H・P・ラヴクラフトのレビュー一覧
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購入済み
狂気と怪奇と狂言の狭間、どう捉えるかは読み手次第。「壁の中の鼠」「闇に囁くもの」は特にその傾向が強くて面白い。
「インスマウスの影」は特に形容しがたい気持ち悪さがあった。主人公があからさまなバッドエンドフラグを進む様をこれでもかって丁寧に描くくせに、肝心な謎の生物の正体であったり、話のオチであったりがぼかしてあって、嫌な方にばかり想像が膨らむ。この考える余地が恐さの肝かも。
読みながら、「伝奇集」のウクバールを思い出した。語り、騙られることで非実在のものが形を得る。幻想と現実の境界が曖昧になっていく。 -
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H. P. ラヴクラフト(1890-1937)といえば怪奇(ホラー)小説の有名どころで、マニアックなファンも世界中に多く抱え、多くの、今日言うところの「二次創作」の作品群のみなもととなった「クトゥルー神話」の作者であり、私も高校生の頃に創元推理文庫の『ラヴクラフト全集』全7巻のうち1巻から3巻までを買って読んだ。が、その当時どうもこの作家の作風に今ひとつ乗り切れないものを感じ、若干苦手なような、「好き」とまでは言えないような状態であった。
新潮文庫版のこれは新訳で、昨年12月に出たばかりの文庫オリジナルである。実はこれは新潮文庫版「クトゥルー神話傑作選」の2冊目のようで、既に既刊があるらし -
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媒介、夢に。身近な場所や未知の地にも現れる恐怖の存在。
宇宙からの色・・・始まりは隕石。妖しい色彩に浸食されたモノたち。
眠りの壁の彼方・・・眠りの中に現れる壮絶な風景は記憶か?
故アーサー・ジャーミンとその家系に関する事実・・・祖先の秘密。
冷気・・・冷気を求めるあの男の正体は?そして、その死。
彼方より・・・機械に触発された未知の感覚器官で観た無限の果て。
ピックマンのモデル・・・画家が描いた醜悪な生き物は実在するのか?
狂気の山脈にて・・・南極探検隊が到達した未知の山脈で見たモノ。
資料:怪奇小説の執筆について・・・ラブクラフト自身の考察。
不可解な存在、憑かれた人々、そして異形の存在。 -
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ラヴクラフトの短編集1。
4話収録されています。
「クトゥルフ神話」に関連する話が2話、「インスマウスの影」「闇に囁くもの」。
特に「闇に囁くもの」は、宇宙規模の壮大なスケールで、精神的にも不気味な物語でした。
雑誌の「ムー」などに載っていそうな、、、。
太陽系外惑星(冥王星を見る目が変わりそう!)などが出てきてちょっと宗教的な匂いもするし。
謎の囁き声、レコードに録音された話し声、一階から漏れ聞いた複数人の話し声、、、情景がとても不気味に表現されていて、本当に聞こえてきそうな不気味な感覚で怖かったです。
映画の「THE 4TH KIND」や「X-files」を思い出しました。
読む前は、「世 -
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ネタバレ・イラノンの探究
頭の中にあるものとごっちゃになった不老不死の人
さいご沼自殺はかわいそす
・木
しょうみよくわかんない、カロース幻覚見過ぎ
ムーシデスまじで、いいやつ。とか思うけどこれは毒殺
・北極星
天体に見つめられがち嫌われがち。受肉したときから人間関係あるの強すぎ。現実と夢と妄想とあるん?
・月の湿原
完全に夢遊病。開拓するときはやっぱり迷信にも気を使おう。火災報知器なったときに寝てたら多分こんな感じ
・緑の草原
結局手紙として送れたんかい、てかそれを読んでたなんで判読不能で判読できたわ。めちゃめちゃ疲れとるよこの人
・眠りの神
朝がくるのが怖いんじゃなくて、朝起きたときに -
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宇宙的恐怖(コズミックホラー)の始祖
売れ出したのは死後らしいですが、
他の作家たちが、話を広げていったエピソードが、ファンが2次創作で広がっていったスターウォーズの流れにも似てます。
そんな、作家の入門編
表現しづらい見えない怪物(蟹、鳥、烏賊蛸、菌、山のキメラっぽいやつなど様々)、怪奇現象に気づいてしまった、巻き込まれてしまった人々の恐怖を様々なパターンで描きます。
暗躍する怪物の名から「クトゥルフ神話」と呼ばれているシリーズ
キングやクーンツなどのモダンホラー(古!)を読んでる私としては、どの話も真面目に「ボブは自分の体が、首の無い状態で倒れかかってくるのを見る羽目になった。何故なら -
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久々に読んだら、すごく時間がかかってしまった。
ラブクラフトの創作活動の各時期の
代表作を集めた作品集。
短編七作、中編1作、本人による履歴書が収録。
偶然、或いは自ら深い謎を探求して、
名状し難き者に出会ってしまい錯乱するという定型は、
初期から始まっています。
・ダゴン・・・初期の作品。
短編ながら、その原型となる特色があります。
・家のなかの絵・・・最後が尻切れトンボな感。
・無名都市・・・あの狂える詩人の名が初出。幻想的。
・潜み棲む恐怖・・・邪悪な一族は主人公と何か繋がりが
ありそうだけど、わからぬままで終わり(^^;
・アウトサイダー・・・囚われの主人公が戒めの館から出て