中村有希のレビュー一覧

  • エアーズ家の没落 下

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    ネタバレ

    お屋敷に怪奇現象とくれば、これはもう大好物。

    どう読むかに関しては読者の手に委ねられているので、読後、「ねぇ、ねぇ、どう読んだ?」と聞いて回りたくなる。
    私はといえば・・・・




    おや、と気になる、突飛なというか異常ともいえるような行為があったので、上巻なかばからあたりをつけて読み進めていたため、ラストはああ、やっぱり・・・・・と納得。
    超常現象をまじえたサイコ・スリラーとして読んだ感じ。

    終盤で、登場人物のある決断に伴って件の人物の異常性が、これでもか、とあぶりだされてくるあたり、怖いのなんの。

    そう見定めて読むと、原題の The Little Stranger の Little

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    2011年01月19日
  • エアーズ家の没落 上

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    イギリスの片田舎、荒廃しつつある領主館、小間使いの少女、相次ぐ不審な出来事…。もうワクワクしてしまう。こういうの大好き。超常現象(と思わせる出来事)にどうカタが付くのか?

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    2011年09月06日
  • エアーズ家の没落 上

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    巧みなストーリーテリングに引き込まれる。あらすじを見ずに読めば驚きはもっと大きかったと思う。
    下巻が楽しみ。

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    2010年11月29日
  • 荊の城 下

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    少女の一人称で生い立ちから現在までの人生が語られていく。(ネタバレなしで説明するのは難しい)
    分類としては”ミステリ”というより”ミステリー”かな。いわゆる探偵が出てくるような推理系ではないのだが、読んでいくごとに新事実が浮上し、ビックリの連続。

    上下巻とすごく長いんだけど、この長さは無駄じゃないって思える。むしろもっと詳しく書いてくれてもよかった、少々物足りなかったぐらい。でもやっぱり長いんだけど。(どっちだ)

    いい話だった。

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    2019年11月03日
  • エアーズ家の没落 下

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    確かにこれはどこに分類されるのでしょう。ミステリー?ホラー?いろいろな解釈でOKなんでしょうか。やはりサラ・ウォーターズは面白い。

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    2011年10月11日
  • エアーズ家の没落 上

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    サラ・ウォーターズの新作。
    長篇4作目。
    英国のウォーリックシャー地方で、200年以上の歴史を誇るハンドレッズ領主館。
    近在で診療所を営む医師ファラデーは、友人デイヴィッドの代診で、館へ往診に出向く。
    母親がメイドとして館に勤めていたことがあり、30年前に一度、園遊会の時にこっそり入ってみた思い出があった。
    館がすっかり寂れている有様に、驚愕することに。
    家族は、先代の奥方エアーズ夫人と娘キャロラインと息子ロデリック。
    奥方は美しかった名残をとどめて品があるが、昔を懐かしむばかり。
    館の当主となった息子は責任を感じて奮闘していたが、経済的な危機は土地を切り売りしても追いつかない。
    見るからに具

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    2010年11月26日
  • エアーズ家の没落 下

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    斜陽の旧家の崩壊が本格的に始る下巻。主人公とヒロインの恋愛要素もあるが、ところどころで“滅び”の気配がちらつくので、いつ関係が壊れるのかとヒヤヒヤしっぱなしだった。結末も安易すぎず曖昧すぎず、いい按配だと思う。いろいろな読み方ができそう。
    悲劇として良い作品でした。

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    2010年10月14日
  • エアーズ家の没落 上

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    サラ・ウォーターズが百合描写を封印…ということで不安だったのだけれど、杞憂だった。印象に残ったキャラはベティ。『荊の城』のスウといい、この作家は「ちょっとしたたかな女の子」をとても魅力的に書いてくれる。八重歯が似合いそうなキャラ。サラ・ウォーターズのもう一つの持ち味を認識できた作品でした。
    ロデリックが重い中二病を発症させてしまったことで物語はどう転がっていくのか、下巻に期待。

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    2010年10月12日
  • エアーズ家の没落 上

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     ミステリーとカテゴライズしていいのかどうか…。

     かつて隆盛を極めたエアーズ家が没落していく。
     その姿を主治医の視点から描く。

     とはいえ、主治医ファラデーがエアーズ家に出入りする段階で、土地は切り売りされ邸宅は荒廃している。しかも使用人は、家に悪霊がいると言い出す。

     ホラーであれば、怪異を体験するのは語り手なのだ。
     が、ファラデーは決してそれを認めない。
     彼の根底には、上流社会に属しているエアーズ家の嫉妬がある。

     また、悪霊がいると、エアーズ家をでていきたがっていた使用人は、結局ずっとこの家に居続けた。

     誰一人として信用がおける語り手が、傍観者がいないのが、この物語の

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    2010年10月05日
  • エアーズ家の没落 下

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     ミステリーとカテゴライズしていいのかどうか…。

     かつて隆盛を極めたエアーズ家が没落していく。
     その姿を主治医の視点から描く。

     とはいえ、主治医ファラデーがエアーズ家に出入りする段階で、土地は切り売りされ邸宅は荒廃している。しかも使用人は、家に悪霊がいると言い出す。

     ホラーであれば、怪異を体験するのは語り手なのだ。
     が、ファラデーは決してそれを認めない。
     彼の根底には、上流社会に属しているエアーズ家の嫉妬がある。

