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    数多くの人生を外側から見つめてきた町医者である主人公ファラデーは、エアーズ家の人々と徐々に親密になってゆき、それと同時に彼ら凋落していく様を目の当たりにする。時にその原因の一端を担ってしまうことも。
    テンポは緩やかだが、だからこそ瞬間的な衝撃ではなくじわじわ蝕んでいく暗さが味わえる。ここまでどん底に落ちてしまったハンドレッズ領主館。下巻では一体どうなるのだろう……。

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    2013年01月10日
  • 荊の城 上

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    ネタバレ

    ペテン紳士と元掏摸の侍女とお嬢さま。
    この三人の間で陰謀が渦巻き、ふたりの揺れる感情が迷いを生む。

    一部と二部で視点が変わり、スウとモードのお互いの心境の変化が見れて良かった。
    愛ゆえに欺く決心って切ない。

    長いけどあっという間だったので下巻も期待。

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    2012年10月18日
  • 荊の城 下

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    後半は、どうなるのかすごくドキドキして、一気読み。

    今ちょうど英国メイドマーガレットの回想も読んでるところ。
    合わせて読むと、茨の城の異常さが半端なく。怖い。

    19世紀はまだ闇の時代ね…
    よくでてくるロマンス小説からは伝わらないロンドンの汚さや、闇が伝わってくる。

    精神病院のくだりは、すごく狂気が移りそうな気分に。

    気分が小説に引きずられてしまうので、ナィーブなときには読まないほうが吉。

    レベッカが、好きな人は好きなんじゃないだろうか、これ。

    空気の匂いまでが伝わる小説は久しぶり…ほかのサラ・ウォーターズの小説も読んでみようかな

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    2012年09月08日
  • エアーズ家の没落 上

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    ネタバレ

    ミステリじゃなくてホラー…なのか…??

    どんな種明かしが来るのかと、息せき切って最後まで読み通した。---が…。

    純然たる超常現象だったんだろうか?
    ポルターガイストの原因といったら、思春期の少女が定番だけど?
    医者が人を暗示にかけるのも簡単かも?

    と、ひとしきり思いめぐらしてしまった。

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    2011年09月11日
  • 半身

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     ラストが、え〜つて感じで、いい意味でも悪い意味でも、ありのような、なしのような… ラストをどうとるかで好き嫌いが分かれる作品です。
     自分も最初はなし派でしたが、先に読んでいた妻とあえこれ言いあっていたら、細部の仕掛けもわかってきて、あり派に転びました。

     



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    2017年08月15日
  • エアーズ家の没落 上

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    これがミステリといえるか否か解釈は微妙かもれない。
    多くの方はゴシックホラーとして読むのではないか。
    最後に全ての辻褄のあうようなミステリーがお好きな方の好みではないかも。

    原題はThe Little Stranger。
    邦題の『エアーズ家の没落』として"まるっと"読むならば、これは滅びの物語だ。
    ラストに向けて、館はその不気味さを増していき、物語は怪奇ホラーの色を強く帯びていく。
    これだけでも充分楽しめると思う。

    だが、原題に意図される物語として読んでいけば、どこか”ひっかかり”を感じるはずだ。
    そして、それはなぜかと問うていくと、この物語はもっと恐ろしい抑圧された執

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    2011年07月10日
  • エアーズ家の没落 下

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    解説にあるように、ジャンル付けが悩む内容。
    でも本当に怖くって、ミステリーじゃなくてホラー色の方が強いみたい。
    古いお屋敷って確かになにか憑いていそうな感じがあって、そういうイメージを上手く生かしている小説だと思う。

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    2011年04月18日
  • エアーズ家の没落 下

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    洋物はほとんど読んだことがなくて文章が若干読みにくい感じがあったけど内容はなかなかのものでした。
    館に起きる出来事の謎を最後まで読者に考えさせる感じがよかった

