高見浩のレビュー一覧
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購入済み
クラリスはどうなってしまうのだろう、クラリスにはあまり酷い運命を突き付けないでほしい。
レクター博士もまたどうなるのだろう。逃げきれるのか、捕まるとしたら誰に?
ハラハラしながら読みましたが、ラストだけは想定外で、ワンダーランドに入ったようなふしぎな感覚でした。
このラストはずるいぞと思いながら、なんだかほっとしたり、安堵する自分がいました。
本当のクラリスはどこにいるのか?
目覚めているのか?
クラリスとレクター博士の生涯が尽きるまでに、まだ何が起こるかわかりませんが、私もバーニーのように詮索せず、本を閉じます。
「知りすぎないほうが」ですね。 -
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羊たちの沈黙、レッドドラゴンと読んできて、
さぁ待ちに待ったハンニバル。ようやくレクター博士が主役の本編にたどり着いた感じだ。
前作で盛大に脱獄したレクター博士は、別人になりすまして優雅な逃亡生活を送っている。猟奇的殺人を犯しながら。FBI捜査官クラリス・スターリングに手紙を送るレクター博士。愛情なのか支配なのか、殺して食べたいのか。その真意は何なのか。
スターリングと対峙する時が迫って来る。
復讐に燃えるメイスンもかなり不気味で残虐だ。怖さを引き立てる。
この順番で読んで正解だった。レクター博士とスターリングの過去の関わりを理解できるからだ。そして私もレクター博士が好きなのだと気づく。
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Posted by ブクログ
ホット・ゾーン
エボラ・ウイルス制圧に命を懸けた人々
著:リチャード・プレストン
訳:高見 浩
ハヤカワ文庫 NF559
恐怖、それもこれから起こるかもしれない恐怖です。
致死率10%~90%といわれるエボラ・ウィルス群を扱うノンフィクション
ごめんなさい、小説として読んでいる方、ネタばれになっています。
本書の構成は大きく3つです
①エボラウィルスの概要
BSL-4:BioSafety Level4
有効な治療方法も、ワクチンもなく、致死率が非常に高い病原体を扱う設備をいう
BSL-4の中でも、エボラは極めて危険なウィルスである
現在では、2018に発生したコンゴのアウトブレー -
Posted by ブクログ
ネタバレとても面白かった。
上下巻を一気読み。
サイコパスの代名詞、レクター博士はやっぱり凄かった。
FBI捜査官訓練生のクラリスが、刑務所に収監中の狂人サイコパスのレクター博士との面会から連続猟奇的殺人の犯人像に迫っていく。
とにかくレクターの狂人ぶりが、エグすぎる。
精神科医でありながら、患者を何人も殺害し、独房に収監されている。隙を見せた看護師の顔を噛みちぎったり、置き忘れのボールペンを使い刑務官を襲ったりと、危険極まりない。
脱獄のやり口には、驚くばかりだ。
でも魅力的で憎めない。信用したくなる不思議なキャラだ。
一方、クラリスは優秀な訓練生だが、派手さの無い田舎出の女性。何故かレクター -
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ヘミングウェイの集大成ともいえる作品。2冊目にこの本を選んだのは順序的におかしいかもなと思ったけど、多分これから著書を読むにあたって理解の補助になるだろうと思い、むしろプラスになるのではないかと思ってみたりする。
やはりヘミングウェイの書く文章は明快で生き生きとしていて、さも自分自身がその世界に入り込んでいるかのように感じられて好きだ。もしかしたらリラでのエヴァン・シップマンのトルストイのくだりにあるように、翻訳者の手腕も一因としてあるのかもしれないが...。
この本を通じてエズラ・パウンドやスコット・フィッツジェラルドなどの著書も読んでみたいなと思ったし、リラにも行ってみたいと思った。私のや -
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ネタバレレストン事件で封じ込めが成功したから人的被害がなくて済んだのかもしれない
失敗してたら感染が広がるうちに、マールブルクウイルスや人に害を与えるエボラウイルスのような凶悪なウイルスに変異していたかもしれない
コロナウイルスがどんどん変異しているように
レストン事件だけに限らず、未知の恐ろしいウイルスに立ち向かってくれた人達に感謝しかない
解説に書いてあった、エボラウイルスよりコロナウイルスの方が人を殺しているという部分、エボラウイルスより、他の凶悪なウイルスより致死率が低いから、症状が軽いからと甘く考えてはダメだなと思った
今、感染者が減りつつあるとはいえ、自分に出来る予防策はしっかりしておこ -
Posted by ブクログ
ナショナル・ジオグラフィックが完全ドラマ化した『ホット・ゾーン』の原著。
1989年。アメリカの首都ワシントンD.C.にほど近いヴァージニア州レストンの研究施設で、フィリピンから輸入されたカニクイザルが大量死した。USAMRIID(アメリカ陸軍感染症医学研究所)は、その死因が当時は致死率90%と言われた「エボラ出血熱」であることを突き止める。1970年代に中央アフリカで発見されたエボラウイルスによる感染症「エボラ出血熱」が初めてアメリカ本土で確認され、専門家たちが戦慄したレストン事件。
ナラティヴ・ノンフィクションの醍醐味を存分に楽しめる一冊。翻訳も解説も文句なし。これだからハヤカワノンフィ -
Posted by ブクログ
ネタバレ息を詰めて、怖すぎるのに読むのをやめられない、すごい本でした。美しいアフリカの風景を絵画のような描写で綴る同じテンションで不幸な感染症患者の凄惨な末路を淡々と描いている、これがとても恐ろしい。想像上の話ではなく、実話であることも怖さに拍車をかけている。実在のウイルスは人の想像のはるか上をいく、獰猛で容赦のないものなのだと思った。
自然破壊の上人間の世界が熱帯雨林の奥深くまで侵入してしまったことが、未知のウイルスが出現した理由ではないかとされているが、増えすぎて悪さばかりするようになった人類に対し、地球の免疫システムが作動して殺人ウイルスが出現しているのではないかという感慨には同意しかない。