中村有希のレビュー一覧

  • 半身

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    少々頭のおかしいとされ抑圧されてるレズの女性の話がどう転んでいくんだろうと我慢しながら読み続けて、最後にようやく種明かし。読み返せばピーターが実在していて、最初からレズの話なんだとわかるけど、ピーターが実在するのかしないのかが最後まで分からない。降霊術を当時の人がどう捉えていたという設定なのかが分からないので、そこが最後まで引っかかった。この後、この時代だとどうなったのか、は気になる。

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    2021年06月16日
  • エアーズ家の没落 下

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    ネタバレ

    夢中になって読んだけれど、途中からファラデーの結婚に対する突っ走り方があまりに独りよがりで、館と家族に関する彼の証言が信用できなくなり、何が本当なのか最後までわからなかった!

    原題からするに、ベティがlittle strangerなんだろう。
    ベティが館で働き出したことをきっかけに、館の中で澱んでいた負のエネルギーのようなものが力を得ることになり、家族それぞれの前に、それぞれが無意識のうちに恐れを感じたり執着している対象の形になって現れたのかな。とすると、キャロラインが叫んだ「あなた」は最初スーザンのことかと思ったけど、実は彼女はファラデーの幻影を見ていたのかも。結婚に対して怖いくらい前のめ

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    2021年05月27日
  • エアーズ家の没落 上

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    描写が細かいので、かつて栄華を極めた屋敷が今では落ちぶれていることが目の前に浮かぶ。

    下巻でどう終わるのか全然想像がつかない。

    この著者の本はsnsでおもしろいと言っている人をたまたま見つけて、初めて手に取った。

    本筋には関係ないものの、この本を読んで、イギリスで戦後配給制が取られていたことを初めて知った。戦勝国なので意外。
    ちなみにその関係で少しググったところ、配給制がとられていた当時、少ない食料でなんとか拵えられたイギリスの家庭料理を食べたアメリカ人が「イギリス料理はまずい」と吹聴し、今でもそのイメージが払拭できていないと主張するブログがあった。
    その当時まずかっただけで今ではそうで

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    2021年05月21日
  • 半身

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    ネタバレ

    シライナ・アン・ドーズが霊となって自宅に”脱獄”してくることをマーガレット・プライアと同じく本用に信じていた…
    霊媒師であるシライナ・アン・ドーズはペテン師であった訳だが、最後まで信じられなかった…

    シライナ・アン・ドーズの逃避行のために、マーガレット・プライアはある意味”半身”であったのかもしれない。

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    2021年05月06日
  • 荊の城 上

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    登場人物がみんな豪胆で臆病、大胆不敵で小心翼翼なイギリス文学。小説が上手い!翻訳が上手い!すごい、なんなんだこの話。どうやって思いついたの?若い女ってこういう突拍子も無いこと出来ちゃうかもねとゾッとしたり、あんたそんな面を今まで隠し持っていたの?と感心したり、話が始まったらもうその後は愁眉を開く間なんてありません。とんでもないぐるんぐるんの怒涛の展開。なのに急ぐでも駆け足でもなく、終始丁寧で美しい日本語の中にそっと忍び込ませてるヒントがまた美しい。何故か読んでて「騙された!」とは思わず「くー!そうだったのかよー!そうだいけいけー!やったれー!」と爽快な気分になれる緩急が不思議。登場人物達が皆蠱

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    2021年04月22日
  • 黄昏の彼女たち 上

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    ネタバレ

    終盤で必死になるフランシスに不安になる。
    リリアンが言ったように、スティーヴィーがこぼしたように、フランシスはすでに一度、愛する人との人生を選ばなかった。
    うーん、下巻はどうなるんだろう。
    幸せになる未来が見えない。。

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    2021年03月25日
  • 荊の城 下

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    ネタバレ

    初のサラウォーターズ。どんな作風なのかとか全く知らずに読んだ。想像してた以上におもしろかった。

    一言で例えるなら、両手を固く握られて右へ左へとめちゃくちゃなワルツを踊らされているような感じ。

    まず何よりストーリー展開がレベチだった。
    単に、泥棒娘がお金持ちのお嬢様を騙すためにお城へ潜り込む話だと思っていた。お嬢様と友情が芽生えるのかなと思いきや芽生えたのは愛だった。(ここまで直接的な女の子同士の恋愛は読んだことなかった)
    まずそれだけで衝撃だったのに、気狂い病院へスゥがいれられたときはホントにびっくりした。モードのしたたかさには戦慄した。ここで立場が逆転してしまうのがおもしろい。
    その後も

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    2021年03月06日
  • 半身

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    ネタバレ

    そ、そういうオチね(^_^;)
    かなーり楽しく読んでたのが、ラストのネタバラシで一気に冷めてしもうた…。こういう雰囲気小説は最後まで雰囲気で押し通して欲しい派なんだよな〜

