福永武彦のレビュー一覧

  • 廃市・飛ぶ男
    表題2作他、全8編収録。
    かつて『夢みる少年の昼と夜』と共に
    ある人に貸したら、
    なぜかこっちだけ返って来なかったってことを、
    引っ越し荷造り中にハッと思い出し、
    古書店さんから取り寄せました。
    で、再々読……くらいでしょうか。
    これまた昔と印象違うなぁ。
    全然好きじゃなくなったって感じはしませんが...続きを読む
  • 現代語訳 日本書紀
    いいとこ取りの抄訳なので当然と言えば当然なんですが、
    終盤84節、
    蘇我馬子の登場が凄く唐突に感じられました。
  • 現代語訳 古事記
    みなさんまさに破天荒。でもちょっとしたことでホロリとしたり割とどうでもいいとこでジメジメしたるする。こんな赤裸々な古典でいいのだろうか。
  • 夢みる少年の昼と夜
    短編集。
    どれも共通して昔の児童文学のような独特の古めかしさを持った文体。
    有島武男みたいに、
    話の内容の幼さと文章の媚びない感じがちぐはぐでいい。
    表題作は長野まゆみの小説のような、
    キラキラした単語の羅列が美しい。
    空想少年はいつも素敵。
  • 現代語訳 古事記
    天地開闢から始まり、日本がいかに誕生して、神々や皇室の祖先がいかに活躍し、今の地名がどんな由来で名付けられたかなどを物語る我が国で現存する最古の典籍を、最も分かりやすい現代語訳で全訳。
    ※聞いたことのある英雄の名前が出たりすると、ちょっと嬉しくなったり。
  • 忘却の河
    赤んぼなんかおろせばいいさ。という下山の一言を聞いて、香代子が母の、自分・呉さんへの愛に気づいたところは鳥肌が立ちました。登場人物では三木先生が好き。
  • 加田伶太郎全集
    福永武彦が加田伶太郎というペンネームで昭和30年代に雑誌に発表した短篇推理小説8編をまとめたもの。筆名の「加田伶太郎(カダレイタロウ)」は「誰だろうか(タレダロウカ)」の、また、ほとんどの作品に登場する探偵役の、さる私立大学古典文学科助教授「伊丹英典(イタミエイテン)」は「名探偵(メイタンテイ)」の...続きを読む
  • 夢みる少年の昼と夜
    孤独な少年の内面を描いた「夢みる少年の昼と夜」。不可思議な死をとげた兄の秘密が、やがて自己の運命にもつながっていると知った若い女性の哀れ深い生を描いた「秋の嘆き」。ほかに「沼」「風景」「幻影」「一時間の航海」「鏡の中の少女」「死後」「世界の終り」「死神の馭者」「鬼」など、短編全11編を収録する。
  • 風土
    福永武彦は映画「風のかたみ」から入ったんですが、深く乾いた悲しみに包まれていてとても好きです。
    この風土のあらすじをいまいち思い出せていないのですが、大学生の頃に恋をしあっていた男と女が、人の親になった時分に再会するという話。そこで新しい恋が始まるわけではなくて、ただ二人の視線は静かにむけられている...続きを読む
  • 特別試し読み版 日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集 池澤夏樹=個人編集 日本文学全集

    この訳では読む気が起きない・・

    我が国の古典を現代語訳したもので、この試し読み版にはお馴染みの瘤取り爺さんが収められています。しかしながら、兎に角訳が酷い。今風を狙って軽い文体にしていますが全く面白くもなく、それこそ今風に云えばダダ滑りです。