中村有希のレビュー一覧

  • 半身

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    ネタバレ

    1874年のロンドンが舞台なので、そういう時代がかったお話が苦手な人はいるかもしれませんが、私はわりと苦にならない雰囲気でした。
    ただ、題材が守護霊だったりレズ(?)だったりして、だいぶ後半まで「これはミステリなの?」というギモンがあり、「創元推理文庫」から出てるからにはたぶんミステリだよね?と思いつつ読んでました(笑
    他人とうまくやれない29才の老嬢という主人公に感情移入しすぎて、これまた緊張で心臓が痛くなるシーンがありましたが、感情移入したゆえにラストは切なかったです。
    そんなのあんまりだよー・・・(涙
    一番印象に残ったのが、主人公のお母さんのセリフ。
    「よそのお宅にうかがったら

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    2014年04月29日
  • 夜愁 下

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    ネタバレ

    上巻だけ一度読んだことがあるが、冗長すぎて挫折してしまった。今回数年ぶりにリトライ。

    戦後の1947年、戦時中の1944年、さらに1941年と時が遡っていく構成。ミステリーと言われているが、特に謎めいた事件が起きるわけではない。

    戦時下という状況がなくとも成り立つような話かもしれないが、戦火かまびすしい極限状態だからこその盛り上がりなのかもしれない。

    本の紹介文から各種のレヴューまであいまいに濁しているものが多いが、そう書かざるを得ないような感慨がある。
    最後のラストシーンが美しいがその余韻を読者に残す為にあえて、この構成にしたのだろう。一巡して最初の章に戻ったときに、とある人物の視点か

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    2014年04月22日
  • 荊の城 上

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    第1部の終わりを読んだ瞬間、
    こ、これはっ。。。!!ってな感じで
    そっから先はノンストップ。

    主人公スウのキャラが入りやすいので
    ミステリ初心者にはとっても良いと思う。
    でも、初心者でコレ読んだらハードル高くなっちゃうなぁ。

    んで、何がいいって、やらしいの。
    エロいんじゃないよ、やらしいんだよ。

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    2013年10月15日
  • 荊の城 下

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    とにかく面白くて、ドラマチック。
    波瀾万丈です。
    ディケンズ的と評される作品は色々ありましたが、この作品が一番でしょう。
    ディケンズよりも濃いほど、複雑に絡み合う展開。

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    2012年09月17日
  • 荊の城 上

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    一大詐欺によって出会ったスウとモードは、互いに惹かれはじめていきます。けれど、着々と計画は進行していくのです。2人の友情を越えた想いがどこまで続くのか、この小説のひとつの見所です。読んでいくうちに、濃厚な濁流の渦にねっとりと巻き込まれていき、何が真実なのか分からなくなってきます。誰が味方なのか、裏切りものなのか。片時も目を離すことができません!

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    2012年05月01日
  • 荊の城 下

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    どんでん返しに次ぐどんでん返し。どこまで転がっていくのか、はらはらしながら展開を見守り、最後までその流れが止まらない。
    生き生きしたキャラクター描写もそうだが、煙と霧で霞む市街地、一日中陽の当たらないような田舎。舞台の描写から伝わる空気感で一層緊張感がある。
    どんな形でもいいから、この娘たちには幸せになってほしいと思わずにいられない。

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    2012年01月19日
  • 荊の城 上

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    『半身』もそうだったけど、この人の作品は前ふりが長い。途中で盛大などんでん返しがありそうな気配に、それまでのじわじわとしか進まない展開を読者は辛抱強く待たなければいけない。その辛抱がつまりスリルであり、サスペンスであり、ミステリーなのだけれども。
    舞台は英国。ロンドンっ娘の気性がなんとも愛らしくて惹かれる。登場人物の誰もが一癖二癖ありそうで、一気に読んでしまう。

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    2012年01月19日
  • 荊の城 下

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    ネタバレなしで感想。ネタバレすると全て面白くなる。
    前評判は「濃厚な百合でいろいろとやばい」。

    実際開いてみると、スウのいかにも育ちの悪い言葉づかいから始まって、盗人たちの卑劣な日常、ロンドンに立ち込める重い霧、饐えた臭い、全てが生々しくて陰鬱で、恐ろしく魅力的だった。表現の一つ一つが実に女性らしく豊かなのに、感傷も甘ったるさもなくて秀逸。

    そこに加わる伏線に次ぐ伏線、先の読めない展開は見事。ただ上巻と下巻では小説のジャンルがシフトしていくからそこが合わないと気に入らないと思う。私はこのパターンすごく好きだった。

    そして。母ちゃんも二人と一緒だったんだね。

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    2011年11月03日
  • エアーズ家の没落 上

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    いろんなミステリを読んできましたが、シリアスなタイプのミステリを書く作家さんの中で、一番文章が好きな作家さんです。ミステリ作家とは呼べないかもしれないですが・・・。

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    2011年09月22日
  • エアーズ家の没落 下

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    確かにこの小説のジャンル付けは難しいなぁ……ミステリー?ホラー?スリラー? 語り手を信用出来ないってのも。 エアーズ一家を滅ぼすのはいったい誰?