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    2019年05月07日
  • 夜愁 下

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    1944年。ヘレンは福祉援助局で働いている。爆撃で家を破壊された人々が再建にあたって政府から補助をもらえるように申請する窓口で。ヴィヴィアンは食糧庁でタイピストとして働いている。ケイは救急隊で救急車を運転して、爆撃で怪我をしたした人や遺体を運んでいる。現在から遡るように人の過去を描く。それは戦火の日々の生活を思い起こすことだ。

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    2018年10月19日
  • 半身

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    読むのに時間がかかってしまったけれど、読み終わって何とも言えない声が出た…。
    時間ができたらまたゆっくり読み直したい。2回目はまた楽しめそう。

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    2018年08月13日
  • 荊の城 下

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    どういう展開になるのかさっぱりわからず先が気になって途中からは読むのがなかなか止められなかった。
    これからのふたりが、穏やかに幸せに、大切に過ごしてくれますように。

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    2018年07月25日
  • 年寄り工場の秘密 老人たちの生活と推理

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    ネタバレ

    相変わらず面白い。歳をとるのも悪くない(こんなゴージャスな老人ホームで過ごせるのなら尚更)
    今回はキャレドニアが、単独でがんばりましたねー。あと、猫のプリンとのやり取りが可愛かったです。
    こんな親友がいるのが羨ましいです。残りの人生でそういう関係を作れるように、そこは頑張りたいかな。

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    2018年05月12日
  • タラント氏の事件簿[完全版]

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    「クイーンの定員」に選ばれた連作短編集(邦訳は単行本が新樹社から刊行)に未収録短編4編を加えた完全版。
    翻訳が良いのもあると思いますが、各キャラが立っているので面白く読めました。それだけに、『最後の取引』では心を揺さぶられました。

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    2018年04月26日
  • タラント氏の事件簿[完全版]

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    謎の紳士タラント氏が怪奇な事件を解決する連作短編集。以前に新樹社から出た本には収録されていなかった四編も加えた完全版である。
    以前読んだときは不可能犯罪を快刀乱麻を断つごとく解決するかっこいい話という印象だったが、いま読むと「第四の拷問」とかけっこう笑える話も多かった。そして「最後の取引」で「はあっ?」と驚く結末を迎えたかと思うと、何事もなかったかのように戻って来る不思議。
    しかし語り手のジェリーのちょっとお間抜けなところや、怪しげな日本人執事カトーなどレギュラーの登場人物に好感が持てるし、論理と神秘の奇妙な混ざり具合も面白い。地味に各短編冒頭の登場人物紹介も凝っている。やはりキングはいい。

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    2018年02月11日
  • 荊の城 下

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    確かに面白かった!
    ディンティ可愛い。
    当時のきちがい病院て確かにこんな感じだろうね…と思うと怖い…
    モードのたくましさ。
    スウのバカちゃんさ。
    後でちゃんとディンティに金貨倍返ししてね!

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    2017年07月04日
  • 半身

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    結末があまりに残酷で、つらい…。でも静かに少しずつ展開していくストーリーが終盤で一気にそれまでの伏線が回収され、夢中で読みました。
    マーガレットの熱情、少しずつシライナに惹かれていく心理描写がとてもよかった。

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    2017年06月28日
  • 黄昏の彼女たち 下

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    ネタバレ

    上巻事件が起きず、ラブストーリーだったのに比べて、下巻に入ったら怒濤の展開で殺人事件が発生してあれよあれよと展開していく。
    どうなるんだろうと主にフランシスの立場でハラハラさせられ、最後、なんとも言えない終わり方。キライじゃないけど。途中の苦しさが読み進める速度を遅れさせた。

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    2017年05月06日
  • 荊の城 上

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    「お嬢さん」の原作ときき、映画の方が見られなかったので原作を手に取りました。スウかブライア城に行ってからの展開に惹きつけられました。一部から二部への転換が見事で、えぇ!って感じです。下巻が楽しみ。映画は日本占領下の韓国が舞台で、モード役は日本人設定のようですが、このおどろおどろしさはイギリス19世紀でないと出せないのでは。暗くてジメジメした雰囲気が立ち上り、ゴシックホラーの要素も感じられて満足です。

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    2017年03月29日
  • 年寄り工場の秘密 老人たちの生活と推理

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    ネタバレ

    近場に出来た老人ホームに潜入!な回。
    システマチックで日本のホームにありそうな感じですね…。
    やっぱりカムデンが素敵すぎて。
    ただ、ペットを飼えるようになるのはいいかなぁ(笑。
    カムデンにも変化の波ですね。

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    2017年03月17日
  • 旅のお供に殺人を 老人たちの生活と推理

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    ネタバレ

    おなじみのおばあちゃんずとその仲間達+αが海外旅行へ飛び出した!
    と、言ってもバスで行ける距離ですけどね。
    メキシコ、意外と近いんだなぁ。
    これで最終巻っぽいのが寂しい。
    自ら老人ホームに入るお歳で執筆されていたらしく、8作目があちらで出たのが98年で以降音沙汰無しだからな~。10年かけたシリーズだしね。

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    2017年03月17日