高見浩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『レクター』シリーズの著者トマス・ハリスによる新作『カリ・モーラ』です。
食人の精神科医ハンニバル・レクターが登場する世界観とは一線を画し、少し落ち着いた猟奇事件が描かれています。
獣医を夢見るコロンビア移民女性カリ・モーラの元に、全身無毛の臓器密売人のハンス・ペーター・シュナイダーが現れます。
カリ・モーラ自身は凄惨な人生を送ってきた25歳ですが、周りに集う人間たちも只者ではありません。
熟練の殺し屋が密集している状態が続き、先ほどまで生きていた者が次のページでは死んでいる…という状況にも納得ができてしまいます。
美しき、そして哀しきカリ・モーラに平穏は訪れるのでしょうか…。 -
Posted by ブクログ
ネタバレハンニバル・レクターシリーズが好きなのでこちらも読んでみたが、うーん…面白いは面白いんだけどそこそこという感じ。
やたらとキャラクターは出てくる割にひとりひとりにそんなに大事な役目があるわけでもなく、ドン・エルネストやテリー・ロブレス、カリなど過去の話を膨らますのかなと思ったらそこまででもなかったり、急にいなくなってしまったりなど…。
他の方も言ってるけど、本来はもっと長かったはずの小説のダイジェスト版をみてるような気持ちに近いのかもしれない。
肝心のハンス・ペーター・シュナイダーは胸糞の悪い敵だけど、本当にそれだけで、レクター博士のように邪悪だけど惹かれるというような部分はなかった。
最 -
Posted by ブクログ
☆3〜4。
原作小説と映画でエンディングが異なる、とどこかで見かけたかも、じゃあ…となり読み始めた。
羊たちの沈黙に続き、「クラリス・スターリング」というキャラクターが好きだと(改めて)感じた。
そしてレクター博士。おぞましさと優雅さのバランスが絶妙で、許し難いのにどこか惹かれてしまうというか……。地球上には数えきれないほどの物語があるけれど、その中でも屈指のキャラクターだと思った。
映画で「本当ムカつくこいつ!!」となったクレンドラー、小説でもそうだった。まだ上巻なので、ムカつき度合いはそこまで高くはないけど……こいつ!!
自分の読書経験値が足りないせいか……?と考えたりして……や -
Posted by ブクログ
雰囲気が似通ったダン・ブラウンさんの小説はコロコロ場面が変わるけれど、こちらは1つ1つのシーンがじっくりなので、なんだか間が持たないような気分。
通勤・通学の合間の読書には向かないかも…。
レクター博士がどうして易々と脱獄したり、人を殺したり、別人を演じたりできるのかの説明が「レクター博士だから!」って感じなので、世界観に入り込めないとつまらないですな。
クラリスさんが「共感することと理解することは違う。大人になるということはその違いを学ぶことだ。残念ながら自分を理解してくれている相手が常に自分に共感してくれているわけではない。」みたいなことを言っていて、マジで大人の女性になったのだな…と