     また、悪霊がいると、エアーズ家をでていきたがっていた使用人は、結局ずっとこの家に居続けた。

     誰一人として信用がおける語り手が、傍観者がいないのが、この物語の

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    2010年10月05日
  • 夜愁 下

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    過去へと遡る物語っていうのは、そんなに珍しいスタイルではないと思うけど
    この物語はこの語り方によって素晴らしい味わいになってる。

    素晴らしく切なくほろ苦い味に。

    だけど決して読後感は悪くない。
    それは物語が遡ることで現在閉塞してる彼等彼女等の関係の始まりがラストになっているから。
    いまでこそぐずぐずになっちゃってるけど、始まりはこんなにも輝いていたんだって。
    それは一つの救いであると同時に、切なさを加速させるものでもあるのだけれど。

    今まで高度な技術でもって「物語」を書いていた著者がついに「人間」を書いた!
    とかあおってみる。

    良質なセピア色の名画を観る感覚で読んでいけます。
    日本語タ

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    2009年10月07日
  • 夜愁 上

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    今までのウォーターズを知ってる人は驚くと思う。地味過ぎて。
    前2作はラストのどんでん返しが鮮やかで、むしろそこに注目が集まってた感があった。
    次はどんな仕掛けでくるんだろうって。

    で、今回。
    どんな技を仕掛けてくるのかとドキドキしながら読んでくと

    どんでん返しどころか事件らしい事件もほぼ起こらず。
    しかも物語の視点は過去へと遡るのでぶっちゃけ最初に結果が書かれちゃってる。

    …こうみるとなんかすごくつまんなそうですが(汗)

    いやいやいや、深いんですよこれは。
    下巻へ続く。

    0
    2009年10月07日
  • 夜愁 上

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    第二次大戦前後のロンドンが舞台。これまでとはかなり作風を変えて、文学の領域へ。ムードがあり、登場人物の抱えた秘密と関わりを知っていくミステリ的な要素もあります。歴史物が好評というのが嬉しかったデビュー作「半身」、少女2人が主人公のディケンズ風味のエンタテインメント大作「茨の城」を期待すると、ちょっと違うかな〜。筆力の証明ではあります。次はどんな手で行くのか、興味あり。

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    2009年10月07日
  • 夜愁 上

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    戦時下のロンドンを舞台に、登場人物たちが織りなす群像劇。

    過去へと遡るごとに明らかになってゆく彼らの恋。
    この時系列の順番は、恋の輝きが永遠に戻らないことが強調されるようで、ひどく切ない。
    前作や前々作のようなミステリを期待すると肩すかしをくらうが、抑制された巧みな描写で読み手の気持ちをそらさず、牽引力は健在だと思った。

    恋に絡めとられた同性愛者たちのしっとりとしたシーンは、禁忌と抑圧あってのエロス。
    かぐわしく妖しくも美しい!
    ラストの奇跡的な美しさにも、胸が締め付けられてしまう。

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    2016年10月02日
  • 半身

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    ジェットコースターの醍醐味を味わおうと思ったら、まずは急勾配の坂を上っていかなければならない。
    それはひどくゆっくりしたものだが、やがて頂上に達するとそこからは絶叫の連続だということが、予想できているからこそ、あのゆっくりゆっくしとした昇りの中で次第に精神は高揚していくのである。
    しかし、それがいつまでもいつまでも続くと、実はこの上り坂は絶叫マシーンにつながっていないのではないかという懐疑的な気分になってしまう。
    まさしくこの長編小説がそうだった。
    いつまでもいつまでも長い上り坂が続くのだ。
    約480ページの文庫本の3分の2までがこんな調子だったのだ。
    「はてさて、この長編小説は一体何を描こう

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    2013年09月22日
  • 荊の城 下

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    読書完了日2007年08月11日。上下巻、かなりの読み応えがありました。読み進めるにつれて次次と明らかになっていく真実に、最後までドキドキしました。ミステリーとエンターテイメントがバランスよくミックスされていると思います。

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    2011年07月31日
  • 夜愁 下

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    すべての始まり、物語の結末。巻頭の登場人物紹介が上巻と下巻で異なるのが興味深かったです。分かれてしまった人間関係の元ある繋がり。現在の状況が最初に提示されていることで、いっそう深みを帯びる繋がりに思えました。

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    2009年10月04日
  • 夜愁 上

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    『茨の城』のようなスピード感はないものの、緻密な描写に引き込まれます。3章からなる構成は時間を遡っていくもの。結末は始まりに、始まりは結末に…。

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    2009年10月04日
  • 荊の城 上

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    読書完了日2007年06月04日。この作家さんの作品「半身」を挫折しているので、再チャレンジの気持ちで読み始めました。出だしは大変眠かったです…、途中からするする読めましたけれど忍耐力が途切れれば挫折しそうな勢いでした(苦笑)どうも外国作家のお話とは相性が悪い…(汗)苦手なのかな?

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    2011年07月31日
  • 荊の城 上

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    線路ならぬミステリーは続くよどこまでも。いや、でもこれをミステリーとして読んじゃ間違ってもダメよ!これはれっきとしたファンタジーなんだよなぁ。だからこのミスとかそんな賞とっちゃってるばかりにバッシングの憂き目にあう。完璧なプロットがなんぼのもんじゃい。惑わせるって意味では最高ですよ。江戸川乱歩ファンにはオススメ?いわゆる耽美派?あ、違うのか。

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    2009年10月04日