福永武彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
長編というか、いろいろなタイトルがおさまっていて
500P弱を読み終わりました。
堀辰雄氏・福永武彦氏(池澤夏樹氏の父)・中村真一郎氏
3人の作品。
堀辰雄氏の「かげろうの日記」「ほととぎす」は
いまいちわかりませんでした。
福永武彦氏の「深淵」「世界の終り」「廃市」は
3作品ともとてもよかったと思います。
狂気・退廃・情念などがにじみ出ていたと思います。
中村真一郎氏の「雲のゆき来」は漢文や漢詩
古文詩などが多くあって、読みづらい部分が多く
ありましたが、それを差し引いてもとてもよかった
と思いました。
やっぱり自分の知らない作品それも古典的な作品
に出逢える機会は大切だと思います。
この全 -
Posted by ブクログ
ネタバレ【認識】
日本書紀を現代語に翻訳した書籍
【対象】
・日本書紀に興味のある人
・原文(漢語)を読めない人
【感想】
原文どうしで比較するとどうなるかは知らないが、古事記よりも文章的に堅い印象。
古事記と同様に前半は天皇の由来を語るための神話。
後半は天皇が誰とくっついて、どうなったかとかそういう話。
個人的に前半が好き。
後半は天皇が思い通りにいかなくて激おこってのが多く、エピソードが単調で退屈だった。
普通の物語と違って面白いところは、そのエピソード必要あったの!!ってなるところ。
○○しますから許してください→許さない、という逸話に対して、その○○を細かく説明する必要ありましたか -
Posted by ブクログ
連作形式って初めてかも。各章で主人公が変わっていくっておもしろい。
昭和三十九年って、私が生まれる20年も前なのに、あまり違和感なく読めた。
生死と愛、罪、ふるさとについて。
内容や構成が深すぎて、私なんぞではうまく感想も書けない。巻末の解説等が「そうそうっ!」て端的にまとめられててよかったw
何度も読み返したい一作になる気がする。
福永武彦さんの他の作品も読みたい!
(裏表紙の説明)過去の事件に深くとらわれる中年男、彼の長女、次女、病床にある妻、若い男、それぞれの独白。愛の挫折とその不在に悩み、孤独な魂を抱えて救いを希求する彼らの葛藤を描いた傑作長編。 -
Posted by ブクログ
別の原稿の準備のために読む。夫人による解説にもあるように、作家福永武彦の出発点となった最初の著書。彼はボードレールの世界を踏破することをつうじて、みずからの詩作へ踏み出そうとしたのではないか。最後に収録されているきわめて詳細な年譜が、そのことを物語っていよう。福永は、ボードレールのそれぞれの詩が、いつ、どこで生まれたのかを跡づけながら読み解き、訳していった。そうした作業のなかから生まれたのが、岩波文庫に収められている『パリの憂愁』の訳書であろう。ちなみに、私は言わばその古本でボードレールに毒されたのだった。こうした福永のボードレール研究は、現在の研究の水準からすれば、正されなければならない点
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Posted by ブクログ
これは「古事記入門書」としてはかなり読みやすい本だと思います。 おおまかなエピソードはほぼ網羅されているし、神様の名前もちゃんとカタカナ表記の後に漢字フリガナ(? 音だけで選ばれた当て字っぽいのも多いけど)付きだし・・・・。 古事記に出てくる神様 & 天孫の名前って、カタカナやヒラガナだけで表記されちゃうと、舌を噛みそうになっちゃううえ、古代日本人が抱いていたその人のイメージ・・・・みたいなものが伝わってこないと思うんですよね。 その顕著な例が天照大御神とか大国主命だと思うんですよ。 漢字だけであの読み方(アマテラスオオミカミ オオクニヌシノミコト)はなかなか結びつかないけれど
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Posted by ブクログ
純文学・・、と心して読み始めましたが、
きれいな文章で難しく感じることなく読み進められました。
しかし核になっているテーマは重く、深いもの、
それも現代に生きる私たちには遠いものかもしれません。
家族それぞれ抱える、お互い知ることもない傷のようなもの。
それぞれの人生の中で、時代の中で、
家族の愛や自分の愛・誠意を疑い、はたまた現実の壁を感じて、
苦しんでいるけれど。
最終章でやっと、家族の愛情そのものを感じられて、ちょっとほっとする・・。
一章ずつ語り手が変わるのだけど、世代も環境も違う人の回想や生活が
丁寧に描写されているのが読みごたえがありました。
誠実に生きると、人生が案外長く苦しく