H・P・ラヴクラフトのレビュー一覧

  • ラヴクラフト全集3

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    ラヴクラフトの代表である「クトゥルフ神話体系」が恐らく全集の3巻に集約されていると思われます。
    ただ、ラヴクラフトにはパターンがあります。不気味さを出すための工夫ではあるんですが、このパターンがとてもわかりにくくしているので、要注意です。以下の3つにパターン分けします。

    1.副詞の多用と唐突な自動詞。
    →「名状し難い」などから始まる、修飾語やら副詞、形容詞の乱発が始まったら、固有名だけ見つけて読み飛ばしても大丈夫です。ただし、唐突に自動詞で終わったら、いったん読み返すのもありです。完了系は重要な要素である場合がほとんどです。
    2.クトゥルフ神話に代表される名称は眷族が言う
    →明確にアザトース

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    2025年11月29日
  • ラヴクラフト全集2

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    再読。
    個人的には全集で一番好き。SFホラーなんだけど、気付いたら異世界にいて、現世に戻るために四苦八苦する「ラヴクラフト版きさらぎ駅」みたいな話が入っています。

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    2025年11月27日
  • ラヴクラフト全集1

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    再読。
    インスマスの影に始まり、ラヴクラフトの名作と言わしめたストーリーが詰められています。
    ここら辺の訳者がなかなか癖があり、読む人を選ぶとは思いますが、個人的にはよどみなく読めました。

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    2025年11月25日
  • インスマスの影―クトゥルー神話傑作選―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ずっと読みたいと思いつつも、読んでいなかったラヴクラフト作品。
    面白かった。
    訳文も良かった。

    幽霊やお化けが出て来るようなホラーは苦手だけれども、怪奇小説は面白い。
    これが映像や漫画だったら、きっと見ないし読まないだろう。
    小説だからこそ、存分に楽しめるのだ。

    『異次元の色彩』
    クトゥルー神話の始まりとも呼べるような作品(だと個人的には思っている)。
    太陽系よりもっと遠い宇宙からやって来た神々。
    それは人間の文化や文明とはまったく違う感覚を有していて、何より人間がちっぽけでもろくて何の役にも立たないような存在であることを知らしめる。
    神々を前にした時、人間には太刀打ちなど出来ないのだ。

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    2025年09月03日
  • 狂気の山脈にて―クトゥルー神話傑作選―(新潮文庫)

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    怪奇小説を語るなら欠かせないだろう、というのとボクの嗜好で、読もうとうずうずしてたけどようやく読めた
    表題作の「狂気の山脈にて」は言わずもがな、他の収録作もクトゥルー神話ならではの不気味さと深遠さを感じさせられた

    TRPGとかで見知ってたし、こんな感じの体系をなしたファンタジー大好きだから調べていたりもしたから、読んでて「こいつらってこうだったのか」みたいな気づきも得たりして楽しかった
    次作の『アウトサイダー』と前作の『インスマスの影』も読みたい

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    2025年01月02日
  • インスマスの影―クトゥルー神話傑作選―(新潮文庫)

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    深い恐怖と興味の入り混じった作品でした。
    特徴的なホラー要素が詰まった物語に、一瞬で異様な世界へと引き込まれます。

    登場する街は全て、その描写からして非常に不気味で異様な雰囲気を漂わせています。廃墟となった建物や奇妙な住民たちの描写を通じて、常に一貫した不安感を与えられました。特に、町の住民が人間ではない何かに変わりつつあるという事実が明らかになる場面が恐怖の頂点です。

    また、文体と想像力にも魅力を感じます。
    非常に細かい情景描写に、まるでその場にいるかのような感覚を味わえました。クトゥルフ神話の一端が垣間見え、インスマスの秘密が明らかになるにつれて、未知の恐怖に対する好奇心が止まらなくな

