高見浩のレビュー一覧

  • 陪審員C-2の情事

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    放火の疑いをかけられた裁判の被告は、乳児の義理の姉である十代の少女だった。陪審員として7名の男女が集められるが、裁判期間中は郊外のモーテルに隔離、名前も伏せられ番号で呼ばれる。陪審員同士の個人的交流も固く禁じられていた。そんな中、老齢の夫を持つ50代のカメラマンC-2は、年下の解剖医と禁断の情事に身を投じていく。被告の運命を握る重責と正義に対する思い、女性としての焦燥や欲望の間で揺れるC-2の運命の歯車が狂い出す…。

    広義のリーガルミステリとしても読めるが、恋愛小説。後半は思わぬ展開。

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    2021年11月12日
  • 移動祝祭日

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    大昔、まだ20代の頃旧訳を買ったが、どうしても一冊読み通せなかった。しかし今回、青山浩の新訳を古本で見つけて読んだら、あっさり読めた。

    冒頭の章、パリのお気に入りのカフェで若き日のヘミングウェイが短編を書くところが好きで、そこだけは昔から、何十回も読んでいる。

    昔読んだ時は、若き日のヘミングウェイに感情移入していたわけだが、今はこの本を書いた年代のヘミングウェイの視点で読む。悲しい。読み通せたのは、そのせいかもしれない。

    スコット・フィッツジェラルドに関してはひどい書きぶりで気の毒になるが、確かに旅先で病まれた話を読むと、まあむべなるかなとも思う。
    だけどリッツ・ホテルのバーで店員にフィ

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    2021年11月07日
  • 移動祝祭日

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    NHKの100分de名著「ヘミングウェイ・スペシャル」に合わせて購入。
    放送終了とほぼ同時に読み終えた。

    予備知識なしでは少し読むのが大変だった。
    フィクションのようでフィクションでない。不思議な回顧録です。

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    2021年10月31日
  • 心を強くする「世界一のメンタル」50のルール

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    著者は誰かの役に立っている時が一番幸せと悟った。とのこと。
    *全ては願い通りには進まないと最初にあきらめておく。これはこの世は自分の力では左右できないことがある。という事実を認めること。自分ができる最善の準備に集中すること。
    *大きな野心と小さな目標。
    *積極的なボディーランゲージで自分をポジティブに導く。
    *フォーカスと集中力。伸ばしたい点にフォーカスして集中して取り組む。それがトレーニング。
    *人からインスピレーションを受けるのは良いが、人真似はやめる。
    *失敗の味を味わっておくと、本番で楽になる。
    *完璧主義を捨てる勇気。
    相手を少し越えればOK。
    *コンフォートゾーンを出て初めて人は成

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    2021年06月20日
  • ハンニバル(下)(新潮文庫)

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    原題 HANNIBAL

    7年の時を経て(作中で)再び回り出す歯車。

    レクターとスターリングは、たぶん二つの隣り合うパズルのピース。認識してるかしてないかの違いはあるけども…というのが最後の第六章「長いスプーン」を読んだ(ショックから立ち直った)後の、行き着いた感想。
    レクターもスターリングも、なぜそうなった?ではなく、もともとそういう〝存在〟だったと考えれば腑に落ちる…かな。

    それにしてもここで長いスプーンとは…天国と地獄、どっちだろ。

    なぜハンニバルという名前にしたかも気になって調べてみた。バアル(嵐と慈雨の神)の恵み、という意味があるみたい。悪(嵐)と善(慈雨)の恵み、としてみると

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    2021年02月13日
  • ハンニバル・ライジング(下)(新潮文庫)

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    映画の脚本がトマス・ハリスだというので観たい気もするけれど、勇気が出ないなぁ。レクター博士の生い立ちは壮絶でありながら文化・教養の素地も幼き頃に習得し、凶暴でありながら気品のある人物になったことがわかる。ただ、辛い生い立ちの有無に関係なくレクター博士は出来上がった気がする。凶暴性の現出は遺伝子とか自分で培えない持って生まれたものなのかなぁと。時間をおいて読み直すと新しい発見がありそうで楽しみ。

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    2021年01月24日
  • ハンニバル・ライジング(上)(新潮文庫)

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    ネタバレ

    幼い頃から孤独な戦いが始まってた。日本とも所縁があることに驚いた。武士とか刀とか大東亜戦争とか、日本の文化や精神に、作者自身、並々ならぬ興味があるんだろうなぁ。紫夫人の浮世離れした雰囲気には、「日本人ってこんな風に描かれるのか」と驚いたが愛は感じる。レクターの幼少期に触れ、また『レッド・ドラゴン』から読み直したい気持ち。

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    2021年01月14日
  • ホット・ゾーン エボラ・ウイルス制圧に命を懸けた人々

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    いままさに、新型コロナウイルス感染拡大による、史上2度目の緊急事態宣言がなされている。

    この書に描かれているのは、新型コロナウイルスがリアルに鼻風邪に見えてしまうほど凶暴なウイルス、エボラと戦った人たちの話である。

    レストンでエボラが見つかったことは知っていました。ですが、エボラ・レストンに感染した人間が居たにも関わらず、人間の場合は発症しなかったと言うことは知りませんでした。ラッキーでしたね。

    新型コロナウイルスは、エボラの様に凶暴ではありませんが、後遺症が多数の人に見られるなど、まだまだ未知の部分があるウイルスです。早く終息してくれるのを祈念してやみません。

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    2021年01月13日
  • ホット・ゾーン エボラ・ウイルス制圧に命を懸けた人々

