小林よしのりのレビュー一覧

  • 女性天皇の時代

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    こんなものを女性に読まれてしまったらオトコの居場所はなくなるのではないか?そんな背筋も凍るような話が・・・

    というのは冗談で。。。


    近代史を教えない歴史教育を受ける我々はこの書に書いてある歴史ワードをことごとく知っているはずだ。

    聖徳太子、大化の改新、大宝律令、古事記、東大寺の大仏・・・

    近衛文麿や石原莞爾が知らなくても上に書いたワードは聞いたことがあるに違いない。

    しかし、このワードの中心にことごとく「女性」が存在していたことを知っている人はどれほどいるだろうか。

    2000年を超える我が国の歴史において、女性の天皇は8人10代(重複して天皇に就いた人物がいる)だ。この小林よしのり『女性天皇の時代』はその8人の天皇がいかなる人物だったのかをとても分かりやすく紹介してくれる。


    さきほどの歴史ワードはすべて女性天皇のころのものだ。

    女性天皇を語るとき、それは“中継ぎ”であったと語られることが保守であるとされている。皇統は男系でつづいていたのであり、女性は次の男系天皇への“中継ぎ”であったと。

    小林はその“中継ぎ”神話を歴史を語ることで崩壊へと追いやる。女性天皇の凄まじさを読者は知ることになる。と同時に皇統は男系で続いてきたという“定説”は大嘘であったこともわかる。

    伝統は歴史の中に有り、我々はそれを受け継いでゆく者。

    自分自身それを自覚している。その“自覚”の中に男系継承も含まれていた。それは歴史の中にある答えだと。しかしディテイルに迫らなければならない。答えはやはり歴史の中にあったのだ。単に不勉強な怠惰な己がそこにいて吼えていただけだった。

    実に作りこまれた作品である。とてもわかりやすい言葉で、しかも歴史の話をしながら今を生きる人々の感性にユーモアと情熱を持って訴えかけてくる。歴史は研究者だとか歴史オタクのものではなく、普通の人の生活にもつながっているんだということを教えてくれる。

    このわかり易い文章と構成は、古代に大活躍した女性天皇は彼方にある伝説などではなく、今にも十分出現しうることで、絵空事ではないということを訴えているようでもある。ここで試みられているのは古代と現代を繋ぐことだ。保守の文法で今の“保守”のデタラメさを炙り出すというカラクリだ。


    そして、この書を読み終わる頃には日本人が抱き続けていた男尊女卑の感覚の“正体”が分かる。そしてその正体を乗り越えようとしていたのがいったい誰なのかも知ることになる。

    男系神話を後生大事に戴くことが一体何を守ることになるのか。

    本当の日本人の男女観は一体どこにあるのか。この示唆は本当に面白い。



    これを読んだあとは

    よし、伊勢へ行こう。
    よし、沖縄へ行こう。

    と思うはずだ。

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    2013年08月28日
  • ゴーマニズム宣言NEO 2 日本のタブー

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    チェック項目6箇所。アイヌ系同士の夫婦は数%しかいないらしく、アイヌ系と「和人」(非アイヌ系)の結婚が90%超だというのだ。北海道の歴史の区分は「日本史」とは異なる、日本史では、紀元前3~4世紀頃、縄文時代から弥生時代に移行する、しかし寒冷な北海道には稲作が定着せず、ついに弥生時代が来なかった、金属器のみが本州から伝わり、それ以降を北海道史では「続縄文時代」という。旧石器人・縄文人の子孫に、樺太、千島、そして本州からやってきた人々が混交して形成されたのがアイヌであり、アイヌ文化とそれ以前の擦文文化をはっきりと峻別することはできないのである、古代から北海道は「人溜まり」の地であり、様々な民族が混交する場所だった。アイヌ教育財政は非常に苦しく、アイヌ学校の教員は一般教員の2/3から3/4程の薄給だった、自動には文房具などを買えない貧しい者が多く、教師がその薄給から自腹を切ることもままあった。アイヌの修学率が上がるにつれ、分離教育が差別教育と批判されるようになり、アイヌ学校は次第に普通学校と統合され、大正末にはほぼ全廃された、差別の解消と同化の達成は表裏一体だったのである。赤松隊長は、戦後、「自決命令をした」という濡れ衣を黙って着た、「軍命令に従った」ということにすれば、島民に「遺族援護金」が支給されるからである、全国の空襲の被害者には一円も出ていない、原爆の被害者でさえ、厳しい審査を経て治療が受けられるだけである。北方領土は、当時有効だった日ソ中立条約を破って侵攻したソ連が不法に占拠した、島は拉致されたのだ、ソ連は、原爆まで投下されて、満身創痍の日本に宣戦布告、千島列島に上陸したのは日本がポツダム宣言受諾を表明した後の1945年8月18日、北方領土を占拠したのは戦艦ミズーリの調印式の後、9月5日だった。

