あらすじ
「……被告は良心の呵責もなく、情け容赦なく、いともたやすく人の命を奪った……」ビル・ホルトは冷酷な殺人犯として投獄された。不倫相手の女性を殺害し、さらにその二週間後、事件の手がかりをつかんだと思しき私立探偵をも、計画的に殺害したとして。状況証拠は完璧としか言いようがなかったが、彼は無実だった。十六年後、仮釈放を認められたホルトは、復讐を誓い、真犯人を捜し始める。自分を陥れたのは誰だったのか? 次々に浮かび上がる疑惑と目眩く推理。そして、最終章で明かされる驚愕の真相! 現代本格ミステリの旗手、衝撃の出世作。/解説=法月綸太郎
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Posted by ブクログ
無実の殺人罪で投獄された主人公が十六年後の仮釈放後に、自分を罠にはめた真犯人を突き止めようとするサスペンスみのあるミステリ。
十六年の苦渋を思うと序盤の胸中はまじでやるせない。途中やや情緒不安定になるので、ページをめくりながらオイオイ大丈夫かと心配になるが、でも真犯人への恨みと信じてくれる人がいない絶望と…と思ったら仕方がない部分はある……のかな。
ほぼ親族会議に近い、役員会議に乗り込むシーンはドラマチックで最高だった。いいぞ、もっとやれ、と思うくらいには。(読み進めるうちにじわじわ、まぁ主人公よりの心理にはなっていく)
ラストシーンも気持ちがいい。人によっては「もやっとする」と言う人もいそう。映画とかそういう「物語っぽさ」があってわたしは好きだが。