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    2024年07月21日
  • 狂気の山脈にて―クトゥルー神話傑作選―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    「ダゴン」のラスト
    私の初読は、文庫の全集(あの黒い有名な表紙)だったので、ダゴンのラストは「窓に」「あの手」があるものだとばかり思っていた。
    しかし、久しぶりに令和の時代に発行されたこちらの訳をなんとなしに、再読の記憶をたどりながら、本当に何となく、読んでいたら、ラストに、「窓へ!」と来たもんだから、「(これ投身エンドか!?)」と、気付いてしまったときの鳥肌と言ったら、計り知れない恐怖、二度と味わえない面食らい、こっちが放り投げられたような気分。
    調べてみたら海外でも読み取り方はそれぞれのようで、ラヴクラフトにやられたと嬉しくなる。ダゴン沼である。
    ちなみに「ダゴン」は海外で短いゲームとして

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    2023年11月02日
  • インスマスの影―クトゥルー神話傑作選―(新潮文庫)

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    ラブクラフトは初体験だが、翻訳ものの小説でここまで一気に読めたのは久しぶりという気がする。何かが起こりそうな予感が濃密な書きぶりに惚れ惚れする。

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    2023年03月26日
  • インスマスの影―クトゥルー神話傑作選―(新潮文庫)

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    クトゥルーやラブクラフトの名前は知ってるけど、よく知らないという状態で挑戦。
    これは面白い!
    化物じみた「名状しがたい」あれやこれやが出てくるのも面白いが、その前のじわじわじわじわやってくる心理的恐怖、雰囲気や舞台設定がたまらなくいい…!
    怖いけど、気になる。でも見てしまうと、アワワワワ…。
    日本の湿度満点なジャパニーズホラーに通じるところがあるのかも?
    何度か他の本で読んでいますが、南條先生の訳も変わらず読みやすくていいですね。

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    2022年09月21日
  • インスマスの影―クトゥルー神話傑作選―(新潮文庫)

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     初出1920-1936年のラヴクラフト短編小説を集めたもの。昨年読んだ『狂気の山脈にて』と同じく新潮文庫版「クトゥルー神話傑作選」。
     ラヴクラフトの文章はどこか変で、つながりが悪く、明らかにおかしな箇所もあったがそれは原文のせいか翻訳のせいか分からない。いずれにせよ悪文に属する文体だろう。読みにくいし、エンタメ系小説ではこんにちのものならことさらそうであるように、登場人物たち相互の会話で話がどんどん進んでいくのが定石なのに、ラヴクラフトにおいては、人物同士の会話が極度に少ないか、あるいは皆無である。その分、叙事的な文体なのだと受け止められる。
     悪文にもかかわらず、本書中の作品には、「ホラ

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    2022年01月05日
  • ラヴクラフト全集6

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    なんか、スッカスッカの脳内空間に
    薬液付けた指をソロリソロリとねじ込まれていく感じだ
    しかも抵抗出来ない。
    堪能せよ、無限地獄を。

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    2021年07月03日
  • ラヴクラフト全集1

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    ネタバレ

    ①インスマスの影
    好奇心から怪奇な伝承が伝わる街を訪れてみたわたしは、そこで恐ろしい話を聞かされて――。
    終盤で回収される伏線とメリーバッドなエンドに、普通のホラーにはない哀愁を感じた。異形を単なる敵やモンスターとして描写しない点がラヴクラフトらしさ。

    ②壁の中の鼠
    かつて陰惨な事件が起きた館を引き取り改修した、その犯人の子孫に当たるわたし。飼い猫がしきりに壁の奥を気にすることから、息子の友人らと共に探索に出かけると――。
    這い寄る混沌の名が出ることから、これも神話の一端になるのか。終盤、流れで一気に読み終えると、その不条理な結末に二度読みしてしまった。

    ③死体安置所にて
    葬儀屋だった男が

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    2020年02月23日
  • インスマスの影―クトゥルー神話傑作選―(新潮文庫)

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    掘り出し物。
    ラブクラフトは読んでみたかった作家だった。
    すべてクトゥルーに関する恐怖小説。
    怖い、すごい、忘れられない。
    この本を読む時は、グーグルで航空地図を見ながら読むことを進める。
    特に「インスマスの影」はマサチューセッツの地図でグロテスクな海岸沿いを見ながら読むと恐怖が倍増する。

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    2019年08月17日
  • ラヴクラフト全集1

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    クトゥルーつながりで本家に立ち返る。
    独特な言葉運びで執拗に描かれる不気味さ。やっぱりラヴクラフトは偏執的で不気味で面白い。「インスマウスの影」が最高です。また、夢にでてきそう。

