あらすじ
レクター博士はアメリカに帰還する。執念を燃やす復讐鬼は、クラリスを囮に使って博士をおびき出す計画を整えつつあった。その先には、究極の美食家に対する究極の屈辱となる報復が用意されている。かくして、 “怪物と天使”の運命は凄絶に交錯するときを迎えた……。スティーヴン・キングをして「前作を凌ぎ、『エクソシスト』と並んで20世紀に屹立する傑作」と言わしめた問題作、登場。
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Posted by ブクログ
まさかスターリングがハンニバル博士を助けて、その後、一緒に生活することになるとは考えてもみなかった。
殺人シーンは描写がリアルで恐ろしかった。
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映画、原作、どっちも好きかもしれない。
レクター博士の心を満たせる人は、クラリスだけなのね。
知識、教養全てのレベルが高くて、素晴らしすぎた。
これでレクターの殺人(食人)が治まっているいるのなら、ハッピーエンドなのかもしれないけど、クラリスは最初は薬で操られていたわけで、本人の意思でレクターを選んだのではないから、そこが少しもやもやするけれど、クラリスが目覚めるのでは、と時々確認しているあたり、目覚めてもおかしくないのかもしれない。
レクターはどうせ死ぬならクラリスに殺されてもいいと思っている気もするし、目覚めてほしくないとも思っているのでしょう。
どっちにしろ、博士との日々は優雅で贅沢だなー
ちょっとうらやましい!
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下巻に突入。
寝る間も惜しんでというぐらいの一気読み。
悪役の悪役っぷりがこれまた凄い。映像化を意識した、というよりこれは映像では観たくないでしょ!と反駁を入れるほどのエグさ。映画観なくてよかった・・・としみじみ。
ラスト、意外な展開。美しいから許せるか。
全編にわたり、音楽や絵画などの芸術的なエッセンスに満たされ、ワインの想像だにできないふくよかな香りもするのだがどうしても食欲が削げてしまって。
こういった効果はトマスハリスの狙いだったに違いない。
催眠術にかかったようにうっとりとさせられる場面も。
にしても、吐き気もするが。
Posted by ブクログ
ラストにはビックリした。
安いエロ本のような、なんなのか複雑です。レクター博士がこんな形で落ち着くとは‥。゚(゚^Д^゚)゚。
そしてまとめということなのか、とても残酷な死に方をたくさーん。
しかし秀逸なのはレクター博士は天才だけど、うまい塩梅で天才にさせすぎない加減が絶妙。そこにはまってしまう。
最後まで飽くことなく楽しく読ませていただきました。モデルが気になるー
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映画を先に見ているため、ドレスに身を包んだクラリスの艶姿とレクター博士の息を呑む様シーンが脳裏にフラッシュバック。
想像の幅を狭めるという意味では、小説のメディア化は善し悪しあると言える。
それにしても、音楽に耳を傾け、絵画に目を潤し、人の心に憐れを想い…なんともゆったりとした気分になれる。
Posted by ブクログ
【2025年65冊目】
レクター博士への復讐に燃えるメイスンは、クラリスを囮に博士を誘き出す算段を整えつつあった。そうして捉えた博士を豚に食わせ、その様子を彼自身に観察させる――。一方、クラリスはでっち上げの罪によりFBIを追われかけていた。上司であるクロスフォードは病に伏し、彼女を擁護できるものはいなくなっていく…たった一人、レクター博士を除いて。
映画と原作が少し違うということは織り込み済みで読みましたが、面白かった!レクター博士がプレゼント持ってきたのに捕まった時、残された手紙を見てなんかぐっと来てしまいました。恋じゃねぇか…。
メイスンの最期も映画とは違いましたが、原作準拠にするとそりゃとんでもないことになりますわな、R18どころではない。クレンドラーの脳漿を食べたのはクラリスだったんでしょうか…?
引き続きシリーズを楽しんでいこうと思います。
――
ここまで書いてから、映画の評論みたいなのを読みました。原作の要素を取り入れつつ、原作の重要なシーンを改悪していて、全く別の話になっているという指摘でした。なるほど、だから原作との乖離を感じて違和感があったのか、という納得感。確かに映画では精神的な説明がつかないみたいなシーンが多かった気がします。その分、原作の素晴らしさが際立つわけですが。あと、脳漿は二人で食べてました、やっぱそうだよね!
Posted by ブクログ
面白かった。
「羊たちの沈黙」ではレクター博士がクラリスを癒して、「ハンニバル」ではクラリスがレクター博士を癒して、薬が使われたとはいえ幸せな終わりになった。
FBIにとっては人材的に損失を被ってしまったけれど、評価されずに働いていたクラリスにとってこの結末は幸せなものだったのだろうか?
