ラヴクラフト全集4

ラヴクラフト全集4

小説・文芸
699円 (税込)

3pt

南極大陸の奥深く、ヒマラヤすら圧する未知の大山脈が連なる禁断の地に、ミスカトニック大学探検隊が発見したもの、それは地球が誕生してまもないころ他の惑星より飛来し、地上に生命をもたらした〈旧支配者〉の化石と、超太古の記憶を秘めた遺跡の数々だった! やがて一行を狂気と破滅の影が覆ってゆく……。「時間からの影」とならぶラヴクラフト宇宙観の総決算「狂気の山脈にて」をはじめ、中期の傑作「宇宙からの色」「ピックマンのモデル」や、初期の作品「眠りの壁の彼方」など傑作全7編を収録。【収録作】「宇宙からの色」「眠りの壁の彼方」「故アーサー・ジャーミンとその家系に関する事実」「冷気」「彼方より」「ピックマンのモデル」「狂気の山脈にて」「資料:怪奇小説の執筆について」「作品解題/大瀧啓裕」

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ラヴクラフト全集 の一覧

1~7巻配信中 1巻へ 最新刊へ
1~7件目 / 7件
  • ラヴクラフト全集1
    770円 (税込)
    20世紀アメリカが生んだ鬼才、幻想と怪奇の作家、ラヴクラフト。彼の想像力の産物であり彼自ら病的なまでに憑かれていたクトゥルフ神話が怪しく息づく代表作「インスマウスの影」と「闇に囁くもの」。デラポーア家の血筋にまつわる恐るべき秘密を描いた「壁のなかの鼠」、彼の知られざる一面を垣間見せる異色作、ブラックユーモアの「死体安置所にて」の全4編を収録。深遠な大宇宙の魔神の呼び声が、読者を太古の昔から永劫の未来につづく暗黒世界のとりこにすることはまちがいない。
  • ラヴクラフト全集2
    850円 (税込)
    太古の昔、全宇宙を支配していたという邪悪な神々は絶えてしまったわけではない。再びこの世を掌中におさめる時がくるのをいまなお待ちうけているのだ。本書は、悪夢のようなクトゥルフ神話を生んだ鬼才ラヴクラフトの全集第2巻である。宇宙的恐怖にみちた暗黒世界への鍵ともいうべき作品「クトゥルフの呼び声」そして「エーリッヒ・ツァンの音楽」魔神たちの秘密を知った青年を襲う恐るべき出来事を描いた、随一の長編「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」を収録。
  • ラヴクラフト全集3
    880円 (税込)
    幼い頃から天文学に興味をもちつづけたラヴクラフトは、広大な宇宙においては人類の存在など儚いという根本認識のもとに、死後オーガスト・ダーレスによりクトゥルー神話としてまとめられてゆく一連の小説群を執筆した。本巻には、時空を超えて存在する超知性体〈大いなる種族〉の姿を描く、まさにラヴクラフト宇宙観の総決算ともいうべき『時間からの影』をはじめ、アーカムやアブドゥル・アルハザードがはじめて言及される初期の作品から、ロバート・ブロックにささげた最後の作品まで全8編を収める。【収録作】「ダゴン」「家のなかの絵」「無名都市」「潜み棲む恐怖」「アウトサイダー」「戸口にあらわれたもの」「闇をさまようもの」「時間からの影」「資料:履歴書」「作品解題/大瀧啓裕」
  • ラヴクラフト全集4
    699円 (税込)
    南極大陸の奥深く、ヒマラヤすら圧する未知の大山脈が連なる禁断の地に、ミスカトニック大学探検隊が発見したもの、それは地球が誕生してまもないころ他の惑星より飛来し、地上に生命をもたらした〈旧支配者〉の化石と、超太古の記憶を秘めた遺跡の数々だった! やがて一行を狂気と破滅の影が覆ってゆく……。「時間からの影」とならぶラヴクラフト宇宙観の総決算「狂気の山脈にて」をはじめ、中期の傑作「宇宙からの色」「ピックマンのモデル」や、初期の作品「眠りの壁の彼方」など傑作全7編を収録。【収録作】「宇宙からの色」「眠りの壁の彼方」「故アーサー・ジャーミンとその家系に関する事実」「冷気」「彼方より」「ピックマンのモデル」「狂気の山脈にて」「資料:怪奇小説の執筆について」「作品解題/大瀧啓裕」
