【感想・ネタバレ】ラヴクラフト全集5のレビュー

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Posted by ブクログ 2013年08月02日

 あとがきに書いてあるとおり本作は後にダーレスがクトゥルー神話作る際に大いに参考にしたと思われる作品を集めたものとなっている。面白いのは、冒頭そのように書き始めたのにもかかわらず本書のあとがきの主題は「ラヴクラフトの作品とクトゥルー神話との相違点」であるという点だ。
 ラヴクラフトの作品のみを愛し、...続きを読むクトゥルー神話は否定的な人が少なからずいる。本書のあとがきを読めば理由がわかるはずだ。
 本作品集には、下手に首を突っ込んでえらい目に合うという話が非常に多い、相変わらず緻密な情景描写でありながらも肝心な異世界のもの達に関しては曖昧としてうまく表現できないという手法で書かれている。
 とはいえ、「インスマウスの影」などに見られるように、見えそうで結局断片しか見えなかったという想像するしか無い恐怖と比べると、はっきりと詳細を書いてしまっている。その分読みやすくなっているとも言える。
 ラヴクラフトの作品は「読んでみたけども意味がわからなかった」というのが私の感想であり、作品の最大の面白さであると思う。今のところラヴクラフト全集1~5巻まで読んだが、その点に関してはぶれていない。

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Posted by ブクログ 2011年07月19日

ホラー小説家ハワード・フィリップス・ラヴクラフトは73年前の1937年3月15日に死んだ。本来的には、恐怖というものは民族(俗)特有の原基に依存せざるを得ない訳ですが、つまり

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年01月01日

これまでの巻でも時折登場したが、今作では"ネクロノミコン"が頻繁に登場し、巻末に"ネクロノミコンの歴史"があるが、読みずらい笑

"死体蘇生者ハーバード・ウェスト"は珍しく連載だったようで、話が切り替わるごとに前回のあらすじが展開される。
...続きを読むやはり後半の、"魔女の家の夢"と"ダニッチの怪"は臨場感があって面白かった。
"魔女の家の夢"では、主人公がおかしなことに直面しても、きっとこれはこうゆうことだろうと自分自身に適当な理由を言い聞かせることが多々あり、無理があるだろう笑と思いつつ、眠る度に異常さが増していくのが面白い。が、落ちはもう一声と言いたい。
"ダニッチの怪"では、怪物が猛威を振るいだして住民が怯え出すところからは怪物退治ものとして面白かった。落ちも良かった。

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Posted by ブクログ 2017年04月25日

どんなのだろう、と手にとったけどこんなの映画でいろいろみてきたなあ、という感覚にとらわれました。それだけ数々の作品に影響を与えているんですね。映像がありありと目に浮かんできます。不思議な世界に浸れました。

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Posted by ブクログ 2022年05月30日

 この巻にはクトゥルー神話の「体系」が形成される以前の、萌芽のような作品が集められるということらしい。
 相変わらず会話文がほとんど無い上に地の文も妙に読みづらいラヴクラフトの書法だが、印象的な作品が2つはあった。
「死体蘇生者ハーバート・ウエスト」(1922)は、確かに以前スカパーで見た映画の原作...続きを読むだ。何という映画だったかは忘れた。ホラー小説として優れたストーリーではあるが、雑誌連載であったためか、後続の章でまえの章の内容がくどく反復される箇所が沢山あって少々呆れてしまった。これが無ければ傑出した短編と思う。
「ダニッチの怪」(1929)は新潮文庫版の「新訳」アンソロジーにも収められており、記憶によく残っている印象の濃い優れたホラー。
 本書を通して例の架空の本、アブドゥル・アルハザード著『ネクロノミコン』が何度も言及される。ラヴクラフトはよほどこれが気に入っていたらしい。このような複数作品を渡り歩く要素は体系というより執着的なライトモティーフのように思える。手塚治虫のマンガで同一の人物(ヒゲオヤジ、ロック等)がたびたび起用される俳優であるかのように、異なる作品で再登場してくるシステムにも似ている。
 そのように反復された執着が積もりに積もって、ラヴクラフトは晩年に至ってクトゥルー神話と呼ばれる「体系」に近いようなものを記述するのだが、私はその「体系」の内容には興味は無いものの、強迫的に反復されるイメージへの固執が循環し続ける、心的システムのありようには惹き付けられるものがある。

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Posted by ブクログ 2021年09月07日

1985年以降購入して読んだが、詳細は覚えていない。
これまで聞いたことがないような擬音のカタカナ、”ほのめかす”という普段使わない訳、不気味な話には惹きつけられた。
また読みたい。(2021.9.7)
※売却済み

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Posted by ブクログ 2016年04月18日

科学系の話がほとんどだった第4集人は打って変わって、悪魔や呪いの話でまとめた第5集。最後についてくる「ネクロノミコンの歴史」が表すとおり、ネクロノミコン絡みの話で統一されているとも言える。

「ネクロノミコン」に絡む部分を除き、全体にゴシック・ホラーや霊的カラーの強い1冊なため、「恐怖におののいた」...続きを読むと書かれていても、なんとなく漠然とした印象を受ける短編が多い。

その中において、何らかの薬剤をフレッシュな死体に注入することでゾンビ化させる「ハーバート・ウエスト」はかなり新鮮に見える。ゾンビ映画を髣髴とさせる幕切れも良いのだが、解説的には「凡作」なのね。うん。

また、ラブクラフトを読むには避けて通れない「ナイアーラトテップ」が出現するので、ファンにはたまらないのだろうけど、これもぼんやりしてるんだよなあ。

そこへ来て、山羊顔の怪人ウィルバーという、古典悪魔風の男が出てくる「ダニッチの怪」のオチで、とうとうクトゥルーが再出現してくるのが、この本のクライマックスだと思うのだが、裏表紙を始め、本書の大体の解説において「ダニッチの怪」に触れられていないのは何でじゃ?

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