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    2013年07月23日
  • ゴーマニズム宣言SPECIAL 昭和天皇論

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    チェック項目14箇所。ダライ・ラマは共産主義に警戒が薄くて「宗教は毒だ」という毛沢東の言葉でやっと気づいたが、結局、中国にチベットは侵略され、ダライ・ラマは国外に追われてしまった。日本という国は、古代から常に「あ、そう」と言いながら、異国の文化を一旦は懐深く受容し、自家薬籠中のものとして変容し、あるいは跳ね返してきたのである、「からごころ」を「やまとごころ」に変容させる術は、日本の伝統そのものなのだ、漢字しかり、仏教しかり、儒教しかり、西洋化しかり、人間宣言しかり、グローバリズムしかり……。日本国内では絶対権力者のように振る舞ったマッカーサーだが、実際にはアメリカ本国の方針に逆らえるような身分ではなく、現に最後はトルーマン大統領にも逆らい、いともあっさりと解任されている。アメリカは日本の歴史や文化など、深く知らずとも完全に理解できる程度の未開のものだと見くびりきっていたのである、そして、自分が知っているアングロサクソン文化こそが高級で進化したものであり、日本文化を否定してアングロサクソン文化を植え付けることこそが、自分に課せられた使命であると、信仰心に近い確信を抱いていたのだ、その後もアメリカは現地の文化や習慣を知ろうともせず、アメリカ型の民主主義がすぐに植え付けられるものと思い込んでイラクやアフガニスタンに出兵し、未だに解決できずにいる。マッカーサーが日本を支配した5年8ヶ月の間に、50万通もの手紙が届けられた、その多くは賛美や感謝、陳情や要請で、批判や講義はごく少数だったという。江戸時代、徳川幕府が絶大な権力を握り、皇室はみじめなほど無力な存在になっていた、しかし天皇は幕府の権力を利用して生き残り続け、そして幕府が権力を失うと、たちまち新たな時代に即応し、存在を大きくしていった、天皇と将軍の間に友情など存在するわけがなかったのと同様に、昭和天皇もマッカーサーに対して「友情」など、必要も感じていなかったであろう。昭和天皇の英断がもっと早ければ……原爆投下の命令は、すでにポツダム宣言の前日、米軍に下っていたのだ、「原爆を落とす前に、日本に降伏はさせない!」というのが、アメリカの思惑だったのだから、天皇に原爆投下を阻止できる力などあるわけがない! 戦勝国が敗戦国の憲法を作り替えるなどということは、ハーグ条約違反の無法行為であり、ポツダム宣言にもそのような条件は提示されていなかった、しかし占領軍はそれを平然と行い、「それでは約束が違う」と抗議しても、もうどうにもならなかった。天皇陛下の場合、医療費は宮廷費が充てられましたが、皇后陛下の場合は内廷費、紀子妃殿下の場合は皇族費が充てられました、保険がきかないため、もちろん医療費は実費ですから、高額になります。GHQが天皇の巡幸を許可したのは、「マッカーサー会見写真」「神道指令」「人間宣言」に続いて、生身の天皇の姿を国民の前にさらすことで、天皇の神格化を完全に打ち壊せると考えたためで、GHQ高官の間では「眼鏡をかけ、近眼で猫背の小男を見れば、国民の天皇に対する信仰も薄れるだろう」と言われていた。何より重要なのは、「開戦責任」と「戦争犯罪」は、敗戦国だけでなく、戦勝国にもあるということである。「開戦責任」については、日本よりもアメリカの方が開戦の意思が強かった、アメリカが石油輸出を完全停止したために、日本は死活問題に陥ったのであり、東条内閣は戦争回避を目指してギリギリの譲歩を提案した、アメリカはここで一部でも石油禁輸を解除していれば戦争は回避できたのに、それに応じるどころか、より強硬な「ハル・ノート」を突きつけてきたのだ、経済制裁は、すでに戦争行為である、「パール判決書」には、アメリカは真珠湾攻撃のはるか前から交戦国になっていたと記されている、開戦責任は、アメリカの方がより重い。「戦争犯罪」を問うのなら、アメリカによる都市空襲と原爆投下、ソ連による侵攻こそが、完全に国際法の違反、れっきとした「戦争犯罪」である。「南京大虐殺」……現在の中国政府はこの事件で30万人が殺されたと主張しているが、そもそも当時の南京には20万人しかいなかった、しかも「大虐殺」が行われているはずの期間に、人口が5万人以上増えていることが、当時、南京に滞在した欧米人の書簡などで証明されている、そもそも30万人なんて、原爆を2発落とさなければ殺せない数であり、弾薬にすら事欠いていた日本軍に殺せるわけがない。