  • ラヴクラフト全集5
    699円 (税込)
    虚空に黯黒の光芒を放つ巨星ラヴクラフト。本巻には、Uボートの艦長が深海の底でアトランティスに遭遇する「神殿」、医学生のおぞましい企てを描く「死体蘇生者ハーバート・ウェスト」、ニューヨークの貧民街に巣食う邪教のともがらがもたらす「レッド・フックの恐怖」、セイレムの魔女裁判の史実を巧みに取り込んだ「魔女の家の夢」等、クトゥルー神話の母胎とされる全8編を収録した。巻末に資料「ネクロノミコンの歴史」を付す。鬼才の統べる王国に虜囚となった読者は、二度と俗界に立ち返れぬであろう。【収録作】「神殿」「ナイアルラトホテップ」「魔犬」「魔宴」「死体蘇生者ハーバート・ウェスト」「レッド・フックの恐怖」「魔女の家の夢」「ダニッチの怪」「資料:『ネクロノミコン』の歴史」「作品解題/大瀧啓裕」
  • ラヴクラフト全集6
    699円 (税込)
    怪奇小説の世界に壮麗な大伽藍を築いた鬼才ラヴクラフト。本巻には、作者の分身たるランドルフ・カーターを主人公とする一連の作品、および、それと密接に関わる初期のダンセイニ風掌編を収録し、この稀有な作家の軌跡を明らかにする。猫を愛する読者なら快哉を叫ぶ佳編「ウルタールの猫」、神々の姿を窺わんとする賢者の不敵な企てを描く「蕃神」、巨匠が書き残した最大の冒険小説、古典の伝統をふまえた波瀾万丈の「未知なるカダスを夢に求めて」等、全九編は、諸氏の魂を電撃のごとく震撼するであろう。【収録作】「白い帆船」「ウルタールの猫」「蕃神」「セレファイス」「ランドルフ・カーターの陳述」「名状しがたいもの」「銀の鍵」「銀の鍵の門を越えて」「未知なるカダスを夢に求めて」「作品解題/大瀧啓裕」
  • ラヴクラフト全集7
    770円 (税込)
    《クトゥルー神話》の創造主にして二十世紀最高の怪奇小説作家、H・P・ラヴクラフト。その偉業を俯瞰する文庫版全集はここに完結する。本巻には、一万年前に栄華をきわめた都市の誕生から滅亡までを描くダンセイニ風の掌編「サルナスの滅亡」をはじめ、過去を探し求める男の遍歴の物語「イラノンの探求」など十三編を収録。さらに巻末には、初期作品五編に加え、ラヴクラフトが書簡に書きとめた夢を抜粋した「夢書簡」、また資料として創作が中断した断片を収めた。【収録作】「サルナスの滅亡」「イラノンの探求」「木」「北極星」「月の湿原」「緑の草原」「眠りの神」「あの男」「忌み嫌われる家」「霊廟」「ファラオとともに幽閉されて」「恐ろしい老人」「霧の高みの不思議な家」「初期作品」「夢書簡」「資料:断片」「作品解題/大瀧啓裕」

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ラヴクラフト全集4 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    「狂気の山脈にて」が収録されています。

    すっごい言葉数。一つの建造物を表現しきるために2ページ使います。ただそれ以上にやばいのは、さも当然のように造語が飛び出してくるところです。
    調べるほど造語と分かった時の安心感と落胆が同時にくる感覚。

    そして超絶SFホラーの形を取っていて、恐らくこの辺りが色んな映画に影響与えてるなぁって描写が結構あります。宇宙の話が出てくるのに太古の話をしている違和感。それでいて人類の話をしているのに遥かなる時間旅行の話をしている絶望感。