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    2011年05月02日
  • エアーズ家の没落 上

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    ヴィクトリア朝、そして館……ツボにはまらないわけがない。空いた時間にちょっとずつ読んでいたのだが、その度にすんなりこの物語にのめり込める。

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    2011年05月02日
  • エアーズ家の没落 下

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    幽霊屋敷の話だけれども、一筋縄で終わらないラスト。犯人は誰ということもどうでもよくなる、見事なまでに悲劇的でねちっこい語り口に惑わされる快感。原題が意味深い。

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    2011年02月21日
  • エアーズ家の没落 下

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    う〜〜ん、予想外に大変におもしろかった!!かつては華やかなりし時代を生きた、大領主館エアーズ家。第二次大戦後、大戦で傷ついた若き領主と、母と姉、住み込みのメイドと、おかかえ医師。物語はこの5人でほぼ進むが、問題は「信頼出来ない語り手」である、一人称で語られるという点。ずっとこれは、ミステリーではなく、ゴシックホラーものなのかと思って読み進めたが、最後にきて、う〜ん、これはミステリーになるのかなぁ〜と思ったりして。とにかく、これはいったい何なの?なんだかわからないけど、で、どうなるの?どうなるの??的に、頁を繰ってしまった。最後の最後の行、これは、どうゆうこと・・・それが答えだというのかなぁ・・

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    2011年09月18日
  • エアーズ家の没落 上

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    ファラデー先生だいすき!エアーズ家の人たち大好き!

    と、思っていたら最後のほうつらくてつらくて…
    読んでてどきどきするほどでした。

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    2010年10月28日
  • エアーズ家の没落 下

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    ついに若き当主のロデリックが心労のあまり館を離れることに。
    その費用を捻出するために、家族はますます倹約を余儀なくされます。
    館のすぐ近くを売った土地に、新しいアパートが建つことに。
    果たして、ロデリックの言っていた館の呪いとは…?
    説明のつかない不気味な現象に見舞われる館。
    残されたエアーズ夫人と令嬢キャロラインを放ってはおけない気持ちのファラデー医師は、ますます頼りにされます。
    令嬢キャロラインは地味な外見だが芯は強くいきいきとして、ファラデーとは身分も違うが、しだいに心が通い合うように。
    不器用な二人の接近ぶりと行き違いがありありと描かれてまた、見事です。
    館の壁に妙な文字が浮かび出て、

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    2010年10月24日
  • 夜愁 下

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    1947年、44年、41年と3段階に遡っていく構成。戦後間もない頃の平和だがまだどこか戸惑っているような時期、戦争末期の思い詰めた危機感と高揚、その前の時点でまだ皆がうら若い時期に物事が始まるきっかけという展開になるんですね。
    登場人物の意外な絡み具合と人生の中の一瞬のきらめきに味があります。すっきり解決というのではないんですが、哀しみがしみじみと胸に広がります。

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    2009年10月07日
  • 荊の城 上

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    映像が頭の中にぼんやりと浮かぶのに、
    知識と想像力が及ばなくて嘆いた作品。

    見事に騙されました。
    騙してるつもりで騙されました。
    面白い!

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    2009年10月04日
  • 夜愁 下

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    前二作刊行時にはミステリーだ、いやいやゴシックホラーだ、などと様々にジャンル分けされてきた著者がさらにジャンルからはみ出す作品を生み出した。
    そこに残ったのは純粋に“小説”という形式だけで、それはまた純粋な美しさを放っている。

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    2010年08月07日
  • 夜愁 上

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    本作はこれまでの著作からは時代背景をガラリと変え、第二次大戦前後のロンドンが舞台。
    戦火の中、戦中戦後、人生が交錯する。

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    2010年08月07日
  • 荊の城 上

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    イギリスでドラマ化されたこの作品。
    スーとモードの感情が切ない。
    最後のどんでん返しもビックリ。
    必見です。

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    2009年10月04日