H・P・ラヴクラフトのレビュー一覧
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元々彼の人のことはTRPGの方で知ったのだが、元を知るとやはり人気になるだけの魅力があるのだと思った。
散々ひどい文章だと本を勧めてくれた知人には言われたものの、余程の悪文なのだろうと開いてみればまったく読みやすいではないか(とはいえ、あくまでも想像よりかなり良かっただけであって、多少引っかかる部分がないわけではなかった)。
罪と罰やレ・ミゼラブルなどのすぐれた小説を初めて読んだ時のように、ひたすらに貪り読んだのを今でも昨日のことのように覚えている。当時のわたしにとって、ラヴクラフトの書く物語はてんで未知の世界だったので余計に。
成長した今改めて読むと、当時ほどの感動はなくなっているもののやはり内容が好ましい。今でもふと、眠れない夜に明かりを灯して読みたくなる。想像力を触発されて余計に眠れなくなる。ラヴクラフトの魔力は本当に恐ろしい。 -
Posted by ブクログ
元となった「ラヴクラフト傑作集2」は、
ボロボロになるまで読み込んでいました。
なのでこの本は再読の再読。
・クトゥルフの呼び声
大伯父の残したものを調べることで、
知ってしまった宇宙からきた恐怖の神々の存在。
未知なる名状しがたきものから追われる恐怖!
・エーリッヒ・ツァンの音楽
禁断の曲を奏でたことの悲劇か?
それとも、その演奏を未知なるものに愛でられたのか?
・チャールズ・ウォードの奇怪な事件
不可思議なる先祖を調べることにより、
後戻りできない運命となる青年と、救おうとする医師。
クライマックスの対決は息をのむ!
作者の創造力が毒々しく花開く作品集です。
風景や人物の描写の素晴らしさの中に潜む、恐怖。
じわじわと忍び寄ってくるけど、読むのがやめられない! -
Posted by ブクログ
久しぶりにラブクラフト全集の続き。これは当たりの巻。
訳者による解説にも書かれているが、「ピックマンのモデル」以外は、科学的な話というか、分析がキーとなる話になっており、出てくる物質の名前が古いのを除いて、全く現代でも通用するような話ばかりだ。
名作「インスマウスの影」を彷彿とさせつつ、得体のしれない謎の物質(生物?)の恐怖「宇宙からの色」、何故か体を冷やし続けないといけない「冷気」と、南極に氷漬けになっていた宇宙からの生物をめぐる「狂気の山脈にて」そして超名作で怪談風の「ピックマンのモデル」など、硬い文章ながら、読書なれしていない人でもゆっくり読めば映画のように脳内で映像化されてくるはず。
3巻が地味な印象だっただけに、この4巻はさらに素晴らしく感じる。ホラーというよりも、SFとして読んでも面白い。
なお、ラブクラフトの作品は、書き出しは訳がわからないことが多いので、最初の3~4ページは2回位読むのがコツ。本書に収められた作品も例にもれない。 -
Posted by ブクログ
あとがきに書いてあるとおり本作は後にダーレスがクトゥルー神話作る際に大いに参考にしたと思われる作品を集めたものとなっている。面白いのは、冒頭そのように書き始めたのにもかかわらず本書のあとがきの主題は「ラヴクラフトの作品とクトゥルー神話との相違点」であるという点だ。
ラヴクラフトの作品のみを愛し、クトゥルー神話は否定的な人が少なからずいる。本書のあとがきを読めば理由がわかるはずだ。
本作品集には、下手に首を突っ込んでえらい目に合うという話が非常に多い、相変わらず緻密な情景描写でありながらも肝心な異世界のもの達に関しては曖昧としてうまく表現できないという手法で書かれている。
とはいえ、「インスマウスの影」などに見られるように、見えそうで結局断片しか見えなかったという想像するしか無い恐怖と比べると、はっきりと詳細を書いてしまっている。その分読みやすくなっているとも言える。
ラヴクラフトの作品は「読んでみたけども意味がわからなかった」というのが私の感想であり、作品の最大の面白さであると思う。今のところラヴクラフト全集1~5巻まで読んだが、その点に関してはぶれていない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「クトゥルフの呼び声」始まり、短編「エーリッヒ・ツァンの音楽」をはさみ、長編「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」で終わるこの第2巻はこれぞラヴクラフトという感じがした。
ちなみに、今のところラヴクラフト全集1~4巻までしか読んでいなく全部読んだわけではない。各話の軽い感想を書いていく。