    読む人選びます。マジで、オススメはしません。

    0
    2026年01月01日

    Posted by ブクログ

    久しぶりにラブクラフト全集の続き。これは当たりの巻。

    訳者による解説にも書かれているが、「ピックマンのモデル」以外は、科学的な話というか、分析がキーとなる話になっており、出てくる物質の名前が古いのを除いて、全く現代でも通用するような話ばかりだ。

    名作「インスマウスの影」を彷彿とさせつつ、得体のしれない謎の物質(生物?)の恐怖「宇宙からの色」、何故か体を冷やし続けないといけない「冷気」と、南極に氷漬けになっていた宇宙からの生物をめぐる「狂気の山脈にて」そして超名作で怪談風の「ピックマンのモデル」など、硬い文章ながら、読書なれしていない人でもゆっくり読めば映画のように脳内で映像化されてくるはず。

    3巻が地味な印象だっただけに、この4巻はさらに素晴らしく感じる。ホラーというよりも、SFとして読んでも面白い。

    なお、ラブクラフトの作品は、書き出しは訳がわからないことが多いので、最初の3~4ページは2回位読むのがコツ。本書に収められた作品も例にもれない。

    0
    2015年12月04日

    Posted by ブクログ

     ラヴクラフト全集1巻を読み終わった時、ラヴクラフト氏の作品は、情景を推理小説が如く性格に描いているにもかかわらず、肝心な恐怖をもたらすそのものについては曖昧にしか書かれていないという話の構成であると感じた。つまり、都市伝説のように嘘にきまっているが、もしかして・・・と思わせる一人称的恐怖感があった。
     現在のところ3巻とこの4巻を読み終わったが、その認識を変える必要がある。3巻もそうだが特にこの4巻では、もう個人の幻覚や幻聴として片付けられないほどに、異型の者達を描写しているのである。科学的に判別不能な物質が出てきたり、公式な記録として異世界人らしきものが見つかったと記録されていたりである。
     私の中で、ラヴクラフト氏の作品が、自分の身に振りかかるかもしれない怖い話から、SFホラー小説にシフトしてしまった。拍子抜けした部分もあったが、そもそも1巻から架空の都市が出てきたり、後にクトゥルー神話としてまとめられるということを考えると私の第一印象が間違っていただけのことではある。
     さて、いざ異型の者達を描写するとなるとそのディテールの細かさは驚かされるばかりで、想像力をフル動員して読み進める必要がある。「見たことのないような」とか、「この世のものをは思えない」という表現に逃げること無く書ききっているラヴクラフト氏の表現力は尊敬するしかない。しかも随所に上記の「この世のものと思えないような」と言った様な表現をここぞというところで使うことにより、物語の語り手が人間の手にあまる自体に遭遇しているという事がひしひしと伝わってくる。
     100%フィクションであるとわかりながらも、実際に起こったことのように読みながら感じる。レビューに拍子抜けしたと書いたが、今現在はよりラヴクラフト氏の作品に引き込まれるようになったと思う。

    0
    2013年06月16日

    Posted by ブクログ

    [宇宙からの色]
     今考えると、これってラヴォスかな。「インスマウスの影」なんかと比べるとあまり恐いという気はしない(実体が出てこないからか? 挿し絵は恐いものなあ)。ラヴクラフトの宇宙的恐怖というやつは、恐さという面では実は大したことないのかもしれない。

    [眠りの壁の彼方]
     これはホラーなのかなあ。どちらかというとファンタジーじゃないかという気がする。恐くはないけど、眠っていたときに見たことを、現実では新聞で超新星の爆発として確認するというラストは結構いい。

    [故アーサ・ジャーミンとその家系に関する事実]
     これもあまり恐くはない。まあ最後にちゃんと落としてくれるから、そこのところは安心して読めるけど。それにしてもラヴクラフトの差別意識って強烈だよなあ。