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    エボラシリーズというべきか、マールブルグ、エボラ・スーダン、エボラ・ザイール、エボラ・レストンとの知られざる闘いを描いたノンフィクション。人間には無害だが感染力が非常に高いレストンが突然変異をしてザイールのようになってしまったら本当に恐ろしい...。

    レストンでのエボラ制圧作戦はさながら”猿の惑星”とでも言うべき感じでサスペンスフルでした。

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    2020年12月06日
  • 移動祝祭日

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    気軽に読めたしフランス生活とかワインとか興味深かった。
    出版時に物議を醸したであろう内容というのもわかるけど、死後の出発だからどこまで本人は出版物として出すつもりだったのか、出版社が意図的に変更したところやら削ったとこもあるとか無いとかで、本人が仕上げてたらどうだったであろうかと思う。
    ただやっぱり通して読んだ回想としてもベッドでちょっと読むとか、誰か待っている間に読むとかするのにちょうど良い章の長さや口調だったな。

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    2020年12月04日
  • ハンニバル(下)(新潮文庫)

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    ネタバレ

    再読。映画のラストシーンも記憶に鮮明に残っているのにハラハラドキドキ。もう読みたくないほど気持ち悪い場面も多いのに読む手を止められない。おそらくレクター博士のイタリアでの生活や山の中での生活様式が優雅で穏やかだからなのかなぁと。悪人というのは本当に魅力的で、だからこそ本当に危険。またどこかで読み直すであろう作品。

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    2020年11月08日
  • ホット・ゾーン エボラ・ウイルス制圧に命を懸けた人々

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    エボラウイルスの発見から拡散、顛末を描いたノンフィクション。
    作者の圧倒的なインタビューにより、登場人物のリアリティがすごい。
    どんなホラー小説よりも現実的で、怖かった。

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    2020年11月03日
  • 心を強くする「世界一のメンタル」50のルール

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    著者は悲惨な家庭環境で育ったことが、その後の成功に結びつく生き方の原動力になったと思われます。

    すべての人が同じような経験を積むことはできないが、彼が伝えてくれる知識を自分の人生に活かすことはできます。

    好きなことに夢中になる。自分の弱さをさらけ出す。成功を怖がらない。

    心を強くして成功するための50のルールはきっと人生のどこかで役に立ちます。

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    2020年11月03日
  • 心を強くする「世界一のメンタル」50のルール

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    メンタル面だけでは大阪なおみとサーシャの関係も語られていて、テニス経験者として楽しく読むことができた。大きいプレッシャーがかかるアスリートのメンタルを学ぶことができる。

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    2020年09月18日
  • ハンニバル(上)(新潮文庫)

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    レクター博士は冷酷な食人鬼でありながら、冷静で知識教養があり、一人で生きていく力に満ち溢れている。そこがもうどうしようもないほどに魅力的に感じてしまう危険な人物。目を覆いたくなるような描写にうわぁ、と思うのに読むのを止められない。トマス・ハリス大好き!

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    2020年09月18日
  • ホット・ゾーン エボラ・ウイルス制圧に命を懸けた人々

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    ネタバレ

    第一部でモネが徐々に「崩壊」していく描写がリアルで震えた。今までバイオホラーは何本か読んできているが、1番ゾクゾクしたかもしれない。
    ただ第一部は、時系列や場所が飛び飛びなので、少し分かりづらいかもしれない。
    エボラについては聞いたことがあるくらいだったが、これを機に理解を深められて良かった。

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    2020年09月12日
  • 羊たちの沈黙(下)(新潮文庫)

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    前回読んだ後は映画を観たけれど、今回は観たくないないかなぁ。グロテスクなものが観たくないからだけれど、本だとドキドキしてどんどん読めちゃう。レクター博士とクラリスのやり取りは事件関係なく日常生活が怖くなる。選ばれてしまった感というのか、気を抜くと背後にレクター博士が立っていそうな怖さ。社会に出しちゃいけない人が周到に用意し社会に放たれたままという絶望感。怖い。

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    2020年08月21日
  • 移動祝祭日

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    彼の最後の作品。1961年自殺してしまう年に書き上げた。

    最初の結婚(4回もしている!)相手ハドリーとのパリでの思い出をエッセイを越えた芸術論、創作論に表しているもの。

    作品が売れ始める(認められる)までのみずみずしい感性があふれるように書かれてあり、引き込まれてしまう。いかにしてヘミングウエイになったか。

    1921年から1927年までのパリにいる作家達とのやりとりが実名で出てくる。フィッツジェラルドの章など興味津々。

    もちろん創作、誇張し過ぎ部分もあるという。

    そうだろう。思い出は切なくも美しいのだ。
    しかし、翻訳で読んでも文章がいい。やっぱり本当の作家だ。

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    2020年08月19日
  • ハンニバル・ライジング(下)(新潮文庫)

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    悲しい過去だけど、全員がレクターのようになるわけではない。なので、完成されたレクター博士に、どうしたらなるのか、もう少し知りたかった…

    紫とのやり取りは優雅で、知的だったし、あったまいいなーもう!本当に憎めないよ!という点は裏切られておらず、本当に満足だった。

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    2020年08月12日
  • 羊たちの沈黙(上)(新潮文庫)

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    再読のはずなのにドキドキする。レクター博士とクラリス・スターリングのやり取りはウィル・グレアム(レッド・ドラゴン)に対してと同様に二人の共通点を探っているのではないかと思わせるところが怖い。早く下巻を読みたい。

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    2020年08月04日