あらすじ
スティーヴン・キングやアーサー・C・クラークも戦慄した名作ノンフィクション、緊急刊行。 1989年、米国の首都ワシントン近郊の町レストンに、エボラ・ウイルスが突如現れた。致死率90%、人間の脳や内臓を溶かし「崩壊」にいたらしめるエボラ出血熱のパンデミックを阻止すべく、ユーサムリッド(米陸軍伝染病医学研究所)の医療者たちが立ち上がる。感染と隣り合わせの極限状況で、彼らは何を思い、どのように戦ったのか? 未曾有のウイルス禍と制圧作戦の全貌を描いた、世界的ベストセラー。解説/岩田健太郎
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Posted by ブクログ
ここ数年でいちばん怖かった本。
まず冒頭の超絶大物2人による推薦コメントで、すでに不穏な予感がした。おそるおそる本編を読み始めると、意外に文体や描写がよく内容に引き込まれる…………と思ったとたん、早くも第1の犠牲者! 彼がエボラウイルスによって、肉体や精神がどのように変容していくかが、まるで著者が罹患してことがあるかのように、精緻に描写されていく。ひたすら、こわい。32ページ目の飛行機内での肉体崩壊で怖さがピークに達し、いったん読むのを諦める。一時は、このまま古本屋に売ろうかとも考えたが、さすがにそれは情けない。丸一日間をおき、なんとか気合いを入れて、あとは勢いで読み切った。32ページ目よりこわい描写が山ほど出てきたのにはまいったが、それを上回るぐらいおもしろいんだよね。
エボラウイルスをとりまく事実や、後半のメインとなるワシントン近辺での猿への感染はそれ自体がこわいのだが、ノンフィクションとも小説ともつかない形式(著者は「ナラティブ」と呼んでいる)をとることで、事実に即しながらも、バカみたいにこわくておもしろく、しかも扇情的ではないという絶妙なバランスで描ききっているのが、すごい。
確実に、読んだ方がいい。
Posted by ブクログ
ホット・ゾーン
エボラ・ウイルス制圧に命を懸けた人々
著:リチャード・プレストン
訳:高見 浩
ハヤカワ文庫 NF559
恐怖、それもこれから起こるかもしれない恐怖です。
致死率10%~90%といわれるエボラ・ウィルス群を扱うノンフィクション
ごめんなさい、小説として読んでいる方、ネタばれになっています。
本書の構成は大きく3つです
①エボラウィルスの概要
BSL-4:BioSafety Level4
有効な治療方法も、ワクチンもなく、致死率が非常に高い病原体を扱う設備をいう
BSL-4の中でも、エボラは極めて危険なウィルスである
現在では、2018に発生したコンゴのアウトブレーク時にワクチンが使われています
抗体の投与や、抗生物質などの特効薬が知られています
1976年スーダンで発見されてから、2019年まで30回アウトブレークが起きています。
その場所はコンゴからルワンダに至る、キンシャサ・ハイウェイの北側もしくは、周辺で発生しています。
HIVを含めて、受け入れた病院を壊滅させ、村が全滅するほどの猛威を振るいました。致死率は35%~90%です。
ある村の壊滅では、どうもエボラと、HIVとは関係があるのではないかと記載がありました
・フィロウィルス科
マールブルグ・ウィルス 致死率25% 最初に発見された
エボラ・ザイール 致死率90%
エボラ・スーダン 致死率55%
・エボラの症状
感染してからの潜伏期間は4日から一週間。まず頭が痛くなり、吐き気がする
嘔吐物には、赤い粘ついたものが混じり、血を交えたそれは、黒色吐物である
血管中に血栓が生じ、肝臓、腎臓、肺、両手足、頭の中は血栓でつまりつつある
やがて、血管破裂して、動脈血があたりにばらまかれるようになり、死に至る
死後は、死体が変質していく、組織がゼリー状に柔らかくなる