    [冷気]
     ラヴクラフトにしては普通ぽい。でもほかの作家の恐怖小説なんてせいぜいここまでが限度だもんなあ。

    [彼方より]
     映画の方を先に見ていたから、あまり驚きはしなかった。

    [ピックマンのモデル]
     名前は前から知っていた作品。やっと読めたという感じ。ラヴクラフトにしては珍しく一人称。残念ながら期待を越えるものではなかった。

    [狂気の山脈にて]
     これは大作。ラスト近くのショゴスに追いかけられるイメージというのは結構強烈。現在のホラーでこのショゴスからイメージをパクったものって結構多いと思う。レン高原とかもっとほかの作品を読んでいれば、他にも興味深い部分があるんだろうなという気がする。
     執拗に描写される古代都市のイメージを、鬱陶しいと思っちゃうとダメなんですね。
     ふと思ったけど、「トゥームレイダース」のシステムで、この都市を探検するゲームを作ったらすごいことになりそう。

    0
    2025年09月06日

    Posted by ブクログ

    媒介、夢に。身近な場所や未知の地にも現れる恐怖の存在。
    宇宙からの色・・・始まりは隕石。妖しい色彩に浸食されたモノたち。
    眠りの壁の彼方・・・眠りの中に現れる壮絶な風景は記憶か?
    故アーサー・ジャーミンとその家系に関する事実・・・祖先の秘密。
    冷気・・・冷気を求めるあの男の正体は?そして、その死。
    彼方より・・・機械に触発された未知の感覚器官で観た無限の果て。
    ピックマンのモデル・・・画家が描いた醜悪な生き物は実在するのか?
    狂気の山脈にて・・・南極探検隊が到達した未知の山脈で見たモノ。
    資料:怪奇小説の執筆について・・・ラブクラフト自身の考察。
    不可解な存在、憑かれた人々、そして異形の存在。
    観てはいけない。出会ってはいけない。
    でも好奇心に導かれ、行き着く先にあるのは、悍ましい恐怖。
    ホラーに宇宙の未知なる存在を加味した効果が効いた作品、多し。
    「狂気の山脈にて」は長編でラブクラフトらしさ炸裂の作品。
    執筆の1931年頃は飛行機による探検や南極大陸の調査が盛んに
    行われるようになった時期でもあり、まだ未知な場所であったのも
    事実。当時としての情報から、創造豊かに南極探検を描き、
    飛行機や無線をうまく利用して物語を進行しています。
    じわじわと正体を現してくる恐怖感。驚愕の古代建築物への侵入。
    そして、ネクロノミコン!
    冒険&SF&ファンタジー、ホラーが混在しています。
    それにしても、目の無いペンギンは怖いなぁ。

    0
    2020年05月20日

    Posted by ブクログ

     隕石が落ちた農場でじわじわと広がっていく恐ろしい変化を描いた「宇宙からの色」や,いつも部屋を閉め切って強力な冷房をかけている風変わりな医師の正体を描いた「冷気」,そしてラヴクラフト最大の長編作「狂気の山脈にて」などが収められています。ラヴクラフトの怪奇小説は,幽霊や妖怪が出てくるような類のものではなくて,むしろ科学的なアプローチから描かれたSFっぽい感じの作品が多いなと感じていましたが,この『全集4』はまさにSFそのもの。と思ったら訳者あとがきに「科学に比重の置かれた作品を中心に構成した」と書かれていたので,あえて全集の中でも特にSFっぽい巻にしたようです。
     翻訳は相変わらず重厚で,私のように軽く本を読みたいと思う者には大きな壁にぶちあたったように感じられます。しかし苦闘した甲斐はあったように思いました。特に「狂気の山脈にて」は,南極探検の話から数千万年前の文明の話になり,しかもそれを築いた種族が宇宙からやってきたということで時間的にも空間的にもものすごい広がりを持った物語になります。怖いというよりSFとして面白いと思いました。
     今回の全集にもラヴクラフトの書簡が収められていて,これがまた興味深いです。ラヴクラフトは,怪奇小説を書く時は「最大の力点は微妙な暗示に置かれるべきです」と書いていて,なるほどなと思わせます。彼の作品はどれも,恐怖の実体がなかなか姿を現さず,結局最後まで何だったのかわからないこともしばしばで,作品の語り手となる登場人物も「言葉に言い表せない」とか「口にする気も起きない」とか言ってはっきりとは語ってくれないことが多いです。それまでに明らかにされた様々なヒントから,想像力をたくましくしないと何が怖いのかわからないという仕組みで,彼の怪奇小説を読むには彼の説明していることを十分に理解する言語能力と,それを組み立てて空白を補う理性的な想像力が不可欠になります。
     「SFとして面白い」とか言ってる私は,想像力が足りないのかもしれません。

