小林よしのりのレビュー一覧
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ネタバレ素晴らしいです。
特に主張やイデオロギーを語るわけではなく、淡々と戦争という異常な状況を描き出す。
戦場の酷さだけでなく、敗戦後に日本に戻ったときの「どうやら戦地に行った我々は悪者になったらしい。」というセリフは、身につまされた。実際にそうだったのだ。日本人はそれを戦後やったのだ。仮に自分が戦争で運良く生き残り、国に帰ってこんな目に遭ったら・・と思うと、さすがに居た堪れない。確実に人間不信になるだろう。著者が「戦争論」を描いたときに、じいちゃん世代から「よく描いてくれた!」と賞賛を受けたらしいが、その気持ちが伝わってきた。
女性についての描き方も、特に嫌悪感があるとかではなく、まぁ、そん -
Posted by ブクログ
私は子どもの頃にこの作者のゴーマニズム宣言を読んで、今でいうネトウヨみたいなことを言っていた。
特に戦争論が好きで、英霊(戦死した人をカッコよく言った言葉)に感謝するために靖国神社に行ったりもした。
そんな私も今では大人になり、現実が見えてくるとネトウヨは卒業した。それ以来、小林よりのり作品は読んでいなかった。
ただ、最近ふとした拍子にアイドルにハマってしまって、以前の私ならアイドルなんて有り得ねーって思ってた訳で、周りがドン引きするくらい落差が激しく、似ている人を探してたら見つけた、小林よしのりである。
アイドル好きな芸能人は、若い女ならDDでキモイ芸で売ってる芸人か、斜めから上から -
Posted by ブクログ
ネタバレ小林よしのり先生の「戦争論」「天皇論」「靖國論」「パール真論」と読んできて本作に辿り着き、著者が本書は、戦争論→天皇論の続編的な位置付けで有ると語っているのを見てなぜか嬉しかった(笑)
終戦のご聖断の件では感極まって仕事先で泣いてしまいました…半藤一利先生の「日本の一番長い日」はこの時の話なんですね。一昨年に原田眞人監督によってリメイクされた作品を観ていたく感動したのですが、当時はまだ知識が薄くて「終戦のご聖断」でこんなドラマと言うか経緯があったのを知らなかったので、作品を深く理解しながら観ることは出来ませんでした。それでも感動と言うか胸中を揺さぶるモノがあったのですが…本書のお陰で改めて見直 -
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もちろんその論調に全面的に合意できるものではないし、ナルシスティックに戦争美化する点などは嫌悪もする。ただ、このエネルギーと取材の綿密さはどうだ。戦後間もなくのブラジル移民コミュにおける勝ち組負け組の一連のルポを現代のリテラシーや国民分断の論へと繋げるセンスなんざ、巷のありふれた評論などはかすんでしまうだろう。自分の立ち位置を主張したうえで繰り広げる世相感は、その主張ゆえにどうしてもバイアスをかけられてしまうが、分析自体は中立平等の極みであり、主張ゆえに潔く、信頼できる。そう考えると損な役回りをあえて引き受けているということをもっと世間は称えるべきとも思う。
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購入済み
潔い
人間は変わるもの。
ただ、状況の変化にキチンと向き合い、冷静に分析し、その変化を論理的に説明することはなかなかできないものです。
本書は、前書を書き直すという形のものですが、その変化の過程にもページを割いており、潔さを感じました。前書と読み比べると尚面白いです。 -
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『憲法の涙』を読んで面白かったので読んでみる。
第3部の憲法9条の話は『憲法の涙』とかぶるので第1部天皇制、第2部歴史認識での井上論が興味深かった。
議論、究極対決というほどでなく、井上論に小林さんがなるほどって感じ。
法哲学者って難しいこと言い出したら理解できないな、みたいなところがチラホラ。
井上案憲法改正ー9条削除して戦力を持ち得ることを認める。
シビリアンコントロール、国会事前承認、軍法会議を憲法に盛る。{+徴兵、(良心的兵役拒否+代替役務)}
非武装中立~集団的自衛権まで民主的立法過程での討議にゆだねる(憲法で縛らない。)
最善(井上案)ー9条削除+戦力統制規定追加
次善 -
Posted by ブクログ
小学生のころ、皇室アルバム(?だったと思う)というTV番組があって
見るでもなく何となく見ていた覚えがある。
天皇皇后両陛下が御用邸でご静養 だとか
○○殿下がどこそこでご挨拶された とか
そこで見かける天皇(昭和)陛下は いつも穏やかで
ふくよかで優しげな皇后陛下とご一緒にいらして
理想のおじいちゃんおばあちゃんを見るようで大好きだった。
そういう人って多いんじゃないかと思います。
戦後70年ということで いろいろと意識される中で
あの戦争のことを知りたくなりました。
中高と歴史を勉強したけど、正直、江戸末期以降は授業もぐだぐだ…
(学期末で)時間もなく、やっつけ仕事状態だった -
Posted by ブクログ
とても勉強になりました。
靖国神社の成り立ちから存在意義まで、一人の日本人としてちゃんと知っておかなきゃダメですね。自分たちのルーツなんですもの…それがよぉ~く分かりました。
なぜ英霊と呼ばれるのか、なぜ靖国神社なのか、そこに祀られている人達がどんな人たちで、どんなことを感じ、考えていたのか…本書のおかげでその一端でも知ることが出来た事をありがたく思います。考えさせられる事ばかりでした。靖国神社を否定する側の言い分や肯定する側の気持ち、その違いについても知ることが出来ました。
戦後の日本と日本人が抱えてしまった大きな大きな問題、課題。他人事じゃないです。
日本人とはどんな人たちだったのか?