高見浩のレビュー一覧

  • 羊たちの沈黙(下)(新潮文庫)

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    映画(ハンニバルやレッドドラゴンは何回か観たけど、羊たち〜はいまだに観れていない……)もあってか、「ハンニバル・レクターの物語」という印象が強かったけど、あくまでほんの一部、「クラリス・スターリングの物語」なんだと実感した。

    上巻を読み、そして下巻を読んで、クラリスがさらに好きになった。

    読みながら、クレンドラー、チルトンには腑が煮え繰り返った……。

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    2023年03月25日
  • 闇の奥(新潮文庫)

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    大自然を前に、人間の愚かさを直視したコンラッドでなければ書けない本
    植民地主義時代の価値観がとても丁寧に描かれていたし、マーロウと一緒に冒険している気分にもなれる
    『地獄の黙示録』同様、やっぱりクルツのインパクトは強烈だった

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    2023年02月21日
  • 移動祝祭日

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    序文から心をわしづかみにされた。
    若い頃、ほんのわずかな間、パリに滞在したことがある。帰国後もしばらくの間は、熱にうかされたように、パリでのことを思い返せずにはいられなかったから。

    無駄のない文章と鋭い観察眼で、ヘミングウェイがいた1920年代のパリと、同時代に生きた作家たちの飾らない様子が描かれており、最後まで興味深く読めた。

    この作品はヘミングウェイの死の一年前に完成したそう。その後、猟銃での自死を選んだヘミングウェイ。そんな単純なことではないのかもしれないが、やはり人は死ぬ前に一番幸せだった時のことを思い出さずにはいられないのだろうか…等々、老いることについても考えさせられた。

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    2023年02月11日
  • 闇の奥(新潮文庫)

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    全てを支配できると思い込む人間の傲慢さ
    不可能な事をできると信じ、できなかったら狂い出す人間の滑稽さ

    一見輝かしいことは、多くの人の肉体と精神が犠牲になって生まれているのだと思った。

    人が求めているのは平等ではなく、人よりも上に立つ事なのだと思う。

    地味にクルツの妻がホラー。

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    2022年12月20日
  • 闇の奥(新潮文庫)

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    いわずと知れた地獄の黙示録の元本。出張先の書店で見かけて購入。
    原始の混沌に魅せられてしまった殉教者に魅せられてしまう物語なんだろうか。
    虐殺機関の元ネタなんだろうなー。

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    2023年02月25日
  • 闇の奥(新潮文庫)

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     古典を読まなくなって何年にもなる。十代、二十代の頃は、向学心も強かったためか古典ばかり読んでいたのに、今は新作の追っかけに四苦八苦してそれで済ませている自分がいる。でも古典は、今も時に気になる。未読の古典はずっと心の片隅で消化されることなく遺り、燻り続ける熾火である。

     本作は多くの方とおそらく同様に映画『地獄の黙示録』を契機に知ることになったものだ。コンラッドという作家は冒険小説作家の起源みたいなものである。ぼくはパソコン通信時代<冒険小説フォーラム>に入りびたり、ついにはSYSOP(システム・オペレーターの略でフォーラム運営者を言う)にもなりゆき上なってしまったが、恥ずかしながら冒険小

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    2022年11月18日
  • 闇の奥(新潮文庫)

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    狂気の描き方がほわっとしてるというか、表面的に読めばそこまで気が違ってるようには思えない。わかりにくい、といえばそれまで。この作品にホラーやサイコパスめいたものを期待してはいけない。そこらへんに散らばってる出来事や事実を拾い集めると、胃がもたれるような気味の悪さが浮かんでくるタイプ。じわじわきますね。映画のようなドラマティックさはないものの、多くの謎を残したまま、置いてけぼりにされるので。

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    2022年11月03日
  • 羊たちの沈黙(下)(新潮文庫)

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    ハンニバル•レクターがやはり大変魅力的な作品(魅力的と言ってしまうと俗っぽいが)。
    緊張感、レクター博士に出し抜かれる感覚、そして頭の中に映像が流れ込んでくるような緻密な情景描写。映像化に成功した作品としても頷ける。イイね!