    0
    2011年07月31日

    Posted by ブクログ

    ラヴクラフト全集の中でもクトゥルフ入門者必読の作品が多い。特に「狂気の山脈にて」は旧支配者、ショゴスなどの基本的な設定が示されているので他の作品の理解にも役立つでしょう。
    個人的には「宇宙からの色」が臨場感のある語り口でもっとも恐怖を覚えました。今まで読んだ中ではラヴクラフト作品の中でもかなり上位に位置される作品です。

    0
    2012年02月26日

    Posted by ブクログ

    「狂気の山脈」のみ長編で後は短編ばかり。この長編、南極が舞台ですがラヴクラフトの世界がギュッと詰め込まれたようなお話でした。最後は怒涛の勢いで終わったけど。
    「宇宙からの色」もジワジワと迫ってくる恐怖があって面白かった。

    0
    2024年09月12日

    Posted by ブクログ

    1985年以降購入して読んだが、詳細は覚えていない。
    これまで聞いたことがないような擬音のカタカナ、”ほのめかす”という普段使わない訳、不気味な話には惹きつけられた。
    また読みたい。(2021.9.7)
    ※売却済み

    0
    2021年09月07日

    Posted by ブクログ

    ①宇宙からの色
     荒地を見張る老人が語った、かつてそこに住んでいた家族に起きた悲劇とは――
     非知的生命体による侵略物。映画で例えると『遊星からの物体X』とか『ブロブ』とか。こういう恐怖は時代を問わず通じる。

    ②眠りの壁の彼方
     精神病院に強制入院させられた、殺人を犯した男。二重人格を思わせる発作を起こす男にわたしは興味をひかれ、ある試みを実行すると――
     ラヴクラフトが初めて宇宙的恐怖をテーマにした作品で、確かに、後に生まれる神話に連なる作品の「原型」と思わせる内容。

    ③故アーサー・ジャーミンとその家系に関する事実
     突如、焼身自殺を遂げた学者、アーサー・ジャーミン。彼がそのような暴挙に走った原因とは――
     遺伝をテーマにしたゴシックホラー。ラヴクラフトの当時の状況を踏まえると、こういう作品を書いたのもさもありなん、と言ったところか。

    ④冷気
     どうしてわたしが冷気をそんなにも恐れているのか、って? あんなことを体験すれば、誰だってこうなるさ――
     マッド・サイエンティストによる生きている死者の話。設定を少しいじれば、現代を舞台にしたホラーでも通用しそう。

    ⑤彼方より
     二ヶ月半の時を経て再会した友人は、別人のように醜く痩せさらばえていた。友人が言う「彼方」より来たる存在とは――
     これも「異界への干渉」という点で、後に生まれる神話に連なる作品の「原型」を思わせる内容。

    ⑥ピックマンのモデル
     なぜわたしがピックマンと絶交したのかって? それはな――
     体験者の話を直に聴かされているような会話体の体裁。虚実の境が曖昧にさせるような展開は実話系怪談にも通じる。

    ⑦狂気の山脈にて
     次の南極探検計画を中止させたいために、前責任者が語った、南極での忌まわしい体験とは――
     美しいグロテスクと言うのか、単純なホラーではない所がこの物語の面白さ。ギレルモ・デル・トロ監督が映像化を目指すのもわかる。旧支配者を、未来で冷凍睡眠から目覚めた我々に置き換えれば、その恐怖や悲哀に共感できるだろうか。
     『アウトサイダー』もそうだが、知性ある怪物をただのモンスターとして描写しないのは、ラヴクラフトが最期まで抱いていた「孤独」に由来するものだろうか。

    0
    2020年03月08日

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