いずれ洗脳が解けたとき、どちらかは死ぬことになるのか?
ラストのグランドラーのシーンは今までされていた嫌がらせのことを考えてスッキリした。
Posted by ブクログ
独特の緊張感が漂う。サイコスリラーというのかな? レクターという魅力的ではあるもののやはりただの人殺しであるという不思議な気分で読む事に。
そこに見透かされるのか、興味が持続するかどうかという緊張感があり作品独自の面白さがそこにはあったと思う。
Posted by ブクログ
この物語の最初にクラリスは「理解と共感は違う。その違いを知ることが大人になるということだ。」と言っていたけれど、前作の若い頃からクラリスはレクター博士を「理解」できていて、それが今作の最後では「共感」もできてしまったということなのかな。
クラリスにとっては父親、レクター博士にとっては妹という心の大きな空洞があって、陰と陽が見事に噛み合ってしまった。もともと最初から自分たちは同族といった「理解」はあっただろうし、才色兼備な女性にありがちなクラリスの表層的な社会的鎧をレクター博士が薬と時間で溶かしてしまって、こういうラストになったのでしょう。
共通の敵となって殺されたサディストが、食肉加工会社の経営者というところからもクラリスは屠殺される側の恐怖から精神的に救われて、「羊たちの沈黙」は見事に伏線を回収したように思いました。
だから、この物語は『羊たちの沈黙』を読んでから読もう!
Posted by ブクログ
原題 HANNIBAL
7年の時を経て(作中で)再び回り出す歯車。
レクターとスターリングは、たぶん二つの隣り合うパズルのピース。認識してるかしてないかの違いはあるけども…というのが最後の第六章「長いスプーン」を読んだ(ショックから立ち直った)後の、行き着いた感想。
レクターもスターリングも、なぜそうなった?ではなく、もともとそういう〝存在〟だったと考えれば腑に落ちる…かな。
それにしてもここで長いスプーンとは…天国と地獄、どっちだろ。
なぜハンニバルという名前にしたかも気になって調べてみた。バアル(嵐と慈雨の神)の恵み、という意味があるみたい。悪(嵐)と善(慈雨)の恵み、としてみると、二人を象徴してるようで面白い、かな?
Posted by ブクログ
再読。映画のラストシーンも記憶に鮮明に残っているのにハラハラドキドキ。もう読みたくないほど気持ち悪い場面も多いのに読む手を止められない。おそらくレクター博士のイタリアでの生活や山の中での生活様式が優雅で穏やかだからなのかなぁと。悪人というのは本当に魅力的で、だからこそ本当に危険。またどこかで読み直すであろう作品。
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途中やや退屈に感じる場面も多かったものの、レクター博士がメイスンにとらわれてからは怒涛の展開で面白かった。
ただ、結末は映画のほうが好き。
同調して共に歩んでいくことになるのならそれはそれでわかるのだけど、薬を射たれる前までのクラリスはレクター博士とあぁなることを望んでるようには見えなかったので、ちょっと唐突すぎるというか…。
作者がクラリスを気に入ってるんだろうなという感じはするんだけど、あれではクラリスの人格だのなんだのを踏み躙りまくってるのでどう足掻いてもハッピーエンドではない。
そこを狙って書いたのだとしたらあれはあれでいいバッドエンドなのかもしれないけど。
個人的にはマーゴが好きかな。
Posted by ブクログ
感情と生命の飛沫が激しくぶつかり合う先に、何者をも沈黙させる果てない愛の深淵。
ワインとトリュフの濃厚さかと思いきや、夜気に冷やされた絹のような感触。
身体を全て相手に解かれ、眼の底や骨の髄まで感じ合う時間は、見る者にとっては異様ともとれますが、此れ程のまぼろしは愛の極致だと思います。
Posted by ブクログ
クラリスが地道な捜査でレクター博士を追うが、メイスンが横槍を入れて、レクター博士を拉致する。クラリスの突入により、レクター博士は難を逃れ、麻痺したクラリスを催眠療法でいじりつつ、人肉ディナーを行う。ラストは、オペラ観劇をする、レクター博士とクラリスで締め。
メイスンがレクター博士を豚に食べさせようとするくだりは、どこまで本気なんだかと思うが、その後の展開から人肉ディナーのくだりは、ゾッとして良い。
Posted by ブクログ
