白川紺子のレビュー一覧
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ネタバレ着物に遺された、あなたへの想い。
直接は言えなくても、遺された想いがある。祖母から受け継いだいわくつきの着物も残りわずか。鹿乃の成長も見える巻。慧は父親のことや鹿乃への想いが一段落して、すごく余裕がある感じになった。何気に兄の良鷹がフィーチャーされている巻でもある。
「雛の鈴」着物に託した母の想い。わかっていても言えなかったこと。知っていたけれど、知らないふりをした愛情。着物の謎を解くということは、誰かの個人的な領域に踏み込むことでもあり、今回のように拒絶する人もいる。うまく落ち着いてよかった。鹿乃の一生懸命さが人を動かした、というところ。
「散りて咲くもの」最後の一枚は、野々宮家の人が -
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ネタバレ下鴨アンティーク、最終巻。
ラスト一枚となった野々宮家の蔵の不思議な着物。
持ち主は野々宮家の女性。
彼女は神隠しにあったと話した祖母の意図を理解するうちに、巫女の家系として連面と続いていた野々宮家の不思議な力を知り、継承して次へ繋げようと決意する。
そんな合間合間に繰り広げられる慧との初々しいやりとりとか、良鷹の地味~な邪魔(笑)
今までは重い事情も多かったけど、ラストはスッキリ終わった感じがする。
ラストはそんな鹿乃が一人立ち?して初めての出来事。
良鷹の中学の同級生から届いた突然の荷物。
不思議な藤色の着物から始まる。
結果、依頼主の子供を引き取ることになった良鷹。家族が亡くなっ -
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地主の息子と、その夫婦。
新婚さんだけれど、その実…。
連続短編で進んでいきます。
語り手は何と、彼らの住む家。
これはこれで新しいな、という感じです。
一体何故彼らは結婚を急いだのか
しなければならなかったのか。
互いに干渉不可、という約束をしていましたが
少しずつそれが分かっていくという。
ブラコンの弟は、嫁を財産目当てと思ってみたり
そんな彼の失敗が出てきたり。
この勘違い、いつ気が付くのだろうか、という
面白さもあります。
家主たる二人も、何だかほんわりしてますし
これはそのまま進むのか、それとも…な展開。
全ての話に、椿が関係してきます。
一話完結で、それに伴って出てきた二人の -
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六編のグリム童話を下敷きにした物語。
トップバッターは、谷瑞恵の『ルンペルシュティルツヒェン』。
海外ドラマ、「Once Upon a Time」で知った、ルンペルシュティルツキン。
シーズンを重ねて、私はだいぶ馴染みになったが、日本ではそこまでメジャーな主人公ではないかも。
しかしあえて彼を選ぶことで、新鮮さがあってよかった。
彼が紡ぐと言う、金の糸の先に美しい未来が見え、読後がよかった。
『二十年』は『カエルの王様』がモチーフ。
これは、ホラーだ......。
特に、容姿に自信のある女性にとっては。
いや、一人で生きていくと言う覚悟があれば、あるいは、それを楽しめれば、美の呪いなど恐るる