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    2013年07月13日
  • ゴーマニズム宣言SPECIAL 昭和天皇論

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    ふりつもる

    み雪にたへて いろかへぬ

    まつぞををしき

    ひともかくあれ

    .....涙が止まらない。

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    2013年06月07日
  • 開戦前夜 ゴーマニズム宣言RISING

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    ブラジルの日経移民の話は衝撃的だった。ただ、これほど情報が氾濫している今でも自分の信じたくない情報には耳をふさいでしまう人はたくさんいるし、自分への自戒としたい。

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    2013年05月18日
  • 開戦前夜 ゴーマニズム宣言RISING

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    読み終わって、絶望と希望、諦めと試行錯誤、とにかく、これからの日本人に突きつけられるであろう、あまりにも厳しい現実を認識させられる傑作。日中戦争やTPP、皇室問題や原発再稼動議論など、どうしてこれらのことから目を逸らしてこれからの100年を日本人が生き抜けるのか、何の問題提起もない中で、非常に失礼な言い方ながら、1漫画家の視点で、真正面からこれらの問題に向き合っている。
    たぶん、小林よしのり氏の言うように、日本人は地獄を見ることになるのだろう。何のビジョンもポリシーも持たず、それを真剣に考えず、惰性に身を任せたがために。
    そのような流れに逆らい、せめて自分の近親者は守れるように備え、次世代に希望をつなげられるのは、この本を読んだ1人1人に課せられた大きな課題であり、また、希望でもあると感じた。
    新しい産業構造や経済的価値観・日本文化や日本人の感覚・国柄・世界に貢献するために日本はどのような価値観を築き上げるべきか・・・非常に難しい問題だし、簡単に結論など出ないけど、現状維持で、米中の絶望的な価値観に身をゆだねるよりはよほど前向きな話だと思う。

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    2013年05月05日
  • ゴー宣SPECIAL いわゆるA級戦犯

