高見浩のレビュー一覧

  • 老人と海(新潮文庫)

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    84日間の不漁という悪運に見舞われながらも、老人は挫けることなく大海へと小舟を漕ぎ出す。そこで出会った獲物であるカジキマグロとの三日間に渡る死闘を描いた傑作短編。

    登場人物は老人サンチアゴと彼を慕う少年のみで、舞台となるのも小舟の上とどこまでも広がる大海原だけである。それは孤独の証明でありながらも、ヘミングウェイの徹底した描写力によって浮かび上がる大自然の情景は素晴らしく、恐ろしいほどまでに無駄がなく美しい。

    老人の樹齢を重ねた古木のような腕に、潮騒の匂いやしぶきの音。食事のために釣ったマグロやシイラといった赤身魚の引き締まった弾力のある身を、塩やライムを使わずに生のまま食べることによる濃

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    2025年10月30日
  • 老人と海(新潮文庫)

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    一匹の大きな魚と老人の死闘を描いた作品でここまで熱くなれるのが良かった。体は老いていても目だけは老いることなく、戦う目をしている老人の姿がかっこいい。

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    2025年10月09日
  • 老人と海(新潮文庫)

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    150ページほどの物語とは思えない、とても奥行きのある味わい深いお話でした。

    「もうやめよう、罪のことを考えるのは。いまさら手遅れだし、この世には罪のことを考えるのを生業にしている連中もいる。そういう連中に任せよう。」

    この文章がハードボイルドっぽい感じがして好き笑

    自分も考えてもしょうがないことは、そういうことを考えることを仕事にしている人たちに任せて、自分ができることとか考えるべきことを考えていこうと思いました笑

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    2025年10月08日
  • 老人と海(新潮文庫)

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    ヘミングウェイはこの本しか読んだことがありませんが、大好きな物語の一つです。たまに思い出すと、たまらなく読みたくなります。
    主人公のように強く生きていきたいと思います。

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    2025年09月26日
  • 老人と海(新潮文庫)

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    福田恆存訳がとても面白かったので、訳者の違うこちらも読んだ。
    文章が全体的に分かりやすく、句読点の位置なども合わせて読みやすくなっている印象。
    個人的には福田訳の格調高い雰囲気も好きなので、読んでいない方には是非読んでいただきたい。

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    2025年09月23日
  • 老人と海(新潮文庫)

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    老人から見た、カジキとの関係性の二面性が、この物語の魅力的なところだと思った。
    殺すべき相手との白熱したバトルに見える時もあれば、長年連れ添った夫婦の微笑ましい散歩に見えることもあった。

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    2025年09月14日
  • 老人と海(新潮文庫)

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    息を呑むほど美しく、力強い名作中の名作。
    老人と少年、船、小鳥、海、そして魚。ひとりの漁師でありながら、その生き様は我々の心に深く穿たれる碇のよう。

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    2025年09月10日
  • 羊たちの沈黙(下)(新潮文庫)

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    ようやっと読み終わった!

    久しぶりの洋書で地名や人名も馴染みがないのが辛かった、、、他にも文化的に違う所を読み解くのが難しいが、それを文字で読み進める。それが楽しくなってきた。

    最後に今までの捜査を畳み掛けるように終わる怒涛の展開にハラハラしながら読んでいた。
    クラリスとクロフォードが終始カッコよかった。

    あと映画化もされたというがレクター博士がどんな風になっているのか気になった。
    個人的にレクター博士の見えている世界が非常に気になった。彼はどんな思考でどんな世界を見ているのか。クラリスとレクターの縁のような関わりが好きだった。

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    2025年09月07日
  • 老人と海(新潮文庫)

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    また読みたい
    つらいのに心地良いっていう不思議な感覚
    全部好きで中盤が特に好き
    自分の生活に戻ってから何日もこの本のことを思い出してはいろいろ考えていた

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    2025年08月23日
  • 老人と海(新潮文庫)

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    「老人はいつも海を女性ととらえていた。大きな恵みを与えてくれたり、出し惜しみしたりする存在ととらえていた。ときに海が荒れたり邪険に振る舞ったりしても、それは海の本然というものなのだ。海も月の影響を受けるんだろう、人間の女と同じように。老人はそう思っていた。」

    というところが大好きだった。

    あとここも。

    「だが、人間ってやつ、負けるようにはできちゃいない」
    「叩きつぶされることはあっても、負けやせん」

    老人の逞しさに、元気と勇気をもらった。

    直接関係ないが、子育てと仕事との両立でいっぱいいっぱいなとき、この本の老人の孤独な戦いに、自分の育児を重ね合わせて元気もらった!(笑)

    だからぴ

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    2025年08月22日
  • 闇の奥(新潮文庫)

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    大自然の雄大さと人間の心の闇を世界に曝け出した問題作。

    世は植民地時代、主人公が血生臭い経験をしながら、アフリカ大陸奥地にある貿易会社の拠点に赴くと悍ましい光景が広がっていた。

    おおまかなあらすじはこの小説に辿り着いた読書人なら誰でも知っているかもしれない。
    しかし、その中の一定層は、この手の小説に冷ややかな視線を向けるのではないだろうか。