エボラウィルスはたった7種類の異なったタンパク質で構成されている
それは3種までにはある程度、解明されている。しかし、残りの4種については全く未知でありそれらの
構造と機能は謎である
②アメリカモンキセンターでの闘い
・USA バージニア州レストンにあるレストン検疫所のモンキセンターで、フィリピンから輸入された、猿が次々に不可解な病気で死んでいく不可解の事件が発生した
・その謎を解くために、検疫所の職員が、調査を行ったのだが、その結果は恐るべきものであった
・検体をマールブルグ、エボラ・ザイール、エボラー・スーダンの特殊な化合物で検査した
・その結果、モンキーの死因は、なんとエボラ・ザイール株であることが判明した。
・アメリカ陸軍伝染病医学研究所と、CDC アトランタにある疾病対策センタによる対応が始まった
彼ら選択した結論は、モンキーセンターにいるすべてのサルを人間に影響が及ぼす前に、処分することであった。
・こうして、1カ月間、モンキーセンターで猿を処分するための闘いが続けられた。
・万一サルにかまれた場合は、<バブル>と言われる隔離設備に収容され、そこから、CDCの<スラマー>に移される。運が悪ければ、そこからLevel4 の死体置き場である<サブマリン>に送られるのだ。
・感染しているだろうと思われた男は結果陰性であった。彼の尿と血液は、エボラの検査には反応しなかったのだ。
・結果、飼育係などモンキーセンターに勤務していた4名の職員はエボラに感染されていたが、幸いにも発症しなかった、この株は、サルには猛威を振るうのに、人間には何も影響を及ぼさないエボラであったのだ。
しかし同時にこの種は、飛沫感染でも感染ができる種であることが判明した
なぜなら、別室にいて、接触のなかったサルも、エボラに犯され亡くなっていたのだ。そして2つの部屋は空気ダクトでつながれていた。
・こうして、フィロウィルス科にもう一つのエボラ株 エボラ・レストンが加わった
・エボラ・レストンは、エボラ・ザイールとは区別ができないほどにかよっていた。だが、幸いにも、人間には無害なウィルスだった。
③その後
1976年のアウトブレイクなどで、その発生源となったであろう、ウガンダ・ケニア国境にある、エルゴン山のキタム洞窟の調査が行われたが、何もわからなかった
そして、アフリカが発生源であったエボラに、なぜ、フィリピンの猿が感染されていたのかも。
エボラは、すでに、アフリカからアジアへと広まっていたのではないかというのが仮説である。
エボラ・レストンは幸いにも人に対しては発症をしないのであるが、著者は重大な示唆をしている
エボラ・レストンは、空気感染でも、繁殖しうる、たちの悪い株なのだ。
エボラ・レストンが変異して、人類に対して猛威をふるう変株が現れたら、全世界に7日で広がってしまう
そして、最悪のシナリオは、全世界の71億の人類の90%の生命が失われることとなるかもしれないのだ。
目次
本書への賛辞
第一部 エルゴン山の影
第二部 モンキー・ハウス
第三部 制圧
第四部 キタム洞窟
追記 2014年エボラ・アウトブレークに際して
解説/岩田健太郎
ISBN:9784150505592
出版社:早川書房
判型:文庫
ページ数:496ページ
定価:1060円(本体)
2020年05月25日発行
2020年06月10日2刷発行
Posted by ブクログ
本の半分近くをマールブルグやエボラが人間にどれだけ壊滅的なダメージを負わすのかが描かれている。
中央アフリカで始まった奇病、シャルル・モネの崩壊、母体の中で崩壊した嬰児を取り上げたシスター、ドイツでの被害。
ひとたび感染すれば死は免れず、筋肉内臓が溶解して人間スープになって死んでいくという壮絶さ。
