塩原通緒のレビュー一覧
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・世界の不平等の歴史を探究する難題
・世界で最も裕福な1%の世帯が、世界の個人純資産の半分あまりを保有している
・「平等化の四騎士」=戦争、革命、国家破綻、伝染病が不平等を是正する
・本書の目的は、不平等が減少するのはなぜかという疑問に答え、平等化のメカニズムを突き止める。
・古代の遺跡や埋葬からも、ヒエラルキーや階層社会のような不平等社会はみられている。
・経済的な余剰の多寡が政治的不平等を発展させていることがわかる。たいした余剰生産のない集団は86%が政治的不平等の形跡がない。
・最初の「1%」ー少数のエリートを生み出す構造 →国家構造がうまく維持されている限り、エリート支配は安定してい -
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暴力と不平等の歴史。一億総中流と言われた社会がかくも格差が広がった理由を知りたくて読んだ。結構難しく、読書カロリーは高め。ガチで論文のデータを載せているためである。
人類と不平等は農業畜産以前からの長い付き合いだが、時には不平等が是正されることもあった。その平等化のメカニズムは「戦争」「革命」「崩壊」「疫病」であるという。
この本では、なんとジニ係数を農業畜産以前まで持ち込むのがポイントだ。中世フランスイタリアの富裕税、オランダの家賃税、古代アステカの家屋サイズ、バビロニアの持参金の分配などを使うという。
前近代の文明については、漢、ローマ、スペインなどが挙げられる。これらは、経済的な影 -
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・人間の身体の進化の物語であり、人は何に適応しているのかを問う
・その問いに対して明快で単一な答えは見いだせないことが人体の神秘的な結論
・人類の身体は現代の食事や運動不足にうまく対応できるように適応できていない
・これまでの人類の生物学的進化に対して、文化的進化により私たちの身体は現代の環境に適応できず、ミスマッチとなる病気が起きる
・「食べたものが人をつくる」というが、進化の論理では、場合によっては「普通なら食べないものが人をつくる」
・チンパンジーは果実中心の食生活だが、アウストラロピテクスは果実の依存をなくし、土を掘って茎を摂取するなど食生活を多様化にした
・なぜ人類は他の動物よりも脳 -
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一言でいうなら、大著である。それだけに読む者にもそれなりの労力が求められる。
本書は、古代からの人類の悠久の歴史が、持てる者と持たざる者の不平等の歴史であること、両者の格差は拡大と縮小を繰り返してきたことを実証していく。そして、格差が是正され、平等化に近づくのは、常に暴力的事象の後であることを指摘する。すなわち、戦争、革命、国家の崩壊、疫病であり、著者のシャイデルはこれをもって「平等化の四騎士」と命名した。ただし、小規模な破壊やどちらかの一方的な勝利などは、平等化にほとんど影響しないか、限定的な効果しかない。四騎士の剣が振るわれるのは、壊滅的なまでの暴力のみである。
ここ数十年、世界のグロ -
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リサ・ランドール博士の本は初めてだったが読みやすくてユーモラスで好印象。素粒子標準理論などは知ってる前提で書かれてるので、ニュートンや図解シリーズを読んでおくことがオススメされる。
標準理論では多様な素粒子の存在が確立されているが、ダークマターにも多様な種類があるのでは?というアイデアはとても斬新で、そのモデルが観測とうまく一致しているのは衝撃的。銀河の回転運動に太陽系の垂直動作も加味されているとは知らなんだ。 素人的なデタラメだが、引力で引き合う通常物質、斥力を増大させるダークエネルギーがあるなら、ダークマターは一定距離以内で斥力、一定距離を離れると引力って特性を持ってるのかも、と考えてみた -
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過去では、大量に人が死ぬことで平等化されてきたんだよ、という話。
富裕層に余剰の資産があるのが常で、有事にはその余剰が没収され貧困層に再分配される、という極めてシンプルな市場原理を、4つのパターン(戦争、革命、崩壊、疫病)に分けて50個くらいの事例を用いて解説している。経済書と言うより歴史書。
めちゃめちゃ示唆に富んでいる。事例の網羅性がすごいので、過去に平等化が進んだケース、進まないケースの違いが様々な側面から示されている。
この本から何を持ち帰るか、と言う点では難しい。あくまで歴史書であり、現代に近い話はほぼ皆無なので。ここに、技術の介在などの現代の要素を取り入れることで、自分の意見 -
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ネタバレ・注釈なども入れたら800Pほどの大作.事例紹介が多くてかなり読み飛ばせるが.
・不平等の発生は資本が蓄積可能になっていることが前提(狩猟採取から農耕牧畜型の生活にシフト)
・それは経済発展と権力者による搾取的行為により拡大した.
・その解消には「暴力的衝動」が必要不可欠だったと歴史が語っている.歴史を見ると戦争・革命・崩壊・疫病.
・しかし暴力的衝動は相対的な格差を縮めたというだけで当然,人々の死や社会の混乱を引き起こしておりこれを迎合することも難しい.
・人為的な,平和的な施策では不平等の解消の効果は「暴力的衝動」のそれには到底及ばない.
政治家などの不平等解消を説得する演説も大 -
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人間は(すべての生物がそうであるように)子孫をできるだけ多く残す方向に自然選択を受けてはいるものの、座りっぱなしで画面や文字を凝視する時間が長く、加工食品ばかり口にするような先進国の現代的な生活をしながら健康体でいるように自然選択は受けていない。
近視、歯列の悪さ、婦人科系のトラブル…自分が医者にかかったことのある病気・症状の大半が予防可能なミスマッチ病だったことにがっくり。はっきり言って親の責任がかなりあるので、自分は繰り返さないように日々努力したい。
人間が健康でいられるために自己責任でできることを挙げてみると:
・骨に負荷をかけるような運動を頻繁にすること。特に成長期にそうすることは -
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人類と類人猿の最終共通祖先(last common ancestor=LCA)=約600万年前。
サヘロントロプス・チャデンシス(約720~600万年前/チャド)
オロリン・トゥゲネンシス(約600万前/ケニア)
アウストラロピテクス(約400~150万年前)
ホモ・エレクトス(約190~20万年前)
ホモ・ネアンデルターレンシス(約35万~2万年前)
ホモ・サピエンス(現生人類/約20万年前~)
第一の変化:二足歩行(LCA)
第二の変化:主食(果実)以外の食物適応(アウストラロピテクス)
第三の変化:脳の進化と狩猟の開始(ホモ・エレクトス)
第四の変化:更なる脳の進化と体の巨大化(ホモ・ -
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表題の通りの大作。上巻は人体の起こりと進化が詳細に書かれており、環境変化に適応した人体の輝かしい軌跡が描かれる。下巻は打って変わって"ディスエボリューション"と作者が呼ぶ、農耕とその後の産業化に伴う人体と生活環境とのミスマッチ病の原理と予防法(その多くは現代人の怠惰さによって予防できないのだが、、)とがこれでもか、これでもかと繰り返しかかれ、自分の普段の生活を振り返るにかなり憂鬱な気分にさせられる。。
生物の進化のほとんどは環境変化への適用と繁殖の最大化にあり、その特徴は非常に長い年月をかけて少しずつ適応していくことにある。ちょうどその長い期間の間、ホモサピエンスはずっと