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    ネタバレ

    チェック項目10箇所。東条英機……「勝者の裁判はうけたくない。勝者の勝手な裁判を受けて、国民の処置を誤ったら国辱だ」、開戦当初、勝ってた時は「我らの東条さん」と、庶民にも人気だった東条だが……終戦後は日本一悪評の人だった、負けたとたんに国民は手の平を返した。東条は戦争回避のため首相になった、だがすでに世論も開戦論が大勢だった、極限まで譲歩した甲案、乙案に対するアメリカの返答は全面降伏を迫るに等しいハルノートだった。後にパール判事は「ハルノートのようなものを受け取れば、モナコやルクセンブルクのような国でもアメリカに対し武器を持って立ち上がったであろう」と断じた。昭和18年11月、東条を議長にアジア各国代表を集めた大東亜会議が開催され、大東亜宣言を採択した、現地の日本軍の行動に批判的な者もいたが、自国を苦しめている最大の敵は米英白人による搾取と人種差別であるという認識では一致しており、「大東亜戦争はアジア解放のための戦争である」という理念の宣言には大きな意義があった。近衛文麿……「このまま東条に政権を担当させておくほうがよい。戦局は、誰にかわっても好転することがないのだから、最後まで全責任を負わせるようにしたらよい」。東条は戦争の途中で更迭されている(サイパン玉砕後に総辞職)。中国は現在、登場を極悪人と非難するが、登場は満州事変・支那事変の開戦決定には何も関わっていない、昭和15年に陸相になるまで、政治には関わったこともない。東条が首相になった時には、もう誰が首相でも開戦も敗戦も避けられないにっちもさっちもいかない状況だった。「君が生き残っても、僕についてはすこしも弁解してもらいなくない。僕はただに絞首の辱めを受けるだけでなく、永遠に歴史の上に罵りの鞭を受けなければならないからである」(東条英機)。いわゆるA級戦犯の処刑日は12月23日、GHQは、現在の天皇、当時の皇太子の誕生日をわざわざ選んで処刑を決行したのである。残念ながら未だに戦争を「犯罪」とする法律は存在しないのだ、「法なければ罪なく、法なければ罰なし」、これはアメリカ憲法の第一条にも定められている法治主義の根本原則である。第一次大戦後欧米諸国は「戦時国際法」で「交戦法規」を定めた、①一般住民、非戦闘員に危害を加えてはならない、②軍事目的以外を攻撃してはならない、③不必要な苦痛を与える残虐兵器を使ってはならない、④捕虜を虐待してはならない。戦勝国の戦争犯罪人は誰一人して裁かれなかった、敗戦国の「戦争犯罪」だけが裁かれた。パール判事……「勝者によって今日与えられた犯罪の定義に従っていわゆる裁判を行うことは敗戦者を即時殺戮した昔と、われわれの時代との間に横たわるところの数世紀にわたる文明を抹殺するものである」。マッカーサーは「東京裁判」の終了から2年も経たない1950年、トルーマン大統領に「東京裁判は誤りだった」と告白したという。1931年満州事変、1937年支那事変、1941年大東亜戦争の時の内閣が全部違う。1953年に定められた遺族援護法では、旧敵国の軍事裁判で有罪とされた人は日本の国内法では罪人とみなされないという判断基準が明確に示された、これにより「A級」も「BC級」もなく、日本から「戦犯」は消滅したのである。

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    2013年02月02日
  • ゴーマニズム宣言SPECIAL 反TPP論

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    今までTPPを反対する合理的理由は全く思いつかなかったんだけど、この本読んで、少しは思いつくようになった。

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    2013年01月17日
  • 新ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論

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    古本屋で購入。著者の最大のヒット作らしい。
    タイトルもタイトルだし意見に賛同するかは別として、もう本当に知らないことばかりだなぁと思わせられる1冊。多くの人が読んだほうがいいと思った。
    戦争という手段は褒められないけれど、本当にその手段しかなくなったときに、故郷を守るために闘うことはできるのか。過去の歴史を悪だというのは簡単だが、今の暮らしがあるのも命をかけて守るものを守ってくれた人がいたからだ。
    いやいや、この本(漫画)はおもしろいわ。

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    2013年01月13日
  • ゴーマニズム宣言SPECIAL 昭和天皇論

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    昭和天皇が崩御された時、私はまだ小学生で『あ、そう』と仰るおっとりとしたおじいさま、という印象しかなかった。その後歴史を学び、天皇の政治関与の度合いにびっくりしたものだったが、この本を読んで、私の知っていたことがいかに浅いものだったのか‥今までのイメージを大きく変えた一冊でした。
    終戦からサンフランシスコ講和条約までの大きな役割はもちろん、特に各地での御巡幸のくだりは涙が止まらなかった。ご崩御の際、日本じゅうがものものしい雰囲気に覆われていた意味がやっと理解できた気がする。著者の強い主張を差し引いても、日本人として知っておかなければならないことが、マンガというわかりやすく親しみやすい形で表現されている。読んで良かった一冊でした。

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    2013年01月05日
  • ニセモノ政治家の見分け方 ゴーマニズム宣言RISING

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    最近の政治家の右傾化を、よしりんが憂う。良い本だった。最近の作品には以前にも増して、気迫がこもっている。
    確かに右より主張が多いのが気になる。政治家もメディアもチョット前なら信じられないくらい右よりになっている、しかも言うだけ・・・。戦前の「近衛首相待望論」が盛り上がった時代と重なるという指摘にも同意できる。もう、聞こえのよい言葉、威勢のよい主張ばかりの言う「気合いだけ」政治家にだまされないよう、自分も大勢に流されていないか、日々考えながら日本の問題を考えてみようと思う。
    「あとがき」より引用
    ニセモノは個人で発言することができない。
    一人で圧倒的多数を敵に回して戦うことができない。
    仲間と群れ、魚群となって泳ぎ、右に左にー群一体となって方向を変える。
    リスクのある発言は曖昧にぼかし、リスクがなくなれば大声で絶叫する。
    自分自身がそのような人間になっていないか、胸に手を当てて考えてみてほしい