    「そういう重たい話は現実世界で十分だ」
    「読んでいて疲れるのにはうんざりしている」

    私はこのような気持ちから、発売直後に購入したにも関わらず、約三年もの間積読していた。

    重い腰を上げたキッカケは些細なものだった。なんとなく近代の海外文学を読みたく

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    2025年07月31日
  • 移動祝祭日

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    ネタバレ

    これは面白かった。想像していたより読みやすかった。

    若き頃のヘミングウェイの目線をそのまま体感できたようだった。

    個人的には、パルムの僧院に対する感想が自分と似ていて面白かったし、ヘミングウェイがそう感じたなら、自分の感性は正しいんだと少し自信にもなった。

    ヘミングウェイという人物や作品をもっと知った上でこれを読んだら面白いと思う。まだ老人と海しか読んだことのない自分は、この作品を満足に楽しめはしなかったと思うが、それでもお酒を呑んでどこか自由に暮らす姿は痛快さもあった。

    もっと本を読んで、色々なところに旅をしないといけないな。それで何かを得るとかではなく、本気で楽しく幸福を感じる事が

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    2025年07月01日
  • 羊たちの沈黙(下)(新潮文庫)

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    サスペンスの金字塔と言われ未拝読でしたが、佳境に入りクラリスの孤軍奮闘の事件解決やレクター博士の巧みな脱出など一気に読んでしまう魅力ある作品でした。何故今まで読まなかったのだろうと思うほどでした。

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    2025年05月27日
  • 移動祝祭日

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    1921-26年、ヘミングウェイ22-27歳。21年暮に、新妻ハドリーとともに、パリに移住。最初は記者の仕事をもっていたが、その後はフリー。カフェやホテルで小説を書く毎日。
    ガートルード・スタイン、ジェイムズ・ジョイス、エズラ・パウンド、スコット&ゼルダ・フィッツジェラルドとの交遊も詳しく描かれている。ジョイスとパウンドには敬愛の念をもって、スタインとフィッツジェラルドについては感謝しながらも、幻滅の出来事も記している。
    印象的だったのは、シルヴィア・ビーチが経営するシェイクスピア書店。英文の書籍をあつかっていたため、作家たちの交流の場だった。この書店がパリになければ、ヘミングウェイの未来も、

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    2025年05月11日
  • 羊たちの沈黙(上)(新潮文庫)

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    ミステリーの金字塔とは知り読み始めたらレクター博士とFBI訓練生のクラリスの会話が本当に面白く一気に読めました。読まず嫌いをせずに早く読んでいたらと後悔した程の名作でした。

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    2025年05月27日
  • 羊たちの沈黙(上)(新潮文庫)

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    ミステリーの金字塔とは知り読み始めたらレクター博士とFBI訓練生のクラリスの会話が本当に面白く一気に読めました。読まず嫌いをせずに早く読んでいたらと後悔した程の名作でした。

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    2025年05月08日
  • 闇の奥(新潮文庫)

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    会話らしい会話もなく、ストーリーテリングではなく、1人の体験談として語られる植民地の状況。結局異常正常、常識非常識は絶対的なものがあるわけじゃない。本当に語りかけるような文体だからこそ、怖いし、他人事のようにも聞こうと思えば聞けるし。いやでもやっぱりこわい。異文化がではなく人間が。

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    2025年05月04日
  • 移動祝祭日

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    330P

    ヘミングウェイ
    (1899-1961)シカゴ近郊生れ。1918年第1次大戦に赤十字要員として参加、負傷する。1921年より1928年までパリに住み、『われらの時代』『日はまた昇る』『男だけの世界』などを刊行。その後『武器よさらば』、短編「キリマンジャロの雪」などを発表。スペイン内戦、第2次大戦にも従軍記者として参加。1952年『老人と海』を発表、ピューリッツア賞を受賞。1954年、ノーベル文学賞を受賞。1961年、猟銃で自裁。

    移動祝祭日――回想のパリ
    by アーネスト・ヘミングウェイ、福田陸太郎
    「わかってる。ぼくも、コンスタンス・ガーネットの訳を手に入れるまでは、何度も何度も

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    2024年12月19日
  • 闇の奥(新潮文庫)

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    大英帝国の繁栄を担う貿易商社員がコンゴの奥地のジャングルで目にしたものは、誰もが目を背けたくなるのような現実だった。19世紀のヨーロッパの植民地主義は、文明的、人間的に劣後した地域をキリスト教的な理想主義のもとに啓蒙するという高邁な使命によって、貿易利益の独占、資源的搾取を覆い隠すような陳腐なショーであった。クルツというヨーロッパ人を象徴として、人間性の闇、文明人が未開人になり、未開人が文明的になるその皮肉を、陰鬱で明快な表現で書き上げている極めて歴史的価値が高い一冊。ヨーロッパの植民地主義を人文的に一考する上で、欠かせない一冊であろう。

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    2024年11月09日
  • ハンニバル・ライジング(下)(新潮文庫)

    購入済み

    迫力ある作品だったので星5つの評価をつけますが、ハンニバルは私には最後まで謎のままの存在でした。

    単純に捉えれば、感受性の強い戦争孤児だった少年が、妹を殺し、その肉を食べた人物たちへの復讐という理由で殺戮を繰り返すストーリーなのでしょうが、そう簡単には割りきれず、ハンニバルと接する大人たちも皆ハンニバルのふしぎな正体を見極めようと苦悶しているように感じました。

    ミーシャと共にハンニバルは死んで怪物が生まれたという意見。
    紫夫人の「あなたに人を愛する何が残っているの?」という言葉。
    色々印象に残ったシーンはありましたが、

    私には、鳥かごの鳥を放しながら、
    「バルト海はそっちだよ、もう二度と

    #深い #感動する #ダーク

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    2024年08月09日