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    2011年04月16日
  • 荊の城 上

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    主人公のスウはロンドンの下町で育った掏りの娘。育ての母親、サクスビー夫人に大切に育てられる。
    スウが十七になったある日。顔馴染みの詐欺師がスウのところに一つの儲け話を持ってくる。詐欺師が金持ちの令嬢を騙して結婚する手伝いをスウにして欲しい、というのだ。
    スウの役目は令嬢の侍女。令嬢の傍で詐欺師のサポートをする役どころだ。躊躇いながら、不安に苛まれながら、スウは田舎の城館、ブライア(荊)城へと向かう。

    原題の Fingersmith は スリ の意。なるほど。幾重にも意味があるような気がする。
    ただし、邦題の「荊の城」も作品にぴったりの題名。メインの舞台であるブライア(荊)城。その暗い荒んだ雰

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    2011年03月31日
  • エアーズ家の没落 下

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    ネタバレ

    買ってしばらく積んでいたのを読み始めたら一気に進んで、さっそく下巻を買ったら続きが怖すぎてまたしばらく放置した。
    怖いって、この先に何が起こるかということ。不幸とか裏切りとか絶望とか手の施しようがないとか、そういう事態に、もうかなり自分が入れ込んでしまっているこの登場人物たちが、間違いなく突き進んでいっているのが憂鬱で。

    憂鬱で夢も希望もないなりに、きちんと人生を歩いている人が、ふと見つけた謎めく相手にめちゃくちゃに心奪われて、期待をかけて信じて柄にもなくものすごい努力を重ねて、っていう姿にどうもずるずると共感してししまう。
    なので、それがどうあっても叶わないのを、認めたくなくて足掻いたあげ

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    2011年03月28日
  • エアーズ家の没落 上

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    ネタバレ

    「茨の城」にいろんな意味でときめいたり沈みこんだりしながらニヤニヤ読み終わって、「半身」だと不安や憂鬱や、お前そっち行ったら危ないだろ!って心配やどんよりした共感を持ちつつ、一気に突き落とされてしばらくぼんやりした、
    ということがあったので、サラ・ウォーターズは気軽に読めないし読んだ後楽しくはならない、という印象。

    だから覚悟はしていたはずなのに、いろいろ予想以上だった。
    「一人称・回想・伝聞まじり」の語り方は大好きで、巧いことやられると本当にすっかり騙されたりまんまと感情移入してつらくなったりするけれども、まさにそんな状態。

    登場人物はだいたい厭らしい部分や小汚い部分の方が多くて、それで

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    2011年03月28日
  • エアーズ家の没落 上

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    イギリスの地方にある、かつての大領主家。荒廃し見る影も無くしたその大邸宅に身を寄せ合って暮す領主家家族。時が止まったように、暗い闇、湿った空気、くすんだ埃が屋敷内を覆いつくす。妄想なのか、何者かの悪意の所業なのか・・・ああ、なんなのなんなの??先が気になる・・・!!!

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    2011年09月18日
  • エアーズ家の没落 下

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    今回は今までと趣が違うゴシックホラー風の作風。まるでスーザン・ヒルみたいだ。荊の城のようにテンポいい作品ではなく、夜愁のようにじんわり話が進行する。今回は同性愛が出てこなかったのも、これまでとは違うが、キャロラインのキャラは同性愛の女性に近いものを感じる。見た目は悪く、いかつい、気難しい女性だがどこか魅力のあるキャラクター。弟は母に似て美男だが、戦争の傷で美貌は損なわれ障害もある。気難しいが、誇り高く魅力のあるキャラクター。語り手である医者、これがどうしようもない。魅力の無いキャラクターなのだ。しかしこの時代の普通の男性はこんなものなのだろう。モヤモヤしたものが残るが良い作品。再読が必要かな?

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    2011年02月03日
  • エアーズ家の没落 下

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    大部にもかかわらずラストまでまったく飽きさせない。サラ・ウォーターズには安心して時間と五感を預けられる。ブッカー賞最終候補作。

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    2010年12月12日