映画「羊たちの沈黙」からの小説「ハンニバル」。ハンニバルの映画はジョディ・フォスターではない結末が違うらしいけれど、ぜひ見ねばと思わせられた。羊の方の原作も読みたいが、如何せん翻訳が厄介だからな…。
フィレンツェにいた時と違いレクター博士の底深い恐ろしさというものが若干薄れたような気がしないでもない。
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映画のハンニバルも大好きです。原作を読んで映画の脚本家さんはすごいなあと感嘆した思い出。
原作のラストが悪い訳ではないのですが、そのままの内容で映画化したらあそこまでの人気は出なかっただろうと思います。映画はとにかく綺麗に上手く作ってる。
どちらのラストも大好きです。
原作はレクター博士&クラリス好きには嬉しいエンディングでした。
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話は概ね予想通りに進行していくので、せっかちな自分としてはもう少しテンポよく展開して欲しかったかな。この小説の評価はレクター博士の(知性と残虐性を秘めた)キャラに共感できるかにかかっている感じがするのだけど、個人的にはそこまで入れ込めなかった。クラリスと博士の関係性についても少々腑に落ちないもやもや感が...。前作、「羊たちの沈黙」を読んでないせいかも。
Posted by ブクログ
読んだ本 ハンニバル トマス・ハリス 20250704
レクター博士というキャラクターを描いた小説ってことで、レクター博士の異常さと超人性を楽しみました。
この異常者より悪い奴を出してきてヒーローにしちゃうってとこがすごいんだけど、なんかたのしめちゃうんでしよね。
あれ、こんな終わり方だっけ?って思って、帰ってすぐにU-NEXTで映画を観たんですが、なんか映画の終わり方の方が好きかな。面白さは圧倒的に本の方なんだけど。あと、バーニーの俳優が全然イメージと違った。これも異常性がないと。
次はレクター博士礼賛のハンニバル・ライジングを読んで、最後にレッド・ドラゴンかな
Posted by ブクログ
上巻からの期待感で一気に読んだ。確かに面白かったが、レクター博士のサイコパスぶりを楽しみにしていた私としては少々物足りなかった。そしてこのラストにはがっかりした。レクター博士とクラリスには、最後まで正義と悪を貫き通し交わらずに対峙して欲しかったなぁ。
あくまで個人の感想です。
Posted by ブクログ
面白い。
間違いなく面白いんだけど、『羊たちの沈黙』に比べると、登場人物全員の魅力が下がっちゃってるかなぁ。
レクター博士が超人的なのはいいとして、そんなら超然さを貫くか、あるいは逆にもっと俗さを出してほしい。
クロフォードやバーニーもそれぞれが魅力減。
挙句の果ての主人公たちの結末は、結局レクターの一人勝ちかいという感想しか出てこなかった。
Posted by ブクログ
クレンドラーの脳を食べる(食べさせる)シーンはゾッとした。
上流の暮らしを描くシーンにはうっとりさせられた。
しかし結末がふに落ちない。薬の影響なのか?あと、クラリスの「ヘルメットのような髪型」はどんなものなのだろうか…笑
Posted by ブクログ
うむむ。上巻の熱情に比べると、個人的には地味なように思う。というか、クラリスが都合のいい女になりすぎじゃないか? 男のロマンというか、マイ・フェア・レディというか。そうして作り出された彼女に私は魅力を感じなかった。
マーゴの方が興味深い。
(以下若干のネタバレあり)
しかし、概説を読むと、レクター博士シリーズとして、これまでと同じように、猟奇連続殺人事件を主軸として、レクター博士を絡ませて続けていく手法もあったはずだ。けれども、それをやめ、新たな方向性へ舵を切ったのは、確かに英断だしすごい。
あと、この物語が私にとって物足りないのは、私の心の中に抱いていた格好いいレクター博士から、より人間らしい、弱い一人の人間なのだと気づかされてしまったからかもしれない。確かに紳士かつ頭が良い天才で、狂気をはらみつつも性の危険性の無いおじさまっていうのは安全枠だ。
結局、美しいクラリスがチョロくお相手になるわけだがそれでいいのかって思う。レクター博士もそんな自分の作り上げた理想の美女相手に欲情しているなんて、単なるエロオヤジじゃないの!っていいたくなる。彼の破綻が見たい。あるいはクラリスの反逆が見たい。それは私のエゴなのだろう。
ハンニバル・ライジングはレクター博士の子供の頃の話。さて、どうなることやら。この先の時系列の物語を読むことが出来るのなら、それは幸せだろう。