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    2012年12月30日
  • AKB48白熱論争

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    気になった論点とかをノートにまとめていたら4ページにもなりました。本当は皆さんにも本書を読んでもらうのが一番なんですけど、宣伝も兼ねてその中のいくつかを紹介します。

    1.「ゆきりんに居場所がない」問題。優子→あっちゃんのいないAKBを守るという物語。まゆゆ→次世代センターの本命。ゆきりん→前田政権での有力閣僚だったけどナンバー2ではないので後継者にはなれない。

    2.大島優子には「嫌われる才能」がない。アンチがいるからスターが生まれる。あっちゃんと違い、優子にはアンチがほとんどいない。

    3.よしりん「AKBの選挙には同情票が膨大にある。単なる美少女コンテストで票を入れていない」

    4.総選挙という名の公開処刑。中森「なぜ彼女たちは裁判にかけられ、国民の前で公開処刑されるのか。これはある意味、罰を受けているんです。何についての罪を問われているかといえば、それは「夢」を持つことに対する罰だと思う」

    5.よしりん「あっちゃんや優子は家族の茶の間に入れる。お父さんもお母さんも子供も好きになれる。大衆化できる存在。珠理奈や玲奈は、まだオタクのアイドル。家庭に入り込めるようにならないとセンターで引っ張ることはできないと思う」(「茶の間に入れる」という言葉を見て、僕の頭にはももちこと嗣永桃子さんの姿が思い浮かびました。)

    6.中森「この選挙は野蛮だから不条理なものが残る。ゆきりんが悪い理由はない」

    7.現実の選挙は「チルドレン選挙」。個人を見ていない。金で買える票の方がピュアな本気が込められている。

    8.公共性。日本中の何万人ものAKBファンの投票で決まったならどんな結果であっても受け入れなければならないという感覚が共有されていた。自分がそこに参加したというたしかな手応えがあるから納得できる。日本の政治にはこの正当性の空気、公共性の手応えがない。

    9.AKBの成立にはブログ等のソーシャルメディアの存在が大きな役割を果たしてきた。むしろ最初の数年間はテレビのようなマスメディアとはある程度の距離を置いてきた。

    10.AKBの多様性。麻里子さまとみおりんのファンの間には「女の子の趣味」という面で共有できるものはほとんどない。

    11.インターネットの定着は「情報」の性質を変えた。「ただ受け取る」から「自分でも発信する」へ。完成品を受け取ってただ消費するだけの快楽しか提供しないものでは消費者にアピールするのは難しくなっていく。

    12.テキスト、音楽など原則的にコピー可能なコンテンツ(情報)そのものに人はお金を払う価値を感じにくい。人は入れ替え不可能なものに対して相対的な価値を認めやすい。AKBはコンテンツではなく、コミュニケーションを売っている。

    13.コンテンツ自体ではなく、それを媒介としたコミュニケーションこそが価値を帯びる。AKBには握手会や総選挙など、「参加する快楽」がある。

    14.今はみんな将来が不安だから自分の生活で精一杯。だからこそ自分の利害関係とは離れたところで誰かを「推す」ことが心の支えになる。アイドルオタクにCDを大量に買わせる資本主義の権化みたいな「搾取」のシステムがむしろ「共同体」を生み出している。

    15.中森「『ロミオとジュリエット』もそうだけど、絶対的なタブーを破ることこそ真の純愛であり、恋愛は感動的になる。恋愛可能性の過剰と恋愛禁止の厳格化。ダブルバインド」

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    2012年12月24日
  • AKB48白熱論争

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    最近読んだ本の中で一番おもしろかった。
    教養のある大人がマジメにアイドルにハマり、政治まで絡めて議論するバカバカしさ。
    エヴァンゲリオンの謎解きをサイト上で議論するのに似た、二次的な楽しみ方という感じ。

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    2012年12月02日
  • 新ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論

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    たった200人程度のスペイン人が何故、南米最大の帝国を滅ぼすことが出来たのか。それは帝国が内部分裂していたからです。帝国の造反分子が、「敵の敵」であるスペイン人に見方したんですね。