後半はそんな危険極まりないウイルスがアメリカのレストンで見つかり、感染を押し止めようとする陸軍とCDCの奮闘と主導権争いがドラマチックに描かれている。
飛行機が世界中に行く今の時代、どこで流行ってもおかしくない
Posted by ブクログ
これ読むとコロナが全然怖くなくる。
ノンフィクションだから全部リアル、こんな世界が現実に起こる可能性はある。
というかコロナがこのレベルなのかと怯えてたなぁと。
だから今ちょっと拍子抜けしている。
サル痘が酷くなるとこうなるのかなぁ…
Posted by ブクログ
レストン事件で封じ込めが成功したから人的被害がなくて済んだのかもしれない
失敗してたら感染が広がるうちに、マールブルクウイルスや人に害を与えるエボラウイルスのような凶悪なウイルスに変異していたかもしれない
コロナウイルスがどんどん変異しているように
レストン事件だけに限らず、未知の恐ろしいウイルスに立ち向かってくれた人達に感謝しかない
解説に書いてあった、エボラウイルスよりコロナウイルスの方が人を殺しているという部分、エボラウイルスより、他の凶悪なウイルスより致死率が低いから、症状が軽いからと甘く考えてはダメだなと思った
今、感染者が減りつつあるとはいえ、自分に出来る予防策はしっかりしておこうと思う
いつ、どんな風に変異するか分からないから
Posted by ブクログ
ナショナル・ジオグラフィックが完全ドラマ化した『ホット・ゾーン』の原著。
1989年。アメリカの首都ワシントンD.C.にほど近いヴァージニア州レストンの研究施設で、フィリピンから輸入されたカニクイザルが大量死した。USAMRIID(アメリカ陸軍感染症医学研究所)は、その死因が当時は致死率90%と言われた「エボラ出血熱」であることを突き止める。1970年代に中央アフリカで発見されたエボラウイルスによる感染症「エボラ出血熱」が初めてアメリカ本土で確認され、専門家たちが戦慄したレストン事件。
ナラティヴ・ノンフィクションの醍醐味を存分に楽しめる一冊。翻訳も解説も文句なし。これだからハヤカワノンフィクション文庫は大好きだぁー
Posted by ブクログ
息を詰めて、怖すぎるのに読むのをやめられない、すごい本でした。美しいアフリカの風景を絵画のような描写で綴る同じテンションで不幸な感染症患者の凄惨な末路を淡々と描いている、これがとても恐ろしい。想像上の話ではなく、実話であることも怖さに拍車をかけている。実在のウイルスは人の想像のはるか上をいく、獰猛で容赦のないものなのだと思った。
自然破壊の上人間の世界が熱帯雨林の奥深くまで侵入してしまったことが、未知のウイルスが出現した理由ではないかとされているが、増えすぎて悪さばかりするようになった人類に対し、地球の免疫システムが作動して殺人ウイルスが出現しているのではないかという感慨には同意しかない。
Posted by ブクログ
ノンフィクションなのに描写が劇的で引き込まれる。感染して数日で人体が文字通り崩壊していく様は想像するだけで恐ろしい。だけどそのために広がる範囲が狭いのだそう。
アフリカの洞窟が発生源としたら、自然と触れることの素晴らしさを今までは想像していたけれど、それ以上にまだまだ人が知らない有象無象の何かが自然の中にはあって、自然は恐ろしいものなのだと考えを改めされられた。
Posted by ブクログ
ノンフィクションの、しかも翻訳だったのに、次に何がどう展開していくのか、ハラハラした気持ちで最後まで読みきってしまった。
感染症に関心が高まっている中で、それに対処する人達がどんな考えで何をしているのか、わずかでも分かったような気になれて良かった。
200726
Posted by ブクログ
単行本が流行ってた時はホラーというかグロっぽいと思って読んでなかったのよね。コロナ騒動もあり、文庫化を機に読んでみた。