Posted by ブクログ
食人(カニバリズム)を連想させる名前の通り、この作品の終盤にはハンニバル・レクターによるグルメショーがある。そこに至るまでにも様々な活劇がある。それは多くの読者が期待したものでもあるだろうし、見たくなかったものでもあると思う。厳戒房に囚われた危険でミステリアスなカリスマは、この作品で正体を晒し、ただのダークヒーローになってしまった感がある。
ラストは映画版の方が多くの人に受け入れられるだろうが、衝撃的で革新的なのは小説のラストだろう。想像の外にあった終わり方だ。好き嫌いはあれど、この結末はすごいと思う。
Posted by ブクログ
レクターシリーズのうち、時系列的には最後にあたるものである。レクター博士が、その天才性・異常性をいささかも衰えることなく発揮してくれている一方で、そのレクター博士が、「怪物」でありつつも同時に「人間」であることが様々な場面で吐露されていくことになる。むしろ、もともとは一応(?)「人間」であった存在が、自身の理性によって「怪物」へと変化させている(それも、意図的に)その強さには、憧れすら抱かされる。
そのレクターによってついにクラリスも・・・となっていってしまったのが、個人的には少し残念なところだ。レクターとクラリスは、お互いに決して交わらない平行線のようなもの・・・(どこかの漫画で聞いたような表現だ)だと思っていたのに、完全に重なっちゃあねぇ。もっと、バチバチやりあってもらいたかったな、という思いも残ってしまった。
Posted by ブクログ
「天才」の描写って映像化するとどうしても伝わりにくいし、凡才に幾ら言葉を尽くして天才の頭の中を解説されても、中途半端な理解に留まるんだろうな、って思うのです(長)。
どうも、凡人代表です( ^ω^ )←
何だかもやもや感の拭えない上巻を何とか読み切った皆さん、ご安心下さい←←
下巻ではレクター博士の天才っぷりが炸裂ですよ〜*\(^o^)/*きゃほー!
「記憶の宮殿」〜?シャーロック(BBC)と同じようなこと(「マインドパレス」)言ってるじゃないの中2か!←←
とニヤニヤしたのは一瞬でした。博士の宮殿内部の描写がもう異次元過ぎて怖い。天才怖いよー!と思いながらも強烈に惹かれるこの感覚。何これデジャブ!と思ったら、そうです、彼女です。森博嗣が生んだ私史上最高の天才・真賀田四季博士です(お馴染み)。【羊達の沈黙】の時と同じこと書いてますが、懲りずに何度でも書きます←
本作では博士のマイパレ←能力を説明する部分で、「一度見た光景を自分の記憶の中に取り込んで、いつでも自在に取り出せる」っていうような描写があったんです。
が、真賀田博士の場合はもう一段階あるんです(怖)。
「一度接触した人格を自分の中に取り込んで、その人格と会話ができる」
んです。ひいいいいこーーわーーいーーーー!!!
しかも、その取り込んだ人格を幾通りもシミュレーションして調整したりするんですよ意味わかんないよ凡人には( ^ω^ )
レクター博士が亡き妹の影に囚われているという人間味を覗かせたのに対して、真賀田博士は愛する人を殺してそのキャラクタを自分の中に取り込むことで安定を得た、という不可解性が描かれた点も両者の決定的な違いでしょうか。
何が言いたいかって、レクター博士も理解の範疇越えてるけど、その博士に匹敵する(もしかしたら凌駕する)天才を生み出した森先生も大概よね、と思ったのでした。という話です。
…結局いつもと同じ展開の感想だぞ…ま、いっか。
いや、いくない( ^ω^ )
というわけで、長い前置きの後ですが、閑話休題。本作の感想を以下に。
◎案の定な大悪党の末路。
◎可哀想ないじめっ子クレンドラー
◎衝撃のラスト
これに尽きますね←
最後に描かれる博士とクラリスの姿に、クラリスと一緒に殺人鬼を追い続けた読者は愕然としたんじゃないでしょうか。
「これって薬で正気奪って既成事実作っちゃったんじゃねーの」と下世話なことを考えながら本を閉じましたが、やっぱり天才は理解の枠越えてるし、理解できない私はきっと幸せなのねと思ったのでした。凡人ゆえに!
クラリスを囮にしてレクター博士をおびき寄せる罠を仕掛けた大富豪。次第に追い詰められる二人が最後に選んだそれぞれの未来とは…。
Posted by ブクログ
下巻は怒濤の展開。ドラマチックな話ではないがレクター博士とクラリスの内面を丁寧に描いている。それにしても映画と違ってラストは後味悪い。ああいう結末とは…。個人的には映画のほうがいいかな。