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    2019年05月11日
  • ラヴクラフト全集1

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    元々彼の人のことはTRPGの方で知ったのだが、元を知るとやはり人気になるだけの魅力があるのだと思った。
    散々ひどい文章だと本を勧めてくれた知人には言われたものの、余程の悪文なのだろうと開いてみればまったく読みやすいではないか(とはいえ、あくまでも想像よりかなり良かっただけであって、多少引っかかる部分がないわけではなかった)。
    罪と罰やレ・ミゼラブルなどのすぐれた小説を初めて読んだ時のように、ひたすらに貪り読んだのを今でも昨日のことのように覚えている。当時のわたしにとって、ラヴクラフトの書く物語はてんで未知の世界だったので余計に。
    成長した今改めて読むと、当時ほどの感動はなくなっているもののやは

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    2018年07月05日
  • ラヴクラフト全集2

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    元となった「ラヴクラフト傑作集2」は、
    ボロボロになるまで読み込んでいました。
    なのでこの本は再読の再読。
    ・クトゥルフの呼び声
    大伯父の残したものを調べることで、
    知ってしまった宇宙からきた恐怖の神々の存在。
    未知なる名状しがたきものから追われる恐怖!
    ・エーリッヒ・ツァンの音楽
    禁断の曲を奏でたことの悲劇か?
    それとも、その演奏を未知なるものに愛でられたのか?
    ・チャールズ・ウォードの奇怪な事件
    不可思議なる先祖を調べることにより、
    後戻りできない運命となる青年と、救おうとする医師。
    クライマックスの対決は息をのむ!

    作者の創造力が毒々しく花開く作品集です。
    風景や人物の描写の素晴らしさ

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    2017年12月04日
  • ラヴクラフト全集4

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    久しぶりにラブクラフト全集の続き。これは当たりの巻。

    訳者による解説にも書かれているが、「ピックマンのモデル」以外は、科学的な話というか、分析がキーとなる話になっており、出てくる物質の名前が古いのを除いて、全く現代でも通用するような話ばかりだ。

    名作「インスマウスの影」を彷彿とさせつつ、得体のしれない謎の物質(生物?)の恐怖「宇宙からの色」、何故か体を冷やし続けないといけない「冷気」と、南極に氷漬けになっていた宇宙からの生物をめぐる「狂気の山脈にて」そして超名作で怪談風の「ピックマンのモデル」など、硬い文章ながら、読書なれしていない人でもゆっくり読めば映画のように脳内で映像化されてくるはず

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    2015年12月04日
  • ラヴクラフト全集2

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    ネタバレ

    『肉体器官の作用が極度に均衡を失って…』『見る者をして、部屋の隅々から妖気の立ち昇る思いを感じさせるのだった』だの持ってまわった小難しい言い回しが多いのが著者(翻訳?)の特徴。おかげで「古風」で「変に不気味」で「妙なシズル感」がある文章。
    その上長編でサラッと読むめない、序盤で何となくオチの予想が付く。けれど何回も読み返してしまう「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」。
    特に後半のドロンドロンな展開が同じく後半の主人公であるウォレット医師の勇気と行動によって思わず読み進めてしまう展開にしているのがなんかいい。

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    2014年12月06日
  • ラヴクラフト全集2

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    クトゥルフの呼び声の壮大な宇宙観に、悪夢でたまに感じる、あの全身が総毛立つようなゾッとする根源的な恐怖心が蘇ってきた。

    ラヴクラフトの一人称で淡々と語り続ける作風が好きだ。神秘学や黒魔術に彩られた重厚な宇宙的ゴシック小説。

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    2018年12月17日
  • ラヴクラフト全集1

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    一時期、クトゥルフTRPGのリプレイや動画を観るのにハマっていた。それから念願の著作を読む機会を得た。
    常々思ってはいたが、宇宙的恐怖はキリスト教文化に効く表現で日本人には理解しづらいのではないかという印象。ただそれでも日本で根強い人気があるのは、狂気が伝わる表現や未知のものへの好奇心なのだろうか。私はその点で薄気味悪い和製ホラーや海外のパニック恐怖よりも引き込まれて好みである。

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    2014年05月08日