いやはや、冒頭やっぱり描写キツいやん、グロいやん、と思ったけど、その点だけで言えばそこがピークであとはエボラ封じ込めの人間ドラマよね。とはいえ防護服に穴が見つかった時の恐怖の描写とかは迫り来るものあり。
Posted by ブクログ
無料で公開されてたのを読んだら、先が気になっちゃって…買ってしまいました。。
前半に紹介される、エボラとマールブルグの犠牲になった数名の記録、ちょうど無料で公開されてた部分がものすごいインパクト。
シチューとかマカロニとかプリンとか、ちょくちょく食べ物に例えられてるのはきついものがあったが…w
日常生活も織り交ぜて描いてあるので感情移入しがち、小説を読んでいるみたい。読んでるこっちは彼が今まさに周囲にウィルスを撒き散らしていることを知っているわけで…
感染した体内で起こっていること。専門的な話を小説にした…というよりも、映画を見てるみたいだったな。
ウィルスが細胞の中に入り、中で極限まで増え、それが最後に膜を破って出芽する……爆発的な数が…。顕微鏡で実際に見ているようだった。
後半はそこまでひどくもなかったが、相手がどんな菌なのかわからない、変化もありえる、そういう意味ではいつも不安と隣り合わせだった。
こんな緊急事態でも…緊急事態なのにCDCとユーサムリッドの覇権争い。おいおい。
HIVなどウィルスの系譜、歴史も面白く読んだ。なんでアフリカ起源なんだろう?ヒトの起源アフリカ説とも何か関係があるのかな?熱帯雨林はアフリカじゃなくてもあるじゃん?
改めて調べてしまった。ウィルスとは?
面白いねぇ。どうして存在するんだろうね? 何かの部品の一部として?存在するんだと思うけど、増殖することが彼らの目的なのに、増殖しすぎて宿主を殺してしまったら自分も増殖できなくなるとか…どういうことなんだよって感じだねw
お産の時に活躍するウィルス的な話をどっかで見たから正しい使われ方(?)をしてれば害はないんだろうね…ウィルスにも私たちにも宿主にも。それが環境が変わって違う宿主に感染しちゃったりすると…って話かな。
そういえば今思ったけど…「一部の界面活性剤がコロナウィルスの膜を破って殺す働きがあるらしい」とかって、どっかで見た気がするんだけど。
ウィルス、細胞膜ないんだよね?w
ある意味生きてさえいない…
どうやって殺すんじゃ???ww
タンパク質分解しちゃうとかかなー?
わからないことだらけよw
追記:
ウィルスは生物なら持ってる膜がないと言ったけど、エンベロープという膜(?)みたいなものがあるようだ。それを壊してバラバラにするのかもね。
DNAかRNAかしか持ってないなんて、本当に何かの部品的だよな。
毎日のようにコロナの画像を見ているのに「ウィルス」といえばあの唯一の紐状、フィロが思い浮かびようになってしまったw
もじゃもじゃ絡まるようにたくさんうじゃうじゃいる様子が…
Posted by ブクログ
捕食者だ。
生き物が病気になり、それを治癒させるのは薬や外科的手術ではない。
病気を治すのは元々ヒトに備わっている様々な免疫系ないしは生の本能、すなわち自己治癒力であって、医療者はそれを促進させる存在に過ぎない。
医療者が自己の万能感や無力感に飲み込まれないために、そして実際、疾病の治療機序はこの自己治癒力に拠るところが大きい。
しかし、このエボラウィルス(フィロウィルスというべきだろうか)はヒトの免疫系を瞬く間に喰い尽くし、「崩壊」させ、さらに感染を拡げるために大量出血という手段で「爆発」させる。
気付かないうちに、或いはほんの少しの油断という間隙を突いて、襲いかかってくる。
そのありようは効率的に、より多く少ない手間で喰いつくしてやろうという意志をもった捕食者のようだ。
この恐るべき捕食者を電子顕微鏡で捉えた写真が挿入されている。p.139/424-425
