H・P・ラヴクラフトのレビュー一覧
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あとがきに書いてあるとおり本作は後にダーレスがクトゥルー神話作る際に大いに参考にしたと思われる作品を集めたものとなっている。面白いのは、冒頭そのように書き始めたのにもかかわらず本書のあとがきの主題は「ラヴクラフトの作品とクトゥルー神話との相違点」であるという点だ。
ラヴクラフトの作品のみを愛し、クトゥルー神話は否定的な人が少なからずいる。本書のあとがきを読めば理由がわかるはずだ。
本作品集には、下手に首を突っ込んでえらい目に合うという話が非常に多い、相変わらず緻密な情景描写でありながらも肝心な異世界のもの達に関しては曖昧としてうまく表現できないという手法で書かれている。
とはいえ、「イ -
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ネタバレ「クトゥルフの呼び声」始まり、短編「エーリッヒ・ツァンの音楽」をはさみ、長編「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」で終わるこの第2巻はこれぞラヴクラフトという感じがした。
ちなみに、今のところラヴクラフト全集1~4巻までしか読んでいなく全部読んだわけではない。各話の軽い感想を書いていく。
「クトゥルフの呼び声」はまさにクトゥルー神話の原典ともいうべき話でクトゥルフを始めとする地球上に潜む人間をはるかに凌駕する者達の存在や、それを示唆する魔導書の存在、海底に沈む古代都市など、クトゥルー神話にとって重要な物々が一つにまとまった話である。地球に潜む秘密のあまりの大きさにSFでありながら、頭がクラク -
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ラヴクラフト全集1巻を読み終わった時、ラヴクラフト氏の作品は、情景を推理小説が如く性格に描いているにもかかわらず、肝心な恐怖をもたらすそのものについては曖昧にしか書かれていないという話の構成であると感じた。つまり、都市伝説のように嘘にきまっているが、もしかして・・・と思わせる一人称的恐怖感があった。
現在のところ3巻とこの4巻を読み終わったが、その認識を変える必要がある。3巻もそうだが特にこの4巻では、もう個人の幻覚や幻聴として片付けられないほどに、異型の者達を描写しているのである。科学的に判別不能な物質が出てきたり、公式な記録として異世界人らしきものが見つかったと記録されていたりである。 -
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ネタバレ1989年6月23日発行の11版。
訳者の大瀧啓裕氏はダーレスのことが嫌いなのか……。
「不肖の弟子」扱いなど個人的感情がくどいほどにじみ出ている。
あなたのエッセイじゃないのだから解説に個人的感情を入れるべきではないだろうに。
「ダゴン」
窓に! 窓に!
「家のなかの絵」
人肉食で無限のパワーを。
「無名都市」
狂える詩人アブドゥル・アルハザード。
「潜み棲む恐怖」
この巻で一番好きなお話。
怪奇!土竜男!
「アウトサイダー」
寓話的。
新たな物語の話型となっている点ですばらしい。
「戸口にあらわれたもの」
ほんとインスマウスの住人はろくなことをしない……。
結末を冒頭に持ってき -
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古書購入。
ホラー。暗黒神話。
クトゥルー(ここではクトゥルフ)神話の創設者、ラヴクラフト。その短編集。
最後の短編は、短編って言うには、長い。
全編通しておどろおどろしい。ここではないどこかの絶望的な話。気が狂いかねない恐怖と隣り合わせにされた人々。
精密な絵を見るような描写が特徴の作者。勉強になります。
長め、最後の「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」は終わりはまだ救いがあります。他のは、解決してなかったり、裏でざわざわしてたりして、落ち着かないままなんです。ゾンビ、蘇りもの。
呪文が綺麗です。
「死せるクトゥフが、ル・リエ―の家で、夢見ながら待っている」
とかはかなり有 -
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[宇宙からの色]
今考えると、これってラヴォスかな。「インスマウスの影」なんかと比べるとあまり恐いという気はしない(実体が出てこないからか? 挿し絵は恐いものなあ)。ラヴクラフトの宇宙的恐怖というやつは、恐さという面では実は大したことないのかもしれない。
[眠りの壁の彼方]
これはホラーなのかなあ。どちらかというとファンタジーじゃないかという気がする。恐くはないけど、眠っていたときに見たことを、現実では新聞で超新星の爆発として確認するというラストは結構いい。
[故アーサ・ジャーミンとその家系に関する事実]
これもあまり恐くはない。まあ最後にちゃんと落としてくれるから、そこのところは安 -
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[インスマウスの影]
ラヴクラフトの中で一番好きなのをひとつ選べと言われたら、俺はこれ。遺跡や太古の都市なんかだといまいちピンとこないけど、まがりなりにも現代の町がこんな感じだったら、そりゃ気持ち悪いでしょう。「狂気の山脈にて」なんかよりも、俺はこっちのほうが全然いいけどなあ。紀行文的なスタイルも成功していると思うし。インスマウスっていう単語の、なんかヌメッとした魚類的な冷たい感じも抜群。もっともこれはこの短編から逆に刷り込まれた印象かもしれないけどね。
p.s.
改めて読み返してみると、いろいろと忘れていたことが多かった。インスマウスの町の沖の<悪魔の暗礁>にいたのが<ダゴン>だったとは -
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「狂気の山脈にて」読みました。
クトゥルー神話という、作られた神話の原点となる、
作家ラブクラフト氏による短編の傑作選です。
「ランドルフ・カーターの陳述」
「ピックマンのモデル」
「エーリッヒ・ツァンの音楽」
「猟犬」
「ダゴン」
「祝祭」
「狂気の山脈にて」
「時間からの影」
の8作品、収録されておりまして、
表題作でもある「狂気の山脈にて」は、南極探検に行った先で、
人類を遥かに凌駕する文明を誇った”最先(いやさき)のもの”が、どのような
文明を作り、そして、滅んでいったのか。その架空の文明を描いた作品でした。
それ以外の作品も、人類が我が物顔で繫栄してい