高見浩のレビュー一覧
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「毎日が新しい日だ。運が向けばいうことはない」という言葉が特に印象に残った。
とてもシンプルな言葉なのに、不思議と前向きな力を持っていて、読んでいて心にすっと入ってきた。未来を悲観しすぎず、その日その日を生きていくことの大切さを感じさせられる、素敵な言葉だと思った。
物語全体を通して、海の描写がとても美しかった。
静かに広がる海や、空一面に広がる星空の情景が丁寧に描かれていて、読んでいると心が少しずつほぐれていくような感覚があった。一つ一つの文章が詩のようで、派手な表現ではないのに深く心に残る。自分自身もその海の上にいて、同じ景色を眺めているような気持ちになれた。
終盤、老人がサメの群れと -
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作家ヘミングウェイが若き頃、1920年代に過ごしたパリの様子を後年書き記したもの。
戦間期の当時のパリでは多方面の才能が集い、『ユリシーズ』のジョイスやピカソとも交流があったとか。
この本のストーリーはそれほど強い印象を受けず、
フィッツジェラルドとの旅の様子などは心地良く読んだが、
色々と思うところが生じたのは、読後にヘミングウェイの生涯について知ったことだった。
(以下、本著とは直接関係ない内容)
ヘミングウェイはパリ生活中から評価を受け、後年ノーベル平和賞を得た、名実ともなう大作家だ。
しかしながら、その生涯は猟銃自殺という非業の形で終えられている。
ネットで簡単に検索した限りの情 -
Posted by ブクログ
【2026年12冊目】
彼は怪物になったのか、それとも最初から怪物だったのだろうか。医学生になったハンニバルは妹のため、そして自分自身のために、復讐を開始する――ハンニバル・レクターの過去後編。
映画を予め観てあったので、下巻の描写はある程度頭の中に浮かんで上巻よりはまだ読みやすかったです。が、日本の要素を取り入れる確固たる理由あったんかな…なんかこうずっと違和感というか、日本である必要あったかなというのが最後までつきまといました。映画観た時も「なんか微妙やな〜」と思いましたが、原作も微妙だとは思ってませんでした、悲しい。
翻訳者代わったのかな?と思ったんですが、「羊たちの沈黙」から変化が -
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新潮の帯には「幻の長編」と書かれているがなんのことはない。出版当時、残念ながら好評を得られなかった作品で、このタイミングまで邦訳がなされていなかっただけである。
第二次大戦直後の敗戦国イタリア(ヴェネチア)を舞台に、戦勝国側でありながらもヴェネチアをこよなく愛する50すぎのアメリカ陸軍大佐キャントウェルと、彼の地の若く美しい伯爵令嬢レナータの恋物語を軸にして、大佐の戦争の傷跡ひいてはこの戦争の悲惨さそのものを語ろうとする。
大佐は心臓を患っており先がもう長くない中、ヴェネチアを訪れる。レナータも大佐の状態を承知しており、今回の逢瀬が最後になるという暗黙の了解のもとで愛を確かめ合う二人。
彼を忘 -
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ネタバレ脚注25 "十九世紀の世界地図では、諸大国の領土を赤(イギリス)、青(フランス)、オレンジ(ポルトガル)、緑(イタリア)、紫(ドイツ)、黄色(ベルギー)の各色で色分けしていた。" p.204
"油のようにねっとりとした波が大儀そうに艦をもち上げては下ろし、細いマストを揺らしている。" p.35
これぞ目の当たりにしたものの描写と思える。想像では、こうはいかない。
" この黒人たちが緩慢な死をとげつつあるのは、ひと目でわかった。彼らは敵でもなければ犯罪者でもなく、もはやこの世の者でもない――病いと飢えにからみとられ、緑がかった薄暗闇のなかに