これらは印刷されたただの写真に過ぎない。
それでも触れたくない。
これに触れれば、爪の間から、目から入り込み、身体の内側からじっくりと、しかしあっという間に喰い尽くされてしまうのではないかと心気的不安に襲われてしまう。
そして、感染症の恐ろしさは気付かぬうちに、市中の汚染は爆発的に拡大し、知人・友人も感染しているのではないか、という心気的な、或いはパラノイアを助長する。
『その顔は能面のように硬直し、体中の孔から血が流れていた。血は檻の下の金属の受け皿にも落下していた・・・・・・ポタッ、ポタッ、ポタッ。』P.359
恐るべきことにこのエボラウィルスとCovid-19には類似点もあるようだ。
もちろん、エボラとコロナでは系統が異なるだろうがしかし、免疫系を深く傷付けるという点では似ているだろう。
だからこそ、HIVやエボラに用いられた薬をCovid-19にも治療薬として類推適用しているのかもしれない。
Covid-19がどこまで予見可能だったのかはわからない。しかし、既にエボラ出血熱の危機に見舞われた際、備えを万全にしておくという知見は得られていたはずだ。
これは欧州のみならず、毎年新しい感染症の流行に見舞われるアジアでは尚更、準備と迅速な対応が必要だったのは間違いない。
『”チャンスは日頃準備を怠らない人間に訪れる”』P.176
残念なことに日本を含めた多くの国でこの準備は不十分だった。
そこで黒死病、天然痘流行の頃と同じ原始的手法をとった。
「逃げる」ことだ。
都市を封鎖し徹底的に接触を避けることで捕食者から逃れようとして、それは成功と失敗と一進一退の戦況だ。
日本の場合、縦割り行政、政策立案者たちの忖度や事なかれ主義、文書の隠蔽といったこの社会の悪しき面が表出してしまった。
米国型のCDCを設立すべき、といった議論もかつて、そして現在唱えられてはいる。
しかし、行政は社会を映す鏡でもあり、形だけ日本版CDCをこしらえてもうまく機能するとは思えない。
特に、平時・危機対応時問わず最前線に赴く高度な教育と訓練を受けた学位取得者、専門職の地位が極めて低いこの社会では尚更だ。
米国でさえ、CDCとUSAMRIIDとの縄張り争い(迅速に妥協できるのが米国)、戦闘行為ではないので消毒作業に危険手当は付かない云々があるのだ。
米国でさえ、だ。
従って、ただこしらえを作るだけでなく、この国の行政から考え直す必要があり、これは20年は必要だし、その間にこの国は衰退しているだろう。
この本でも、新しい感染症の発生と爆発的な拡大に至る原因は地球環境・気候変動、未開地の開拓など、ヒトの生存圏の拡大であるとしている。
グローバルサプライチェーン。
00〜10年代にかけて拡大され、整備されたこの鎖から解き放たれた生産、物流、購買、そして生活を送ることは不可能だった。
しかし、空路・海路・陸路と道を作ったおかげで、ウィルスの移動も容易となった。
それだけでなく、より安価な人件費、より安価な原材料を求め、開発が行われる。
ソフトな帝国主義・重商主義だ。
特に、10年代から中国はとてつもない勢いで交易圏を広げ、特にアフリカの開発は猛烈だ。
そして、世界経済が滞った時、最初に犠牲になるのはアフリカ諸国だ。
80年代から90年代にかけてエボラ出血熱の流行時に村落が消滅したように、現在も生活を失う最初の人はアフリカの人たちだ。
やがて、新興国からOECD加盟国へ伝播して、日本も同じ道を辿る筈だ。
各国で経済水準に違いはあれど、最初に苦しむのは貧困層、社会的弱者になるだろう。
従って、危機にあって連鎖を止めるには、下支えこそが川の上流となるはずだが・・どうだろうか。
エボラはどうやらエボラ川流域、エルゴン山のキタム洞窟まで遡る事ができるようだ。(マールブルクウィルス)
Covid-19は武漢が最初のホットゾーンとなった。