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    2022年09月23日
  • 羊たちの沈黙(上下)合本版(新潮文庫)

    J

    購入済み

    映画のファンだから読んでみた

    良かった!先に映画を観てるのもあって、場面が容易に想像できて楽しめた。

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    2022年04月10日
  • 心を強くする「世界一のメンタル」50のルール

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    7年間パートナーとして共にしたセリーナ・ウィリアムスの元から去る選択、そしてこれからも続くと思っていた大阪なおみからの突然の解任。
    この愛すべき2人の選手との思い出話と共に綴られる言葉たちは力強く、心のトレーニングとなる良本でした。

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    2022年02月24日
  • ハンニバル・ライジング(上)(新潮文庫)

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    ハンニバル・レクターさんが「ハンニバル・カンニバル」になる事情が見えてくる幼少から青年時代のお話。
    とにかく文章の表現が美しい…と思いました。原語で読めばもっと味があるのでしょう。

    ハンニバル少年が影響を受ける日本人の叔母さんである紫夫人の日本人像がリアルな日本人からすると「フジヤマ・ゲイシャ」っぽいのだけど、日本文化への憧憬とリスペクトはきちんと感じられました。
    被爆した広島の禎子さんが血縁だったり、伊達政宗さんぽい人がご先祖だったりは、同じようなことを日本の小説でも外国人キャラに対してやっているのだろうからOK牧場です。
    海外の方にとって日本女性はかく神秘的なものであるのならば、らじ家の

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    2021年12月26日
  • ハンニバル(下)(新潮文庫)

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    ネタバレ

    この物語の最初にクラリスは「理解と共感は違う。その違いを知ることが大人になるということだ。」と言っていたけれど、前作の若い頃からクラリスはレクター博士を「理解」できていて、それが今作の最後では「共感」もできてしまったということなのかな。

    クラリスにとっては父親、レクター博士にとっては妹という心の大きな空洞があって、陰と陽が見事に噛み合ってしまった。もともと最初から自分たちは同族といった「理解」はあっただろうし、才色兼備な女性にありがちなクラリスの表層的な社会的鎧をレクター博士が薬と時間で溶かしてしまって、こういうラストになったのでしょう。

    共通の敵となって殺されたサディストが、食肉加工会社

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    2021年12月18日
  • 羊たちの沈黙(下)(新潮文庫)

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    犯罪部分についてはこの本がこの手の内容では「金字塔」であるからか真新しさは感じない世代なのだけど、ちょっとした文章に深みを感じる作品でした。
    正直言って訳はイマイチだと思うけれどね。

    「羊たちの沈黙」は、クラリスが自分を高める努力を放棄したり、怠惰な暮らしで満足するようになってしまえば忘却されるのだろうけれど、クラリスがクラリスらしく生きていこうと限り、常にその静寂は破られていくのだろうね。

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    2021年12月12日
  • 羊たちの沈黙(上)(新潮文庫)

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    アンソニー・ホプキンスさんのレクター博士のイメージはあるのだけど、お話の内容は全然覚えていないので再読。
    FBI訓練生のクラリスさんの成長が、連続殺人の被害者たちののどに押し込められた蛾の繭のイメージとリンクする感じ。
    今の自分から脱皮することは簡単ではないし、場合によっては脱皮の途中で死んでしまうほど危険なことでもあるけれど、やはり生物にとって物理的だろうが精神的だろうが「脱皮」は成長のために必要であり、潜在的な願望でもあるのだろうな。

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    2021年12月11日
  • 陪審員C-2の情事