    でも、その手引きした人たちの本当の敵はどっちだったのでしょうか。皇帝だったのか、スペインだったのか。

    本当の敵が誰なのか、それは本当の味方というか守るべきものがわからないとわからないという事なのでしょうね。今、それぞれのグループは何を守ろうとしているのかっつーか。

    紅軍は、あれだけ国軍と争っていましたが、日本を追い出すのは「国共合作」で成功しました。ベトナムも、歴史的には中国とは微妙な関係だったと思いますがアメリカを追い出すのには手を結んでいます。マゼランが「世界一周」という名で攻めに来た時も、フィリピンのラプラプ王は周辺部族を味方につけて、白人侵略への防御に成功(アジア初?)しています。

    自分はサラリーマンのせいか、精神論より技術論に興味があるのですが、技術より先に精神というか意思があるはずで、人を動かすときも精神的なものが大事だと諭された思いです。

    小林氏はどうも字が更に多くなってきて近寄りづらくなってきていたのですが漫画ではなくて本だと思って読んだら読めました。あまりたくさん本を読んでないのであれですが、圧巻だと思います。

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    2012年11月26日
  • AKB48白熱論争

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    ネタバレ

    (印象的な箇所)
    <ソーシャルメディア時代のアイドルAKB>
    ・AKBはマスメディアに頼らず、ソーシャルメディアを駆使して、ファンとアイドルの新しい関係を作った。
    ・AKBは、おにゃんこやモーニング娘。に似ていると言われるが、ガチの度合いが全然違う。
    ・おにゃんこもモー娘も、所詮フェイク・ドキュメンタリー。楽屋の生の様子を視聴者に見せているようでいて、製作者側が何を見せるか、繊細にコントロールしていた。
    ・AKBは、もうフェイクじゃない。ガチの人気競争をファンに見せている。毎日劇場で公演して、女子たちにGoogle+やブログを好き勝手に更新させることで、アイドルの日常をソーシャルメディア上にだだ漏れ状態にしている。
    ・あとはオタたちが、ソーシャルメディアにその感想を吐き出し、勝手に盛り上がっていく。テレビ前提のアイドルとは、ファンとアイドルの関係性が全く違う。

    <米大統領選に近いAKB総選挙の公共性と正当性>
    ・AKBの総選挙の仕組みはガチだから、正当性の空気、公共性の手ごたえがある。
    ・総選挙の順位は、夢を持つことの罰、公開処刑である。夢を持っても叶わない、ガチで順位がつく。その残酷さ、ガチっぷりに正当性が生まれる。
    ・日本の政治には、選挙の正当性も公共性も感じられない。AKBの総選挙はファンの民意の積み上げ。アメリカの大統領選に近いシステム。

    <秋元康のビジネスは資本主義を超えるか>
    ・80年代活躍し、資本主義を超克しようとした思想家、文化人として、柄谷行人、糸井重里、秋元康の3名があげられる。
    ・柄谷は、資本主義に変わる地域通貨経済や、くじ引きの代表選出を構想したが、こけた。(くじ引き代表選出は、AKBのじゃんけん選抜に似ている)
    ・糸井重里は、「ほぼ日」で、消費社会に優雅にコミットしつつ、主流のがつがつしたビジネスから距離をおくライフスタイルの変革を実践したが、大きな波及効果はない。
    ・秋元康には柄谷や糸井のような思想はない。秋元のは単なるビジネスだが、大衆に一番売れており、色々批判されながらも、社会を動かしている。
    ・良い消費生活のモデルが、資本主義に勝つとする糸井重里「ほぼ日」のコンセプトは、社会の全体的な構造に対する批判力がない。
    ・対して秋元康は、社会のシステムを直接批判するわけではないが、総選挙、じゃんけん選抜など色々面白い仕掛けを作っていくことで、結果的に「こんな仕組みもありえたのか」というショックを与えている。
    ・秋元は個人のライフスタイルではなくて、人やお金の集め方、動員のシステムについて、新しいモデルを提示している、しかもあくまで商売として。
    ・糸井と同じような「良い消費生活」志向の村上春樹も、個人のマインドセットに関心が向きすぎており、オウム事件など前にしても、社会の仕組みを変えていこうという発想に行かない。
    ・秋元がAKBでやっていることは、資本主義の力を使って、世の中のシステムを自動更新していくモデルに近づいている。これは重要なこと。