しかし、このウィルスが本当に、真にどこからきたのかはわからない。(2020年6月2日)
動物、哺乳類なのか爬虫類なのか、昆虫だろうか。それとも研究所やマッドサイエンティストからのリークなのだろうか。
根源を辿るハンティングは憶測の域になり、陰謀論にまで逸脱している。
Covid-19がもたらしたのは感染症そのものの症状と死だけでなく分断やパラノイア、心気不安までをもたらしている。
生体の破壊だけでなく、経済や文化芸術、良心といった生活まで破壊されつつある。
相互不信感は人種差別を助長し、行政の横暴とデモ、暴動と略奪に至っている。
この本はSF小説のような物語としての面白さがあるノンフィクションだ。
綿密な取材と科学的裏付けに基づいて書かれている。
だからこそ、もう一度読んで理解する事もできる。
即ち、文化芸術活動としての読書を通じて、書店業・物流業の収入となって、店舗を維持し労働者を幸福にさせる。
もう一度読み、理解を深め、次の準備とするためには生データを収集し、保存し、研究者らが自由に用いる事ができるようにしなければならない。
残念なことに、このCovid-19にあってエビデンスは恣意的に操作され、貴重な生データは破棄されているのかもしれない。
果たしてその行為は国民・人類を守れるのだろうか。
敵は批判者や特定の人種、ましてや己の自己愛を刺激する情報ではない。
捕食者だ。
Posted by ブクログ
いままさに、新型コロナウイルス感染拡大による、史上2度目の緊急事態宣言がなされている。
この書に描かれているのは、新型コロナウイルスがリアルに鼻風邪に見えてしまうほど凶暴なウイルス、エボラと戦った人たちの話である。
レストンでエボラが見つかったことは知っていました。ですが、エボラ・レストンに感染した人間が居たにも関わらず、人間の場合は発症しなかったと言うことは知りませんでした。ラッキーでしたね。
新型コロナウイルスは、エボラの様に凶暴ではありませんが、後遺症が多数の人に見られるなど、まだまだ未知の部分があるウイルスです。早く終息してくれるのを祈念してやみません。
Posted by ブクログ
エボラシリーズというべきか、マールブルグ、エボラ・スーダン、エボラ・ザイール、エボラ・レストンとの知られざる闘いを描いたノンフィクション。人間には無害だが感染力が非常に高いレストンが突然変異をしてザイールのようになってしまったら本当に恐ろしい...。
レストンでのエボラ制圧作戦はさながら”猿の惑星”とでも言うべき感じでサスペンスフルでした。
Posted by ブクログ
エボラウイルスの発見から拡散、顛末を描いたノンフィクション。
作者の圧倒的なインタビューにより、登場人物のリアリティがすごい。
どんなホラー小説よりも現実的で、怖かった。
Posted by ブクログ
第一部でモネが徐々に「崩壊」していく描写がリアルで震えた。今までバイオホラーは何本か読んできているが、1番ゾクゾクしたかもしれない。
ただ第一部は、時系列や場所が飛び飛びなので、少し分かりづらいかもしれない。
エボラについては聞いたことがあるくらいだったが、これを機に理解を深められて良かった。
Posted by ブクログ
無料公開されていた一章を読んだらもう続きが気になって気になって。購入したら一気に読んでしまった。
一級のドキュメンタリーで、同時に素晴らしいヒューマンドラマだ。ウィルスは地球の自浄作用というよくある台詞をこんなに重みを持って受け止めた事はない。
生物一個体の死は自然の中では、どうしようもなく平等だ。いつか訪れる私の死も、ザイールでエボラウィルスに感染し、命を落とした誰かの死も。2つの死を分つものは一体何なのだろう。と考えて、分たれてなどいないのだと気づいた時が1番怖かった。