「クトゥルフの呼び声」はまさにクトゥルー神話の原典ともいうべき話でクトゥルフを始めとする地球上に潜む人間をはるかに凌駕する者達の存在や、それを示唆する魔導書の存在、海底に沈む古代都市など、クトゥルー神話にとって重要な物々が一つにまとまった話である。地球に潜む秘密のあまりの大きさにSFでありながら、頭がクラクラする様な思いがした。
「エーリッヒ・ツァンの音楽」は怪談話の様な怖さがある話しである。主人公がかつて暮らしていた下宿で経験した奇っ怪な体験。命からがら逃げたし生き延びたものの、住んでいたはずの街は存在自体がなくなってしまっていた。あれは何だったのか、詳細が書かれずに読者は想像するしか無い。初めてラヴクラフトの作品を読んだ時に感じた感覚に似ている。都市伝説のような感じがする話しである。
「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」は長編である。本書の3分の2がこの話である。最初に結末から話し始めるという始まり方といい、魔術を利用した常識はずれの長寿を扱っているところといい「戸口に現れしもの」に似ている。まず本編は過去に生きた魔術師の暮らしぶりが、残された文献から得られた情報という形で現れる。更に、その魔術師を研究している青年、これがチャールズ・ウォードであるのだが、の人生についても本人からの証言や、記録などによって語られる。本編は一連の出来事に遭遇し、それに対応したある老医師の語りという形で語られるのである。
初めは、志半ば似て倒された邪悪な魔導師の一生が語られ、次にその魔術師の研究に没頭し、最終的に悲劇的な最後を迎える青年。その青年を救おうと、駆けずり回るも、自身も不可思議な出来事に巻き込まれ、全てを理解する老医師。それぞれの一生が事細かに、かつそれぞれの場面場面が自然と移っていく文章は素晴らしとしか言いようが無い。
最後現代に蘇った魔術師と、老医師の短いながらも緊張する対決シーンといい、ラヴクラフト不朽の名作と謳われるだけあって、見所満載の素晴らしい話しである。 -
Posted by ブクログ
ラヴクラフト全集1巻を読み終わった時、ラヴクラフト氏の作品は、情景を推理小説が如く性格に描いているにもかかわらず、肝心な恐怖をもたらすそのものについては曖昧にしか書かれていないという話の構成であると感じた。つまり、都市伝説のように嘘にきまっているが、もしかして・・・と思わせる一人称的恐怖感があった。
現在のところ3巻とこの4巻を読み終わったが、その認識を変える必要がある。3巻もそうだが特にこの4巻では、もう個人の幻覚や幻聴として片付けられないほどに、異型の者達を描写しているのである。科学的に判別不能な物質が出てきたり、公式な記録として異世界人らしきものが見つかったと記録されていたりである。
私の中で、ラヴクラフト氏の作品が、自分の身に振りかかるかもしれない怖い話から、SFホラー小説にシフトしてしまった。拍子抜けした部分もあったが、そもそも1巻から架空の都市が出てきたり、後にクトゥルー神話としてまとめられるということを考えると私の第一印象が間違っていただけのことではある。
さて、いざ異型の者達を描写するとなるとそのディテールの細かさは驚かされるばかりで、想像力をフル動員して読み進める必要がある。「見たことのないような」とか、「この世のものをは思えない」という表現に逃げること無く書ききっているラヴクラフト氏の表現力は尊敬するしかない。しかも随所に上記の「この世のものと思えないような」と言った様な表現をここぞというところで使うことにより、物語の語り手が人間の手にあまる自体に遭遇しているという事がひしひしと伝わってくる。
100%フィクションであるとわかりながらも、実際に起こったことのように読みながら感じる。レビューに拍子抜けしたと書いたが、今現在はよりラヴクラフト氏の作品に引き込まれるようになったと思う。 -
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ネタバレ1989年6月23日発行の11版。
訳者の大瀧啓裕氏はダーレスのことが嫌いなのか……。
「不肖の弟子」扱いなど個人的感情がくどいほどにじみ出ている。
あなたのエッセイじゃないのだから解説に個人的感情を入れるべきではないだろうに。
「ダゴン」
窓に! 窓に!
「家のなかの絵」
人肉食で無限のパワーを。
「無名都市」
狂える詩人アブドゥル・アルハザード。
「潜み棲む恐怖」
この巻で一番好きなお話。
怪奇!土竜男!
