H・P・ラヴクラフトのレビュー一覧
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「ダゴン」のラスト
私の初読は、文庫の全集(あの黒い有名な表紙)だったので、ダゴンのラストは「窓に」「あの手」があるものだとばかり思っていた。
しかし、久しぶりに令和の時代に発行されたこちらの訳をなんとなしに、再読の記憶をたどりながら、本当に何となく、読んでいたら、ラストに、「窓へ!」と来たもんだか...続きを読むPosted by ブクログ -
ラブクラフトは初体験だが、翻訳ものの小説でここまで一気に読めたのは久しぶりという気がする。何かが起こりそうな予感が濃密な書きぶりに惚れ惚れする。Posted by ブクログ
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クトゥルーやラブクラフトの名前は知ってるけど、よく知らないという状態で挑戦。
これは面白い!
化物じみた「名状しがたい」あれやこれやが出てくるのも面白いが、その前のじわじわじわじわやってくる心理的恐怖、雰囲気や舞台設定がたまらなくいい…!
怖いけど、気になる。でも見てしまうと、アワワワワ…。
日本...続きを読むPosted by ブクログ -
初出1920-1936年のラヴクラフト短編小説を集めたもの。昨年読んだ『狂気の山脈にて』と同じく新潮文庫版「クトゥルー神話傑作選」。
ラヴクラフトの文章はどこか変で、つながりが悪く、明らかにおかしな箇所もあったがそれは原文のせいか翻訳のせいか分からない。いずれにせよ悪文に属する文体だろう。読みに...続きを読むPosted by ブクログ -
なんか、スッカスッカの脳内空間に
薬液付けた指をソロリソロリとねじ込まれていく感じだ
しかも抵抗出来ない。
堪能せよ、無限地獄を。Posted by ブクログ -
①インスマスの影
好奇心から怪奇な伝承が伝わる街を訪れてみたわたしは、そこで恐ろしい話を聞かされて――。
終盤で回収される伏線とメリーバッドなエンドに、普通のホラーにはない哀愁を感じた。異形を単なる敵やモンスターとして描写しない点がラヴクラフトらしさ。
②壁の中の鼠
かつて陰惨な事件が起きた館を引...続きを読むPosted by ブクログ -
掘り出し物。
ラブクラフトは読んでみたかった作家だった。
すべてクトゥルーに関する恐怖小説。
怖い、すごい、忘れられない。
この本を読む時は、グーグルで航空地図を見ながら読むことを進める。
特に「インスマスの影」はマサチューセッツの地図でグロテスクな海岸沿いを見ながら読むと恐怖が倍増する。Posted by ブクログ -
クトゥルーつながりで本家に立ち返る。
独特な言葉運びで執拗に描かれる不気味さ。やっぱりラヴクラフトは偏執的で不気味で面白い。「インスマウスの影」が最高です。また、夢にでてきそう。Posted by ブクログ -
元々彼の人のことはTRPGの方で知ったのだが、元を知るとやはり人気になるだけの魅力があるのだと思った。
散々ひどい文章だと本を勧めてくれた知人には言われたものの、余程の悪文なのだろうと開いてみればまったく読みやすいではないか(とはいえ、あくまでも想像よりかなり良かっただけであって、多少引っかかる部分...続きを読むPosted by ブクログ -
元となった「ラヴクラフト傑作集2」は、
ボロボロになるまで読み込んでいました。
なのでこの本は再読の再読。
・クトゥルフの呼び声
大伯父の残したものを調べることで、
知ってしまった宇宙からきた恐怖の神々の存在。
未知なる名状しがたきものから追われる恐怖!
・エーリッヒ・ツァンの音楽
禁断の曲を奏でた...続きを読むPosted by ブクログ -
久しぶりにラブクラフト全集の続き。これは当たりの巻。
訳者による解説にも書かれているが、「ピックマンのモデル」以外は、科学的な話というか、分析がキーとなる話になっており、出てくる物質の名前が古いのを除いて、全く現代でも通用するような話ばかりだ。
名作「インスマウスの影」を彷彿とさせつつ、得体のし...続きを読むPosted by ブクログ -
『肉体器官の作用が極度に均衡を失って…』『見る者をして、部屋の隅々から妖気の立ち昇る思いを感じさせるのだった』だの持ってまわった小難しい言い回しが多いのが著者(翻訳?)の特徴。おかげで「古風」で「変に不気味」で「妙なシズル感」がある文章。
その上長編でサラッと読むめない、序盤で何となくオチの予想が付...続きを読むPosted by ブクログ -
クトゥルフの呼び声の壮大な宇宙観に、悪夢でたまに感じる、あの全身が総毛立つようなゾッとする根源的な恐怖心が蘇ってきた。
ラヴクラフトの一人称で淡々と語り続ける作風が好きだ。神秘学や黒魔術に彩られた重厚な宇宙的ゴシック小説。
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一時期、クトゥルフTRPGのリプレイや動画を観るのにハマっていた。それから念願の著作を読む機会を得た。
常々思ってはいたが、宇宙的恐怖はキリスト教文化に効く表現で日本人には理解しづらいのではないかという印象。ただそれでも日本で根強い人気があるのは、狂気が伝わる表現や未知のものへの好奇心なのだろうか。...続きを読むPosted by ブクログ -
ダゴン、読みやすくて良いですね。名作。最後の一編「時間からの影」はちょっと冗長かな。それ以外は、面白かったです。アーカムやインスマス、それにミスカトニック大学の名前が出てくると、なんか安心しますね。魚臭や魚顔の人間とか^^Posted by ブクログ
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あとがきに書いてあるとおり本作は後にダーレスがクトゥルー神話作る際に大いに参考にしたと思われる作品を集めたものとなっている。面白いのは、冒頭そのように書き始めたのにもかかわらず本書のあとがきの主題は「ラヴクラフトの作品とクトゥルー神話との相違点」であるという点だ。
ラヴクラフトの作品のみを愛し、...続きを読むPosted by ブクログ -
「クトゥルフの呼び声」始まり、短編「エーリッヒ・ツァンの音楽」をはさみ、長編「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」で終わるこの第2巻はこれぞラヴクラフトという感じがした。
ちなみに、今のところラヴクラフト全集1~4巻までしか読んでいなく全部読んだわけではない。各話の軽い感想を書いていく。
「クトゥ...続きを読むPosted by ブクログ -
ラヴクラフト全集1巻を読み終わった時、ラヴクラフト氏の作品は、情景を推理小説が如く性格に描いているにもかかわらず、肝心な恐怖をもたらすそのものについては曖昧にしか書かれていないという話の構成であると感じた。つまり、都市伝説のように嘘にきまっているが、もしかして・・・と思わせる一人称的恐怖感があった...続きを読むPosted by ブクログ
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1989年6月23日発行の11版。
訳者の大瀧啓裕氏はダーレスのことが嫌いなのか……。
「不肖の弟子」扱いなど個人的感情がくどいほどにじみ出ている。
あなたのエッセイじゃないのだから解説に個人的感情を入れるべきではないだろうに。
「ダゴン」
窓に! 窓に!
「家のなかの絵」
人肉食で無限のパワー...続きを読むPosted by ブクログ -
クトゥルーの世界観が、テクストの平原を越えて自在に暴れまくる秀作「未知なるカダスを夢に求めて」収録。ペルシア神秘主義詩の最高峰アッタールの「鳥の会議」や、ボルヘスの「創造者」に、類似するオマージュが発見できる。国境と言語を越えてあらわれる神的存在は、旧態の神的なるものなのか否か…幻想文学の観点からも...続きを読むPosted by ブクログ