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    放火の疑いをかけられた裁判の被告は、乳児の義理の姉である十代の少女だった。陪審員として7名の男女が集められるが、裁判期間中は郊外のモーテルに隔離、名前も伏せられ番号で呼ばれる。陪審員同士の個人的交流も固く禁じられていた。そんな中、老齢の夫を持つ50代のカメラマンC-2は、年下の解剖医と禁断の情事に身を投じていく。被告の運命を握る重責と正義に対する思い、女性としての焦燥や欲望の間で揺れるC-2の運命の歯車が狂い出す…。

    広義のリーガルミステリとしても読めるが、恋愛小説。後半は思わぬ展開。

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    2021年11月12日
  • 移動祝祭日

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    大昔、まだ20代の頃旧訳を買ったが、どうしても一冊読み通せなかった。しかし今回、青山浩の新訳を古本で見つけて読んだら、あっさり読めた。

    冒頭の章、パリのお気に入りのカフェで若き日のヘミングウェイが短編を書くところが好きで、そこだけは昔から、何十回も読んでいる。

    昔読んだ時は、若き日のヘミングウェイに感情移入していたわけだが、今はこの本を書いた年代のヘミングウェイの視点で読む。悲しい。読み通せたのは、そのせいかもしれない。

    スコット・フィッツジェラルドに関してはひどい書きぶりで気の毒になるが、確かに旅先で病まれた話を読むと、まあむべなるかなとも思う。
    だけどリッツ・ホテルのバーで店員にフィ

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    2021年11月07日
  • 移動祝祭日

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    NHKの100分de名著「ヘミングウェイ・スペシャル」に合わせて購入。
    放送終了とほぼ同時に読み終えた。

    予備知識なしでは少し読むのが大変だった。
    フィクションのようでフィクションでない。不思議な回顧録です。

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    2021年10月31日
  • 心を強くする「世界一のメンタル」50のルール

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    著者は誰かの役に立っている時が一番幸せと悟った。とのこと。
    *全ては願い通りには進まないと最初にあきらめておく。これはこの世は自分の力では左右できないことがある。という事実を認めること。自分ができる最善の準備に集中すること。
    *大きな野心と小さな目標。
    *積極的なボディーランゲージで自分をポジティブに導く。
    *フォーカスと集中力。伸ばしたい点にフォーカスして集中して取り組む。それがトレーニング。
    *人からインスピレーションを受けるのは良いが、人真似はやめる。
    *失敗の味を味わっておくと、本番で楽になる。
    *完璧主義を捨てる勇気。
    相手を少し越えればOK。
    *コンフォートゾーンを出て初めて人は成

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    2021年06月20日
  • ハンニバル(下)(新潮文庫)

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    原題 HANNIBAL

    7年の時を経て(作中で)再び回り出す歯車。

    レクターとスターリングは、たぶん二つの隣り合うパズルのピース。認識してるかしてないかの違いはあるけども…というのが最後の第六章「長いスプーン」を読んだ(ショックから立ち直った)後の、行き着いた感想。
    レクターもスターリングも、なぜそうなった?ではなく、もともとそういう〝存在〟だったと考えれば腑に落ちる…かな。

    それにしてもここで長いスプーンとは…天国と地獄、どっちだろ。

    なぜハンニバルという名前にしたかも気になって調べてみた。バアル(嵐と慈雨の神)の恵み、という意味があるみたい。悪(嵐)と善(慈雨)の恵み、としてみると

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    2021年02月13日
  • ハンニバル・ライジング(下)(新潮文庫)

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    映画の脚本がトマス・ハリスだというので観たい気もするけれど、勇気が出ないなぁ。レクター博士の生い立ちは壮絶でありながら文化・教養の素地も幼き頃に習得し、凶暴でありながら気品のある人物になったことがわかる。ただ、辛い生い立ちの有無に関係なくレクター博士は出来上がった気がする。凶暴性の現出は遺伝子とか自分で培えない持って生まれたものなのかなぁと。時間をおいて読み直すと新しい発見がありそうで楽しみ。

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    2021年01月24日