「アウトサイダー」
寓話的。
新たな物語の話型となっている点ですばらしい。
「戸口にあらわれたもの」
ほんとインスマウスの住人はろくなことをしない……。
結末を冒頭に持ってきた構成が秀逸。
「闇をさまようもの」
ラブクラフトの遺作。
無闇に廃墟に入るものではない。好奇心は猫をも殺す。
アザトホース、ナイアルラトホテップ、ヨグ・ソトホースと有名どころの名前が出るのも遺作らしい感がある。
「時間からの影」
〈大いなる種族〉の容姿がさっぱり想像できない。
言葉で形容できないところに真価があるのか。
次男がいい息子すぎる。ほんと父親思いやで……。
「資料:履歴書」
おまけ。
ラヴクラフトの「環境」がわかる。
黒人やタスマニア人を「生物学的に劣っている」と考えている点や彼のヒトラー評とムッソリーニ評は興味深いものがある。
特にムッソリーニに「敬服」していた点は現代から見れば眉をひそめてしまうが、ラヴクラフトの意外な一面として面白い。
総評。
雨、廃墟、屋敷がキーとなる話が多くおどろおどろしい感じが良い。
短編の集まりで長さ的にも読みやすい。
が、各話の途中で眠たくなってしまう。
ただ、繰り返しになるが解説での訳者のダーレス批判が目に付く。
嫌いというほど積極的な感情ではないかもしれないが、嫉妬に近い感情を持っているのかもしれない。
また訳者はラヴクラフトの作品群をクトゥルフ神話としてひとまとめにされることを快く思っていないらしい。
ラヴクラフト作品のことは自分が一番知っているんだと言いたげな文章が呆れを通り越して実に微笑ましい。 -
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古書購入。
ホラー。暗黒神話。
クトゥルー(ここではクトゥルフ)神話の創設者、ラヴクラフト。その短編集。
最後の短編は、短編って言うには、長い。
全編通しておどろおどろしい。ここではないどこかの絶望的な話。気が狂いかねない恐怖と隣り合わせにされた人々。
精密な絵を見るような描写が特徴の作者。勉強になります。
長め、最後の「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」は終わりはまだ救いがあります。他のは、解決してなかったり、裏でざわざわしてたりして、落ち着かないままなんです。ゾンビ、蘇りもの。
呪文が綺麗です。
「死せるクトゥフが、ル・リエ―の家で、夢見ながら待っている」
とかはかなり有名ですけど、邪神への呪文とは思えませんね。(うっとり)
さて、内容紹介。
最初はそのものずばり「クトゥルフの呼び声」。
大伯父が死んで、その遺品を片付けていた主人公は、ある資料を見つける。
そして、その資料の真偽を確かめていくうちに、邪神が復活しかけていたのだということを知る……。
「エーリッヒ・ツァンの音楽」では知らぬまに異世界。
老音楽家エーリッヒ・ツァンは陰鬱なヴィオル(ヴィオラ?)を奏でる。すると外は得体のしれない世界に。外で様子を伺う化け物から、エーリッヒは自分を守るために、楽曲をかなで続ける……。 -
Posted by ブクログ
ラヴクラフトが描き出した冒涜的物語群クトゥルー(クトゥルフ)神話の短編集、第3集
解説にもある通り、前2集に比べて、ハイ・ファンタジー的な物語を多く収録している。ザ・クトゥルフ神話という感じで、主要な舞台も切り立った崖の上や未開の森林などメルヘンチックなもので冒涜的な好奇心を刺激される。オチも含めて、幻想小説としての体裁が整っている
その一方として架空の街の描写を細かくしてその内の一個の家で物語が展開する作品では、ラヴクラフトらしく実際に何か起きる前の悍ましい予感や身の毛もよだつような噂などが節たっぷりで非常にゾクゾクさせられた。怪奇(ホラー)小説としての要素が強い
書いてて思ったのが、ラヴクラフトは怪奇幻想小説というふうに両方の要素がふんだんに含まれてる作品をいっぱい書いたと言うよりも、それぞれの要素は含めながらも舞台設定や伝説の登場させ方、オチなどで二つのジャンルを分けて書いていたのかなということ
(本当にほとんどの作品好きだったんだけどその中でもとりわけ)好きな作品
・アウトサイダー
・セレファイス
・霧の高みの奇妙な家
・アザトホート
・銀の鍵
・忌まれた家