塩原通緒のレビュー一覧

  • 暴力と不平等の人類史―戦争・革命・崩壊・疫病

    四騎士として戦争、革命、崩壊、疫病を挙げ歴史上それらが不平等の解消にどれくらい寄与したのかが細かいデータに基づいて述べられている。
    結論から言うと暴力を伴わない富の再配分は効果が薄く、累進課税制をはじめとした平和的な制度によるアプローチは論外でフランス革命や共産主義革命ですら効果は限定的だったとい...続きを読む
  • 言語はこうして生まれる―「即興する脳」とジェスチャーゲーム―
    コミュニケーションについて興味、関心があれば読むべき本。認知科学者二人による。事例による例示が多い。
    私自身の興味分野でもあり、かつ、かなりの分量、結論→説明の順でない、などの体裁により読むのには一苦労。1日かかってしまった。
    ヴィトゲンシュタインな哲学論考、言語ゲーム。コミュニケーションの基本とな...続きを読む
  • 言語はこうして生まれる―「即興する脳」とジェスチャーゲーム―
    普遍文法への真っ向勝負。 
    言語は文化的な産物なのだという主張は、近年の言語生得説に対する見方とは違う観点を学ばせてもらいました。

    最後のAIへの知見は、シンギュラリティ到達に戦々恐々としている私としては安心材料の補強になりました。ChatGPTが世間を賑わせていますが、無数のデータの蓄積を統計的...続きを読む
  • 暴力と不平等の人類史―戦争・革命・崩壊・疫病
    歴史的に見て、不平等が解消されるのは(大量動員)戦争、革命、国家崩壊、疫病という非常に大きなイベントが起きたときのみで、それ以外の状況では格差はどんどん拡大していくという内容。
    シンプルな内容だが、学術書としてデータ積み上げて事実を論証していく大著。
  • 物語創世 聖書から〈ハリー・ポッター〉まで、文学の偉大なる力
    成毛眞氏がFacebookで「ボクにとって2019年最高の本になるかもしれない。」と太鼓判を押していた本なので、期待を込めて読んでみました。
    いやー読み応えあります。凄いです。
    3連休の後半は、この本、にどっぷり浸かりました。
    人類史上"文字"が生み出された事で遥か昔の事も後世に伝わることを、紀元前...続きを読む
  • 138億年宇宙の旅
    面白いし非常にわかりやすい。
    今まで量子力学の本をいくつも読んだがその中でも1番わかりやすいと思う。
    また宇宙の果てから小さい量子の世界まで順に説明される。
    分かりにくかった場の量子論もブラックホールの蒸発も何となくわかったような…気がする。
  • 人体六〇〇万年史 上──科学が明かす進化・健康・疾病
    2型糖尿病、骨粗鬆症、がん(特に乳がん)、など現代病と呼ばれる病気が生物学的進化と文化的進化のミスマッチから生じていることを説明している。
    まず、生物学進化によって人間がいかに効率的に糖を接種できる能力を獲得できたを示し、次に農業革命、産業革命を経て、人間がいかに過剰に糖を接種しやすくなったを示すこ...続きを読む
  • 人体六〇〇万年史 下──科学が明かす進化・健康・疾病
    2型糖尿病、骨粗鬆症、がん(特に乳がん)、など現代病と呼ばれる病気が生物学的進化と文化的進化のミスマッチから生じていることを説明している。
    まず、生物学進化によって人間がいかに効率的に糖を接種できる能力を獲得できたを示し、次に農業革命、産業革命を経て、人間がいかに過剰に糖を接種しやすくなったを示すこ...続きを読む
  • ダークマターと恐竜絶滅 新理論で宇宙の謎に迫る
    宇宙の誕生から原子が出来、そして星が出来ることを解説する。この太陽系の特徴を述べ、ダークマターが恐竜絶滅の引き金を引いたかもしれないと仮説を述べる。ダークマターの部分は良く分からないが、それまでの所は興味を引かせる書きっぷりで、著者は天文学者ではないが、宇宙の神秘を感じさせてくれる。
  • ダークマターと恐竜絶滅 新理論で宇宙の謎に迫る
    ダークマターと彗星と恐竜、これらは(本文中で著者も語っているが)、自分の中の5歳児の心を魅了する。もちろん私も大好きなテーマだ。加えて、リサ・ランドール博士の著書は読んでいて楽しい。「ワープする宇宙」を読んだ時も、物理の楽しさを味わった(内容は難しかったけど)。本書は難しい理論も数式も出てこない。で...続きを読む