    (読後の随想)
    ・秋元康は80年代、テレビ局に散々お金を持っていかれたから、自分のところに利益が残るシステムを作ろうとした。そして、AKBというソーシャルメディアを活用したアイドルが生まれた、というストーリー。
    ・ソーシャルメディアの時代にアイドルとファンは直に交流する。ネットでもブログや、Google+(AKBファンの間では通称「ぐぐたす」)で直接コミュニケーション。握手会でも直接肌と肌の触れあいコミュニケーション。
    ・次世代センター最有力候補で、じゃんけん選抜でも偶然なのか何なのか、1位になったぱるるの活躍が気になる。(秋元さんが推したぱるるが、じゃんけん選抜でも1位になり、本当にセンターになってしまう。こうした物語が、ファンの間で更なる二次創作的物語を派生させる。僕がこうして書いたことも、AKBの物語の一部として、ネット上で繁殖する)

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    2012年11月04日
  • 新ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論

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    小林よしのりの著作品でいちばんの衝撃作はこれだと思うのですが、実はなぜか読むことなく、今日まできて、「天皇論」から、ハマってたどりつきました。

    私自身、すっぽりと幼少時からの自虐史観にハマっていて、その洗脳たるや
    恐ろしいものだと思っています。

    戦争は誰もしたくはないし、行きたくはないが、特攻隊の死にはとても崇高な精神を感じて、先の日本軍を軽んじるのもどうなんだろうか?
    本当のところ、日本って戦争で何をしたのか?されたのか?

    これを振り返ることなく、今も未来もない・・・そんな気がしています。

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    2012年10月30日
  • 新ゴーマニズム宣言SPECIAL 「個と公」論

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    何がおもしろいか?というと、自説・持論に反論する評論家や学者への明快な回答の連発である。

    権威主義で生きる学者からの、執拗な妬みを伴った攻撃への応酬はすごい。
    小林さんがものすごく勉強しているのはよく伝わってくる。

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    2012年10月21日
  • AKB48白熱論争

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    その昔、カルトQという一般人には絶対分からないマニア向けの難問ばかりのクイズ番組がありました。わからないけど、なんかもう回答者の無駄知識がすごすぎて面白いという番組。この本の面白さはあの間隔に似ている。マニアの熱さは伝わるよ。しかも社会的にも論陣はったりする人たちだから説得力もすごい。こういう大人は楽しいだろうなぁ。

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    2012年10月11日
  • 新ゴーマニズム宣言SPECIAL 靖國論

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    自虐史観による影響が多大なのは、歴史教科書とこの靖国神社だと思う。

    韓国や中国は、靖国神社に位牌や遺骨があると思い込んでいるのだが、
    あるのは「魂」だけ。
    魂の存在を信じないなら、靖国への戦犯合祀や参拝に文句つけるな、という主張が痛快であった。

    靖国の合祀問題を考えるには、それ以前に、戦争責任や東京裁判について理解を深める必要がある。

    小林さんの「戦争論」「パール真論」「昭和天皇論」をお勧め。

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    2012年10月02日
  • 新ゴーマニズム宣言SPECIAL 台湾論

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    これは台湾の国造りの物語へとアプローチした一冊。
    元は10年以上前に描かれていますが、古びることなく読めました。

    マンガという形態ではあるものの、一つ一つの内容が濃く、
    読む解いていくのに、非常に時間かかりました。

    中でも印象的であったのは、李登輝氏が登場するシーン。
    その著書『「武士道」解題』での人柄そのままに、見えました。

    戦前に日本人として生まれて、戦後に台湾の民主化を成し遂げた人物で、
    国父ともいえる方ですが、ベースにあるのは現地の人が"日本精神"と呼ぶモノ。

    海に囲まれた国はどこか、類似性があるのでしょうか。
    大らかで多様性に富み、戦前の日本の植民地時代の功罪も冷静に分析されています。

    - 歴史的にも地理的にも人の情けの面においても
      日本に一番近い島、台湾!

    著者の小林氏の想いも強すぎて、引きずられたくないとの意味での違和感も残りますが、
    李登輝氏や佐藤優氏の書を読み解くにあたっての、導入書としてもよさそうです。

    しかし、戦前の日本統治下で、台湾の人々が朝鮮人よりも、
    国内の地位的に下であったのは意外でした、、結果論ですが、判断誤ってたなぁ、なんて。

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    2012年09月10日