  • 人体六〇〇万年史 上──科学が明かす進化・健康・疾病
    ・600万年前、Last Common Ancester (LCA)から人類の祖先(サヘラントロプス・チャデンシス、アルディピテクス)とチンパンジーが分かれる。人類の祖先は果実食だったが、気候変動に伴い二足歩行で省エネしつつ、遠くまで食べ物を探しに行くようになった。また、栄養的により粗悪な食べ物であ...続きを読む
  • ダークマターと恐竜絶滅 新理論で宇宙の謎に迫る
    第1部”宇宙ができあがるまで”では、ダークマターの総量が宇宙マイクロ波背景放射に影響を及ぼすこと、ある程度の広さの領域が収縮すると、ダークマターがほぼ球状のハローと呼ばれる領域を形成し、その内部で通常の物質のガスが冷えて中心部に凝集し、星になったこと、第2部”活発な太陽系”では小惑星と彗星にはどちら...続きを読む
  • 人体六〇〇万年史 上──科学が明かす進化・健康・疾病
    本文だけで上下巻合わせて500ページを超える大作だが、著者の言うように、これでもまだ事象の表面をなぞっただけ、もっと深いところまで考察を進めたものを読みたくなる、そんな総論だ。
    非常に壮大なテーマを高く掲げ、網羅的かつ論理的に、それでいて平易な言葉で分かりやすく見解を説いているという点では、ジャレド...続きを読む
  • 人体六〇〇万年史 下──科学が明かす進化・健康・疾病
    本文だけで上下巻合わせて500ページを超える大作だが、著者の言うように、これでもまだ事象の表面をなぞっただけ、もっと深いところまで考察を進めたものを読みたくなる、そんな総論だ。
    非常に壮大なテーマを高く掲げ、網羅的かつ論理的に、それでいて平易な言葉で分かりやすく見解を説いているという点では、ジャレド...続きを読む
  • 人体六〇〇万年史 上──科学が明かす進化・健康・疾病
    少しくどい気がするが、面白い。自分の体をこんな風に考えたことがない。
    脳みそは全く大きくなっていない。
  • 人体六〇〇万年史 上──科学が明かす進化・健康・疾病
    上下巻読んで評価が難しい。上巻は面白かったと思う。類人猿からホモ・サピエンスまでの進化を時系列でまとめつつ、それぞれの特徴がわかりやすく解説している。ホモ・サピエンスとはなんなのか。狩猟時代から農耕時代への移管など、忘れかけているが、ジャレド・ダイアモンド「サピエンス全史」に近いのかもしれないが、サ...続きを読む
  • 言語はこうして生まれる―「即興する脳」とジェスチャーゲーム―
    言語をジェスチャーゲーム、つまりその場その場の約束事の積み重ねとして捉える視点は大層面白く、説得力も十分あった。「正しい言葉」を求めてやまなかった人々の話も身につまされる。
    また3.0のころではあるが、ChatGPTが引き合いに出され、AIが言語の背景をまるで理解していないことが示されるくだりはなる...続きを読む
  • 言語はこうして生まれる―「即興する脳」とジェスチャーゲーム―
    ジェスチャーゲームというシンプルかつ驚きの内容で言語が生まれた理由、子どもが言葉を覚える方法を説明しており直感的に納得できる。言語間や動物との対比も面白く一気に読めた。
  • ダークマターと恐竜絶滅 新理論で宇宙の謎に迫る
    なんとも心惹かれるタイトルではないか。
    恐竜絶滅はチクシュルーブ・クレーターをつくった隕石によるものだ、ということになっているのが、なぜダークマター?
    まあ、風が吹けば桶屋が儲かる、とかバタフライエフェクトのような気もしないでもないが、太陽系外のオールト雲にある小さな天体がダークマターによって影響を...続きを読む
  • 暴力と不平等の人類史―戦争・革命・崩壊・疫病

    世界大戦により不平等が圧縮された歴史があるが、過去何度かにわたる戦争の中ではなかなか富は再分配されなかった

    ペストや疫病でも、不平等は圧縮された
    しかし、今後そのような大きな戦争は起こる可能性が低い(おこってほしくない)
    そのようか中で開いていく格差をどのように埋められるのだろうか…

    #速読